夏川草介のレビュー一覧

  • エピクロスの処方箋

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    「病気を治す=医療の意義」ではないと考える主人公哲郎を中心に進む医療物語。
    医療の意味を語る主人公哲郎を通して、自分の仕事の意義についても考えさせられる。
    淡々とした中にも熱い思いもあり、実力もある魅力的な主人公と言葉選びから人を動かす力のある戦友花垣のやりとりが一見大人っぽくて内容は子どもっぽくて、とても魅力的。
    こんなふうに仕事と向き合いたい。

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    2026年01月05日
  • エピクロスの処方箋

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    医療では人を救えない。
    人を救うのは、医療ではない、人なんだ。
    我々のゴールは、病気を治すことじゃない。それでは、治らない病気を抱えた人はどこにいくんだ。限られた時間しか残されていない人たちに、我々は何もらできないのか?
    敢えて言う、
    すべての人がいずれ必ず死ぬだとすれば、医師は何のために患者を診るんだ。

    素晴らしい一冊。京都の和菓子もすごく気になりました。

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    2026年01月04日
  • エピクロスの処方箋

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    スピノザ〜の時も良い話だったけれど、続編のこちらも文句なしで素敵でした。
    技術だけではなく、患者とその命に真摯に向き合う姿は変わらず、こんな医師が地域にいてくれたら、本当に心強いと感じました。
    結局のところ、人は治りたい、良くなりたいと思って医療に頼っても、限界があり、それを悟った時に、限られた命の期限をどう生きるか、というところが大事なのだなと感じました。
    医療の現実を交えて人生や道徳、哲学を語るところが良かったです。
    哲学は自分にとっては難しいものだったけれど、こうやって何か具体例を引き合いに出してくれると、なるほどな、もっともだなと思います。
    雄町哲郎と一緒に暮らす龍之介は父の生き様を間

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    2026年01月04日
  • 命の砦

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    あのコロナの日々、コロナに対峙する先生達はこんな大変な思いをしていたのかと、頭が下がります。厳しい医療の現場の話なのに、切実ではあるが暗よりも温かさを感じるところが夏川さんらしい。あとがきで、(人間の悪の部分よりも)人間の善に関心を持っていると書いていた。ほんとにそれがよく伝わってきた。夏川さんのお話大好きだー。

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    2026年01月03日
  • スピノザの診察室

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    何度も涙が出ました。
    2026年最初に読んだ本がこれでよかった。
    あと数ヶ月で医療者になる自分にとって、心に留めておきたい考え方をいくつも含んだ本でした。

    薬を増やすことに責任を持ち、病気を治すことが幸福なのか問い、死を待つ患者へ声をかける。
    マチ先生の言葉はいつも温かい。
    こんな医療者になりたいと、私も思いました。

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    2026年01月03日
  • エピクロスの処方箋

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    医療がどうあるべきか、コロナもあり、作者には思うところがあるのだろうな

    「医師になろうとする人間には、自分の人生を、少なからず犠牲にするだけの覚悟が必要や」
    という飛良泉教授のことばは作者の代弁なのかなと映った

    作者は40代前半、まだ若手と言ってもいい歳だが、どんな経験をしてきたのか気になってしまった

    タイトルにあるエピクロスの快楽主義を引用した、現代の個人主義への批判が上記の部分以外にも全体を通して流れていて、難しい問いを扱っているなと思った

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    「人が、自分の権利ばかり口にするのは、自分ひとりで生きていけると思っているからです。でも人生はそんなに甘いものじゃない。生きてい

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    2026年01月02日
  • スピノザの診察室

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    『神様のカルテ』の栗原先生に負けず劣らず魅力的なマチ先生、思わず大ファンになりました。母親を亡くした甥を引き取るため大きな決断を下しますが、恨むでもなく自然に受け入れている姿勢がとても潔く、素敵だと思いました。
    京都の風情ある街並み、そしてマチ先生ご推薦の甘味の描写も絶妙で、本を片手に京都を訪れたくなりました。

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    2026年01月02日
  • エピクロスの処方箋

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    スピノザの続編。親しみの持てるさらりとした人間味のある登場人物達に変わりはなく、前作を思い出しながら読むことができました。

    やはり、夏川さんの「死」への向き合い方が、しんみりと心を揺さぶります。最先端の医療を突き詰めた人間が奢りを持つことなく、その無力さと人の死に対して向き合うことの難しさを語っている。

    ストーリーの背景となる京都の風景の描き方が、前作と異なり外国人観光客が多いことに触れています。やはり京都の現状、というか日本の「今」にも踏み込んでいる。

    日本の少子高齢化の波は否応なしに医療の分野にも押し寄せている。そして医療そのもの、人の生死に対する考え方そのものにも疑問を投げかける。

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    2026年01月01日
  • エピクロスの処方箋

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    「スピノザの診察室」の雄町先生のシリーズ。

    前作同様、京都を舞台に大病院ではない医療の日々が風情豊かに描かれている。
    今回のメインの問題に行くまで、訪問医療での対応など人の命とは、人生とは何かを考えさせられるような展開が続く。

    そして、雄町先生は「医療では、人は救えないんだよ」と言う。

    雄町先生と同じ医者を目指し始めた甥っ子の龍之介君のこれから、花垣さんが目指すところ、飛良泉教授のたくらみ、寅重さんはどこにかつ丼を食べに行くのか、南先生の4月から2年間原田病院でどう成長していくのか・・・次のシリーズがただただ楽しみだ。

    スピノザを読んでない方にはまずそちらから読むことをお勧めしたい。な

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    2026年01月01日
  • エピクロスの処方箋

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    医療というものは、必ずしも病気の治療をするだけのものではない。もう治る見込みがない病気を抱えている人達が、最後のときまで出来るだけ心穏やかに暮らせるようにするのも医者の仕事だ。マチ先生はいつも生と死に向き合っている。

    スピノザやエピクロスの様な難しい哲学書を愛読しながら、甘いものに目がないマチ先生。龍之介君や南先生の成長を楽しみながら、頼もしい仲間の信頼も得ている。次回作がとても楽しみ。

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    2025年12月31日
  • エピクロスの処方箋

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    ネタバレ

    研修医の南にとって、哲郎の言葉は目の前の世界を反転させてしまう。だから哲郎のそばで学びたいと思っている。
    私が夏川草介さんの作品を読みたいと思う気持ちとなんだか同じです。

    どの登場人物も魅力的でした。

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    2025年12月30日
  • エピクロスの処方箋

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    医療、家族、生き方、様々なテーマが織り混ざって話が進むけれど、どのテーマにも至る所に身に染みる言葉が散りばめられている。
    それを言葉にできるのは凄い事だなと思う。
    夏川さんの他の作品も読んでみたいと思った。

    「生きている間の時間を、どうやって寄り添いながら積み上げていくか、それが一番大事なんだと私は思っているんです」
    「本当に大切なのは、目の前にいる人が今を笑顔で過ごせるということだよ。それが私の言う第三の道だ」
    結果ではなく過程を大切に。
    こんなお医者さんに出会いたいものです。

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    2025年12月30日
  • エピクロスの処方箋

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    マチ先生のお話。
    やっぱりすてき!
    医療に携わるものとして、忘れてはいけないことを思い出す刺激をもらえる。
    生と死と。分けて考えるのではなく、人の生きる中でのつながり。
    一言で片付けてはいけないけど、素直におもしろかった!

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    2025年12月30日
  • エピクロスの処方箋

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    前作に続き、面白かった
    医療を通じて、日常のあり方を問い直せる
    普通の内容だけど普通じゃない
    視点が大きく変わる本

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    2025年12月30日
  • エピクロスの処方箋

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    治療の力を信じすぎない。生から死へ。治すとか看取るとか細分化しないで人そのものに向き合うこと。医療従事者としても人としても大切なことをマチ先生から教えてもらえている。続編楽しみにしています!

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    2025年12月30日
  • エピクロスの処方箋

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    前作『スピノザの診察室』を読んでから約2年経っての続編

    分かりやすいし読みやすくて、前作の印象と変わらないと言えば変わらないけど、読んでよかった

    ストーリーやら展開で読ませるエンタメ小説ではない(と思う)ので、忘れた頃にまた読もう


    前作では気づかなかったけど、発行元の水鈴社という小さな出版社も気になった

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    2025年12月30日
  • エピクロスの処方箋

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    大学の医局を退職し街中の病院に勤務する雄町哲郎。神業のような内視鏡技術を持ちながら、医療の限界も達観し医師の在り方を考える。
    そんな哲郎が大学の准教授から特別な患者の治療に関する相談が持ち込まれる。受けるか否か哲郎は悩む。これを解決したのは…

    夏川先生の作品は、本当に素晴らしい。

    生と死に向き合う医師の悩み。大学の医局のドロドロとした人間関係。医師としてのあるべき姿を突き詰める姿勢。恋かもしれない出会い。

    痺れるほど夢中になって読んでしまいました

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    2025年12月29日
  • スピノザの診察室

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    祝!映画化
    地域医療で働く医者の苦労や苦悩を重くなりすぎないタッチで物語は進んでいきます
    主人公の考え方・性格・甥との生活すべてが優しいです

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    2025年12月29日
  • エピクロスの処方箋

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    研究者でありながら哲学者でもある医師とマチ先生のことを花垣先生は本の中で言っていましたが、とても分かるフレーズだと読み進める内に思いました。
    患者さんに近すぎずかと言って離れすぎないマチ先生の人柄がとても魅力的で心温まる話です。

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    2025年12月28日
  • スピノザの診察室

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    全体を流れる空気感が素敵すぎる。

    本書の中で、秋鹿医師が主人公のマチ先生に対して、「あなたは私のトランキライザー(精神安定剤)」というシーンがあるが、まさに本書は私のトランキライザーだ。

    このトランキライザーの優れている点は、症状を選ばないところと、摂り過ぎによる副作用もないところだろう。

    自分が何かにのめり込みすぎてオーバーヒート気味の時も、逆に何にもやる気が出ずに気持ちが落ちてしまっている時も、本書を手に取り、どこでも良いので数ページを再読してみれば、にわかに気持ちは爽やかに晴れ渡り、自身の体の中に、心地よい風が染み入ってくるように感じる。ニュートラルな自分のあるべき場所にきちんと戻

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    2025年12月28日