芹澤恵のレビュー一覧
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ウィンザー城で若い男の遺体がクロゼットから発見される。晩餐会に呼ばれたロシア人ピアニストで、遺体はあられもない姿だった。事件について城では箝口令が敷かれ、警察とMI5はロシアのスパイによるものと見なし捜査するが、容疑者が50名もいて難航する。でも大丈夫。城には秘密の名探偵がいるのだ。その名もエリザベス2世。御年90歳。世界最高齢の女王が華麗に事件を解決する!英国で10万部突破、18カ国で翻訳。
現役のイギリス女王陛下が主人公で、しかも探偵役のお話、と聞くだけで、気になって読みたくなる。単なるミステリではなく、王室に生まれた女王の苦悩や、女王という立場として培われてきた強さ、王室に仕える使用人たちの陛下に対する忠誠心と、彼らを家族のように慮る陛下の優しさ…などなど、陛下の人間性を描いた部分が胸を打つ。
オバマ元大統領やプーチン大統領など、各国の首脳たちの名前も出てくるのが、この話をリアルに仕立てていて興味深い。
400ページ超えという大ボリュームだけど、飽きることなく読み終わった。大満足! -
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ネタバレ
主役の警部、フロストはダメそうに見えて実はすごいのかと思いきやそうでもなかったし部下であるクライヴにも最後までバカにされて見直されることもないまま終わったのが心残り、、(笑)
訳者の後書きを読むと、次作からはまた別の相棒と…て書いてたけどどうせならクライヴと組んだままで名誉挽回?というかクライヴの見る目が変わるとことか書いてくれてたらスッキリしたけどそんな日はこおへんのやろうな。
最後らへんのクライヴの
❬くそいまいましいフロスト。度しがたい間抜けで、救いようのない役立たず。❭
っていう心の声はあまりにも辛辣で笑った。
トレーシーという女の子が行方不明になったところから始まった物語やけど結局終わってみるとそこに関しては結構しょうもない結論でメインはやっぱり32年前の大金持ち逃げ事件なんやろうけど…
登場人物が多すぎて名前も似すぎててこの人誰やっけ?てしょっちゅうなった(笑)
ジャック、ジョニー、ジョージ、ジェームズとか……?????
話はテンポよく進むし退屈なシーンもなくて面白かった。フロストが朝も夜もなく働き詰めな主人公やからそれに付き合ってるとまるで自分も忙しく動き回ってるように錯覚させられた。
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このミス海外編2018年版1位。フロストシリーズ第6作目であり作者のR.D.ウィングフィールドの遺作。このシリーズ本当に好きで、長い小説嫌いの自分も無尽蔵のギャグの連発にひかれてあんまり長さを感じないやつでした。しかしながら、毎度毎度同じパターンでさすがに飽きてきたのかも。今回のは上司が殉職した直後のフロストのリアクションがひど過ぎるって感じがしたし、毎回出てくる殺人事件も変態度がエスカレーションしてしまったこともあって、泣けるとこや心温まるとこ、鳥肌のシーンよりイヤミス系に振れてしまった気がする。まあ、どういう訳だかあんまり楽しめなかった。
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上下巻あるとは言っても事件の数がすごい。人間の足首を咥えた犬の登場から、複数の少女の行方不明、店の脅迫と次から次と事件が起きる。また署内ではマレット署長とスキナー主任警部はフロストの追い出しにかかっていて、フロストの横領を見つけたのでフロストも転勤承諾書にサインするしかなくなってしまう。寝るヒマがないフロストだが、この本の面白さは場面場面で繰り出されるフロストの悪態、自嘲ぶりだろう。コメディとしてシーンごとに楽しむかんじだ。結構笑える。コメディミステリってジャンル(があるとするなら)ダントツだろう。
家宅捜査令状がいるだろうと言われると『なんだ、その品のない言葉遣いは?口を石鹸で洗ってこさせるぞ。おれのまえでそういう下品なことばは二度と使わないように』というかんじだ。
しかし翻訳ものは部下を「芋兄ちゃん」と呼んだりするのだが、日本語ではそういう言い方はしない。そのあたりの違和感は消えませんね。
それとダラダラと長すぎますね。飽きてしまう。事件も複数のものをからませてるだけで、ユーモアミステリとして一巻でよかったのでは。 -
Posted by ブクログ
20世紀アメリカの作家・イラストレーターにして雑誌『ニューヨーカー』の執筆者でもあったジェイムズ・サーバー(1894-1961)のエッセイ風ユーモア短篇集。
「ウィルマ伯母さんの損得勘定」の頭のよじれるような面白さは傑作。「ダム決壊の日」のなぜかほのぼのとしてしまっているユーモラスなドタバタぶりも愉快。機械音痴でクルマに疎く取扱説明書恐怖症である「なんでも壊す男」(作者自身のこと)のぼやきは、仕組みのよく分らない情報機器にやたらと取り囲まれてしまっている現代、そうした機械類への絶対的な苦手意識に捕われている私と同類の人々に、共感の笑いとともに読まれるに違いない。個人的にはこの3篇が出色。
「そう言えば、ぼくは暖房機の自動温度調節装置というやつをいじるのも好きではない。毎晩ベッドに入るまえに、室温を十三度に落とすたびに、真夜中に爆発が起こって、屋根を突き破って吹っ飛ばされるのではないかと、びくびくしながら眠りに就いている」
「おかげで今ではぼくも、車というものはギアがニュートラル・ポジションのままでは、エンジンがかからないということを知っている。でも、どうしてそうなるのか、その仕組みはいまだにわからない。始動機がついている場合は、ギアがニュートラル・ポジションでもエンジンはかかるそうだが、そんなことはぼくの知ったことか、である」
「このソーダ・サイフォン、見たところ、使う人の十人ちゅう九人までの言うことはちゃんと聞きそうだが、ぼくが使うとなると、おいそれとは言うことを聞いてくれそうになく、さんざんねばられて、結局は引き分けということになるのではないか、という嫌な予感がするからだ」
その他、シェイクスピアの戯曲を探偵小説として読んでしまう「マクベス殺人事件」の、ちぐはぐさを面白がらせるところもいい。なお、「なんでも壊す男」「放送本番中、緊張しないためには」の2篇はここに収められているものが本邦初訳。紹介してくれた訳者に感謝。