O・ヘンリー「1ドルの価値/賢者の贈り物、他21編」
さすが短編の名手だけあって100年以上前に書かれたものでも古びてない。上手いなぁ〜って思う。でも、イマイチな話も多かったかも。p216の「二十年後」からの四つ。「最後の一葉」「警官と賛美歌」「賢者の贈り物」は読んで損無し。「最後の一葉」はこれがオリジナルなのか!って発見出来るし、「警官と賛美歌」は思わずニヤリw 「賢者の贈り物」小さい頃に誰でも読んだ事あるよね。
「多忙な株式仲買人のロマンス」
「献立表の春」
p22
・暦が白々しくも「春が来た」と嘘をつく時期になった。
・春とはなんと驚くべき魔法使いである事か。石と鉄で出来た、この冷たい大都会にも、季節の便りを届けてしまうのだから。
「犠牲打」
p40
・あれがその昔、俺が夜も眠れないほど想い詰めた娘なんだからね。
「赤い族長の身代金」
p50
・こういう田舎に片足を突っ込んだような街では〜。
・ウェルター級の熊並みに暴れやがった。
「千ドル」
・おしゃれな話。
「伯爵と婚礼の客」
「しみったれな恋人」
p109
・それがショップガールの笑みというやつだ。心によほど固い鎧を着込んでいるか、キャラメルでもなめているか、あるいは気まぐれな愛のキューピッドの悪戯を軽く受け流すぐらいの気持ちの余裕があるか、いずれかの防衛手段を講じておられないようなら、この手の笑みは避けた方が無難だとここに強くご忠告もうしあげておきたい。
「1ドルの価値」
「臆病な幽霊」
「蘇った改心」
p173
・胸を焦がした想いも成就した。
「十月と六月」
「幻のブレンド」
「楽園の短期滞在客」
「サボテン」
p227
・おいおい、トライズデイル、一体どうしたんだ? 全世界の不幸をひとりで背負い込んじまったみたいな顔をして。それじゃ、君が結婚したのかと思うぞ。
「意中の人」
「靴」
「心と手」
「水車のある教会」
「ミス・マーサのパン」
「二十年後」
「最後の一葉」
p325
・あの窓の向こうの木の葉が落ちたら私は死ぬの、っていうドラマのオリジナルなのね。
「警官と賛美歌」
p340
・「枯れ葉が一枚ソーピーの膝の上に落ちて来た。それは冬将軍からの名刺だった」
枯れ葉が落ちて来た事を「冬将軍」からの名刺と表現していた。冬将軍が毎年名刺を配るから冬支度が出来るってもんだって。
・「裏切り者のズボンとおしゃべりな靴」←貧乏だとすぐわかってしまうという意味。
・ソーピーは自分が落ち込んでいた深い穴を振り返った。今の自分を造り上げている自堕落な日々を、下劣な欲望を、枯れ果てた希望を、無駄にしてしまった能力を、さもしい目的振り返り、空恐ろしくなって慌てて目を背けた。
「賢者の贈り物」
p356
・神様お願いです。私の事を「やっぱりきれいだって」あの人に思わせて!
解説
p376
・ペンネームの由来は、生涯に一度だけ受けたインタビューで、新聞の社交欄にあった平凡なヘンリー名を選び、とびきり簡単で呼びやすいOをファーストネームしたと語っている。