夏川草介のレビュー一覧

  • 本を守ろうとする猫の話

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    不思議な猫と書店を営む老人の孫、そして同じ学校の女の子と進んでいく本を守る物語。 祖父が無くなりヤケになる主人公を周りが助け、そして本の力や繋がりで主人公もまた周りを助けていく。 また現代の読書離れや分厚い書物を読まないのを「本が痩せる」という表現をしていて見事なものだと思いました、読書離れに警鐘を鳴らすと共に古き良き本にも着目し視野を広げてくれる作品でもありました。 猫の正体は一体なんだったのか、解釈の余地を残してくれているのが1番の高評価ポイントかもしれません。

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    2026年09月08日
  • 臨床の砦

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    コロナ第3波にみまわれた2021年1月の地方の病院のコロナ診療の現状が描かれている。著者は実際にコロナ診療に携わり、肉体的にも精神的にも極限状態にあり、寸暇を使って書くことで正常を保てたようだ。リアルタイムで、切迫する現場の状況が書かれたことになる。医療崩壊の現場がどんなものであったか、初めて知った。いろいろな立場の医師が,コロナ診療の状況にどう考えたのかも知ることができた。コロナ罹患患者の病院への受入れの難しさも,触れられている。地域での感染症患者への対応体制が整っていないことが,医療崩壊をおし進めた要因の一つだったが,このときの教訓は生かされているのだろうか。

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    2026年09月05日
  • 勿忘草の咲く町で 安曇野診療記

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    地域の小規模病院での高齢者医療の話。最初は花の名前と高齢者医療のありきたりな話かと思いきや、読み進めていくとなんとも奥が深い。
    80歳超える患者たちの看取りのはなし。植物状態なのに、ただ、命をつなぎ留めるだけだけの治療がいいのか考えさせられる。
    「生きるということはそれだけで誰かに背負われているということであり、同時に誰かを背負うことだ」
    「根が切れるということは、背負うものもなく背負われることもなくなるということ」
    根が切れている患者、切れていない患者。
    いつまでも根を元気に張らせるような生き方をしていきたいって思う。

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    2026年09月05日
  • 勿忘草の咲く町で 安曇野診療記

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    ほんの少し前にスピノザとエピクロスを一気読みしてその後別作者達の本を読んでいたけど、どうにも読み応えが物足りず、夏川さんの文章に浸りたい、、!となりまた夏川作品に戻ってしまった1冊。笑


    やはり情景描写の表現がとにかく深く、初めて聞く言葉がいくつか出てきても、「難しい表現が多くて読みにくい」ではなく、「どんな意味なんだろう」と思わず調べたくなって、一つ一つの文章を丁寧に読みたくなるしその読み応えがとても心地よいし、病みつきになる。

    今回は高齢者医療(看取り)が中心だった。医療作品なので基本的には他の作品と似通っている雰囲気もあるけど、だからこそ夏川作品を読み重ねるうちに医療の現場の過酷さがひしひしと伝わってくる気がする。
    そして本作でも、医療者としての「哲学」について主人公が悩み考える姿が描かれており、医者である夏川さん本人が本当に大切にしているものなんだろうなと言う点が印象的だった。

    高齢患者の看取りを「寿命」と割り切って淡々と進めていく谷崎先生の理論は冷酷なのに論理的で読後強く頭に残っているのが我ながら意外だった。
    ただ、いざ自分が当事者となる場合には、きっとそんな風に割り切れないんだろう、と考えさせられた。

    スピノザ・エピクロスの後に本作を読むのが個人的にはおすすめ。

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    2026年09月02日
  • 勿忘草の咲く町で 安曇野診療記

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    地方都市郊外の病院に勤務する1年目の研修医の内科診療を通して、80歳超の高齢者の医療が語られる。そこでは患者は,容易に想像できるように,いろいろな,でも似たような経緯・経過で終末を迎えていく。我が国の現状は、死が我々の生活から切り離されて特別なものになっている、という著者の主張がある。これから迎えるであろう親や自分の終末をどうするか,考えるきっかけを与えてくれた。

    九兵衛や本庄病院勤務経験をもつ信濃大学の医師がちらりと現れるという、著者のお遊び,あるいはサービスも見受けられた。

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    2026年09月06日
  • 神様のカルテ

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    医者の大変さとやりがいが入り混じった物語
    難しい言葉遣いなので読みにくいが、医者の緩さと張り詰めた緊張感が絶妙

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    2026年09月01日
  • 臨床の砦

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    ネタバレ

     コロナウイルスに挑む医療従事者たちの姿が克明に描かれていた。物語の中で、敷島たちが世間のコロナに対する問題意識が低いことを指摘しているのを読んで、自分もそっち側だったなと感じた。また、コロナ感染の波を耐え抜いたという華々しい部分だけを描くのではなく、医者が声を荒げる場面や、敷島が車中泊中に『自省録』のページを破る場面など、暗い部分も描かれていたのが心に残った。

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    2026年08月31日
  • 勿忘草の咲く町で 安曇野診療記

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    あああ、読み終わってしまったーーー!ずーっとこの世界に浸っていたかったのに。
    テーマとしては老人医療なのに、神様のカルテのイチさんを彷彿させるような研修医の桂と看護師の美琴の、ラブストーリーも入ってくるので、どん底に陥ることなく、しっとり楽しめました。お花の効果も多かったかも?パワーくれるよね、お花って。
    久兵衛は出てくるし、本庄病院も名前だけは出てくるし、いつか、この世界線が出会う日が来たらいいなー。

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    2026年08月31日
  • 命の砦

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    言うまでもなく,著者は医師でもある。著者が経験したあのコロナ第1波の医療現場の混乱や葛藤を,設定はフィクションながら事実を描いたもの。記録文学とは言えないだろうが、当時の記憶を留めるものとして、貴重だ。時を余り経ずに,書かれたことの意義は深い。当時のことを思い出しながら読み上げたが、わずか6年前のことながら,自分の記憶はすでにあやふやになりつつあることに気付いた。本書が長く記憶されることを祈る。

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    2026年08月31日
  • 勿忘草の咲く町で 安曇野診療記

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    とても面白かった。
    読み応えある作品でしたね。
    桂先生と琴美の微妙な距離感が心地よく。
    病院の高齢問題の難しさと現実はこうなのかなと
    余韻を感じながら読み終えました。
    おすすです。

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    2026年08月29日
  • 神様のカルテ0

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    夏川草介氏の『神様のカルテ0』を読んだ。

    「神様がそれぞれの人間に書いたカルテってもんがある。医者は、その神様のカルテをなぞっているだけだ」――大狸先生のこの言葉が、本書のタイトル『神様のカルテ』の意味を象徴しているように感じた。これまでシリーズを読んできたが、本書を読んでようやく、そのタイトルに込められた意味が少しわかった気がする。

    特に心に残ったのが、元国語教師である患者・國枝さんの言葉だ。

    「人は、一生のうちで一個の人生しか生きられないが、本は別の人生があることを教えてくれる。そうすると、たくさんの人の気持ちがわかるようになる。そういう人々の気持ちがわかるようになると、優しい人間になれる」

    本を読むことの意味を、これほど端的に、そして深く表現した言葉はないと思う。本を通して自分とは違う人生を知り、さまざまな人の気持ちを想像する。それが人を少し優しくするのだという國枝さんの言葉は、読書が好きな自分にとっても、あらためて考えさせられるものだった。

    本作では、研修医時代の栗原一止をはじめ、金山事務長の過去、進藤と如月のエピソード、そして榛名さんの山岳写真家としての一面など、これまでのシリーズでは描かれなかった登場人物たちの物語が描かれている。

    おなじみの登場人物たちにも、それぞれに過去があり、迷いや苦悩を抱えながら今を生きている。その姿を知ることで、これまで読んできた『神様のカルテ』の世界がさらに立体的になった。

    医師が向き合うのは、病気だけではない。その人が歩んできた人生そのものなのだと思う。そして医師は、患者という一人の人間の「カルテ」を読み解きながら、その人生に寄り添っていく。

    シリーズの登場人物たちの原点や知られざる一面を知ることができた『神様のカルテ0』。これまでの物語を振り返りながら読むことで、より深く心に響く一冊だった。

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    2026年08月27日
  • 君を守ろうとする猫の話

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    語彙力がないので、どう表現したら。。。となっていますが、純粋に物語として面白かったですし、考えさせられるt箇所や心打たれる箇所もありました。
    Audibleで並走したのですが、惜しむらくはかなり内容や台詞などが端折られていたり、表現が変えられていたりしたところですね。。。何のための朗読かと。。。
    まあ、Audibleではたまにありますが、この作品に関してはかなり多かったという印象でした。

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    2026年08月24日
  • 神様のカルテ3

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    シリーズ第3作にして主人公が直面する大きな壁。医療トラブルは表面的な契機に過ぎず、本質は地域医療で奮闘して5年、手応えを感じ始めていた彼が突きつけられる「このままで良いのか」という葛藤こそが本作の真の壁だろう。

    30歳という節目(誕生日のエピソードもニクい伏線だ)を迎え、働く人間なら誰もがぶつかるキャリアの普遍的なテーマを描いている。信州松本や安曇野の情景に、本作では「冬」や「年末」という変化と思索の季節をうまく取り入れているのも秀逸だ。

    前二作で彼の奮闘に寄り添ってきた私たち読者だからこそ、ともに心が打ち砕かれる体験はシリーズの特性を最大限に活かした見事な構成。これだけ苦しい展開でも、人との関係に確かな優しさを感じさせ、希望を与えてくれるのは夏川作品ならではの素晴らしさでもある。

    もっとこの世界に浸っていたい。残り2作となった寂しさを噛み締めつつ、大切に読みたい。

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    2026年08月24日
  • 命の砦

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    臨床の砦 の姉妹本。
    この最高の2作品はぜひ読んでほしい。
    あの悲劇をバネに、人類と世界がちょっと良くなるために。

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    2026年08月23日
  • 君を守ろうとする猫の話

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    本を守ろうとする猫の話と続けて一気に読み切ってしまいました。

    書きたい思いはたくさんあるんだけど、三部作の2作目と知り、次の作品を心待ちにする気持ちがはち切れそうに膨らんでいます。

    第三部を読んで、読み返して、ゆっくり書こうと思います。

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    2026年08月23日
  • 神様のカルテ

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    やっぱり好きだな夏川草介さん。

    上橋菜穂子さんの解説が秀悦。
    『本を読み終えたとき、心に灯火がともるような物語があります。ロウソクの炎のような、小さい静かな灯火が本からそっと移ってきて胸の底に灯され、ちょっと揺れ、やがて、しっかりと炎の姿を保ちつづけていく-本書は、私にとってそういう物語でした』

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    2026年08月19日
  • 命の砦

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    未知のウイルスに世間が右往左往する中、医療機関にとってももちろん未知のウイルスで、どう対応して良いか、自らも危険な場所にいながら考えることは、並大抵ではない心の重さがあっただろうと感じた。そして周りの差別的な扱いがも酷いもので、みんなが怯える状況だと怖さが先に立って、人への攻撃が気にならなくなるのが、本当に恐ろしいなと思った。この時期を記録も含め小説として形にしてくれた夏川さんには尊敬しかない。

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    2026年08月19日
  • 臨床の砦

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    コロナの時期の病院の現状が本当にリアルに語られている。あの大変な時期に、書くことで心を整理しこれだけの作品ができたことには驚きしかない。
    私自身もコロナにまあまあ初期にかかり、ホテル療養しつつも苦しくて、薬を処方してもらってとても助かった経験を思い出す。どれだけ医療現場は大変だっただろう。

    この先コロナを経験したことがない人に向けても伝えていきたいことだなあと思った。

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    2026年08月16日
  • 神様のカルテ

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    TV番組で紹介されていたので読んでみましたが、泣けました。
    入院を受け入れている病院って、毎日あんな感じなんですね。
    子供のころに、あの病院に入ると死ぬからかかっちゃダメって
    言っていた大人がいたけど、この作品を読んでこういうことかと
    答えを得た気がしました。
    あと、読むとカステラが食べたくなるから用意しておいてね。

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    2026年08月15日
  • 神様のカルテ3

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    こちらも一瞬で読破。

    なぜか栗原一止が最強だと思っていた自分がいたが、ちゃんとした人間なんだと認識できるような1冊になっている。

    相変わらずの毒舌ぶりで新キャラに対しても、平常運転。

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    2026年08月14日