芹澤恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
なんとも説明的なタイトルで辟易するが、原題は“NOTHING TO SEE HERE”とそっけない。ただでさえハンディのある翻訳物なので、ぱっと見てわかるタイトルとカバーは致し方ないのかもしれない。
ぼくが本書を手に取って最初に思ったのは、キングの『ファイアスターター』ばりの活劇小説だったが、実際はまさかの家族小説だった。
テネシー州の上院議員の妻となった高校時代の親友からの頼みで、亡くなった先妻の遺児(双子)の世話をすることになったリリアン。だが、この双子は興奮すると発火するという特異体質だった……。
訳者あとがきにもあるが、リリアンと双子だけでなく登場人物すべてが一癖も二癖もあり、単純に善 -
Posted by ブクログ
この本が言いたい事をまとめれば、
多くの大人は子供たちと出来る限り関わらないようにしたり、自分の都合を押し付けてばかりいる。
しかし、子供たちの人格を尊重して付き合えば、子供たちも懐き信じてくれる。
くらいでしょう。それをストレートに物語にしたら、なんだか重苦しいばかりの話になりそうなところを、主人公の双子を発火する子供(文字通り燃え上がります。服も焼けるし火事にもなりますが、本人はダメージを受けません)にしたので、なんだか楽しい話になりました。そして登場人物を片っ端から「一見xxだけど実は・・・」とした事も成功の一つでしょうね。端役なのですがメイドのメアリーのキャラなど、なかなかです。
どこ -
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Posted by ブクログ
ネタバレウィンザー城でロシア人ピアニストが殺害される。犯人は?動機は?捜査が進まない中、なんとエリザベス2世が事件解決に(こっそり)乗り出す!
女王故に当然自由に出歩けるわけもなくアシスタントとして新米の秘書官補が情報取集に当たります。
犯人捜しだけではなく、リオ五輪の少し前、現実の出来事や国際関係も話に織り交ぜてあり、そういったところもなかなか面白いです。私はむしろこちらを楽しみました(笑
アラン・ベネットの『やんごとなき読者』は読みましたが本作はエンタメに全振り。他にもエリザベス女王が主人公の作品があるそうで、イギリスって今も活躍されている実在人物をモチーフとした創作に寛容なんですね。
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Posted by ブクログ
ネタバレ短篇23編。O・ヘンリーはやっぱりいい。「最後の一葉」「賢者の贈り物」ばかりが有名だけど他の作品も知られてほしい。
「献立表の春」…可愛くて甘酸っぱいラブロマンス
。可愛いの一言に尽きる。いつ読んでもほんわかする。
「甦った改心」…個人的NO.1。金庫破りの恋。
「十月と六月」…印象的な文章が多かった。
「警官と賛美歌」…刑務所のほうがマシというのは今も昔もあまり変わらない。
「ミス・マーサのパン」…女性のささやかな思い込みがもたらす悲しい結末。タイトルとしては「魔女のパン」のほうが好き。
全タイトル
多忙な株式仲買人のロマンス
献立表の春
犠牲打
赤い族長(レッド・チーフ)の身代 -