夏川草介のレビュー一覧

  • 君を守ろうとする猫の話

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    ネタバレ

    「本を守ろうとする猫の話」の続編。
    主人公はナナミという喘息持ちの女の子。前作の林太郎と同様、喋るトラネコに導かれて、本を盗んでいく男を追いかけ、不思議な本棚の奥の世界に足を踏み入れる。

    昔から愛されている名作を、人間の世界から排除しようとする男たちとの対話を通して、本が人に与えてくれるものを訴えるナナミの姿は、強くて凛々しい。
    喘息のために激しい運動ができず、普段の生活でも気をつけなければならない不便さを抱えながらでも、本を通してこんなに強い人になれるのだと、ナナミ自身が証明している。
    その姿に、同じ本好きとして勇気をもらった。

    前作の主人公・林太郎と、林太郎と行動を共にした沙夜がまた登

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    2024年10月14日
  • 君を守ろうとする猫の話

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    本作に出てくる本を読んでいるとなお面白さが増すんだろうな。
    最後は少し感動的。少し理想が高過ぎるように思うけど、それもこの作者さんらしさなのかな。

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    2024年10月08日
  • 神様のカルテ2

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    主人公の周囲の人々が魅力的に描かれている。特に妻。同性としては、こんなかわいい女性いるかしら?と妬む気持ちさえする。

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    2024年10月07日
  • 君を守ろうとする猫の話

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    1番怖いのは、心を失うことじゃない。
    失った時に、誰もそれを教えてくれないこと。
    誰かを蹴落としたときに、それはダメだと教えてくれる友達がいないこと。
    つまりひとりぼっちだってこと。

    ナナミの言葉が沁みますね〜

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    2024年09月30日
  • 城砦〈上〉

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    夏川草介さんの翻訳がいい。
    そして熱い後書きもいい。

    もちろん、夏川さんがそれだけ熱くなる原作もよい。
    ひとりの若い医者が医療への情熱をかけた生き様を描く。職業人としてのかっこいい姿ではなく、もっと生々しい生き方。

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    2024年09月28日
  • 君を守ろうとする猫の話

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    本を守りたい猫と人間の冒険譚。
    前作が好きだったので、読む前から楽しみにしていた。

    主人公のナナミが、喘息持ちなのに逞しく頼もしくて、とても魅力的。
    灰色の王と闘う姿が、カッコイイ。
    こちらも一緒に立ち向かっている気分で、ドキドキしたし楽しかった。

    そしてトラネコのトラと、前作で悪と闘っていた夏木少年にも会えて、嬉しい気持ち。しかも危ないときに助けてくれるなんて!「よく来てくれた、二代目」という猫のセリフにニマニマしてしまう。
    猫の話し方も、独特でけっこう好きだな。

    自分の大切な本は何だろうな、そんなに大切な本ってあるかなと考えたりした。

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    2024年09月27日
  • 君を守ろうとする猫の話

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    ネタバレ

    「自信に満ち溢れた態度に、容易に身を任せてしまう。自分自身が積み重ねてきた真実を放棄してしまい、考えることそのものをやめてしまう」大人は責任をもって、自ら判断し、自ら行動しなくてはいけないんだ。「一人で生きているわけじゃない。だから困ったときは、いろんな人の力を借りればいい。そして、借りた分は、いつかどこかでまた返せばいい」「一番怖いのは、心を失った時に、誰もそれを教えてくれないこと。誰かを蹴落としたときに、それはダメだと教えてくれる友達がいないこと。つまりひとりぼっちだってこと」わたしも本が好きだ!

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    2024年09月13日
  • 始まりの木

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    お医者さんが書いてるとはびっくりしました。
    自然を表現する文章が綺麗で、一緒に旅をしたようでした。
    また文化学部で学生時代は哲学や宗教を学んでおりましたので興味をそそられる箇所がいくつかあり楽しかったです。

    私自身は神や仏など超自然的なものは一切信じておりませんが、心の拠り所としてなかなか必要であるとは思います。

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    2024年09月06日
  • 神様のカルテ2

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    続きの話。
    相変わらずの登場人物のキャラクター性に惹かれる。
    今回は大狸先生と狐先生の過去に少し触れたもので、登場人物を深掘りしている。1を読んで面白いと思った人はぜひ読んでほしい。

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    2024年08月10日
  • 神様のカルテ3

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    ネタバレ

    「最先端の限界を知り、無理なものは無理であると、自信を持って言える医者になる」

    どんなに技術が進歩しても、限界はある。
    生命の境界線にいる医師としての迷いは、患者から解りにくい部分なんだと感じました。

    自分が患者、もしくは身内が患者になった時……どんな風に生きられるだろう。

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    2024年08月05日
  • スピノザの診察室

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    主人公 生けとし生けるもの全てが主人公。皆、自分が主人公の人生を歩んでいる。人はもちろん、犬も猫も虫も石も。。。そんなことを思わせてくれる小説でした。本屋大賞にノミネートされる作品だけあって読みやすく読み応えのある本でした。ありがとうございました。

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    2025年12月03日
  • 神様のカルテ3

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    信州の絶景の表現もさることながら、やはりこの作家の書く人間の心情が好きである。
    決して手を抜いて生きているわけではなくても、思いがけず道を踏み外してしまうことが誰しもあるわけで。それでも、美味いコーヒーを片手に図々しく進んでいくことが肝要だと思わされた。

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    2024年07月24日
  • 神様のカルテ0

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    神様のカルテシリーズの前日譚となる短編集。特にタイトルの由来がわかる「神様のカルテ」はグッときて涙腺がゆるみました。「冬山記」でのハルさんはカッコよくて素敵でした。その他のお話もシリーズを読んでいるものにとってはどれもよかったです。

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    2024年07月13日
  • 始まりの木

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    著者の作品は本当に文章や表現がきれい。
    民俗学というこれまで全くかすっても来なかった分野だが、なるほどと思わせる展開はさすがだった。

    日本と西洋との神に対する考え方については、とても理解しやすく納得のいくものだった。

    参考文献の多さに驚愕。

    それにしても解説は難しすぎて途中で挫折。

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    2024年07月04日
  • 神様のカルテ2

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    星空を見たくなった
    登場人物の気持ちに入りこんで、後半涙が止まらなかった

    『医師も一人の人間である』
    患者としていくことが多い病院で自分自身忘れがちなことだなと思った
    感謝したい

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    2024年06月30日
  • 神様のカルテ0

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    基本いい話なんだけどシリーズ通して自殺志願者というか自らの命を大切にしない人への態度が厳しすぎやしないか…。本編の小幡先生のアル中患者への姿勢とか、本書での「冬山記」のエピソードとか。作者は現役医師ということで、やはり医療従事者からしたらそういう人を見ると腹が立つのかも知れない…。

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    2024年06月22日
  • 神様のカルテ3

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    常に患者に寄り添う栗原先生と、最先端の医療を学びながら病気に対峙する小幡先生の対比に、またまた考えさせられた。

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    2024年06月14日
  • 神様のカルテ2

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    「1」に引き続き、古風な文体が心地よかった。本作のテーマの1つに「医師としての使命」と「働き方改革」があり、別な職種ながらとても考えさせられた。
    二極論だと「哲学」の違いのため交わらない。根本的な何かを変えなければならない。「医師も一人の人間である」という言葉がとても重かった。医療現場には本当に感謝しなければならないと痛感した。

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    2024年06月10日
  • 神様のカルテ2

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    シリーズ2年連続ノミネート。2011年本屋大賞第9位。本庄病院に栗原の大学時代の友人で医学部の良心と呼ばれた東京の病院のエリートである新藤が着任する。
    医者が命を削り、家族を捨てて、患者のために働くこを美徳とする狂った世界。二十四時間受け持ち患者のために働がなければならないのか。彼らも人間なのだから。
    クレソンの「良心に恥じぬということだけが、我々の確かな報酬である」との信念のもと、圧倒的な医師不足である劣悪環境で、週末医療に向き合っていく。

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    2024年05月14日
  • 勿忘草の咲く町で 安曇野診療記

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    ネタバレ

    結構デリケートな、それでいてこの現代、巷に溢れているだろう、誰もがいつか、どういう立場でか直面するだろうな出来事。
    生きているってどういう状態を言うのがいいのだろう、と読み進めながら考えていた。
    その少し重めなテーマでも、あたたかくさらっとした心持ちで読めるのは間違いなくメイン二人のお陰だろう。この二人の関係性にも大注目だった。個人的にはプロローグとエピローグの対比でグッと来てしまった。
    面白かったです。

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    2024年04月13日