夏川草介のレビュー一覧
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オススメで見かけて気になって買った本。
初め、何となく世界観が古賀史健さんの『さみしい夜のページをめくれ』っぽいなぁと読みながら思いました。どちらも本の素晴らしさを教えてくれるお話です。
「難しい本に出会ったらそれはチャンスだよ」
「難しいってことは新しいことが書いてあるって証拠だよ」
この言葉に私は嬉しくなりました。
『百年の孤独』は2回読んでもわけが分からなかった。
カミュの『シーシュポスの神話』もコリンウィルソンの『アウトサイダー』も挫折して積読に。
私は読めた時の景色を見たいから、諦めずにトライしようと改めて決意しました。
ちなみに…『星の王子様』は学生の頃読んでちんぷんかんぷんだったけど、大人になって読んだらすごくいいお話でした。
これからも本からたくさんの力をもらおうと思います。 -
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『スピノザの診察室』『エピクロスの処方箋』を読み終わり、夏川草介作品を遡ってみた。今回もオーディブル。
「孤独を取り除く」というフレーズが印象的だった。
ナレーターさんの節回しの影響もあるかもしれなけど、なんとなく森見登美彦の「四畳半神話大系」な空気もチラリ感じた。それはそれで楽しい。
”電子カルテを入力……”というフレーズに「おっ」と小さく反応てしまう(『スピノザの診察室』『エピクロスの処方箋』のときも同じだった)そして。「あぁ、普及したんだなぁ」と妙な感慨を覚えた。ITベンダー社員時代「電子カルテ」の普及(まずは利用が認められる必要があった)はビジネス的に重要テーマだったのだ(特に公共・医療系システム関係者にとって)。 -
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現代の医療における問題点を的確に表現しながらも、安曇野の雄大な自然や花、桂と美琴の爽やかな恋愛要素が彩りを添えることで、読みやすい一冊になっていました。
終末期の医療は、未だに発展途上の感があり、医療者の中でも悩みが尽きない分野です。御本人の意思が示されていれば、まだ救われるのですが、ない場合には御家族の決断が二転三転することは、よくあることです。死について話すことをタブー視するのではなく、家族や大切なひとと意思を共有できていたらいいのにと常々考えてしまいます。
この小説の中で最も共感した人物が、半崎です。半崎ほどの大事にはなっていませんが、私も看護師1年目にインシデントを起こしたことはあります。自分のせいで患者が、先輩だったらこうはならなかった。そんな思いが渦巻いて、病棟に行くのも、患者へのケアのひとつひとつが怖くて仕方なかったです。
今思えば、その時の自分にできる精一杯はやっていたし、新人だったらそんなものと、そう思います。個人の問題だけではないことを、今では痛感しているからかもしれません。どんなに予測して対策を重ねても、一日中1人の患者に張り付いていない限り、すべての事故を防ぐことは不可能と言っていいでしょう。この小説はその部分を、病院の実態を知らないひとにも伝えてくれるのではと思います。 -
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「スピノザの診察室」と「エピクロスの処方箋」を先に読んだので、当作も京都の雄町雄介シリーズだと思っていたら全然違った。文調もいささかギャグ路線で上記2作とのギャップに読み始めのうちは戸惑った。
しかし読み進めるうちに、雄町雄介シリーズと同じく味わいを感じるようになった。舞台は信州松本。さりげなく地酒が紹介されたり、豊かだが厳しい自然の空気感が伝わったりと、その風土の想像を楽しめた。当作も大学医局と地域の草の根医療の対峙という社会テーマをベースにしている。そのジレンマの中で描かれる人間と人間の関わりには深く感銘を受けた。読後の余韻も良かった。傑作に出会えて満足である。 -
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引きこもり気味の高校生・林太郎が、祖父の遺した古書店で人間の言葉を話すトラネコと出会い、本を守るために異世界に入っていく、という設定。
最初はあまりのファンタジー感にちょっと入りづらい印象だったが、読み進めていくうちにどんどん引き込まれていった。
読む人によっていろんな解釈ができそうだが、自分にとっては、ファンタジーの形を借りた、夏川先生なりの“読書論”だと感じた。
本は一度読んで終わりなのか?それとも繰り返し読むべきものなのか?
難解な内容の本を時間をかけて苦労してでも読むのか?それとも効率よくエッセンスを掴むことがよいのか?
商業的に「売れる」本が価値の高い本なのか?
本を読むことの意味ほどこにあるのか?
たぶん、どれも絶対的な正解はない。
でも、本と向き合う中で、一度こういうことを考えてみるのはどうですか?というメッセージを受け取った気がする。 -
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本作は、現代日本が直面する終末期医療の「延命治療」や「看取り」という重いテーマを扱っているにもかかわらず、物語が暗く重くなりすぎず、不思議と安曇野の爽やかな風が吹き抜けるような読後感。
主人公の二人も魅力的だけど、彼らを取り巻く「死神の谷崎」「小さな巨人」「事なかれの遠藤」といった、ひと癖も二癖もあるキャラクターたちが物語をいっそう引き立ててくれて面白かった。
特に「死神」と呼ばれる谷崎の語る「看取り」のスタンスには「一理あるな」と妙に納得させられた。
「高齢者医療」は自分にはまだ先のことだと思っていたが、本作を通じて深く考えさせられた。もし自分がその立場になったら、過度な延命治療は絶対に望まないだろう。
安曇野の四季折々の花々の描写や、美琴と正太郎の爽やかな恋愛要素も微笑ましくて良かった。
続刊はでないのかなー! -
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祖父を亡くし、ひとりぼっちになってしまった主人公が、一匹のトラネコと出会うことから始まる物語。祖父の遺した書店と「本」の存在を通して、なぜ人は本を読むのか、本にはどんな力があるのかを改めて考えさせられた。
読みやすい本だけでなく、時には難しく感じる本にも意味があり、さまざまな本と出会うことの大切さを感じる。読書の楽しさや、本を読む時間の尊さを優しく教えてくれる作品だった。
本をたくさん読むこと自体が目的になってしまっていた時期もあったが、この作品を読んで、一冊一冊を大切に味わいながら読んでいきたいと改めて思えた。本には、自分では経験できない人生を体験させてくれる力があるのだと感じた。 -
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「神様のカルテ」「スピノザの診察室」など、現役のお医者さんながら医療現場の小説を書かれている夏川草介さん。
あれ?この世界中で人気の「本を守ろうとした猫の話」。これも夏川さんの作品だった!
気づかずに読んでました。
今回は、その続編。
中学生のナナミが、本を守るために立ち上がります。
戦う相手は、
「本なんか読んでもなんの意味もない」
と言いきる風潮。
猫と一緒に、ナナミはどうやって立ち向かっていくのか?
想像力の大切さを教えてくれる本です。
そうだ、私、子供の頃「偉大なワンドゥードルさいごのいっぴき」という本が大好きだった。
このお話はそれに似ている気がしました。