夏川草介のレビュー一覧

  • 勿忘草の咲く町で 安曇野診療記

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    安曇野の病院を舞台に繰り広げられる色々な人間模様、たくさんの素敵な花が出てきた中でも、カタクリの花を私も見に行ったことを思い出しました。同じ場所ではありませんが…

    さて、高齢者医療はまさしく、現在、そして、これからの日本が考えなくてはいけない大きな課題であると本を読んでさらに感じました
    命をどう繋いで看取るか、難しい問題ですね
    夏川先生らしい言葉が散りばめられてる
    心がぽっと温かくなる作品です

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    2025年11月05日
  • 臨床の砦

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    面白かったけど、読みやすかったけど、物語というより、コロナ禍での対応病院のノンフィクション的な記録のような感じでしたね。逼迫感はあったのですがちょっと気持ちが期待していたものと外れてましたね。

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    2025年11月04日
  • スピノザの診察室

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    現役医師が書いた作品らしく、リアルで現実的。とても共感できた。
    大学病院で将来を嘱望されていた、凄腕の内視鏡技術を持つ雄町医師。しかし妹を亡くしその遺児を引き取って育てるために大学を辞め、市中病院で外来と訪問診療に取り組む日々。
    訪問診療で担当する癌末期患者や看取り患者とのやり取り、その家族の有り様などがとてもリアル。医療に携わる人たちの多くが、こんなふうに熱い思いで取り組んでいると信じたい。
    雄町医師の静かで落ち着いた人柄が魅力的。ぜひシリーズにして欲しい。

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    2025年11月03日
  • 臨床の砦

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    内科医の敷島は全てが不足した地方医療機関の現場でコロナ第三波を迎え撃つ。医療崩壊の瀬戸際に立たされた臨床の現実を描く。
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    夏川さんの医療小説ですが、いつものようにクセつよのキャラクターや飯テロや軽妙なやりとりが出てこず、コロナに追い詰められる医療現場が描かれるために余裕がなく、また、国や地域行政、他の医療機関への怒りを含んでいるであろう指摘などが続くので、読んでいてしんどく、途中でやめようかとも思ったほどでした。それもそのはずで、後書きを読むと、夏川さんご自身がコロナ対応の最前線に立ちながら並行して書かれた小説だとのことで、これはもはや半分ノン

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    2025年11月02日
  • 君を守ろうとする猫の話

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    前作と同じような話なのに、なぜかこちらはすんなりと受け入れることができた
    猫はよい
    そしてもちろん本も良い
    身体の弱い子が、心の強さによって決まる世界で冒険をして、なんだか強くなった気がするというのは見ていて微笑ましいところがある
    人は皆欲望に動かされるが、それだけではなく他人を思いやる心を持つことは大事で、学校で教えられてる自分らしく生きて成功しようは間違ってると言い切るところに著者の矜持を感じた

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    2025年10月31日
  • 本を守ろうとする猫の話

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    本とは人生の教科書だなと思える作品でした。
    読みながら、ハッとさせられる言葉が多々あり、本への向き合い方や生き方に指針を示してくれているようでした。
    難しいと思う事は新しい知識、経験を得るチャンスと捉える。特に印象に残っている言葉でした。

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    2025年10月31日
  • 勿忘草の咲く町で 安曇野診療記

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    夏川先生の医療小説。神様のカルテにも近しいですが、本作は看護師の女の人と研修医の男の人がバトンリレーするみたいに語り手を変えながら話が進みます。これからの超高齢化社会に一石を投じる話だと思います。わたしも選択を迫られ悩んだ当時のことを思い出します。おそらく絶対的な正解はないのだと思います。ちゃんと考えられる選択肢を理解して考えて悩んで…そのステップがあるかないかが大切なのではないかと思います。
    自分が高齢者になった時、さらにどんな社会が待っているかと思うと怖くなりますが考えることを放棄してはいけないのだと思いました。

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    2025年10月29日
  • 神様のカルテ0

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    神様のカルテはとても好きなシリーズです。登場人物の過去が描かれています。
    何が正しいのか、何が優しさなのか、いろいろな場面で何かしら決断しているけれど、できる限りのことをするしかない、考えれば考えるほど難しいと思いました。
    大狸先生の人としての大きさ、事務長の仕事に対する意識の背景にあったもの、細君ハルの強さと優しさ、良かったです。
    それにしてもハルは良い人過ぎる。

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    2025年10月29日
  • 本を守ろうとする猫の話

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    猫の恩返しのような世界観で、寂しい夜にはページをめくれのような、「読書」に対する価値観や自分の考え方を見直すきっかけになるような本で、哲学的な言葉があったりとても良かった。神様のカルテを書かれた方だと知って、そっちも読みたくなった〜!

    作品の中に現れる、いわゆるボス?的な人たちはやってること自体は異様だけど、行動の裏側には現代社会の本に対する行動が現れていて何とも言えない気持ちになった。
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    1冊の本を十回読む者より、十冊の本を読む者の方が敬意を集める世の中だ。社会で大切なことは、たくさんの本を読んだという事実だ。読んだという事実が人々を魅了し惹きつけるのではないか。違うかね?
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    2025年10月17日
  • 神様のカルテ

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    どんな仕事をしていても、忙しい時に人の本性が出てしまう。
    忙しい医師は、人の死に慣れていかないとやり切れないのだと思うけれど、こんなに心優しい自分を保てる栗原先生みたいなお医者さんも、きっとどこかにいるんだと思う。

    昔の医療だったら、
    できる限りのことをして!
    というのがちょうどよかったけど、
    今では医療が発達したので、
    身体を痛めつけるだけの延命
    になってしまうことがあるという話には、心から同感。

    私の祖母は、脳梗塞で倒れてから、大好きなお喋りもできず、美味しいものも食べられず、テレビさえ見れなくなって、ただ病院の白い壁を見ながら3年寝たきり。
    歩き回るのが大好きで、いつも笑っていて、明

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    2025年10月15日
  • 君を守ろうとする猫の話

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    「モモ」を読み終わった様な読後感。
    「本を守ろうとする猫の話」から、
    続けて読めてよかった。

    「己の欲望を追求し、より多くの富を貯め、
    より多くの快楽を手に入れる。
    そんな風に欲望のままに生きることが
    「自由」と言われる時代だ。
    そうでない時代もあったのだよ。
    欲望をコントロールし、
    欲望から自由であることこそが、
    真の「自由」だと定義された時代もあった。」

    「希望はよみがえる」
    きっと。

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    2025年10月10日
  • 神様のカルテ3

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    今までの栗原一止を否定する内容であった。
    神様のカルテ1,2で、栗原一止は周りの迷っている人に光をかざしてきたが、今作で、栗原一止は悩むことでワンランク上の人間に成長する葛藤が描かれている。

    地域医療365日24時間緊急外来の病院に勤め、目の前の患者と全力で向き合えば良いと考えていた。しかし栗原は誤診をしてしまう。それは最新の医療知識がないと仕方のない事だった。栗原は毎日の忙しい診療を理由に最新の医療の勉強を怠っていたと痛感。

    患者の診療に追われるのか、それとも日進月歩発展する医療の勉強に力を入れるのか。この両立できない問いに答えはないと思う。悩んで答えを出すために行動に移す事自体が大事だ

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    2025年09月27日
  • 神様のカルテ0

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    ネタバレ

    シリーズの1から3までは読んだことがあったが、なぜかそれ以降触れてこなかったため今回読むことにした。
    内容はこれまでシリーズに登場してきた人々たちのサイドストーリー。このシリーズの良さはキャラの立ち具合だと思っているので、彼らの過去が描かれるのは素直に嬉しい。
    このシリーズには様々な名著が登場するが、3話目において説明される「本の良さ」は、薄っぺらいようで、作者が本の中で別の本を紹介する形を採っている意味を登場人物に語らせているようにも思え、その視点で過去のシリーズを読み返してみるとまた興味深そうである。
    4話目は榛名のキャラが明らかにされたとは言い切れず、その点が少し不満ではあるが、全体的に

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    2025年09月21日
  • 神様のカルテ3

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    ネタバレ

    「看護師が医者に口出しするな」って、言っちゃったね。
    思ってても、言わないほうがいいことってあるよね。
    看護師さんなしでは、病院はまわらないよ。
    看護師さんを敵にまわしてはいけない。

    口は災いの元。私も、何か不穏な考えは、思ってても、外に出さないようにしようと心に誓う。

    シリーズ3は、泣かしにかかってこなかったのが、すごくよかった。
    本が泣かしにかかってくると、泣けるけど冷める感覚ってわかりますか?
    大学病院編も読んでみたい。(新章 神様のカルテ)

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    2025年09月16日
  • 本を守ろうとする猫の話

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    いつかの『罪と罰を読まない』と同じ感じ。果たして「本」とは何なのか、「読む」とはどういうことか。

    頭でっかちになるかもしれないし、何かの助けになるかもしれないし、読んだ後の自分がどうしていくかのほうが大事。

    最後の迷宮のモデルはわかったけど、それまでも同じような構成の話なのかなぁ。となるとわからないし、そもそもそんなこともないのか。

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    2025年09月15日
  • 本を守ろうとする猫の話

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    人と本、その繋がりを丁寧に説いた物語です。
    読みやすく紡がれた文体に奥深い重なりを感じます。読書は私たちに何を与えてくれるのか?本の未来はこれからどうなる?全てが幸せに終わる訳ではない、その結末の塩梅に作者の誠実さを感じます。読書をする方であればふと、頭の何処かで考えるあの問題についてを論じており、それでも主人公はそれまでの人生の中で培った価値観を基に語ります。
    何が正しくて何が間違っているのか。
    そんな答えの無い問いに主人公は「読書とは、人に『他者を思いやる心』を与えてくれる」と答えます。
    読んでいて思わずハッとしてしまう本でした。
    お勧めです。

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    2025年09月07日
  • 臨床の砦

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    コロナ感染者でも軽症の人達を診ている医療機関は、比較的楽なのではないかと考えられていた時期は確かにあったし、現実はそうではないことを、この本を通して皆さんに知ってもらえることは、本当に大切だと思った
    後書きも、凄く感度した

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    2025年08月31日
  • 本を守ろうとする猫の話

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    本を読むのは好きだけど、「ちゃんと」読めてなかった気になった。本が好きな人ほど、読んでてハッとなるんじゃないかな。

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    2025年08月26日
  • 勿忘草の咲く町で 安曇野診療記

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    この頃よく手に取る 夏川草介さんの本

    入院しているのは高齢者がほとんどの安曇野の病院が舞台。
    高齢者の医療…母が今そういう状態になっているのもあり気になって手に取った。

    1年目の研修医と3年目の看護師を中心に物語は進む
    それぞれ物語の中に エッセンスとして「花」の存在がある。
    秋海棠・山茶花・ダリア・カタクリ… どの花もなくてはならない意味を持っているのだと思う

    『死』が身近にある高齢者医療の現場 
    延命治療 どう看取るか… など 考えざるを得ない場面は多い

    読んでいて 
    「どう生きるか...」ということを考えるのと「どう最期を迎えるか…」を考えることは同じなのではないかと… 言葉にす

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    2025年08月19日
  • 命の砦

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    コロナ禍、本当に病院はとてつもない怒涛の対応だったのだろうなと改めて思う。
    コロナ患者を受け入れるのも受け入れ拒否するのもどちらも正しいとか正しくないとかじゃないから難しい…。
    否定派の視点でも描かれていたので、そこが良かったな。

    医療従事者の方、本当に感謝しかない…。

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    2025年08月09日