作品一覧

  • クラーク・アンド・ディヴィジョン
    4.0
    1巻1,331円 (税込)
    日系米国人作家による話題の歴史ミステリー!  1944年、シカゴ。父母とともにカリフォルニア州の強制収容所を出てシカゴに着いた日系二世のアキ・イトウは、一足先に収容所を出てシカゴで新生活を始めていた姉ローズが前日にクラーク・アンド・ディヴィジョン駅で列車に轢かれて死んだと知らされる。警察の自殺説に疑問を感じたアキは、真相を求めて自ら調査を始めるが…。  2021年NYTベストミステリー選出、2022年メアリー・ヒギンズ・クラーク賞受賞、同年マキャヴィティ賞最優秀歴史ミステリー小説賞受賞。  戦時中の日系人たちの境遇にスポットを当て知られざる歴史を掘り起こした、日系米国人の著者渾身の歴史ミステリー、待望の新シリーズ第1弾。 (底本 2024年6月発売作品)
  • ヒロシマ・ボーイ
    5.0
    1巻1,034円 (税込)
    日系米国人作家によるエドガー賞候補作!  米国で生まれ広島で育ち、戦後帰米した日系二世、元庭師の老人マス・アライ。マスと同じく原爆体験を持つ帰米二世の親友・ハルオが亡くなり、広島の沖合にある小島に暮らす遺族に遺灰を届けるため、マスは50年ぶりに日本を訪れた。そこで彼は、少年が犠牲になる痛ましい事件に遭遇する。小さな島を訪れた異邦人でしかないマスだが、広島で経験した少年期の傷痕を思い出し、14歳で命を落とした少年のために謎を追う。  日系米国人作家が父親をモデルに、15年間にわたって描き続けた「庭師マス・アライ」シリーズ第7作。このシリーズ最終作では、父親の故郷・広島の現代の情景を鮮やかに活写し、さらに複雑なアイデンティティを持つ主人公の頑固爺の内面を見事に描いて2019年エドガー賞最優秀賞(ペーパーバック・オリジナル部門)最終候補作となった。日本のメディアでも話題となった傑作ミステリが、満を持して登場。 (底本 2021年8月発行作品)

ユーザーレビュー

  • ヒロシマ・ボーイ

    Posted by ブクログ

    2つの意味で面白い作品だった。
    まずは設定がなかなか斬新!主人公は80代後半の偏屈でネガティブ思考な日系人男性。しぶしぶ向かった自分のルーツがある広島で、はからずも事件に巻き込まれる。文字通り老体にむちうちながら、走り回ったり若者に痛めつけられたりコンビニ食ばっかり食べているし、で、基本的に心の中は「用事済ましてとっととアメリカ帰りて〜」。
    それから、翻訳が巧みであった。翻訳っぽさがない。翻訳っぽさを楽しむのが翻訳作品の楽しみである場合もあるれど、広島の田舎の島で起きた物語を語にはそれは不要だと思う。登場人物たちが方言を話し老人ホームの描写なんか本当にリアルなので、翻訳作品であることをすっかり

    0
    2022年05月29日
  • ヒロシマ・ボーイ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    大変よくできた推理小説。おすすめ。
    ユタの山あいの高齢者施設で何十年ぶりの古風な日本語で高校生の交換留学生の私を歓迎してくれたおばあさんを思い出しながら読んだ。日本人であることの多様性に触れた最初の機会はあれだったのかもしれない。

    0
    2022年01月16日
  • クラーク・アンド・ディヴィジョン

    Posted by ブクログ

    舞台の歴史的背景は真珠湾攻撃から2カ月後の1942年2月19日、ルーズヴェルト大統領の大統領令により日本人の血が16分の1以上入っている日系アメリカ人約12万人(うち3分の2は生まれながらの米国民)が強制的に西海岸から収容所に移住させられた戦時下である。国家反逆罪やスパイ活動から守るという名目だったが、ホワイトハウスの「事実調査」部門の主任エージェントのカーティス B. マンソンにより、「反米活動が広まる危険があることを示す証拠は見つからず日系アメリカ人の忠誠心を証明する大量の資料が提出されていた。」にもかかわらず大統領令は発令された。同じ敵国のドイツやイタリア移民には調査も強制収容は適用され

    0
    2025年01月26日
  • クラーク・アンド・ディヴィジョン

    Posted by ブクログ

    1940年代にシカゴに「再移住」した日系ニセイの女性が主人公のミステリー風小説。日米の開戦により始まった沢山の苦難、しかも唯一無二の存在の姉を失う喪失感の中で、姉の死が自殺ではなく他殺なのでは、と、それだけが原動力になり、当時の日系社会の様子を背景に、自ら探偵の様に情報を集めていく。とても生々しく、特に収容所の辺りから読めなくなった。敵国なのに、イタリアやドイツ人は収容されないのに、なぜ日系人だけが、との思いも共感できた。姉に囚われ過ぎて周りさえ危険に晒すのが唯一の残念な点。

    0
    2024年07月12日

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