夏川草介のレビュー一覧
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訴えたいメッセージが明確なファンタジー。世界で翻訳出版されているというが確かに理解されやすいかもしれない。
個人的には登場人物やトラ猫が皆典型的な役割語をしゃべるのが作品全体を子供っぽく見せていてもったいないかもと思った。
P197 君が困っているんだろう。僕が出かける理由はそれd十分なのだと思う
P244 (人を傷つけてはいけない、弱い者いじめはいけないし困っている人がいれば手を貸してあげなければいけないということが)わからない人たちがたくさんいるんです。そう言う人たちに説明するのは簡単じゃありません。理屈じゃないんですから。でも本を読めばわかるんです。理屈で何かを語るよりずっと大切なこ -
Posted by ブクログ
漱石作品を暗唱するほどし好きという著者らしい筆致がそこここに溢れていて「わざと?」と思うのだけれどわざとなのだろうな。
読み始めた時はそんなことに引っかかっていて、
さらにいつになったら主題に入るのだろうというまどろっこしさを感じていた。
主人公の一止は先進医療の必要性を感じながらもその治療さえも役に立たない現場医療に向き合っていくしかない自分の思いに従って生きていくのだろうな。
愛妻ハルさんとの愛の棲家での生活はまるで学生寮のように混沌として悩みと共に夢さえある人々の集まる梁山泊のような趣き。
でもこの雰囲気何かで読んだ記憶があるがなんだっただろう。三浦しをんさんのランナーの話だったかなあ。 -
Posted by ブクログ
『神様のカルテ』を読んでまず感じたのは、これは地方病院で奮闘する医師の物語ではなく、「人を救う」とは何を意味するのかを静かに問い続ける作品だということだった。
舞台は、深刻な医師不足に悩む地方病院。主人公の栗原一止は、昼夜を問わず患者と向き合い続ける内科医である。過酷な勤務の中で、末期がん患者との出会いと別れ、大学病院への転職という選択、そして家族や仲間との日常を通して、自分がどんな医師でありたいのかを模索していく。命の危機が次々と訪れる医療ドラマではなく、一人の医師が患者の人生と向き合いながら、自らの生き方を見つめ直していく物語である。
この作品が描いているのは、医療の最前線ではない。命 -
Posted by ブクログ
『エピクロスの処方箋』や『スピノザの診察室』など、作者の描く温かく深い物語に惹かれていて、NHKでドラマ化されると知って読んでみた。
期待通り、今作も地域医療の日常や終末期の現実が淡々と丁寧に描かれており、じわじわとリアルさが染みてくる作品だった。
特に深く考えさせられたのは、終末期医療における「最善とは何か」というテーマ。
作中で「死神」と揶揄される谷崎医師。
読み進めるうちに、彼こそが誰よりも患者のことを一番に考えているのではないか、と感じるようになる。過酷な延命治療の限界を見極め、患者が人間としての尊厳を保ったまま穏やかに旅立てるよう、あえて泥をかぶっている。その真摯な向き合い方は、これ