夏川草介のレビュー一覧

  • エピクロスの処方箋

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    夏川さんは医師であり小説家。年齢も近いですが、正直、次元の違いを感じます。物事をここまで深く考えられる方なのだと、強く感じました。

    医師が優秀である理由の一つに、学びの段階から「死」を強く意識している点があるのではないかと、ふと思いました。人は死を強く意識したとき、はじめて自分の人生を意識するのではないでしょうか。もちろん、すべての医師がそうとは限りませんが。

    本作は前作の続編ですが、情景描写が非常に豊かで、哀しみや喜びが鮮明に伝わってきます。特に哲郎の言葉には心に響くものがあり、自分自身の生き方を見つめ直すきっかけになりました。

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    2026年05月04日
  • スピノザの診察室

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    ネタバレ

    ここ最近で読んだ本の中で、いちばん好きかも。
    登場人物がみんな個性強くて愛らしいし、何より哲郎先生が素敵すぎる。私も哲郎先生みたいに、穏やかで、周りをほっこり安心させられる人になりたい。
    でも、ああいう穏やかさって、ただ優しいだけじゃなくて、「この人なら大丈夫」と思ってもらえる確かな技術や実績、まっすぐさがあってこそなんだろうな。日々勉強頑張ります。

    すごく感動した部分ではあるんだけど、辻さんは、自ら死を選ばされたともいえないのかな……とも思った。もちろん、選択権があるのは本人なわけで、その意思を尊重したい気持ちもある。
    でも一方で、運ばれてきた患者さんは医師として看ないといけないし、そこで

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    2026年05月04日
  • エピクロスの処方箋

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    前作を読んだだけでは理解しきれなかったマチ先生の哲学により深く触れることができた。マチ先生の哲学はすでに完成しているものと捉えてしまっていたけれど、実際には医療の現場で日々患者と対峙し逡巡しながら、自身の内側と向き合っている。哲学とは考え続けることなのだな、と改めてわかった気がする。
    幸福と快楽の違いや、哲学者エピクロスが説く精神の安定を本質とした快楽と世の中に浸透している快楽の違い。本作を読みかじっただけで理解するにはあまりに難解である。ただし思うことは、欲に塗れた卑劣な「快楽」に走って本質を見失わないように、そして、マチ先生の理論に置き換えるならば、「雑多な物事とともに我々の足元に埋もれて

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    2026年05月03日
  • スピノザの診察室

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    人生を歩んでいく上での指針にしたい作品。
    何十回も繰り返し読んで、自分の血肉にしたい。

    以前、本屋大賞ノミネート作品の『エピクロスの処方箋』を読み感動して、夏川草介さんの作品に手を伸ばす。

    人間の意志や努力でできることは限られているというの深く共感する。
    なにかしらの問題は、現在の構造である場合が多い。そのような構造を変えるのは、かなり難易度が高い。そして、そういった不条理ともいえる構造の中で生きていくにはやはり人と人が手を取り合うことが大切なんだよ、ということを本から受け取った。

    読んでいて、哲学や物事の考え方など勉強になる部分がかなり多い。
    また、京都の街の見方、人の性格の表現の仕方

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    2026年05月02日
  • エピクロスの処方箋

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    齢を重ねてくると、お医者さんのお世話になることが多く、親身なお医者さんに診てもらうと感謝の気持ちも一層深まる。その時の心地よさを感じさせてくれる一冊だった。

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    2026年05月01日
  • エピクロスの処方箋

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    スピノザの診察室の続編で循環器内科医マチ先生事、雄町哲郎の医療に対する姿勢を綴る内容でマチ先生の医療に対する言霊が刺さる。有能な医師である一方で万能で無い医療を心に留めて患者第一主義で置かれた状況、環境により患者に寄り添う医療の大切さも説く内容。生死を預かる医師は哲学的な考え方も非常に大事で今回は哲学者エピクロス(苦痛を避けて穏やかな快楽を追求)を題材とし語りかける。

    哲郎は、亡くなった姉の息子龍之介と暮らしながら京都の原田病院で日直/当直ならび訪問診療を通して患者に寄り添い暮らす。そんな中、洛都大学附属病院を辞めた事で確執が生まれた飛良泉教授の父が膵臓の病で数度の手術で完治出来ず、哲郎の先

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    2026年05月01日
  • 命の砦

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    コロナ禍の医療現場を垣間見れて良かったです。フィクションだけど、作者が実際に医者なだけにリアリティがありすぎて、きっとこんな修羅場だったのだろうと推測できます。本当に感謝しかない。目の前の人を助けたい、そんな人としての当たり前の感覚を医者では無い私も持ち続けたいと思いました。ひとまず、医者を目指す息子に一読を勧めました。

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    2026年04月30日
  • エピクロスの処方箋

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    スピノザの診察室もすごく良かったけど、こちらもさらにパワーアップして良かった。

    教授のご父君のERCPを、花垣、雄町、西島、南の総出で挑むのがアツい展開だった。

    今川さんの最後が素敵すぎる。スピノザからでているキャラクターだから思い入れがあって、長生きしてくれと思いながら読んでいた。普段見取りで泣かない哲郎がぐっときてしまっている所もよかった。

    南先生との関係が微笑ましすぎる。少しでも進展があると、本筋が入ってこないくらい嬉しくなってしまう。

    スピノザ、エピクロスと連続で読んでしまい、続きがないのが悲しい。まだ続編が書けそうな展開なので、ぜひ出てほしい。

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    2026年04月30日
  • 神様のカルテ2

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    文句なし。第一作で感じた微かな違和感が無くなった。慣れたからなのだろうか。
    新しく登場した主人公の同級生の秘密は、予想の範囲、でも読ませる。
    古狐の話は意表をつく。新人があればいなくなる人もいると言うことか。
    ハル、いいな。

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    2026年04月29日
  • 新章 神様のカルテ

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    神様のカルテ、第五作目。
    どんどんストーリーが面白くなっていく。
    一止と榛名夫婦の仲睦まじいやり取りも、冷徹だが芯のある「パン屋」御家老、利休、番長等等新しいブランド人物も個性的で魅力的。
    早く次作が読みたい。

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    2026年04月29日
  • エピクロスの処方箋

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    張り詰めた雰囲気であろう手術室で、穏やかにマイペースを保ち続ける哲郎がいたら、手術に挑むチーム全体がほぐれて良いパフォーマンスを出せそうだ。
    いつも自然体で、人と向き合う。自分が死ぬかもしれない病気と向き合っている時、こんな先生が伴走してくれたら、どんなにか励まされるか。
    個人的に医者嫌い病院嫌いではあったが、お医者さん側は来るものを拒めないし、来たものには全力を尽くしてくれる。自分がいつ患者になるかわからないのに、嫌ってしまうのはあまりにも不公平だと気づいた。この人の他の本も読んで、医療業界のことをもっと知りたいと思った。

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    2026年04月29日
  • 本を守ろうとする猫の話

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    ネタバレ

    大学の友達にオススメされて読みました。
    本を大切にするってどういうことだろうという事を考えさせられました。

    ⚠️これより下の文はネタバレを含みます⚠️

    私は本をどれだけ早く読むかという事に共感してしまいました。あらすじは大切ですし本を選ぶ時に見たりします。それだけで本の内容が理解できたら、確かにどれだけ良いことでしょう。私は小説を書きます。その視点から考えるならあらすじの文章だけで本を理解することは不可能に近いと思います。決して無理とは言えませんが…。この本のこのページ、このセリフはここに、このシーンがあるから、その他色々、書く人はその本の構成などを大切にしています。無理とは言えないと書い

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    2026年04月28日
  • エピクロスの処方箋

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    ネタバレ

    哲学的〜!
    本屋大賞ノミネート中で上位に入る好みな本でした。

    …卑俗な意味での快楽主義者になるべきじゃない。幸福と快楽は別物なんだ。…
    世界はそんなに哀しいことばかりじゃない。…
    救われる言葉がたくさんある。

    精神が安定してるって、いつもいつも『うぇ〜い!』とテンション高くいるのではなく、冷静に物事を俯瞰できる状態なんだなと感じた。

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    2026年04月28日
  • スピノザの診察室

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    子供の入院がきっかけで、医者や看護師の仕事に興味を持って読んだ。
    医療ミステリではなく、医者や看護師の仕事内容や苦悩について知りたかったので、どんぴしゃな作品だった。

    哲郎の患者への向き合い方や、医療に対して限界を感じているところなど、持っている哲学が素敵。

    患者さんそれぞれの人生や看病する家族のことが詳しく描かれていて、悲しい・苦しいだけではない、温かさが感じられる。

    周りの医者や看護師のキャラクターも魅力的で奥深く、全員に入れ込んでしまう。

    すぐに続編を読み始めてしまった。

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    2026年04月27日
  • スピノザの診察室

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    一気読みでした。科学と哲学の間で揺れ動く、たくさんの死と向き合っているお医者さんの思いを、少し感じられたような気がします。

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    2026年04月27日
  • エピクロスの処方箋

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    何度か旅行したことのある京都の情景がふと蘇ったり、いかにも美味しそうなお菓子を一度食べてみたいと思ったり、魅力的な登場人物たちの軽口に笑みがこぼれたり。
    だけど描かれてるのは医療と、そして生と死だ。電車や職場での休み時間に読んで、思わず涙ぐんでしまって困った。
    難しい手術や医局のあれこれなどもありつつ、それをエンタメにしすぎず、読んでいて緩やかで温かい気持ちになれる。
    マチ先生は40手前でそんなに人生達観できる?30代ってまだまだじゃない?なんて思うけれど、まだまだなことを自分でわかっていることが、その経験が、マチ先生という魅力的な主人公を作ってる。

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    2026年04月26日
  • 君を守ろうとする猫の話

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    根拠がなくても希望はよみがえる

    このシリーズは3部作になるみたいだから
    少し不完全な感じも
    自分の中で回収できれば良いなと思う

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    2026年04月26日
  • スピノザの診察室

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    マチ先生の生き様が美しくてただ尊敬の念が湧くばかりだった。一人の人間として、このように生きられたらとここまで素直に思ったのははじめてかもしれない。
    花垣先生が「一流の科学者でありながら、哲学者としても凡庸ではない」と評していたように、なりたいと思って到底なれるような人ではないことは明らかなのだが。

    最先端医療を極める大学病院と終末医療が中心となる地域医療という対比からもたらされる「命」や「幸せ」についての哲学的な問い。それらに携わる人々の有り様も含めて医療の形は様々なのだと実感した。
    正直、マチ先生が高い技量や人望をもちながら大学病院に戻らないことを勿体無く感じる部分もあった。しかし、妹の死

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    2026年04月26日
  • 勿忘草の咲く町で 安曇野診療記

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    実は、夏川草介さんの大ヒットした『神様のカルテ』シリーズや『スピノザの診察室』『エピクロスの処方箋』はまだ読んだことがなくて。家族の本棚にあった本作を拝借して手に取ってみました。

    家族などの身近な高齢者を見送った直後であれば、読むのは辛かっただろうなと思うけれど、比較的時間が経った今であれば、地方の医療現場の現状も、そこで働く医師や看護師たちの思いも、そして何より患者やその家族の「死」というものとの向き合い方も、比較的冷静に、我がことにも置き換えて考えながら、読み進めることができました。

    延命措置にまつわる「根が切れてしまっている花」と「根は切れていない花」のエピソードはとても感慨深く、こ

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    2026年04月25日
  • エピクロスの処方箋

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    この続編も素晴らしかった。何かと忙しく毎日が過ぎ去ってしまう日々を送っていた自分にとっても、冗談抜きでこの時期生きる支えとなった一冊だった。
    前作同様キャラクター設定がブレずにとても良い。話の途中途中に入るエピソードも普通ならメインの話の邪魔になりそうなところを、敢えてするするっと吹き込むような感じで(だからといって断じて軽くはない。伝えたい芯がある)、どの話も全てつながっているようになる構成は素晴らしい。

    読んだ人の心を浄化してくれるような爽やかさがありながら、心の奥にズンッと重く、忘れてはいけない置き土産をもらうような不思議な小説だった。

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    2026年04月25日