夏川草介のレビュー一覧
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「理屈は措いて、患者のために力を貸してくれ」
この作品に登場する医師達は皆、立場や思想の違いはあれど、患者の為に在りたいと思う気持ちを共通して持っている。
立場や思想を超え、患者の為に動く医師達の連帯が激アツだった。
哲郎と花垣による内視鏡手術…聞いただけでもワクワクする。
前作と今作を読み比べると、前作は医療の、もしくは医師としての哲学を滔々と語る作品、つまりはスピノザの哲学における前段部分、運命を変える術を人は持たない、という部分に重きを置いていた作品と感じた。
対して今作は、後段部分、運命を変えられない中でも努力することが重要である、という部分を大々的に描いているように見えた。
難度の -
Posted by ブクログ
良かった!とても良かった!
前作、『スピノザの診察室』よりも、さらにマチ先生の魅力が溢れている。
雄町先生の哲学、医療に対する真摯な考え方、大好きです。
医師の世界と、死に向き合う苦悩、病気を治すための医療技術、想像もつかない世界を夏川草介さんはいつも教えてくれる。
そして難しい手術内容でも、とても穏やかに丁寧に描かれているので、すんなりと読める。
このシリーズはまだまだ続きそうですね。
甥の龍之介くんの成長と、南先生との関係もまた続きが読みたいところ。
京都のお菓子も食べてみたいなあ。
ラスト、ちょっぴり伏線回収(?)というか、行くお店が良いですね!
『スピノザの診察室』は映画化される -
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コロナ第3波にみまわれた2021年1月の地方の病院のコロナ診療の現状が描かれている。著者は実際にコロナ診療に携わり、肉体的にも精神的にも極限状態にあり、寸暇を使って書くことで正常を保てたようだ。リアルタイムで、切迫する現場の状況が書かれたことになる。医療崩壊の現場がどんなものであったか、初めて知った。いろいろな立場の医師が,コロナ診療の状況にどう考えたのかも知ることができた。コロナ罹患患者の病院への受入れの難しさも,触れられている。地域での感染症患者への対応体制が整っていないことが,医療崩壊をおし進めた要因の一つだったが,このときの教訓は生かされているのだろうか。
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エピクロスとは、快楽主義を提唱した古代ギリシャの哲学者です。
私たちが一般的にイメージする快楽主義とは、感覚的な快楽を幸せと考え、自分が気持ち良いと思うことを自由に追求していく思想ではないでしょうか。しかし、エピクロスが説いた快楽の本質は、本文にもあるように「何よりも精神の安定のこと」なのだそうです。
これは、還暦を過ぎた方なら少し理解できるのではないでしょうか。私自身62歳になった今、物欲や金銭欲、権力欲よりも、「日々を穏やかに過ごせれば、それでいい」と考えることが多くなってきたように思います。
2年前に読んだ『スピノザの診察室』でも感じたことですが、原田病院のような病院が自宅の近く -
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ほんの少し前にスピノザとエピクロスを一気読みしてその後別作者達の本を読んでいたけど、どうにも読み応えが物足りず、夏川さんの文章に浸りたい、、!となりまた夏川作品に戻ってしまった1冊。笑
やはり情景描写の表現がとにかく深く、初めて聞く言葉がいくつか出てきても、「難しい表現が多くて読みにくい」ではなく、「どんな意味なんだろう」と思わず調べたくなって、一つ一つの文章を丁寧に読みたくなるしその読み応えがとても心地よいし、病みつきになる。
今回は高齢者医療(看取り)が中心だった。医療作品なので基本的には他の作品と似通っている雰囲気もあるけど、だからこそ夏川作品を読み重ねるうちに医療の現場の過酷さが -
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「人生の面白さってものは、出世や月給にあるんじゃない。お前が思っているよりずっと複雑で意外性に溢れているんだ。
世の中には治せない病気が山のようにある。けれども癒せない哀しみはない。
幸福と快楽とは、とても似ている部分があるが、実際は異なるものだ。
エピクロスが主張している快楽の本質は、何よりも『精神の安定』のことなんだ。」
仏教で言うところの、八風におかされぬを賢人というなり、に通じると思う。
「良かれと思って進んだ道で、かえって患者さんを苦しめてしまうこともある。治すことだけが幸せな人生とは限りません。進むにしても、立ち止まるにしても、覚悟というものが必要です。
人を救うのは医