夏川草介のレビュー一覧
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看護師の美琴と新人研修医の桂は地方の病院で日本の医療の現実と向き合う。
夏川さんといえば地域医療、という印象があるくらいですが、こちらも「神様のカルテ」と同じく疲弊する地域医療の現場と現実を描いたお話です。テーマはより深刻になりつつある高齢者医療について。増えゆく高齢者の患者をどう支えるのか、どこで線引きするのか、難しい問題を直球で突きつけてくるのは夏川さんの特徴でもあると思います。けっこう暗澹とするこれらの問題を論うだけではなく、その場で力なき個人として何ができるのか、エピソードの最後の一滴に救いを残すところがストーリーテーラーとしての夏川さんの真骨頂なのかな、と感じます。そして花を巧みに -
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最新医療の大学病院から終末期の高齢者ばかりの町の病院に移った雄町先生ですが、患者さんや症例、同僚への姿勢は常に変わらず、その思考は日々深くなっていく。
軽妙なやり取りをしながら、お互いに尊重し合う医師達の人柄、診断は清々しく、私もこんな先生に診てもらいたい、と思った。
常に丁寧な言葉で話す聡明な中学生の甥も、たくさんの同僚からの愛情や影響を受けて、間違いなく立派な大人になるだろうと思う。
医学部教育のスローガン「病気を診るのではない。人を診るのだ。」という人間中心の考え方はもちろん大事だが、それだけでは到達できない領域がある。
患者の不安や家族の動揺を傍において、数値やグラフ、細胞に死に物狂 -
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ここ最近で一番の本だった。
民俗学について研究する女学生と大学の先生の話で、何よりこの2人のやり取りがおもしろい。
民俗学って何なのか、まずそれが分からないと思うが、本を読んで思ったのは倫理に近いものだと感じた(正確には違う)。理屈ではない、神に対する信仰心とかそういった類のことである。
正直私は、神とかまったく信じていない。この本に出てくる例えば、樹齢何百年の木とかも新しく道路を作るために伐木するのに何も思わないし、どんどんしろとも思うタイプである。それが経済のためになるし。
ただそれに対してこの本では、そういう自らの幸福を求めている人だけの国は亡びていくとしている。目に映ることだけが全てだ -
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大学病院に移った一止。
大学のルールや規律その他しがらみに翻弄される中、自分が通すべき信念を、ここぞという時にはしっかり主張する一止に、ヒヤヒヤしながらも年甲斐もなく熱く応援してしまう。
読み始めはなんとなく荒んで毒舌度合いが増した一止に見えたが、後半以降はそれに自分が慣れたのか一止が戻ったのか、いつもどおりに戻って良かった。
最後は本庄病院では大蔵省の位置に当たるキャラの准教授(通称パン屋)相手にまたも大喧嘩するがやはりそうなるよねという患者本位の一止らしさ。
それを乗り越えた一止もすっかり大学病院の最大戦力の一員かぁと思うと感慨深く思う。
最終巻である今作品を読み終えて、続きがな -
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シリーズ5作目 舞台は大学病院へ
本庄病院から信濃大学医学部の内科に入局した栗原一止
妻 榛名との間に小春が生まれたが、股関節の疾患により小児科への通院にも付き添っている様子
大学病院では消化器内科として勤務する傍ら、大学院生として研究を勧めながら、以前にも増して金欠のためアルバイト等にも追われる日々
そんな中、栗原の班に外科の砂山次郎から一人の患者の転科を相談される
29歳の若さで膵臓癌と診断された二木美桜
彼女の治療方針を巡り、大学病院の様々な矛盾が描かれる
御嶽荘は男爵が相変わらず主のようで、また学士殿も戻ってきたよう
そんな御嶽荘も老朽化のため大家が解体したがっているという問題もサ -
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ネタバレ投げやりになった二木さんに対して、栗原先生が「1ヶ月しか生きられないなら意味のない命なのか。そんなことはないはずだ。」と言い、それを通して二木さんが、1日でも力を尽くして生きよう、と決意していくのがとても感動だった。
自分や大切な人に今日明日何があるかは皆わからない。あと何日生きられるか分からないけれど、1日1日を、力を尽くして前に進む、生きる姿勢。
組織についても考えさせられた。これはもう医療に関わらず色んな組織であるあるだと思うけど、現場にいるものは、目の前の人のために助けるために柔軟に動きたい、規則に縛られるなんておかしい!となる。目の前の一人の患者を見てるから。
でも、現場が動けるの -
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「神様のカルテ」の前日譚になるんかな?
一止の学生時代から、本庄病院の研修医ぐらいまで。
研修医と言っても、激務は変わらず…いくら志しは、あるとはいえ死ぬで〜
こんな激しい働きぶりとは、相反して、優雅で清々しい信州!ほんまに、ええ感じな土地柄やな…
実際に住んだ事ないけど、憧れてまう!
神様のカルテって何かなって思ってたけど…
「神様がそれぞれの人間に書いたカルテってもんがある。俺たち医者はそのカルテをなぞってるだけの存在なんだ。」
こういう謙虚というか、自分が人の命を救ったってるなんて、おこがましい!
そういう気持ちが大事なんかもしれんな。
寿命が決まってるって考えるのは、あんまり受 -
購入済み
よかった
自分の心に、残しておきたい言葉が、たくさん散りばめられていました。マーカーをする手が、頬を伝う涙が、止まらなかったです。ありがとうございます。
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やっぱり感動します
神様のカルテには小説から入りました。
作者の情景描写の素晴らしいマジックに、さらには淡々と進むストーリーに、大笑いしながらも、ポロっと涙の連続です。
ですから、漫画の世界には少し抵抗もあったのですが、いざ読んでみると全く同じ世界観が広がっています。是非とも皆さんにもおススメします。