夏川草介のレビュー一覧

  • スピノザの診察室

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    とても優しく温かい医療小説でした
    神様のカルテを読んだことがないので著者の作品は初めてです
    強制的に泣かせてくる作風かと思って忌避していましたが全然そんなことはありませんでした
    自然な形で人間ドラマが描かれており、そこに様々な感情を刺激させられました

    連作短編集のような構成なので大変読みやすかったです
    変に小難しい表現もなく、医療の知識がない人でも理解しやすい説明が成されていました
    とても読みやすくスラスラと進めます
    それなのに軽い読み心地ではなく、胸になにかズッシリとしたものを残していく作品でした
    読後感はとても良かったです
    個人的に恋愛パートは不要かな…と感じましたが逆にそういうのがある

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    2026年07月28日
  • 始まりの木

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    この著者の作品はいくつか読んでいますが、やっぱり医療については現実的です。ただ、それだけではなくて、理論では説明できない不可思議な出来事も描かれていて、丁度いい感じでファンタジーです。文庫版の解説はつまらなかったです。

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    2026年07月24日
  • スピノザの診察室

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    「久しぶりに人が死なない本を読んだ」という感想をよく見かけるくらい、小説というものは大体誰かが死ぬ。誰かの死でストーリーに起伏が生まれるからなのか、死によって起こる周りの感情の揺れを表現したいからなのか。この本もたくさんの人が死ぬ、死ななかったりもする。それは特別ではなくて日常の一部だ。抗う時もあれば受け入れる時もある。人の数ほど生も死もある。昔、職場で「受け持ちの人が亡くなるのは隣のおじいちゃんが亡くなる感じと似ている」と誰かが言っていた。ドア一枚向こうで見守りながら一緒に生きている。そんな本だった。

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    2026年07月23日
  • スピノザの診察室

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    最先端の医療現場と市中の一般病院の現場の対比や緊急内視鏡処置のリアル(食道静脈瘤破裂止血や胆道狭窄ステント留置など)がよく描かれているだけでなく、、

    京都の先斗町、珍皇寺の六道まいり、糺の森、、たくさん京都の地名や風物詩が出てきて、こちらもじっくり味わって…

    主人公マチ先生の(人間はね、一人で幸福になれる生き物ではないんだよ)と妹の遺児に語る哲学が胸にきます…

    精神科から内科に転科された秋鹿先生の「共感というのは心にとってはなかなかの重労働でしてね…度が過ぎると心の器にヒビが入ることがあります…」このくだりも忘れられない
    先生が難しい患者を持っている時に毎晩来るゲームバーで、マチ先生がい

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    2026年07月23日
  • 始まりの木

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    ほんわか心に響く物語。民俗学って何だろうと考えながら読む。初めて読む作家さんだが、素敵。始まりの木を見に長野伊那谷ぬ行きたくなる。

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    2026年07月18日
  • 命の砦

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    ネタバレ

    コロナ初期の医療現場が抱えた恐怖と使命感のアンビバレンツを、重い筆致で描いた作品だった。医療者は「家族にうつすかもしれない」という切実な恐怖を抱えながら、それでも「患者を見捨てられない」という倫理に突き動かされていた。その二つが同時に胸の中で軋み、揺れ、支え合う姿こそが“医師の使命”の正体なのだと思う。社会は時間とともにあの緊張を忘れていく。しかし、忘却の中でこそ、こうした記録は意味を持つ。人が忘れてしまう痛みや葛藤を、物語として残すことで、あの時を生きた人々の心の震えが静かに伝わってくる作品だった。④

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    2026年07月18日
  • 本を守ろうとする猫の話

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    一つ一つの問題解決は浅めの話だけど、終盤の猫とのやりとりが良き。
    古典を読みたくなって、モンテクリスト伯を全巻購入してしまった。
    猫好き的には好き。

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    2026年07月17日
  • 神様のカルテ3

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    神様のカルテは、毎回、登場人物達の台詞や人間臭さが溢れていて、読む者の感情を揺さぶってくる小説です。
    理由は分かりませんが、自分の年齢、状況に関わらず、その時の自分の心情に刺さる言葉、場面が見つかるような気がします。

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    2026年07月11日
  • 本を守ろうとする猫の話

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    オススメで見かけて気になって買った本。
    初め、何となく世界観が古賀史健さんの『さみしい夜のページをめくれ』っぽいなぁと読みながら思いました。どちらも本の素晴らしさを教えてくれるお話です。

    「難しい本に出会ったらそれはチャンスだよ」
    「難しいってことは新しいことが書いてあるって証拠だよ」
    この言葉に私は嬉しくなりました。
    『百年の孤独』は2回読んでもわけが分からなかった。
    カミュの『シーシュポスの神話』もコリンウィルソンの『アウトサイダー』も挫折して積読に。

    私は読めた時の景色を見たいから、諦めずにトライしようと改めて決意しました。

    ちなみに…『星の王子様』は学生の頃読んでちんぷんかんぷん

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    2026年07月11日
  • 臨床の砦

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    再読した。

    病院での精密検査の待ち時間で読んだ。

    新型コロナの2021年1月

    医療関係者は本当に大変だ。
    映画「フロントライン」を思い出した。最前線の現場はいつも色々な矛盾や収まりきらない現実の厳しさや不合理の中で闘っている。

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    2026年07月04日
  • 臨床の砦

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    コロナのリアルを描いた本。
    あとがきがとても印象的で、夏川さんの人柄が伝わってくる。
    読めて良かった。

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    2026年06月27日
  • 君を守ろうとする猫の話

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    対話で伝えられるのは論理的な言葉の意味ではなく、伝えようとする意志である。
    冷え切った論理は一杯の温かな紅茶にも及ばない


    深い。。。

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    2026年06月25日
  • 本を守ろうとする猫の話

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    本、特に世界の名作と言われる重厚な作品への愛があふれる一冊。
    第二の迷宮「切りきざむ者」をなんか見たことあるな…と調べたら、8年ほど前に某女子中の入試問題で使われてた。
    ジュニア向けにやさしい言葉で書かれてるけど、文学史に残る名作を読む人が増えてほしいと著者自身が「解説に代えて−−猫が教えてくれたこと−−」で記している。

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    2026年06月22日
  • 神様のカルテ

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    『スピノザの診察室』『エピクロスの処方箋』を読み終わり、夏川草介作品を遡ってみた。今回もオーディブル。

    「孤独を取り除く」というフレーズが印象的だった。

    ナレーターさんの節回しの影響もあるかもしれなけど、なんとなく森見登美彦の「四畳半神話大系」な空気もチラリ感じた。それはそれで楽しい。

    ”電子カルテを入力……”というフレーズに「おっ」と小さく反応てしまう(『スピノザの診察室』『エピクロスの処方箋』のときも同じだった)そして。「あぁ、普及したんだなぁ」と妙な感慨を覚えた。ITベンダー社員時代「電子カルテ」の普及(まずは利用が認められる必要があった)はビジネス的に重要テーマだったのだ(特に公

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    2026年06月21日
  • 勿忘草の咲く町で 安曇野診療記

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    現代の医療における問題点を的確に表現しながらも、安曇野の雄大な自然や花、桂と美琴の爽やかな恋愛要素が彩りを添えることで、読みやすい一冊になっていました。

    終末期の医療は、未だに発展途上の感があり、医療者の中でも悩みが尽きない分野です。御本人の意思が示されていれば、まだ救われるのですが、ない場合には御家族の決断が二転三転することは、よくあることです。死について話すことをタブー視するのではなく、家族や大切なひとと意思を共有できていたらいいのにと常々考えてしまいます。

    この小説の中で最も共感した人物が、半崎です。半崎ほどの大事にはなっていませんが、私も看護師1年目にインシデントを起こしたことはあ

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    2026年06月15日
  • 神様のカルテ0

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    神様のカルテのスピンオフ作品。
    一つひとつの作品は繋がってはいないが、シリーズを読んできた者にとってはたまらないプレゼントになる。
    最後の「冬山記」がいい。それぞれの人がそれぞれの悲しみを抱えながら、悲しみに耐えて生きている。だから、人間は素晴らしい。

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    2026年06月11日
  • 本を守ろうとする猫の話

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    ちょっと星の王子さまっぽい所はあるかな。
    童話チックだが、最後の作者のあとがきが全てを表していて、心に残る文章だった。

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    2026年06月08日
  • 本を守ろうとする猫の話

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    ファンタジーなんだけど、ちゃんと本のことを考える切っ掛けを与えてくれる哲学書でもあったような気がします。
    作品に他の小説のオマージュやパロディが散りばめられているらしいのですが、私には気づくほどの知識がありませんでした。ネットで調べてやっと分かったのが、主人公 夏木林太郎 は夏目漱石+森鴎外(森林太郎) だと推理できるでした。ふむふむなるほど〜でした。

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    2026年06月08日
  • 臨床の砦

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    コロナ禍の日々を振り返ると、社会全体が見えない脅威に翻弄されていたことを思い出す。その最前線で奮闘した医療従事者たちの現実が生々しく描かれていて考えさせられた。

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    2026年06月08日
  • 神様のカルテ

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    「スピノザの診察室」と「エピクロスの処方箋」を先に読んだので、当作も京都の雄町雄介シリーズだと思っていたら全然違った。文調もいささかギャグ路線で上記2作とのギャップに読み始めのうちは戸惑った。
    しかし読み進めるうちに、雄町雄介シリーズと同じく味わいを感じるようになった。舞台は信州松本。さりげなく地酒が紹介されたり、豊かだが厳しい自然の空気感が伝わったりと、その風土の想像を楽しめた。当作も大学医局と地域の草の根医療の対峙という社会テーマをベースにしている。そのジレンマの中で描かれる人間と人間の関わりには深く感銘を受けた。読後の余韻も良かった。傑作に出会えて満足である。

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    2026年06月07日