夏川草介のレビュー一覧
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栗原一止は、信州になる病院で、殆ど休みなしで働く内科医。母校の信濃大学医局から誘いの声がかかる。大学に戻れば最先端の医療を学ぶ事ができる。だが大学病院では診てもらえない、死を前にした患者のために働く医者でありたい.悩む一止の背中を押してくれたのは、高齢の癌患者、安曇さんからの思いがけない贈り物だった。2010年本屋大賞2位。
私が一番心に残ったのは仏師が仁王を彫る話「あれは木に仁王を彫り込むじゃない.最初から木の中に仁王が埋まっているのを掘り出すだけだから、容易なものだ」思えば私の仕事も同じようなものかもしれない.点滴やら抗生剤やらを用いて絶える命を引き延ばしているなどと考えては傲慢だ。もとよ -
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Posted by ブクログ
サクッと読めました。猫の話ではなかった。
古書店を営む祖父と二人暮らししていた読書好きの高校男子。祖父が亡くなり学校をサボって店に引きこもっていると不思議な猫が本にまつわる迷宮へと彼を誘う。曰く、「本を助けてくれ」と。不思議な世界で本の世界を垣間見て自分の心も前をむき出す少年のお話。猫は出てくる、が「猫の話」ではない。
本と読み手との向き合い方、本とそれを取り巻く環境、それらを擬人化して表現している感じ。厚い本ではないので一つ一つのシーンはさらっとしているし、正直深みのようなものはない。ただそれくらいの軽さで現実は向き合えると良いのかもしれないとは思う。小学生から中学生向け。
心の奥の奥に行か -
Posted by ブクログ
祖父を亡くした高校生、夏木林太郎が残された古書店「夏木書店」で立派なトラネコと出会い
刺客から本を守るお話。
題名から想像していたほのぼのとした話ではなく
読書家なら一度は問いかけられたことがあるような疑問と、投げ掛けたことのあるような言葉に心がギリっとする。
私にはファンタジー小説に思えたけど
作者が解説で述べられているように、ライトノベルであるのか、風刺か、社会派か、青春小説か、読者によって何でも良くて、考えるきっかけとなり本書に出てくる名作に手を伸ばすきっかけとなれば良いようだ。
昨今、歌では前奏が長いと曲を聞いてもらえないだとか、ドラマも展開が分かれば良いので倍速で視聴するという。 -
Posted by ブクログ
「神様のカルテ」「スピノザの診察室」の著者の夏川草介さんの作品
世界40か国以上で翻訳出版!という帯につられて…購入 読み進めた。
同居していた祖父が急死し独りぼっちになってしまった本好きで引きこもりな高校生男子と一匹の猫の物語。
「行くぞ2代目」猫と林太郎が本を助け出す為に迷宮に向かう
第1,第2,第3,そして第4の迷宮… そこでの出来事・出会いの中で 様々なことに気が付き 最後に林太郎は一つの選択をする。
あとがきには著者がこの物語に込めた想いと仕掛けが書かれている
本好きならわかるという仕掛け…残念ながら気が付かなかったが…
やっぱり 読書は好きだなって思えた一冊