夏川草介のレビュー一覧

  • エピクロスの処方箋

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    楽しみにしていた続編
    雄町先生の言葉や人柄がじんわりと胸に染み込んできます

    ハッとさせられる言葉もたくさんありました。
    前作よりも、雄町先生の過去や心情が色濃く出ている印象

    医療では人を救えない。
    でも癒せない哀しみはない。

    亡き妹とのこと、医師と患者、伯父と甥、自分自身のあり方、様々な立場で迷いながら、「今」をどう生きるのか、そのためにどのように寄り添うことができるのか模索していく雄町先生。

    遠くではなく、足元をみつめて今を大切に生きていきたい。そんなふうに思わせてくれる一冊でした。

    スピノザの診察室とともに繰り返し読みたい。

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    2025年12月11日
  • エピクロスの処方箋

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    幸福とは何なのか…今を笑顔で過ごしたい、大切なことを見落とさないようにしたい、幸福について考えるというのはとても深く難しい。考え続けても答えは見つからないかもしれない。幸福の感じ方は一人一人違うけれど、マチ先生の言葉は心にスッと入って、また大切なときにふと思い出したい、考え方の柱になってくれそうです。

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    2025年12月08日
  • エピクロスの処方箋

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    楽しみにしていた続編は、色づく秋の京都をマチ先生の自転車が訪問診療先に向かう場面から始まりました。

    マチ先生の患者との向き合い方は変わらず優しく、消化器内科医としての技術もさすがでした。小説は、患者自身の思いや患者家族の思いもえがかれ、病気がもたらすものの大きさを感じることもできました。

    また、マチ先生の言葉は人の心に染み込むものが多く、今回も多くの言葉が読者の私にも染み込んで来ました。哲学者エピクロスが追求した幸福についてもマチ先生なりの解釈が加わって、なるほどと思いました。

    そしてマチ先生と暮らす龍之介くんと、後期研修医の南先生には、大きな成長を感じました。中将先生の考え方もよかった

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    2025年12月07日
  • エピクロスの処方箋

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    2025.11
    神様のカルテの作者である夏川先生の作品。出てくる人がみんな温かくてまっすぐでだいすき。

    マチ先生の哲学に、いろんな人がいろんな形で触れて、医療にできることは何なのか、その人物たちと一緒に思索することになる。

    マチ先生も完璧ではなくて、そこを春風のようなあたたかさでフォローしてくれるその人やあの人。激務の中、闘病の中、喪失感の中、辛い時人は人に支えられてなんとか立つことができるのだということを、これでもかというほど感じさせてくれる話。ほんと大好きです(告白)

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    2025年12月07日
  • 本を守ろうとする猫の話

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    夏川草介『本を守ろうとする猫の話』を読んで、まず感じたのは物語の“直球さ”だった。
    まっすぐで、時に少し照れくさくなるほど率直なメッセージが込められていて、「本とは何か」「読むとはどういうことか」といった、大切だけれどつい流してしまいがちな問いを真正面から突きつけてくる。
    でも、その直球さこそが心地よく、読み終える頃には胸の奥に確かに残るものがあった。
    押しつけがましくない形で、本を愛する気持ちや物語への敬意が詰まっていて、読んでよかったと思える一冊だった。
    きっと、いつかまた読み返したくなる本だと思う。
    そのときには、今回気づけなかったオマージュや引用の意味がもっと拾えるようになっていたらい

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    2025年12月07日
  • 新章 神様のカルテ

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    何のために仕事をするのか、考えさせられる本だった。ハイライトは29才の膵がん患者を退院させる場面と、その後の通称「パン屋」と呼ばれる准教授室でのやりとり。多くの人が組織のルールに従うことが目的となり、そもそも何のためにその仕事をするのか忘れてしまう。自分が何のために医師という仕事をするのか、それを忘れずに自分の道を歩く一止は立派だと思う。私自身も何のためにその仕事をするのか時々立ち止まって考え直したい。

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    2025年12月05日
  • エピクロスの処方箋

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    マチ先生の患者さん、介護者ともに後悔のない最後を迎えられたようでうらやましいです。
    医師不足が問題になっているこの時期、夢のような話ですが
    こうあって欲しいなと思います。

    すべての人が「精神の安定」が保てるようになることを願います。

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    2025年12月04日
  • エピクロスの処方箋

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    期待以上の「スピノザの診察室」のマチ先生の続編。ムチャクチャいいです。感動できます。医療界、ほんと問題多いですよね。でも、飛良泉教授も分かるな。困ったことですね・・・

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    2025年12月04日
  • エピクロスの処方箋

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    この著者の作品を読むたびに思うことだが今回もとても良かった。
    この著者は好きな作家ベスト3の中に確実に入る。
    このシリーズはこれからも続きそうな感じなので嬉しい。
    早く次の作品が読みたい。

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    2025年12月04日
  • エピクロスの処方箋

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    大好きなスピノザ診察室の続編。
    好きと言いながら前作が少しづつ薄れゆく中でも、やっぱりマチ先生好き!と何回も思った。
    今回は医療に関してもだけど、マチ先生のプライベートな話も詳しく書いてある。
    マチ先生は素晴らしいお医者さんだけど、原田病院にいる今のマチ先生は妹さん、甥っ子くんの影響がかなりあり生だけでなく死についても考えるようになったんだと思う。
    医療小説だから重たい部分もあるけど、重くなりきらないのはやっぱりマチ先生の雰囲気と患者さんと向き合う姿勢からだと思う。
    とにかくマチ先生の言葉が素敵で覚えておきたいけど、忘れてしまう…でも
    治せない病気が山のようにある。けれども癒せない哀しみはない

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    2025年12月04日
  • スピノザの診察室

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    読み易く、知識も専門的でキャラクターもそれぞれイメージしやすい。その割に文章の強度が高いので鼻の奥がツンとすること数回。これほどまでに描ける作者の人間としての深みがそのまま反映された傑作。

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    2025年12月03日
  • エピクロスの処方箋

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    今回はマチ先生の診療と現代の医療機関が抱えている問題が書かれていました。

    今回心に残った文章は、
    「人間はとても無力なんだよ」との言葉に続き

    「我々には未来を変える力はない。変えられないということは、虚しいことのように思えるけれど、実はそうじゃない。目の前の哀しい出来事は、誰のせいでもないということだ。」

    「誰かの努力によって変えられるほど、世界は脆弱ではないんだ。だけどその理不尽で強固な世界の中でも、我々にできることはたくさんある。降り続く雨を止めることはできないが、傘をさすことはできる。暗くて危険な夜道に、灯をともすこともできる。」

    です。

    近しい人の死を経験したことのある方、ま

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    2025年12月04日
  • エピクロスの処方箋

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    覚悟とは何か。
    働くことの責任、使命感、今の時代では言葉にすればすぐにハラスメントになる。けれど、その中でも、忘れてはいけない「哲学」が、どの職業にも付随している。
    覚悟は、私にあるのだろうか?

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    2025年12月02日
  • スピノザの診察室

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    医師と哲学の話
    人の生死は人によって捉え方が様々なので難しい題材だが美しく表現されていた

    研究分野、現場問わず
    最前線で働く方々は素晴らしいね

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    2025年12月01日
  • 神様のカルテ3

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    今回も良かった。
    医師の倫理や在り方について、主人公が考えさせられるところは、今の日本の医療の現状も踏まえ、考えさせられた。次の展開につながる最後も、期待感あり!

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    2025年12月01日
  • スピノザの診察室

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    独身なのに亡くなった妹の子どもを引き取り、将来を嘱望されていた大学病院をやめて小さな地域病院へと転職。
    車も持たず自転車で京都の街を往診する。
    治らない病気の人もどうしたら幸せに過ごすことができるのかと考えている主人公の人間性に魅力を感じながら読んだ。

    医療従事者の人、これから目指している人にぜひ読んでもらいたいとおもう本だった。


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    2025年11月30日
  • 神様のカルテ2

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    医療に近い仕事をしているので、いわゆるライフワークバランスについて私も思うところがありましたが、主人公や細君たちの思い、言葉にジーンとくるものがありました。やや理想を善として貫いているところが読む人にとってどう思うかな?と感じますが、私はとてもよかった。読後感もよく続きをすぐに読もうと思ってます!

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    2025年11月25日
  • スピノザの診察室

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    ネタバレ

    京都が舞台。
    家庭の事情で医局長の座を退き地域の終末期医療を主に行う病院に勤めるマチ先生。
    妹を病で亡くした経験から、医者は神ではないし、医療に限界があるが、それでも努力をすることが大切だと学ぶ。確かな医療技術と、冷静な判断力持ち、患者一人一人に向き合って心ある会話をかわす。
    彼を取り巻く温かい人間関係が読んでいてとても心地がいい。(大の甘党という人間臭さも良い。)
    まさにトランキライザー。優しい医療系小説。
    最近続巻がでたらしい。早く読みたい。

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    2025年11月24日
  • スピノザの診察室

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    まち先生は哲学者のよう。
    私達にできることは、暗闇で凍える隣人に
    外套を掛けてあげること

    以下、気になった言葉

    患者の顔が見えるという事は共感するということ。心にとっては重荷。特に悲しみや苦しみに共感することは注意が必要。度が過ぎると心に器にヒビが。ヒビだけなら涙がこぼれるが、われるとかんたわにもどらない。精神科では発病という

    彼女自身、辛くないはずなかったけど、残された時間をしくしでも楽しい思い出にしたかったのかもしれない。記憶を手繰ると思い出は笑顔ばかりなんだ。
    絶望の淵に立ちながら幸せの時間を作り出していた
    できるなら、私もそんな人間でありたい

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    2025年11月22日
  • スピノザの診察室

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    雄町先生と花垣准教授の信頼関係に感動。幸せとは何かを考えるきっかけになるエピソードが心に染みる。京都の有名な甘味がさりげなく紹介されるのがアクセントになり、一気に読めた。続編(エピクロスの処方箋)をはやく読みたくなった。

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    2025年11月20日