芹澤恵のレビュー一覧
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フロストを読むのは実に久しぶり。何を隠そう17年ぶりにこのシリーズの中二作をすっ飛ばして最新翻訳作品に卑しくも手を伸ばしてしまったのだ。そしてこのシリーズの凄みに、まるで今初めて出会ったばかりのように、ぼくは改めて驚愕するのだ。そしてこのシリーズへの評価を新たにする。そしてその手応えの確かさに酔い痴れる。
このシリーズ、いちいち分厚い翻訳小説である。この厚みと丁寧な翻訳の手仕事こそが、フロストシリーズの翻訳を難航させているのだろうなあ。何しろ、この作品だって、イギリスで刊行されて14年目にして日本にその翻訳の成果が披露されるわけだから。今時の14年と言えば決して短くはなかろう。携帯電話だ -
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フロストを読むのは実に久しぶり。何を隠そう17年ぶりにこのシリーズの中二作をすっ飛ばして最新翻訳作品に卑しくも手を伸ばしてしまったのだ。そしてこのシリーズの凄みに、まるで今初めて出会ったばかりのように、ぼくは改めて驚愕するのだ。そしてこのシリーズへの評価を新たにする。そしてその手応えの確かさに酔い痴れる。
このシリーズ、いちいち分厚い翻訳小説である。この厚みと丁寧な翻訳の手仕事こそが、フロストシリーズの翻訳を難航させているのだろうなあ。何しろ、この作品だって、イギリスで刊行されて14年目にして日本にその翻訳の成果が披露されるわけだから。今時の14年と言えば決して短くはなかろう。携帯電話だ -
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フロスト警部シリーズ第5作、下巻。
面白かったです!
人員不足のさなかに次から次へと起きる事件は、硬軟取り混ぜた種類の雑多さがにぎやかで、テンポよく描かれるために事件のひどさはいつまでも残りはしない。
深刻な事態の中で睡眠不足になりつつも、とんでもないジョークを飛ばして皆をあきれさせるフロスト警部。
これぐらいタフじゃないと、警官なんてやってられないかも?
何しろ陣頭指揮をとれるのはフロスト警部ぐらい。
気が合わないマレット署長は、捜査の失敗をフロストを左遷させる機会ととらえるのだが‥そうは問屋がおろさない?
どう転ぶかわからない展開で読ませます。
ふとした機会に見せるフロスト警部の心配り -
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ネタバレはっきり言って扱われてる事件は、半端なくエグイ物語です。冒頭から、少女行方不明事件、強盗事件、果ては売春婦殺人は、連続事件に発展し。次から次へとデントン警察、つまりはフロスト警部の肩にのしかかってきます。このようなミステリーはモジュラー型警察小説と言われているそうですが、このフロストシリーズは、その中でも面白さは群を抜いていて、読んだことのない人にもお勧めしたいです。
事件はひどいが、あえて面白いと言ってしまうのは、
1. 圧倒的なスピード感、物語の面白さ、文章の面白さです。(これには翻訳者の功績大です)
この小説は、間違っているかも知れませんが、昔の東宝映画、社長シリーズや無責任男の警察 -
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大好きすぎて読むのがもったいなく手を付けていませんでしたが、ついに読んでしまった。
あいかわらずのデントン署。事件を掛け持ちしまくっているフロスト警部に、猿眼鏡のマレット署長、万年巡査部長お茶くみビル・ウェルズ、そして芋兄ちゃんモーガン刑事。
人手不足はいつものこと、今回はマレット署長の見得のせいで人員を貸し出すことになってさらに...。水戸黄門並みの安定感ですが全く退屈させません。
読んでいて常々思うこと、それは「フロスト警部の部下として一緒に働きたい!」。あくせく働きながらも、警部のくだらなくて下品なギャグにニタニタ笑っていたい。たまにはビル・ウェルズの愚痴に付き合いましょうか。そしてマ -
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フロストはいい!フロストシリーズは面白い!『フロスト気質』が出てから何年たったのだろうか?やっとの上梓。次、いつ読めるか分からなく、又、作者が亡くなってしまい、実際未翻訳なのは後1冊しかないので、もう一行一句までじっくり、慈しみながら読みたいと思う。
感想は下巻にて...
正直、文庫としては、値段が高く、文字も小さいので、若干遠視気味の自分では読みづらかったですが、
読みだしたら止められない面白さ(それでも上記の通りじっくり読んでいました)
こんなにも面白い警察小説シリーズを書いてくれた作者、翻訳者、出版社に感謝と敬意をこめて★をつけました。 -
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あぁおもしろかった。
今回は前代未聞に冴えない刑事、モーガンにさんざん尻拭いをさせられる哀れなフロスト警部・・・。
でもそんなダメな部下の失態も自分の落ち度として落ち込む彼が素敵です。
1つのストーリーの中で、沢山の事件が並行して起こる形式は
ミステリではあんまりないよなー。
あってもこんなに面白い小説は他に知らない。
何と言ってもフロスト警部の人間味あふれる人柄と、下品なジョークがたまらない。
全体的にコミカルな雰囲気で話が進んでいくのも読んでて飽きません。
作者はもう他界されているので、翻訳されて新刊で出てくるのはあと1作・・・。
残念でなりません。 -
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フロスト警部シリーズの4作目。5年ぶりに新作を読んだが、やはり面白い。文庫本上下巻合わせて、900ページ程度の長い作品。今、上巻を読み終えたところだが、長さはまったく気にならない。
フロスト警部シリーズはいわゆるモジュール型警察小説。複数の独立した小さい事件がひとつの作品に収められている。登場人物も多く、またそれぞれの事件に関連性がないので、時間をかけて読んでいると筋を忘れてしまう。読む側にとっては、事件ごとに連作小説にしてくれた方が簡単とも思うが、それではフロスト警部の仕事中毒ぶりや職場の異常な環境が伝わってこない。
今回も、連続幼児刺傷事件、少年の遺体棄却事件、少女誘拐事件、母子殺人事件と -
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ネタバレこのくそ忙しいのに,2日で読んでしまった.上巻のレビューでも書いたけど,今回もフロスト警部は絶好調(=絶不調).行き当たりばったりで不眠不休の遠回りを続けたのち,執念が実って最後には“神様が降りてきて”無事事件解決,といいたいところだが,今回は無事でもないか.もう一つの事件も首の皮一枚繋がって何とかゴール,といった感じ.まあ,何とか全て落とし前はつけてくれます.
しかし,シリーズ当初は署内の鼻つまみ者的描き方だったが,何だか段々デントン署のみんな(マレットを除く)にとっての愛すべき上司になって来ちゃってるなあ.
次作がいよいよフロスト最終巻,兼,ウィングフィールドの遺作です.翻訳が待ち遠しいよ -
Posted by ブクログ
やっと出た、フロストシリーズ最新訳!
内容?内容は、「マンネリ」の一言です。汚いえび茶色のマフラーをしたフロスト警部に、上昇志向のゴマすり署長、気はいいけど冴えない同僚たち、フロストの足ばかりひっぱる部下。そして、今回もフロストはとにかく眠れない。ようやっと深夜に冷たいベッドにもぐりこんだと思ったら新たな事件でたたき起こされ…。
次々起こる事件が多すぎて、読者どころかフロスト当人ですら「いけねえ、すっかり忘れてた」こともしょっちゅう。
しかーし、フロストシリーズに限っては、どれもこれもが「よっ、待ってました!」って感じです。ビバ、マンネリ。
それにしても、今回も翻訳の素晴らしさに舌を巻くばかり -
Posted by ブクログ
待ちに待った新作。
著者はすでに逝去しているため、これがラスト2。
翻訳されるのが遅いので、
次にいつラストの作品を読めるのか分からないため
1行1句、大切に読んだ。
相変わらずの、下品なジョークが本気か分からず人を煙に巻くフロスト。
今回も未解決事件を抱え込み、マレットの監視下にて
なかなか眠れず、捜査に追われる。
>「いい知らせだぞ。ジャック」
「マレットが家に帰ったのか?」
「いや、そこまでよくないけどな。」
>「さしずめ、天に代わりてコールドウェルの不義を討とうした爺婆版ボニーとクライドってとこだな。世の中に正義ってもんが存在するなら、あの爺さんも婆さんも -
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フロスト読み終わりました。大変おもしろかった~
中で、気に入ったフレーズを一つ紹介しましょう。
3、40前の白骨死体が発見された時の彼の言葉です。
「フロストは袋のなかをのぞき込んだ。『なんとまあ』のひと言と共に袋を押しやった。
そいつに伝えてくれ、三週間以内に持ち主が現れなかった場合は、自分のものにしていいって」
その彼は「例によって例のごとく、あの薄汚れたレインコートに、
あの不潔ったらしいえび色マフラーといういでたちだった。」
連続殺人が発生していても、署内は何故かまったりしたムードにつつまれています。
面白いですよ(^o^)初めて読まれる方は「クリスマスのフロスト」お読みになって