夏川草介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
医者の予想は当たらない。
1ヶ月は持つと思ったら1週間で旅立ったり、あと3ヶ月と診断したら1年持ったり。
実際、私の母も半年と言われてたのが次の日3ヶ月に短縮され2.3日後には旅立ってしまった。
そしてこの本を読む1ヶ月前には父も他界した。その時は1週間と言われその通りに旅立った。
余命を言ってくれれば話しかけたりしてあげられることは尽くせるからありがたいのだけど、確実じゃないから命は人の思うままにならないよな。
治らない病気を持つ人に対して医療は無力だ。だから第三の道という、全ての人がいずれ必ず死ぬのなら目の前にいる人が今を笑顔で過ごせるかが大切。
足元の花にもちゃんと目をむけるのだ。
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Posted by ブクログ
終末医療について知りたいと思い、この本を読み始めた。重いテーマの物語かと思っていたが、全体を通してとても穏やかで心地よい文章で書かれており、静かな余韻が残る作品だった。
物語の中では京都の街並みや季節の移ろいが丁寧に描かれていて、その情景が目に浮かぶようで美しいと感じた。町家や路地、静かな空気感など、京都ならではの雰囲気が物語の魅力をより深めているように思う。
また、作中に登場する京都の老舗の和菓子も印象的で、どれも上品でおいしそうに描かれており、実際に京都を訪れて食べてみたくなった。
主人公のマチ先生が自転車で京都の街を往診して回る姿も目に浮かび、患者一人ひとりに寄り添う姿から、終末医 -
Posted by ブクログ
スピノザの続編。
凄腕の内科医、雄町哲郎が大学病院を辞めて2年。甥の龍之介と過ごしながら街の小病院で患者の死と向き合いながら、医療とは何かを考える。
技術だけでは良い医者にはなれない。どういう哲学、姿勢で人と向き合うのかが重要だと哲郎は考える。
哲学者エピクロスは普通に過ごすことの重要性を説いている。過度に楽しいことも悲しいことも避けながら、平穏な心の状態を保つことが重要だと。
穏やかな生活の中に幸せはあるということを、京都の街の描写、美味しそうな和菓子、餅、まわりの人間、そして何より家族との繋がりを描きながら実感させてくれる。
読んでいて、ほっこりと幸せになる本。前作に続き良書。 -
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