夏川草介のレビュー一覧
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引きこもり気味の高校生・林太郎が、祖父の遺した古書店で人間の言葉を話すトラネコと出会い、本を守るために異世界に入っていく、という設定。
最初はあまりのファンタジー感にちょっと入りづらい印象だったが、読み進めていくうちにどんどん引き込まれていった。
読む人によっていろんな解釈ができそうだが、自分にとっては、ファンタジーの形を借りた、夏川先生なりの“読書論”だと感じた。
本は一度読んで終わりなのか?それとも繰り返し読むべきものなのか?
難解な内容の本を時間をかけて苦労してでも読むのか?それとも効率よくエッセンスを掴むことがよいのか?
商業的に「売れる」本が価値の高い本なのか?
本を読むことの意 -
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「人を救うのは医療ではない。人なんだ。このことだけは確かだと私は思っている。無論、医療が無意味だとは言わない。私には内視鏡医としての技術があって、それで救える命も少なくない。だけどそういう輝かしい成果の陰になって、もっと大切なものが見えなくなっているんじゃないだろうか?我々のゴールは病気を治すことじゃない。病気さえ治せばいいと考えるら、治らない病気を抱えた人たちはどこへ行くんだ?限られた時間しか残されてない人たちに、我々は何もできないのか?いや、敢えて言う・・・・・」(本文引用)
哲郎が、往診している患者の奥さんが亡くなった。どの医者も寝たきりの光恵に見向きもしなかったと、「せやけど、あん -
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本作は、現代日本が直面する終末期医療の「延命治療」や「看取り」という重いテーマを扱っているにもかかわらず、物語が暗く重くなりすぎず、不思議と安曇野の爽やかな風が吹き抜けるような読後感。
主人公の二人も魅力的だけど、彼らを取り巻く「死神の谷崎」「小さな巨人」「事なかれの遠藤」といった、ひと癖も二癖もあるキャラクターたちが物語をいっそう引き立ててくれて面白かった。
特に「死神」と呼ばれる谷崎の語る「看取り」のスタンスには「一理あるな」と妙に納得させられた。
「高齢者医療」は自分にはまだ先のことだと思っていたが、本作を通じて深く考えさせられた。もし自分がその立場になったら、過度な延命治療は絶対に -
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祖父を亡くし、ひとりぼっちになってしまった主人公が、一匹のトラネコと出会うことから始まる物語。祖父の遺した書店と「本」の存在を通して、なぜ人は本を読むのか、本にはどんな力があるのかを改めて考えさせられた。
読みやすい本だけでなく、時には難しく感じる本にも意味があり、さまざまな本と出会うことの大切さを感じる。読書の楽しさや、本を読む時間の尊さを優しく教えてくれる作品だった。
本をたくさん読むこと自体が目的になってしまっていた時期もあったが、この作品を読んで、一冊一冊を大切に味わいながら読んでいきたいと改めて思えた。本には、自分では経験できない人生を体験させてくれる力があるのだと感じた。 -
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「神様のカルテ」「スピノザの診察室」など、現役のお医者さんながら医療現場の小説を書かれている夏川草介さん。
あれ?この世界中で人気の「本を守ろうとした猫の話」。これも夏川さんの作品だった!
気づかずに読んでました。
今回は、その続編。
中学生のナナミが、本を守るために立ち上がります。
戦う相手は、
「本なんか読んでもなんの意味もない」
と言いきる風潮。
猫と一緒に、ナナミはどうやって立ち向かっていくのか?
想像力の大切さを教えてくれる本です。
そうだ、私、子供の頃「偉大なワンドゥードルさいごのいっぴき」という本が大好きだった。
このお話はそれに似ている気がしました。 -
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ネタバレ今回は東西主任をいっそう好きになり、小幡先生の哲学に刺激を受け、イチとハルを尊くそして誇らしく思う回であった。
「あの、いつでも端然とかまえてゆるがぬ東西の態度の根底には、十年前の思い出が今も確かに息づいているのである。」
冷静で強くて、指導力も周りを見る力もあって。軽口も叩けておちゃめな部分もあって。1からずっと私をクスッとさせてくれたそんな東西主任の、軸となる部分をここで知ることができて良かった。私はハルにも憧れるし、東西主任のような女性になりたいなとも思う。
「私は目を閉じ、束の間、その流れ込んでくる日常の旋律に身をゆだねた。」
「まるで打ち上げた花火の轟音が、光に一瞬遅れてから届く -
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ネタバレ一流の技術力を持ち、人格者でもある主人公(雄町哲郎)が、南茉莉(まつり)の誤った判断に落ち着いて正しい処置を施す、天吹の失敗しかけた手術を補助して立て直すなど、優秀さを発揮して無双する話。
余命幾ばくのがん患者に対して、がんばれとも諦めるなとも言わず、あまり急ぐな、と言うなど患者の心情も慮ったやり取りに、作者の医者として過ごした経験や患者に対する思いやりを感じた。
また、人間にできることはほとんどない、それでも努力が必要と言ったスピノザについて興味をもち、学びたいと感じる。(P218)
矢来餅、阿闍梨餅、長五郎餅というお菓子の名前が何度も出てきており、主人公マチさんの大好物らしい。
こう何度 -
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去年の某中学の入試問題で扱われていた。
使われてたのは終盤、辻の死を確認しに行く場面。
授業で使って、生徒ともしみじみしちゃった。
華やかではない医療の世界が丁寧に描かれている。
サスガ現役医師でもある著者。
あと、哲郎が甘党で、京都のおいしい和菓子がいっぱい出てくるのが楽しい。
死ぬまでに絶対食べておくべきうまいものは矢来餅、阿闍梨餅、長五郎餅とは哲郎の弁。
コーヒーはイノダコーヒーのアラビアンパールがお好きなようで。
映画化が決まっているらしいけど、挑戦妄想キャスティング。
雄町哲郎 松下洸平
南茉莉 芳根京子
中将亜矢 蒼井優
西島 早乙女太一
花垣 阿部寛
花垣はもちょ