夏川草介のレビュー一覧

  • エピクロスの処方箋

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    続編…前回と同様に看取る人と逝く人に
    教えられました。
    賞味期限が3日しかないお菓子を
    亡くなる2日前に、甘い物が好きな先生へのお礼にと準備する心遣い。
    人は死と向き合った上で、それでも絶望とは距離をとり、なお他者の心を致し、思いを馳せる。
    母も最後まで、笑っていたな…

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    2025年12月20日
  • 城砦〈下〉

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    途中、アンドルーが医者としても夫としても道を外しそうになってから、なかなか読み進められなかった…いや、もう、この夫婦に、アンドルーに神様は苦行を与えすぎだろ…

    あとがきは、夏川草介先生の素顔が少し見えたような気がしてファンとしては嬉しい。

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    2025年12月19日
  • エピクロスの処方箋

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    読みながら静かで透き通った感覚の時間の流れを感じる本でした。
    生きる事、死に向き合う事を押し付けることなく考えさせられるます。

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    2025年12月17日
  • 神様のカルテ

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    ずっと読んでみたかった小説。医療現場で勤務したことがありますが、著者が医師ということでとてもリアルな描写で入り込めました。主人公視点の文章で、古風な堅い語り口調であるところが、重いテーマを重すぎない印象にさせていて良かった。タイトルの“神様”が何を表していたのか、自分の中ではまだ答えが曖昧なので、続くシリーズも読んでみたくなりました。

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    2025年12月17日
  • スピノザの診察室

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    医療物だけど読みやすく、さらさら読めた。リアルの医療界もこんな感じだといいなと思ってしまう。
    真摯に向き合ってここまで患者に対して責任を感じて手術に望んでくれてるのなら心から任せられるし、失敗が怖くなくなるな。

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    2025年12月15日
  • スピノザの診察室

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    皆さんの評価が高い夏川草介さん、お初です。
    ある紹介文では夏川さんを「読者が共感しやすい医療ドラマや感動的な物語で人気を博し」と評していますが、さすがに良い話でした。
    主人公の「マチ先生」は大学病院で将来を嘱望されながら、妹の死によって一人残された甥の為に地域病院の内科医に転進した医者です。そんな主人公が地域病院の同僚や、大学病院から研修に来た女性ドクターとともに終末医療と向き合って行く姿が描かれます。
    病気を治すことは「目的」では無く、患者を幸せにするための手段に過ぎない。一方で「手段」である治療法の開発は進めて行く必要がある。そういう考えが繰り返し語られます。ややありきたりな展開という気も

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    2025年12月15日
  • 命の砦

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    コロナ禍の医療従事者達を描いた作品でした。未知のウィルスとの戦いが赤裸々に綴られていて、一気に引き込まれた。パンデミックや緊急事態宣言などと言う聞き慣れない言葉に当時はビクビクしながら生活してた事も今や懐かしささえ感じるが、当時は自身もインフラ関係の仕事をしている為、皆が休みなのに何時もは満員電車で身動き取れないのにガラガラの電車に座って通勤した記憶を思い起こしてしまった。マスクや消毒液が無くても助けを求める患者のために頑張ってくれた全ての従事者の方に感謝の気持ちでいっぱいになりました。

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    2025年12月14日
  • 始まりの木

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    本書を読んでまず感じたのは古屋の毒舌が最高に面白い。それをさらりと毒舌で受け流す主人公の藤崎との遣り取りはコントのようで思わず笑いが込み上げてくる。
    この遣り取りは普通だったらムッとするか今のご時世ならハラスメントレベルなんだけど正論で皮肉さを感じさせないところが面白い。

    物語は二人が各地の古い伝承や口承をフィールドワークで調べる民俗学のお話。民俗学って何?柳田国男の遠野物語のような話がテーマなんだけど正直、学問的なところは「ふむふむ何だか良く分からん!」ってなることが多かった。

    だけどそんなかでも興味深かったのが、5話の『灯火』。
    樹齢600年の垂れ桜が道路拡張で伐採される話。
    私は良く

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    2025年12月14日
  • エピクロスの処方箋

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    ネタバレ

    スピノザの診察室の続編。

    前作から、この小説の雰囲気がとても好きなんだよね。

    大学病院に勤めていた雄町哲郎は、妹が亡くなりその忘れ形見の龍之介を引き取ることに決めた。大学病院をやめて、町の地域病院である、原田病院に転職。
    ・・・ってのは、前作にありまして。

    その龍之介はもう中学1年生。
    元いた大学病院では、辞職願を出したとき、ものすごく引き留めた飛良泉教授としては哲郎を目の敵にしている部分がある。
    同僚の花垣などはもう龍之介が中学生だし、戻ってきてほしいと画策する。

    だが、哲郎は原田病院で一人一人としっかり向き合うこの状態に満足している。
    ギリギリまで病院に来なくて、半ば手遅れだったり

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    2025年12月13日
  • 本を守ろうとする猫の話

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    要所を含む古典文学好きな人はマストで、雑食的にだけど習慣的に本を読む人はいつか読んでほしい一冊。

    ひとはなぜ本を読むのか、どんなにテクノロジーが発展してもなぜ紙の本は売れ続けるのか、みたいな哲学がちりばめられている。本、好きだけど最近読んでないなー、みたいな人にもいいかも。

    本が好きという気持ちを健全に思い出させてくれるから。

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    2025年12月13日
  • 本を守ろうとする猫の話

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    ネタバレ

    この本を読んで感じたことは、本が人の生き方にどれほど影響を与えているかということだ。
    主人公・林太郎は祖父を亡くしてから沈んで無気力になっていたが、突如現れたトラ猫と本を解放する旅に出る。ここまで聞くと、ファンタジーなのだが、本という存在が現代においてどういう風に扱われているかと言う社会派のような雰囲気が核になっていた。
    本と周りの人の助けで、本を解放する旅を続けながら林太郎が成長していくさまは読んでいて、当てはまる節があると少し感じた。

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    2025年12月13日
  • エピクロスの処方箋

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    雄町先生、待っていました。
    エピクロスという言葉が見事に合っている小説でした。

    「快楽主義」のエピクロス。
    「快楽主義」というと誤解をされやすいけれど、質素に生き、恐れと不安を減らして平穏を保つというのが本来の思想。

    様々な人生の終末期。
    患っている本人を置いていかない医療が大切だと改めて気づかされる。

    病と快楽は両立することがあるのかもしれない。
    けれど、幼い子供を兄の雄町先生に託して亡くなってしまった奈々さんのことを考えると「快楽主義」は難しい思想だなとも思う。

    龍之介くんの健やかな成長と雄町先生の今後も知りたいので、続編を楽しみにしている。

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    2025年12月12日
  • 神様のカルテ

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    ネタバレ

    栗原一止(いちと)は信州にある「24時間、365日対応」の病院で働く、29歳の内科医である。ここでは常に医師が不足している。専門ではない分野の診療をするのも日常茶飯事なら、睡眠を3日取れないことも日常茶飯事だ。妻・ハルに献身的に支えられ、経験豊富な看護師と、変わり者だが優秀な外科医の友人と助け合いながら、日々の診療をなんとかこなしている。
    そんな栗原に、母校の医局から誘いの声がかかる。大学に戻れば、休みも増え愛する妻と過ごす時間が増える。最先端の医療を学ぶこともできる。だが、大学病院や大病院に「手遅れ」と見放された患者たちと、精一杯向き合う医者がいてもいいのではないか。悩む一止の背中を押してく

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    2025年12月12日
  • エピクロスの処方箋

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    スピノザの診察室がとても良かったので待望の続編
    今回も間違いありませんでした
    マチ先生の考え方、いつも考えさせられる。医療従事者としてどうあるべきかいつも見つめ直すきっかけをもらっています。

    マチ先生が見えてきた『第三の道』。

    本当に大切なのは目の前にいる人が今を笑顔で過ごせるということ。

    マチ先生の患者に寄り添う姿勢、私もこんなセラピストでありたいと思いました。

    読んでいく中で京都の情景が目の前に浮かぶような表現も素晴らしいと感じました。

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    2025年12月12日
  • 神様のカルテ

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    描写や感情が丁寧に表現されていて、映像を見ないと伝わらないような景色が、この文章を読むだけで想像できたのですごく驚きました。
    主人公・一止の医療に真摯に向き合いながらも葛藤をしている感じや、一止の優しくさんの通った良い人という特徴が伝わってきて、読んでいて心が温まるような感覚になりました。

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    2025年12月06日
  • スピノザの診察室

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    「2025年読みたい本3冊」として、年始にこの本を選んでおいて、読めないまま12月になってしまった。危うく丸々1年過ごしそうだったなんて…時が過ぎるのが早くて困る_(┐「ε:)_
    「神様のカルテ」も「本を守ろうとする猫の話」も、だいぶ前に読んだ記憶があり、そこから久々の夏川草介先生の作品でした。

    『「世の中には死ぬまでに絶対食べておくべきうまいものが三つあるんだ。知ってるかい…矢来餅と阿闍梨餅と長五郎餅だ」「全部餅じゃないですか」甥の抗議の声に、哲郎の方はむしろ満足げだ。「辛い時や頑張っている時には甘いものを食べるに限るんだよ」-第二話 五山-』

    最先端の医療・並々ならぬ技術で難症例を鮮や

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    2025年12月07日
  • エピクロスの処方箋

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    「スピノザの診察室」の続編を読んだ。
    雄町哲郎(マチ先生)の往診患者のなかには意思疎通ができなくなっている人もいる。そんな人にもマチ先生は声をかけながら診察をしている。
    また終末期の患者と楽しく会話する場面にも感動した。
    人を救うのは医療ではない、人なんだ…
    本当に大切なのは、目の前にいる人が笑顔で過ごせること…
    こんな先生に最後まで診察してもらえる人は幸せだ。
    患者やその家族たちとの会話、同僚の医師や家族との会話の一つ一つが心に残るものがあった。
    続編にも期待したい。



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    2025年12月05日
  • エピクロスの処方箋

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    マチ先生続編
    医師でありながら医療では人を救えないと言い切るマチ先生。その上で医療に何ができるのか。何をすべきなのか。その問いに正解はないが、真摯に向き合うマチ先生の根幹には哲学がある。今回のマチ先生にはこれまでよりも迷いがないように感じる。
    トップレベルの技術を維持することと、地域医療に向き合うことが、実際に両立できることなのかどうかは知らない。可能ならそんなやり方もあっていいのかなとは思う。
    京都の町の雰囲気(住んだことはないのでイメージでしかないが)が、マチ先生の佇まいにぴったりでとても良い。京料理も京の御菓子も前作以上に魅力的。
    いずれ龍之介が医師となるまで見届けたい。

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    2025年12月02日
  • エピクロスの処方箋

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    読み終わるのが勿体無くてゆっくりと読んでた

    今回もまたマチ先生の紡ぎだす言葉にぐっとくるし、甥っ子は日々成長 大人びている

    すぐに再読したい
    今度は付箋を付けながら

    秋から冬へと向かう京都の風情
    美味しそうな甘いもの

    人は皆必ず死ぬ

    此岸と彼岸の間が緩やかに繋がっているのか

    解釈の仕方で穏やかな人生の最後を迎える事ができるのか
    送る側、旅立つ側も辛いが受け止めなくてはいけない

    此岸と彼岸の間で過ごす時間が穏やかでありたい

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    2025年12月02日
  • 神様のカルテ

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    何かオチがある訳ではないけど、心がふわふわするような優しい雰囲気の話だった。
    かといって完全に暖かいだけの話ではなく、医療現場の厳しさや人の死にも関わってくるので、しっかりと考えさせられる話でもある。

    学士殿と男爵とのやり取りは何処となく森見登美彦っぽさがあって自然に受け入れられたが、それ以外における主人公の話し方は過度なキャラ付けに感じてしまった。

    ハルさん可愛い。

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    2025年12月01日