夏川草介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
とても優しく温かい医療小説でした
神様のカルテを読んだことがないので著者の作品は初めてです
強制的に泣かせてくる作風かと思って忌避していましたが全然そんなことはありませんでした
自然な形で人間ドラマが描かれており、そこに様々な感情を刺激させられました
連作短編集のような構成なので大変読みやすかったです
変に小難しい表現もなく、医療の知識がない人でも理解しやすい説明が成されていました
とても読みやすくスラスラと進めます
それなのに軽い読み心地ではなく、胸になにかズッシリとしたものを残していく作品でした
読後感はとても良かったです
個人的に恋愛パートは不要かな…と感じましたが逆にそういうのがある -
Posted by ブクログ
最先端の医療現場と市中の一般病院の現場の対比や緊急内視鏡処置のリアル(食道静脈瘤破裂止血や胆道狭窄ステント留置など)がよく描かれているだけでなく、、
京都の先斗町、珍皇寺の六道まいり、糺の森、、たくさん京都の地名や風物詩が出てきて、こちらもじっくり味わって…
主人公マチ先生の(人間はね、一人で幸福になれる生き物ではないんだよ)と妹の遺児に語る哲学が胸にきます…
精神科から内科に転科された秋鹿先生の「共感というのは心にとってはなかなかの重労働でしてね…度が過ぎると心の器にヒビが入ることがあります…」このくだりも忘れられない
先生が難しい患者を持っている時に毎晩来るゲームバーで、マチ先生がい -
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Posted by ブクログ
オススメで見かけて気になって買った本。
初め、何となく世界観が古賀史健さんの『さみしい夜のページをめくれ』っぽいなぁと読みながら思いました。どちらも本の素晴らしさを教えてくれるお話です。
「難しい本に出会ったらそれはチャンスだよ」
「難しいってことは新しいことが書いてあるって証拠だよ」
この言葉に私は嬉しくなりました。
『百年の孤独』は2回読んでもわけが分からなかった。
カミュの『シーシュポスの神話』もコリンウィルソンの『アウトサイダー』も挫折して積読に。
私は読めた時の景色を見たいから、諦めずにトライしようと改めて決意しました。
ちなみに…『星の王子様』は学生の頃読んでちんぷんかんぷん -
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Posted by ブクログ
『スピノザの診察室』『エピクロスの処方箋』を読み終わり、夏川草介作品を遡ってみた。今回もオーディブル。
「孤独を取り除く」というフレーズが印象的だった。
ナレーターさんの節回しの影響もあるかもしれなけど、なんとなく森見登美彦の「四畳半神話大系」な空気もチラリ感じた。それはそれで楽しい。
”電子カルテを入力……”というフレーズに「おっ」と小さく反応てしまう(『スピノザの診察室』『エピクロスの処方箋』のときも同じだった)そして。「あぁ、普及したんだなぁ」と妙な感慨を覚えた。ITベンダー社員時代「電子カルテ」の普及(まずは利用が認められる必要があった)はビジネス的に重要テーマだったのだ(特に公 -
Posted by ブクログ
現代の医療における問題点を的確に表現しながらも、安曇野の雄大な自然や花、桂と美琴の爽やかな恋愛要素が彩りを添えることで、読みやすい一冊になっていました。
終末期の医療は、未だに発展途上の感があり、医療者の中でも悩みが尽きない分野です。御本人の意思が示されていれば、まだ救われるのですが、ない場合には御家族の決断が二転三転することは、よくあることです。死について話すことをタブー視するのではなく、家族や大切なひとと意思を共有できていたらいいのにと常々考えてしまいます。
この小説の中で最も共感した人物が、半崎です。半崎ほどの大事にはなっていませんが、私も看護師1年目にインシデントを起こしたことはあ -
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Posted by ブクログ
「スピノザの診察室」と「エピクロスの処方箋」を先に読んだので、当作も京都の雄町雄介シリーズだと思っていたら全然違った。文調もいささかギャグ路線で上記2作とのギャップに読み始めのうちは戸惑った。
しかし読み進めるうちに、雄町雄介シリーズと同じく味わいを感じるようになった。舞台は信州松本。さりげなく地酒が紹介されたり、豊かだが厳しい自然の空気感が伝わったりと、その風土の想像を楽しめた。当作も大学医局と地域の草の根医療の対峙という社会テーマをベースにしている。そのジレンマの中で描かれる人間と人間の関わりには深く感銘を受けた。読後の余韻も良かった。傑作に出会えて満足である。