【感想・ネタバレ】地球の中心までトンネルを掘るのレビュー

あらすじ

代理祖父母派遣会社のエースとして、核家族の子どもの「ばあば」を演じて報酬を得ている女性(「替え玉」)。自分の中の発火遺伝子に怯えながら、製菓店の娘に恋する青年(「発火点」)。折りヅルを用いた遺産相続ゲームに挑む一族の男たちと、その審判を務める孫のぼく(「ツルの舞う家」)。大学を卒業し、何者にもなれず生きてきたある朝、ふと裏庭にトンネルを掘り始めた三人の若者(表題作)。――とびきりヘンで、優しく、がむしゃらな人々を描いた11の物語。シャーリイ・ジャクスン賞と全米図書館協会アレックス賞を受賞した珠玉の短編集。/【目次】替え玉/発火点/今は亡き姉ハンドブック:繊細な少年のための手引き/ツルの舞う家/モータルコンバット/地球の中心までトンネルを掘る/弾丸マクシミリアン/女子合唱部の指揮者を愛人にした男の物語(もしくは歯の生えた赤ん坊の)/ゴー・ファイト・ウィン/あれやこれや博物館/ワースト・ケース・シナリオ株式会社/謝辞/特別エッセイ=津村記久子/解説=倉本さおり/収録作原題・初出情報

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Posted by ブクログ

ネタバレ

なんとも奇妙な短編集を味わった!
主人公が「代理祖母」だったり「スクラブルのQのパーツ集め」だったり「おもちゃの音入れ屋」だったり謎で奇妙でファンタジーな職業についていたりするのに、細部がリアルに書かれているので本当にそんな職業ありそうって思ってしまう。
主人公はみんなどこか陰の雰囲気を纏った人々で、言ってしまえば変わり者。でもみんな愛を抱えながら複雑に生きてる人々なので、奇妙なのに温かい。
「今は亡き姉ハンドブック」は淡々と「姉あるある」を単語ごと解説していっているのにえらく切ない。シスコンには全然萌えないけど、なんでだろう、この短編が一番頭から離れない。
走り去っていく姉の背中という存在しない記憶が生まれかけるほどです。

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2023年10月09日

Posted by ブクログ

11作の短編集。最後の話では、ハゲに悩む若者が主人公だったが、アメリカ人でもハゲに悩むのかと新鮮な驚き。ハゲは世界共通のお悩みか。
チアリーダーに仕方なく入っている少女の話も面白い。全然話した事がない同級生と、あるきっかけで急に距離が縮まる感じ(本命ではない)や、スポーツでの治安の悪さが、読んでいて面白かった。

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2024年03月25日

Posted by ブクログ

十一編収録されている短編集。タイトルに惹かれて読んでみたけれど、表題作はもちろん、他の作品もとても魅力的で楽しかった。孤独や不安を抱えてる主人公が多く、他者との違いに悩んでいたりもするのだけれどそれを徐々に認め受け入れていく過程がいい。代理祖父母を派遣する会社で働く女性を描く「替え玉」、クイズ大会のチームメイトでモテない男子二人の魔が差した瞬間からの関係性を描く「モータルコンバット」、転校先の高校でチアリーディングを始めたペニーが12歳の男の子と交流を描く「ゴー・ファイト・ウィン」。この三編がとくに印象的で読み終わった後もたくさんの場面が残り続けている。

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2023年10月09日

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