夏川草介のレビュー一覧
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信州安曇野で地域医療を担う病院で研修医をしている若者と3年目の看護師が主人公。
安曇野は蕎麦を食べによく訪れる場所なので、読みながら情景も目に浮かんだ。
作品に描かれていたのは、高齢化が進む地域でどう医療を守っていくかという切実なものであった。
そして、終末期にはどんな医療が正解なのか、なかなか答えの出ない問いであるのは間違いないが、それでもその難問に向き合い続ける青年たちに、目頭が熱くなる。
老いや死が、普段の生活から切り離され過ぎていて、現実のものとして捉えきれていないのだろうな、と思った。
そろそろ社会全体で、真正面からこの問題に向き合う時に来ているのだろう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ医者というのは不思議な職業だ。
今の働き方と逆行してても、貫きたい考えがあるマチ先生は医者であり、哲学者だ。
誰かと生きることに対する素敵な哲学が詰まっている本だった。
南先生が気持ちがいいくらいまっすぐ。
そしてウィットに効いていて、とてもすてきな女性。
尚且つ努力家!
死や緊張感溢れる中で、光のような存在だった。
龍之介が医者達の会話に入ってくるのが違和感だったけど、おもしろかった!
(守秘義務あるよね)
胃瘻をしてそらそろお迎えが来る奥さんを前にした旦那さんへかけた言葉↓
亡くなるまでの時間を、つまり生きている間の時間を、どうやって寄り添いながら積み上げていくか、それが一番大事なんだと私は思っているんです。
日常の中で、自然に旅立っていくのだとすれば寂しくないと思います。
いつものようにナポリタンを作ってる方が安心するのかもしれません。
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ネタバレマチ先生の誠実で温かな人柄がとても魅力的。
患者の病気だけでなく、その人が歩んできた人生や抱えている思いにまで目を向ける姿が印象に残った。
医療の力ですべての命を救えるわけではない。
それでも、治せない病気や避けられない死を前に、患者に寄り添い、自分にできることを探し続ける姿に胸を打たれる。
医療小説でありながら、命とは何か、幸せに生きるとはどういうことなのかを深く考えさせられる物語だ。
スピノザの哲学が日々の診療や人間の営みと重なり、作品に奥行きを与えているのも魅力的。
京都の町並みや食文化など、何気ない日常の風情も心地よく、静かな感動と温かな余韻がいつまでも心に残る一冊だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレあまりにも大事な事が書いてあり過ぎた…高校生の頃に出会いたかった。涙
今よりもう少しマシだなと思える人生を過ごせてた気がして仕方ない。
孤独に屈するなかれ
難しいことは新しいことに出会うチャンス。
お金の話はやめて、今日読んだ本の話をしよう。
カッコ良すぎますね。本当その通りだなと。
色々と諦めて生きてしまっている節がありますので、もう少しだけ頑張ってみようかなって思えました。
やはり夏川さんの本はイイ。そして本はイイ。
私はもう人生後半戦に来てる人間だから、この先何年読めるか分からないけど、読めるだけの本を読んで心を豊かにして生きていこうと思います。
そんな気持ちにさせてくれる素敵な本でした。 -
Posted by ブクログ
「レッドゾーン」の文庫化なので、実質的に再読。
「文庫化にあたり加筆修正」の言葉に惹かれた。
「レッドゾーン」からさらに4年が経っているだけに、当時感じたヒリヒリした緊張感は薄れ、より客観的に作品を味わえた。
日進、千歳、敷島ら医師がそれぞれの事情や考え方に関わらずコロナ患者のためにでき得る最善を尽くす姿は「レッドゾーン」と変わらないが、終盤に敷島の小学生の長女桐子が発する「お父ちゃんはお医者さんなのに、コロナの人、助けてあげなくていいの?」の言葉や、コロナの拡大にも関わらず近隣病院の協力を得られない中で信濃山病院がコロナ病床を6床から16床に増床するか否かの話し合いに於いてそれぞれの医師がそれぞれの言葉で自らの不退転の覚悟を述べる場面が心に深く刺さる。