夏川草介のレビュー一覧
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ネタバレ3作品目も非常に面白かった。
物語の中には結局温かみのある良い人たちが多く登場するので、毎回読み終わった後の満足感が大きい。
島内さんの話の、
「生きる努力をしてみてもよいのではありませんか?」
という場面のやり取りが特に印象に残った。相手を思うからこそ生きる道を選ぶべきだという考え方には重みがあり、栗原先生が言うからこそより響く言葉なのだと思った。
また、男爵の
「生きるってことは、学歴とか肩書きとかを掻き集めていくことじゃない。今自分にできることを、少しずつ積み上げていくことだ」
という言葉も心に残った。日々の積み重ねが大切で、誰が見ていようと見ていまいと、自分にできることを地道に続け -
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ネタバレ初めて読んだのが中学生の時。そこから何度かの本の断捨離を経て、未だに残り続けている私の本棚の中でも古参の1作。
何回か読んだはずだけど、最後に読んだのは何年も前な気がする……。
きっかけがあり本当に久々に読み返して見て、改めて素晴らしい作品だなと感じた。
当時は夏目漱石について名前しか正直知らなかったが、読破を目指すほど(全然達成する気配がないが)好きになった今感じる面白さが段違いである。クスっとなるポイントが確実に増えたし、槌と鑿の話が夢十夜の第六夜だとすぐ気がついた時がなんかすごく嬉しかった。
ちなみに草枕はまだ読んでおらず、後回しにしていたことを若干後悔している。
そして、イチとハル -
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前作を読んだだけでは理解しきれなかったマチ先生の哲学により深く触れることができた。マチ先生の哲学はすでに完成しているものと捉えてしまっていたけれど、実際には医療の現場で日々患者と対峙し逡巡しながら、自身の内側と向き合っている。哲学とは考え続けることなのだな、と改めてわかった気がする。
幸福と快楽の違いや、哲学者エピクロスが説く精神の安定を本質とした快楽と世の中に浸透している快楽の違い。本作を読みかじっただけで理解するにはあまりに難解である。ただし思うことは、欲に塗れた卑劣な「快楽」に走って本質を見失わないように、そして、マチ先生の理論に置き換えるならば、「雑多な物事とともに我々の足元に埋もれて -
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ネタバレ大学の友達にオススメされて読みました。
本を大切にするってどういうことだろうという事を考えさせられました。
⚠️これより下の文はネタバレを含みます⚠️
私は本をどれだけ早く読むかという事に共感してしまいました。あらすじは大切ですし本を選ぶ時に見たりします。それだけで本の内容が理解できたら、確かにどれだけ良いことでしょう。私は小説を書きます。その視点から考えるならあらすじの文章だけで本を理解することは不可能に近いと思います。決して無理とは言えませんが…。この本のこのページ、このセリフはここに、このシーンがあるから、その他色々、書く人はその本の構成などを大切にしています。無理とは言えないと書い -
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実は、夏川草介さんの大ヒットした『神様のカルテ』シリーズや『スピノザの診察室』『エピクロスの処方箋』はまだ読んだことがなくて。家族の本棚にあった本作を拝借して手に取ってみました。
家族などの身近な高齢者を見送った直後であれば、読むのは辛かっただろうなと思うけれど、比較的時間が経った今であれば、地方の医療現場の現状も、そこで働く医師や看護師たちの思いも、そして何より患者やその家族の「死」というものとの向き合い方も、比較的冷静に、我がことにも置き換えて考えながら、読み進めることができました。
延命措置にまつわる「根が切れてしまっている花」と「根は切れていない花」のエピソードはとても感慨深く、こ -
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息子へ)
最近、このブログで、君には、本屋大賞の過去受賞作品をたびたび薦めている。本書は、こんなにいい本なのに、大賞ではなく、第2位の作品。
ちなみに、本屋大賞関連の本は、ことごとく映画化・ドラマ化されていて、本作品も映画化。映画のほうも見たが、やっぱり原作がおもしろい。原作がおもしろかったから映画化する訳だが、さすがに、時間や映像化に制約がでるので、原作を超えることは難しいようだ。
地方の救急病院医の物語。
主人公の医者が特別すごい訳でもなく、患者の病気が特別難病であったり、シチュエーションが特殊なわけではない。
命の数だけ、死があるわけで、そのいくつかを取り上げた医者と患者の物語。ひ -
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夏川さんの「本を守ろうとする猫の話」の続編。
このシリーズはファンタジーの中に数々のメタファーを散りばめて語られていく。
あらゆる年代にとって読んでほしい、そして年代によって感じ方が異なるであろう作品であるところがふしぎ。
可能性に満ち溢れている反面苛烈な競争にさらされ始める青少年、「未熟な故の純粋無垢さ」を忘れてしまった大人、それぞれにとって大きな意味のあるメッセージを感じてもらえれば幸いです。
(でも、世界を混沌たらしめている「揺るぎない利己性をもつ」マジョリティに、本を読む人がマイノリティな現状に、このメッセージをどう届けていくべきだろうな…) -
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現代人に向けた寓話(≓おとぎ話)のような作品だった。
若干ファンタジー寄りだけど、現代の問題を突き付けてくる鋭い切れ味だった。
「他人を蹴落としてでも、自分の成功を求める人たち」
これは一つの手段として、決して悪ではない。そういう存在が登場する。
ただそのやり方が是か非かは、人によって考えが違うと思う。
この作品は幅広い年代に問題を投げかける非常によい作品。
おそらく読む世代や考え方によっても受け取り方が変わってくると思う。
そして前作よりも古典作品のクロスオーバーが強化されている。
作中に登場した作品を読んでいれば、展開をもっと楽しめると思う。
あっ、このセリフは...!とか、この人 -