夏川草介のレビュー一覧

  • 本を守ろうとする猫の話

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    ファンタジーの体裁を取りながらも、現代の読書のあり方に対する鋭い問いを投げかける作品だった。

    物語に登場する“狂人たち”はそれぞれ極端な価値観を象徴していて、「たくさん読むこと」「早く読むこと」「売れること」「価値が不変であること」といった一側面に囚われた読書の危うさを描いている。

    しかしこの作品は「正しい読書」を提示するのではなく、むしろ読書における価値観の偏りそのものを問うてるのだと思う。
    個人的に、途中で読むのをやめることや、要約から入ることなどは一概に否定できない。
    本来の作品が持つ豊かさのほんの一部しか受け取らないまま満足してしまうことには、なんて勿体無い…と感じるけれど。

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    2026年05月18日
  • 本を守ろうとする猫の話

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    ネタバレ

    夏川さんの解説が好きです。
    冒険としては起伏は大きくなく短い時間で読めるもの。
    トラネコは想像通りで解説で出自がつながり不思議と温かい気持ちに。
    高い山に登った後、再度読み返してみたい。

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    2026年05月17日
  • 本を守ろうとする猫の話

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    夏川さんは医療系のイメージが強いけど、印象が全然違う感じ。
    絵本みたいに、とてもわかりやすくて、読みやすくて、ストレートな言葉遣いで思いが素直に伝わってきます。
    「本は人を思う心を教えてくれる」ってほんとそうだなぁと納得。

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    2026年05月16日
  • 本を守ろうとする猫の話

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    夏川草介さんの医療モノではない本は初めて。祖父を亡くした夏木林太郎が、不思議なしゃべるトラネコに導かれて迷宮に行き、本に関係する人と話す。「閉じ込める」「切りきざむ」「売りさばく」「最後」の四つの迷宮で、自分の考えを話すことで相手が変わっていく。特に最後の話で、「本は人を思う心を教えてくれる。たくさんの人たちの物語や言葉に触れ、一緒になって感じることで、自分以外の人の心を知ることができる。身近な人だけでなく全然違う世界を生きている人の心さえ本を通して感じることができる」という部分、とても心に残った。本に対する思いは熱いが、静かな本という印象。

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    2026年05月10日
  • 神様のカルテ

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    医療現場の厳しさと、そこに向き合う医師の強さと温かさが伝わってきた。
    衝撃的な出来事はないけれど、優しさと小さな奇跡が随所に散りばめてある心温まる素敵な作品でした。
    人生についても深く考えさせてもらいました。

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    2026年05月10日
  • 城砦〈下〉

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    ネタバレ

    原著が刊行された1937年当時の医療と、現在の医療では共通することも、大きく変わったこともあったことが、小説を通じて立体的に感じられた。結核の気胸療法なんて知らなかった。チーム医療という言葉がこの年代の本に出てくる事に驚いた。
    アンドルーが眩しく見えたり、むかついたり、読むのに体力を使ったが、夏川先生の解説も込みで、読んでよかった。

    上巻とは異なり、クリスティンのあまりにも不憫な人生に胸が痛くなった。アンドルーが本来の自分を取り戻せて、明るいクリスティンがみられると思いきや、あんな終わりを迎えるなんて。
    316「人間の心というものが、今回ほどの致命的な一撃を受けても立ち直ってくることができる

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    2026年05月09日
  • 神様のカルテ3

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    ネタバレ

    栗原一止は、信州にある「24時間365日対応」の本庄病院で働く内科医である。医師不足による激務で忙殺される日々は、妻・ハルの支えなくしては成り立たない。夏、新しい内科医として本庄病院にやってきた小幡先生は、内科部長である板垣(大狸)先生の元教え子であり、経験も腕も確かで研究熱心。一止も学ぶべき点の多い医師だ。
     しかし彼女は治ろうとする意思を持たない患者については、急患であっても受診しないのだった。抗議する一止に、小幡先生は「あの板垣先生が一目置いているっていうから、どんな人かって楽しみにしてたけど、ちょっとフットワークが軽くて、ちょっと内視鏡がうまいだけの、どこにでもいる偽善者タイプの医者じ

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    2026年05月09日
  • 君を守ろうとする猫の話

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    時間って大事。紅茶だって冷めてしまえば美味しくないけど、慌ててカップに口をつければ、火傷をするだけ。大事なことは、適温になるまで、のんびりと本棚でも眺めて待つこと。

    この本の中での一節。忙しない世の中で大事にしたい言葉になりました。

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    2026年05月04日
  • 城砦〈上〉

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    医療職ではない妹が、医療職の私に勧めてきて読み始めた。
    アンドルーのまっすぐで真面目なキャラクターに圧倒されつつ、クリスティンのおおらかさ、辛抱強さ、芯の強さ、愛にただただ感心した。
    心を動かされたのは、アンドルーが医療の場面で何かを成し遂げたとき(特に妊婦と新生児を救ったとき)と、アンドルーが自分勝手に振る舞いあほか!と突っ込みたくなる複数の場面でのクリスティンの辛抱強さと包容力。
    デニーも好きなキャラクター。

    肺についてさんざん研究してるのに煙草は吸うんだ!と。害を及ぼすことを疑わないんだ?

    下巻へ。

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    2026年05月03日
  • 神様のカルテ

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    長野を舞台にした24時間営業の病院勤務員の日常は、激務、患者の死とネガティブな要素が多いにも関わらず、病院の上司、同僚、妻、御嶽荘の住人、患者と主人公一止全員の雰囲気がとてもあたたかい。
    延命に意味がないと判断する場面は命の在り方を考えさせられる決断だった。
    心温まる医療現場の物語。

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    2026年04月30日
  • 君を守ろうとする猫の話

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    ナナミちゃんが灰色の男たちに語る言葉がすごく素敵。

    タイトルが「本を守る猫」じゃないんだ?と思ったらこれ3部作の中の2冊目なんですね。
    林太郎くんの活躍も読まないと。

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    2026年04月10日
  • 本を守ろうとする猫の話

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    不思議な世界の中で、本が好きなあまり歪んでしまった人を、主人公が言葉を尽くして解決する。
    人間の言葉を話すトラネコは案内役としての出番しかなく、ちょっと物足りないー。
    もっと主人公とトラネコのやり取りが読みたかった。トラネコ不足!

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    2026年04月09日
  • 新章 神様のカルテ

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    面白かったです。舞台は大学病院。厳しい制約があったり、後輩や研修医が付いたり、絶対的な権力者がいたりなど、さまざまなしがらみのある中で、医師としてのありかたを模索していきます。
    途中途中で、「規則規則規則!」なやりかたに飲まれそうになりながらも、重症患者の治療を通して、一般病院時代のような向き合い方を取り戻していくような流れでした。
    いままでのシリーズよりも、主人公の成長や変化に重点が置かれ、より文学的な作品だったと思います。お見事でした。

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    2026年03月29日
  • 勿忘草の咲く町で 安曇野診療記

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    神様のカルテの著者の作品。
    舞台が同じ安曇野なので期待通りのサプライズがあり。
    内容は神様のカルテと比べ恋愛に重きを置いている印象。神様〜が面白すぎた分少々物足りなく感じた。

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    2026年03月22日
  • 君を守ろうとする猫の話

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    中学2年生の女の子が主人公のファンタジー。これは中学生には読んでほしい作品。ファンタジーだけど夏川草介らしくやっぱり少し哲学的でもある。自分らしく、もっと自由に…その言葉の落とし穴とは。現代人が忘れそうになっていること、心を思い出せてくれる本かな。3部作になるみたいですね。3作目が楽しみです。不思議な話にはやっぱりネコが似合う。

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    2026年03月17日
  • 君を守ろうとする猫の話

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    「本を守ろうとする猫の話」の続編。前作読んでなくても問題はなさそうですが、寧ろ、世界の名著を読んでおくべき。読んでいると色々と心が踊るシーンが多いと思います。

    自分はそういった本を未読なので、本当の意味で本書を堪能できたとは言い難い。主人公の実直さが眩しくて、自分はお城の側なのかもと感じる今日この頃‥。もっとシンプルに読書を楽しまねば。

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    2026年03月14日
  • 神様のカルテ2

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    前作は「主人公は地域医療を続けるべきか?」といった、主人公目線での話でした。一方今回は「医療従事者のワークライフバランス」にフォーカスしていたため、読者側もかなり考えさせられる内容だったと思います。面白かったです。
    命を相手にする仕事に休みはありません。しかし、命を救うために、医療従事者も命を削っている状況は、果たして望ましいのでしょうか。よりよい医療に向けた、今後の科学技術の発展を期待します。

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    2026年03月02日
  • 勿忘草の咲く町で 安曇野診療記

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    ネタバレ

    月岡美琴
    生まれも育ちも信州松本。信濃大学医学部看護学科を卒業長野県松本市にある梓川病院の看護師。

    島崎
    梓川病院の看護師。救急部師長。新人看護師の指導責任者。

    三島
    梓川病院の副院長であり、内科部長も務める内科医。専門は消化器領域。強面。

    桂正太郎
    梓川病院の研修医。信濃大学出身。

    沢野京子
    梓川病院の看護師。派手な髪の色は師長から注意を受けるたびに黒くなるが、一か月もすればまた別の色に染まっている。

    長坂守
    四十八歳。膵臓癌の患者。

    遠藤
    梓川病院の院長。呼吸器内科が専門なのにベビースモーカー。

    丸山
    外科医。飲み会のたびに平気で看護師を口説く。

    大滝
    梓川病院の主任看護師

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    2026年02月09日
  • 神様のカルテ

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    ネタバレ

    映像化で有名な著者の作品ですが、実は本で読んだことはありませんでした。
    著者のことをTVで拝見する機会があり、とても誠実で優しさに満ちた方だなあと好印象だったので手に取りました。

    医療系って他のジャンルで扱う生死とは違い、フツーの市井の人が死と向き合わなければならないんですよね。
    そこがリアルで重くて避けてきたのですが、どんな人も避けて通れないのが死なんだなあ、と改めて思いました。

    「病むということは孤独なことです。(中略)たとえ病気が治らなくても、生きていることが楽しいと思えることがたくさんあるのだと(先生は)教えてくださいました。」というセリフに涙が・・・
    こんな風に患者さんから感謝さ

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    2026年01月31日
  • 始まりの木

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    民俗学を学んでいる修士生とその指導教官の民俗学者がフィールドワークの中で師匠と弟子の問答をしながらエピソードが進んでいく。そこに登場する人物が伝えてくれる大切なこと。
    それぞれのセリフを寄せ集めると老人の説教話みたいなところになりそうな内容だが、登場する魅力的な人物が絶妙なシチュエーションで語ることで素直に聞ける。そんな所感。

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    2025年11月14日