夏川草介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
何年も前から読んでみたかったが、シリーズ何作もあり、読むなら全部読みたい自分はなかなか手に取らなかった。
何の予備知識もなく一気に読み終えることとなった本作は、人の死を扱っているにもかかわらず温かな物語と強く感じた。それは登場人物のキャラクターによるところが大きく、特にハルさんには大変惹かれ楽しませてもらった。
と同時に病気についてもあらためて唸らされた。
病むということは、とても孤独ということです、という一文には強く共感した。
30年以上にわたり持病を抱えている自分にとっては沁み入った。
ただそれさえも前向きな物語としている本作はホントに素晴らしい。
出版と同時に読んだ読者は、この作品がこれ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ神様のカルテの大ファンであり、夏川草介さんの作品と知り、購入しました。
神様のカルテシリーズと同じ長野が舞台ですが、少しテイストは違う話で飽きずに読めました。特に、死と向き合う話が多く、自分自身も考えさせられたし、作者の夏川さん自身も今もなお葛藤を続けながら、仕事に励んでらっしゃるのだと思いました。
人は1人では生きていけない。誰もが誰かと繋がって生きている。生きるということはそれだけで誰かに背負われるということであり、同時に誰かを背負うことだ。
この言葉が印象に残りました。死神と呼ばれる先生もいる中で、研修医の桂先生と美琴が病気と戦っていく姿と病院を変えていく姿に心が温かく感じました。
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Posted by ブクログ
夏川さんの本を最初に読んだのは、スピノザから。その本の何とも言えない優しさと強さに感動し、夏川さんの本を読みたいと手にする3冊目が「始まりの木」
第一話で、古屋先生がどうして片足が不自由になったかが分かることに、驚いた。下手したら後半に分かる流れでもおかしくないのに。でも読み進めていって、登場人物たちのことを書きたかったわけではないからなんだと。主役は民俗学。自然に宿る神様たち。
日本は豊かになったのか。お金にならない、仕事に役立たない、学問は何の意味があるのかと、純粋に知りたい学びたいという気持ちだけでは生きていけない、心の余裕がない気がする。
心を削ってしまったから、風通しも悪くなっ