平原直美の作品一覧
「平原直美」の「クラーク・アンド・ディヴィジョン」「ヒロシマ・ボーイ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「平原直美」の「クラーク・アンド・ディヴィジョン」「ヒロシマ・ボーイ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
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Posted by ブクログ
2つの意味で面白い作品だった。
まずは設定がなかなか斬新!主人公は80代後半の偏屈でネガティブ思考な日系人男性。しぶしぶ向かった自分のルーツがある広島で、はからずも事件に巻き込まれる。文字通り老体にむちうちながら、走り回ったり若者に痛めつけられたりコンビニ食ばっかり食べているし、で、基本的に心の中は「用事済ましてとっととアメリカ帰りて〜」。
それから、翻訳が巧みであった。翻訳っぽさがない。翻訳っぽさを楽しむのが翻訳作品の楽しみである場合もあるれど、広島の田舎の島で起きた物語を語にはそれは不要だと思う。登場人物たちが方言を話し老人ホームの描写なんか本当にリアルなので、翻訳作品であることをすっかり忘れてすらすら読んでいると、日系人の目線からの描写がちょいちょい飛び出してきて翻訳小説だったことを思い出す。新鮮な体験であった。
Posted by ブクログ
1944年、シカゴ。父母とともにカリフォルニア州の強制収容所を出てシカゴに着いた日系二世のアキ・イトウは、一足先に収容所を出てシカゴで新生活を始めていた姉ローズが前日にクラーク・アンド・ディヴィジョン駅で列車に轢かれて死んだと知らされる。警察の自殺説に疑問を感じたアキは、真相を求めて自ら調査を始めるが。
スネークスキン三味線―庭師マス・アライ事件簿では、ややコミカルな印象が強かったが、本編はシリアス。前者の著者表記がカタカナだったので、同一著者とは気づかなかった。太平洋戦争により、アメリカにいながら、ニセイ、イッセイとして差別を受けた移民たちの苦しみがこれでもかとばかり描かれる。
何事にもはっきり物を言い、負けることをよしとしなかった姉が、事もあろうに列車に轢かれる。自分から飛び込んだということで自殺で終わらせようとする警察に対して、納得できない妹が調査を続けるうちに、自身の恋とも出会っていく。先日NHKで放送されていたドキュメンタリーで、移民が兵士として日本人と戦うために、危険な戦地に追いやられる姿を見たばかりだ。移民の国と銘打っていながらも、いざとなれば敵視し、囲い込む、或いは排除するアメリカの嫌な面を見た思いである。
2021年NYTベストミステリー選出、2022年メアリー・ヒギンズ・クラーク賞受賞、同年マキャヴィティ賞最優秀歴史ミステリー小説賞受賞。