夏川草介のレビュー一覧
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ネタバレオーディブル読書。
2026年本屋大賞作品の前作ということで読んでみた。
表紙の通り、最後まで穏やかでやさしい物語だった。オーディブルの朗読も穏やかで聴きやすく、物語にもすんなり入り込めた。
一番印象に残ったのは、マチ先生の落ち着いた人柄。患者さんや家族にかける言葉によくこんな返しができるなと何度も感心したわ。
がんばってじゃなくて、急がないでって言えるってすごいよね。
登場人物もみんないい人たちばかりで、ずっと心地いい。
ただ、9歳の男児の手術のとこでいい子?と聞いて、悪ガキですと返されたときマチ先生なら何て返すんだろうと思った。それバージョンも見たかったな〜。 -
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「スピノザの診察室」の続編。
前作で夏川先生の作品に感銘を受けましたが、今作も、前回同様、命と向き合うマチ先生の言葉に何度もメモを取りました。
「人を救うのは、医療ではない。人なんだ。」
この言葉が、マチ先生の誠実な人柄を表し、人と人のつながりを感じながら、大切な人を大切にしたいと思わせてくれる。
そして、その大切な人と過ごしている今この瞬間こそが「幸福」なんだと気付くことができる。
病気や疾病を「治す」だけでなく、「寄り添う」ことで癒していく。それこそが、医療や福祉の現場で命と向き合い携わる者たちの心の根底に必要な信念なんだろうな。
哲学的なのに堅苦しくない。
大切なことに必ず気付か -
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中学生以上でも読める【夏川ファンタジー】2作目。喘息を患っているナナミという中学二年生が主人公だ。
前作は林太郎が「いかに本を愛しているか」という力で立ち向かっていった。今作は、「本は世の中に必要なのか?」である。本を読むことは想像力を育み、他者を尊重し、自分の経験できないことを本の中で経験できる…私にとっては魔法のような産物なのだが、「自由に、自分らしく」を全面に押し出す経済先行の現代では、古典作品を始め全てが否定される(その存在として【灰色の男たちーまるでモモの世界ではないか!ー】が描かれる)。
人を欺き、自分だけが豊かになりたいという思想ばかり。武器を持って争い傷つけ、殺しあう。歪んだも -
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雄町哲郎医師(マチ先生)
京都 原田病院での話 2話目
大学病院へ戻るよう、誘われ続けている
自分の医師としての生き方を、哲学の中に見出して
少しもブレず逃げもせずに全うしている
その生き方には、無理が見えない
今作には、看取りの場面が2箇所あった
「最後だからといって四六時中張り付いていたら
まるで、亡くなるのを待っているかのようになる」
「せやけど、ちょっと目を離しているうちに亡くなったら、どないするねん」
「それを大往生というんです」
今川陶子 花道家
72歳
膵臓癌
最後まで何もしなくてよい、という女性
看取りの後
息子が言う
「大黒屋の御鎌餅です」
「母がこの古い町で1番美 -
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「スピノザの面白いところは、人間の努力というものを肯定した点にある。すべてが決まっているのなら、努力なんて意味がないはずなのに、彼は言うんだ。“だからこそ”努力が必要だと」
「難しいです…」
「難しいさ。けれど存外重要なことを言っているんじゃないかと思うんだ。人間にできることはほとんどない。それでも努力をしなさいってね」
「それって、とても辛い話じゃないですか」
「私は、希望に溢れた論理展開だと感じるんだよ。…」
ここのくだりが、私にとっても、励まされているようで好き。マチ先生のように流されず、いつでも平常心で、どっしり構えていたい。
こんな哲学の話をしたり、言葉の裏に込められた思いを読み取 -
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昔、本を読んで感じたことを忘れてしまっていた
それが何を感じてどう思っていたのか
本の面白さや凄さってどんなことなんだろうとか
これまで時代を超えて読み継がれてきた本の凄さ
人はこれまでに数々の起こしてはいけない間違いや過ちをたくさん侵してきた
その根本にあるのは人間の無限の欲
先人たちが人間が間違いを冒さないように本に書き記して、そうならないように注意喚起してきた
が、、、
欲に目が眩む
まさに何も見えない人がどんどん増えて、本すら読まない
今の時代、コスパやタイパという言葉ばかりが先行し、失っているものの大きさに気がつかない人が増えている
そうならないために、大切なもの -
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「京都で体調を壊したら原田病院で診察を受けたい」
そんなことを思った。
この物語に登場する原田病院の魅力的なドクター&看護師さんたちに会ってみたいのだ。
主人公・マチ先生の「人間の生と死」に対する思想というか距離感がとても素敵だ。
いろいろな親族事情でちょっと揺らいでいた僕の気持ちをスーっと静めてくれた。ありがとうマチ先生。
オーディブルで聴いていたらナレーションも見事でどんどん引き込まれた。そして、オーディブルに導かれるままに続編も聴き始めている。
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「実際に存在してそうだよね」と思いネットで調べてみると、実際に京都市内に原田病院は存在していた。 -
Posted by ブクログ
初読みの作家さん。
期待値高めだったけど、それ以上!
やっぱり、主人公が好きになれるかどうか大事。
人情派の天才ドクターなんてありがちな設定かもしれないけど、実際はほとんど出会えることのないドクターだろうな。
思わず銘菓を検索したり、京都の街並みや季節感を堪能しながらガイド本のようなゆるりとしたペースから、本業発揮の専門的な医療シーン、患者さんや同僚ドクターとの日常、思わず南先生との仲を期待したくなるようなキュン場面や、とにかく飽きない、もっとこの世界に触れていたい、贅沢な読書時間。
何がその人にとって必要か、必ずしも最先端の医療を受け生きることが全てではない。
追加治療のための生活保護の -