夏川草介のレビュー一覧
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ネタバレ医師の話ではない。人間の話をしているのだ。
栗原一止は夏目漱石を敬愛し、信州の「24時間、365日対応」の本庄病院で働く内科医である。写真家である妻・ハルの献身的な支えもあり、多忙な日々を乗り切っている。新年度、内科病棟に一止の旧友・進藤辰也が東京の病院から新任の医師としてやってくる。かつて進藤は“医学部の良心”と呼ばれていた。しかし、彼の医師としての行動は周囲を困惑させるものだった。そして、さらに大きな試練が一止たちを待ち受けていた――。(紹介文より)
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大号泣。
進藤辰也の奥さんの働き方も、
小狐先生の病気も、
涙があふれてとまらない。
寝ずに働いて当たり前、ず -
Posted by ブクログ
コロナ全盛の時の話。小説でけどほぼノンフィクションだと思える。
喉元過ぎれば………。
コロナで不安ななかで生活してきたこと忘れ始めている自分。こんな時期だからこそ読めてよかった。
知らなかったことはばかり。
ニュースで感染者数が毎日報道されて生活制限され不平不満をもらしていたかげでこんなにも医療現場は過酷な状態。小説よりきっともっと酷かったんだろうと思う。
そして当時他人事とし傍観者だった自分や実際にコロナになった時のことやワクチンを私は打たなかった人だけど職場で白い目でみらたり、それが苦痛で打ったフリをしたこと思い出しました。
あらためて本を読むことで知らなかった、見てこなかったことを知 -
Posted by ブクログ
医学の進歩はすごいし、それを突き詰めていく医師がいるからこそ、治らない病気が治るようになる。
それはすごいことだし、誰かがやってくれないといけないことだと思うけど、病気になるのは個人で、すごく個人的なことで、それぞれの事情や、想いがあって、それに寄り添うのは、自分が飲み込まれずに寄り添うというのはとても難しい。
本人も家族も医療者も、みんな苦しくて、辛いこともある。けど、その中で少しでもホッと息をつける時間や笑顔になれる時間が作れたらいいな。それを許してくれる医療者や家族にそばにいてほしいな。と思う。
病気になったその本人の本心を引きだしてあげれる家族でいたい。周りに迷惑かけるとか、みっともな -
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正直もっとギスギス、バタバタしたテレビドラマのような作品かと思った。
本書の主人公の栗原一止は夏目漱石を敬愛し古風な口調の風変わりな内科医だ。
まぁ確かにこんな口調で話されたら「この医者大丈夫か?」なんて思ってしまう。
この病院は24時間365日対応の看板を掲げ患者側にはとてもありがたい病院だが、医師は何日も休みもなく常に疲弊していて大変だろう。
でも、そんな状況でもミスは許されない!
医師だって人間だ、疲弊した状況ではいつかミスを冒してしまうのではないか。
つい最近行った病院の医師も「全然休みがない」「ちょっとしたことでクレームが入り下手なことが言えない」とも言っていた。
それでも、合間を -
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Posted by ブクログ
スピノザに続いてエピクロスと哲学が続く。夏川さんの作品はどんどん哲学化に拍車がかかるよう。死亡する患者が多く、治療よりも死へ向かう患者が多いので哲学的にならざるを得ないのかも知れない。
内容は「神様のカルテ」シリーズや前作同様に色々な病気の人が出てくるし、難しい内視鏡治療の患者もあり、興味深く読ませてくれる。最後は恋愛らしきものもあり、次作を期待させてくれる。
医療現場の大変さも出てきて、現在は内科、外科の医者がいないということに驚く。直美(チョクビ)と言われ、若手はお金が稼げる美容外科に直接行くとか。働いて、働いて、、、は若手医者には遠い言葉のようだ。 -
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マチ先生が「神様のカルテ」の一止化してきた様に思うのは気のせいなのか…?
「最先端と看取りと言う、その区分自体に落とし穴がある。我々はいつのまにかそうやって『生』に向き合う医療と『死』に向き合う医療とを無自覚に塗り分けてしまっている。ひとりの人間に対して、医師が勝手に2種類の医療を割り当てるなんて、随分傲慢だと思わないか」
生者が死者を思うとき、時間は普段とは異なる流れ方をする。未来は身を潜め、豊かな過去が眼前に現れる。他者がそこに立ち入ることは出来ない。
西洋人は堂々たる巨象が地響きを立てて倒れる様に死ぬ。東洋人は年月を経た樹木がゆっくりと枯れて土に還って行く様に死ぬ。どちらが良いと -
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ネタバレ甥を引き取って生活するために大学の医局を退局した優秀な内科医が京都街中の病院で様々な患者、同僚とおりなす物語。
この本では医者が悪戦苦闘しながら患者の病気を治していくというのでは無く、多くの場合患者が死を迎える物語です。
私も何度か入院しましたが、確かに病院は病気を治してくれて退院する所と思っていました。高齢化が進む現在、そして高齢者となった今の私は、病院は死を迎える所でもあると強く思うようになりました。もし、ガンと宣告されたら私はどんな選択をするのかも考えてしまいます、手術をする、科学的療法をする、何もせずにただそれを受け入れる。。。
この本の中で心に残ったのは、「人の幸せはどこから来るのか -