芹澤恵のレビュー一覧

  • リリアンと燃える双子の終わらない夏

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    さえない生活をしているリリアンに友達のマディソンから双子の面倒を見て欲しいと頼まれる。底辺のリリアンと富みと権力を持ったマディソンの変わった友情と発火する双子へ芽生えた愛が生き生きと描かれている。雑で少しばかり下品なリリアンの真面目で愛情深い優しさに、彼女を好きにならずにはいられない。

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    2022年08月27日
  • リリアンと燃える双子の終わらない夏

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    このノベルは盛り上がるところとそうでないところが適度に仕組まれ、抑揚が利いた作品の印象がする。
    著者が持つ人生訓や道理がリリアンやマディソンの口をとおして語られ、納得や同意、説得させられるところが散りばめられている。
    独創的で個性的なこの作品を訳者も我々読者に素直に伝えている良作と思う。

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    2022年07月24日
  • リリアンと燃える双子の終わらない夏

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    なんとも説明的なタイトルで辟易するが、原題は“NOTHING TO SEE HERE”とそっけない。ただでさえハンディのある翻訳物なので、ぱっと見てわかるタイトルとカバーは致し方ないのかもしれない。
    ぼくが本書を手に取って最初に思ったのは、キングの『ファイアスターター』ばりの活劇小説だったが、実際はまさかの家族小説だった。
    テネシー州の上院議員の妻となった高校時代の親友からの頼みで、亡くなった先妻の遺児(双子)の世話をすることになったリリアン。だが、この双子は興奮すると発火するという特異体質だった……。
    訳者あとがきにもあるが、リリアンと双子だけでなく登場人物すべてが一癖も二癖もあり、単純に善

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    2022年07月23日
  • フロスト始末 上

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    毎度ごまかしていた車両維持費の請求書の改竄がとうとうバレてしまい左遷の危険に陥るフロスト警部。まいどのことながら少年少女が誘拐されている。
    今回の相棒は前巻に引き続きお芋くん。最終巻とあってちょっとしんみりしている。

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    2022年07月23日
  • リリアンと燃える双子の終わらない夏

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    この本が言いたい事をまとめれば、
    多くの大人は子供たちと出来る限り関わらないようにしたり、自分の都合を押し付けてばかりいる。
    しかし、子供たちの人格を尊重して付き合えば、子供たちも懐き信じてくれる。
    くらいでしょう。それをストレートに物語にしたら、なんだか重苦しいばかりの話になりそうなところを、主人公の双子を発火する子供(文字通り燃え上がります。服も焼けるし火事にもなりますが、本人はダメージを受けません)にしたので、なんだか楽しい話になりました。そして登場人物を片っ端から「一見xxだけど実は・・・」とした事も成功の一つでしょうね。端役なのですがメイドのメアリーのキャラなど、なかなかです。
    どこ

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    2022年07月13日
  • リリアンと燃える双子の終わらない夏

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    良かった! 泣けるし、笑えるし、びっくりする。ストーリーに引き込まれ子どもが発火しないかヒヤヒヤするし、金持ちの政治家には腹が立つし読書の時間が待ち遠しかった。

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    2022年07月11日
  • エリザベス女王の事件簿 ウィンザー城の殺人

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    ネタバレ

    ウィンザー城でロシア人ピアニストが殺害される。犯人は?動機は?捜査が進まない中、なんとエリザベス2世が事件解決に(こっそり)乗り出す!

    女王故に当然自由に出歩けるわけもなくアシスタントとして新米の秘書官補が情報取集に当たります。

    犯人捜しだけではなく、リオ五輪の少し前、現実の出来事や国際関係も話に織り交ぜてあり、そういったところもなかなか面白いです。私はむしろこちらを楽しみました(笑

    アラン・ベネットの『やんごとなき読者』は読みましたが本作はエンタメに全振り。他にもエリザベス女王が主人公の作品があるそうで、イギリスって今も活躍されている実在人物をモチーフとした創作に寛容なんですね。

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    2022年07月10日
  • フロスト日和

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    シリーズ2作目となる本作は、ケンカが原因で左遷されてきたウェブスター巡査との絡みを軸に展開されるが、ラストでは不覚にも泣ける演出が憎い。いつも要領が悪くてドジなフロスト警部のことを内心小ばかにして「フロスト警部」と呼んだことがなかったウェブスター巡査が初めてフロスト警部の信望の厚さ(上司以外から)を知ることになるその出来事とは・・安定の面白さは「このミス1997年度1位」に選ばれていることでも証明済み。

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    2022年06月25日
  • 冬のフロスト 下

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    作中のニ大事件の顛末が消化不良。リズ・モード警部がどうなったのかも語られず。
    途中で出てきた老婆と知的障害のある息子の事件が一番衝撃的。
    今まで読んだシリーズの中でちょっと劣るかな…。十分面白いけどその後が足りない。
    オチはかなり良い。
    次がラスト「フロスト始末」

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    2022年06月19日
  • リリアンと燃える双子の終わらない夏

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    レジ打ちの仕事を掛け持ちし、自宅の屋根裏部屋でその日暮らしの生活をしているリリアン(28歳)。そんな彼女のもとに、上院議員の妻である旧友から、夫の前妻の子供(双子10歳)の教育係の仕事を頼まれる。ただこの子たちは、興奮すると〈発火〉する体質であった。
    登場人物がクセだらけの人たちで、リリアンのどこかダルそうな語りでありながらリズミカルに進む。彼女と双子の育ってきた境遇が重なる部分があり双子に自分の姿を投影し、そんなところも彼女らにとっては良かったのかも。最後は「してやった」と爽快な読後感。 

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    2022年06月18日
  • 傍迷惑(はためいわく)な人々~サーバー短編集~

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    ネタバレ

    家族の絆:傍迷惑なのは疑いようもないが、退屈はしなさそうな家族。しかし夜は静かに寝て欲しい。傍迷惑な人々:家庭だけでなく職場にも面倒な人々が。ツグミの巣ごもりは、勤勉実直な社員の密かなる復讐劇で、バローズ夫人には悪いがスッとする。妄想暴走族:マクベスをミステリー脳で妄想すると、考えすぎて突飛なことになる。そういうぼくが実はいちばん……:なんでも壊す男は、もはや機械に嫌われる宿命を背負っている。

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    2022年04月25日
  • クリスマスのフロスト

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    イギリス北部の架空の田舎町を舞台にフロスト警部が次々起きる事件に奔走する警察小説。ハードボイルド小説特有のカッコよさは一切排除。個性豊かな警官の面々が楽しく、口は下品で傍若無人、いつもよれよれのスーツのフロスト警部は人間味溢れた愛すべきキャラクター。イギリスらしく紅茶を飲む場面がしばしば出てくるので、熱々の濃い紅茶を飲みながら読みたくなる一冊。

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    2022年01月09日
  • 1ドルの価値/賢者の贈り物 他21編

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    ネタバレ

    短篇23編。O・ヘンリーはやっぱりいい。「最後の一葉」「賢者の贈り物」ばかりが有名だけど他の作品も知られてほしい。

    「献立表の春」…可愛くて甘酸っぱいラブロマンス
    。可愛いの一言に尽きる。いつ読んでもほんわかする。

    「甦った改心」…個人的NO.1。金庫破りの恋。

    「十月と六月」…印象的な文章が多かった。

    「警官と賛美歌」…刑務所のほうがマシというのは今も昔もあまり変わらない。

    「ミス・マーサのパン」…女性のささやかな思い込みがもたらす悲しい結末。タイトルとしては「魔女のパン」のほうが好き。

    全タイトル
    多忙な株式仲買人のロマンス
    献立表の春
    犠牲打
    赤い族長(レッド・チーフ)の身代

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    2021年09月23日
  • 1ドルの価値/賢者の贈り物 他21編

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    ネタバレ

    一つの話が短いのにどれも意外な結末が待っていて凄い。十月と六月、私も騙されたけど、これ男の方が年上っていう価値観、思い込みが無いと騙されないよなと。(勿論大尉という位もあるが)騙されるタイプの話、読者が持っている常識に左右されるなと思った。

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    2021年09月22日
  • フロスト始末 下

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    主人公の毒舌が非常に面白く上司に対しても遠慮のない物言いが好感。作家さんはもうお亡くなりになったらしいが今から前のシリーズも読みたいと思った。また事件自体も結構凄惨で私好み。

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    2021年04月03日
  • 夜のフロスト

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    流感が大流行。警察でも欠勤者続出でフロストに仕事は集まる。しかし不思議にもフロスト警部は流感に罹らない。連続老女切り裂き事件で記録的な死者数を記録する。今回もフロスト警部は眠る暇もなく倒れそうだが不運にも倒れない。安定の面白さ、孤軍奮闘の第三弾。

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    2021年03月09日
  • 世界を変えた100人の女の子の物語

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    良かったけれど、アジア系の顔が吊り目かつ細めでこの表現でいいのかな〜とは思ってしまった。
    子供にはいいかも。

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    2020年12月04日
  • フロスト日和

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    フロスト警部シリーズ第二弾。

    鋭いのか鋭くないのか分からなくなるのに、最終的には優秀な警部だと思わざるを得なくなるところが魅力的だなあと。

    連続婦女暴行魔から始まり、公衆トイレで発見される浮浪者の死体、頻発する少額窃盗にひき逃げに少女の失踪事件…。

    こんなに同時に事件が起きるミステリーを初めて読んだかも?(笑)読んでるこっちまで不眠不休な錯覚に陥るほど目まぐるしくて、そこが抜群に面白かった。

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    2020年10月29日
  • 冬のフロスト 下

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    微妙に全部のフラグを回収しきれていないのでは?と思う気もするけど、まぁ細かいことを気にするのはやめにしよう。

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    2020年07月07日
  • フロスト日和

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     700ページを超える長編のおおよそ半分くらいまで読んだところで、物語の中ではまだ1日しか経過していないことに驚いてしまう。ここまで一体何件の事件が発生したというんだ。そして、そのすべてにフロスト警部はかかわっている。右にフラフラ、左にふらふら・・・・絶妙なステップで、最後の700ページを迎えるあたりではすべてが解決してしまっている。

     眼前にある事実を洞察し、緩急、硬軟、清濁併せ、是は是、非は非と、筋を通していく。ああ、僕もこんな感じで仕事を進められればな~。あやかりたい、あやかりたい・・・。

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    2020年07月03日