夏川草介のレビュー一覧

  • エピクロスの処方箋

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    前作「スピノザの診察室」と合わせてこちらに感想を書かせていただく。
    前作共々「幸せとは何か」を題材とした作品で、主人公の医師「マチ先生」と個性豊かな患者たちを通して、恐らく筆者自身が医療現場で働く中で至ったのであろう信念や価値観が伝わってくる作品だった。

    自分は普段、人が死ぬミステリを好んで読みがちで、こういった所謂「感動の物語」的なものはあまり読まないのだが、今年の6月に母方の祖父を癌で亡くしたことをきっかけにこの本を手に取ってみた。

    正月に会ったときはいつも通り元気で、まだまだ長生きするものだとばかり思っていた祖父だったが、ある時期から「ご飯が美味しくない」と訴え始めたらしく、4月には

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    2025年12月21日
  • エピクロスの処方箋

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     お医者さまになられる方々は高校時代にとても優秀な学業成績を収めた方々です。
    偏差値70前後やそれ以上の成績で医学部に入学し、信じられないほど膨大な医学の知識を学び、実験をこなし、実技を習得して、国家試験に合格し、さらに医局で研鑽を積んだ「科学の子」たちです。

     しかし、ひとたび臨床の場に立てば、そこにいるのは、同程度の偏差値を収め医学に詳しい人たちではなく、病を患うひとりの患者(人間)です。
     その時、医師に必要なのは、病巣に立ち向かう高度な医学力に加えて、人間に向き合うための人間力なのではないでしょうか。
     患者の境遇は一人ひとり異なり、過ごしてきた人生も、培ってきた人生観(死生観)も異

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    2025年12月21日
  • エピクロスの処方箋

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    この本自体が処方箋!
    心の処方箋、読後のほっこり優しさに満たされ感、前作を大きく上回る気がした。
    マチ先生の患者さんに対する、行動・所作・言葉にならない深い感動に包まれる。
    古都の街並み温かさ、季節の移り変わりも落ち着きと安心感のような世界観が、物語を盛り上げる。

    人生に哲学や倫理観の重要性、最終的に「精神の安定」という言葉を含め、多くの金言や名言にあふれ清々しい余韻を楽しめた。
    素晴らしい本に出会え感謝!
    読書って本当にいいな!



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    2025年12月21日
  • エピクロスの処方箋

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    古都の街並みが豊かな彩りに包まれていた

    素敵な出だしの文章、やっとマチ先生に会えました

    原田病院で秋鹿先生との日常の会話
    凄みのある飛良泉教授との緊迫した会話
    母を病で亡くした甥龍之介との何気ない会話

    それぞれの場面にマチ先生の人柄と哲学が溢れています

    意思表示もできないまま、最期をマチ先生に委ねた患者さんの感謝の気持ちがじんわりと心にしみます
    穏やかな空気に包まれた、人を安心させる雰囲気は今回も変わっていません


    「哲学のない医師は危険 羅針盤のない舟のようなもの」

    「幸福とはなんなのか」
    「幸福と快楽のちがい」
    ここで古代ギリシャ哲学者エピクロスが登場
    マチ先生のぶれない考え方

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    2025年12月21日
  • エピクロスの処方箋

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    ネタバレ

    自身の力を最大限に伸ばす努力を惜しまずしながら、楽観的ではなく、生よりも死に、患者に対して向き合う姿勢が素晴らしいと思った。

    主語というか、目的が病気を治すではなく、患者を主軸として何が今ある中で最善を選び取ろうとする主人公に惹かれました。

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    2025年12月21日
  • スピノザの診察室

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    ネタバレ

    人は無力な存在で大きな世界の流れは人の意志では何も変えられない。しかし互いに手を取り合い生み出された勇気や安心によって、少しだけ明るくなった景色が幸せである。抜粋してまとめたこの言葉は自分の中で非常に腑に落ちて大事な事だと感じた。
     医療は人を治す事が正義だと思いがちだが、人には事情、感情があり、何が正解なのか改めて考える必要もあるのかと思う。技術のある医者は優秀ではあるが、患者からするとそれだけではなく寄り添い、人間味のある人が求められるのだなと読んでいて暖かい気持ちになった。
     町の喧騒から離れて静かで優しい場所で最後は生きていきたいと感じた。

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    2025年12月20日
  • 勿忘草の咲く町で 安曇野診療記

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    文庫版で再読。

    やはり好きな話だなあ。登場人物がいいのだけど、特に美琴と桂先生が好きなキャラなんだな。

    高齢者医療は生かす、そしてどう看取るかも重要でそこに答えはないから難しい。死神と呼ばれた先生の考え方も分かるもんな…。

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    2025年12月20日
  • スピノザの診察室

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    シリーズ2作目が出てたので読み返した作品
    内容的に感情移入しやすいのもあるが2週目も面白く、考えさせられる内容だった
    人間の力なんてこの世界から見たらちっぽけなもので努力なんて意味ない、意味ないからこ努力が必要
    意味がわかるようなわからないような…
    奥が深い言葉だなと思った
    エチカ
    今度読んでみよう

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    2025年12月19日
  • スピノザの診察室

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    「スピノザ」とは著者の人生観に影響を与えた哲学者の名前だそうです。

    これまで哲学から受け取ってきたヒントを物語として提示できれば、というのがこのシリーズの大きなテーマの一つとのことです。


    主人公、雄町哲郎医師は作者の理想の医師像なのかなと思います。
    そして、彼の働く京都の原田病院には、共に働く
    医師たち、看護師たち、すべての人々が皆、
    素晴らしいチームワークと人間関係を築く
    理想的な病院なのです。

    しかし、真摯に医療を行おうとすればする程、
    医療従事者の方たちの個人的な負担に寄るところが大きすぎるのも問題なのでしょう。

    手術の腕前は飛び抜けてすごいけれど、それだけではない大切なものは

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    2025年12月17日
  • エピクロスの処方箋

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    地域病院で働く内科医、雄町哲郎が、現代医療と幸福の在り方を問う傑作。雄町先生が唱えるエピクロスの快楽主義とは、享楽ではなく**「精神の安定(アタラクシア)」**のこと。「ただ長らえること」ではなく「心穏やかに生きること」の価値を深く考えさせられる。

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    2025年12月17日
  • 神様のカルテ2

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    この本は小説であり、物語という立て付けだが、
    一般の人は、普段は患者としてしか医者に関わらないので、知ることのない、医者目線からみた医療の現場で起きている課題がよくわかった。

    物語については、
    とにかく登場人物の個性が話し方や過去なども含め、際立っているところが素晴らしく、みんなそれぞれの主人公との距離感ではあるが、やさしく信念を持って生きていると思った。
    読み進めるごとに明かされる各々の登場人物の過去から、自身が主要な登場人物をみんな好きになっていくのを感じた。

    とてもリアルなのに、ドラマがあり、人のあたたかさや、いのちについて思いを馳せることができた。

    文体は、主人公(筆者自身を投影

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    2025年12月17日
  • エピクロスの処方箋

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    なんですか?この終わり方は?
    こういうのありなんですか?

    はっきり言いますね
    いつもいつもふわっふわしたレビューだと思ったら大間違いですからね
    言うときは言うんです

    最高か!
    最高の終わり方か!
    言い方変えると最高か!(変えてない)
    視点を変えると最高か!(変えてない)

    もう、次作が楽しみでしゃーない
    明日出してほしい
    いやすでに出てても許す

    という訳でね
    人の死を見つめるマチ先生の『エピクロスの処方箋』どすえ(急な京都)

    哲学✕医療小説っていうね
    どっちも好き!
    恐らく夏川草介さんのターゲットはわいなんじゃなかろうか
    ありうるな(ない)

    そして今回はエピクロスですよ
    古代ギリシャ

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    2025年12月16日
  • 本を守ろうとする猫の話

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    表紙とタイトルに惹かれて購入しました。
    作品全体から作者の本への深い愛情が伝わってくる一冊です。
    作中に登場する過去の名著や他の作品にも興味が湧き、探してみたくなりました。

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    2025年12月14日
  • エピクロスの処方箋

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    時々やってくる目頭が熱くなるシーン。
    爽やかな読後感。
    前作同様、読んでよかったです。
    出てくる人が全て魅力的です。
    是非,読んでいただきたいと思います。

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    2025年12月14日
  • スピノザの診察室

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    続編の「エピクロスの処方箋」が出たので、スピノザの方を再読した。何度読んでも感動する。

    医者は全ての病気を直せるわけではない。高齢化が進んだこんにち、むしろ最終到達点が「看取り」である事が多い。人の死に立ち会うのは、例え医者でも辛いはず。

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    2025年12月13日
  • エピクロスの処方箋

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    ネタバレ

    「スピノザの診察室」の続編。
    スピノザ・・・のほうは映画化が決まったそうですが、この世界観がぶち壊しにならないようなキャスティングを切に希望します。

    大学病院でのシーン、原田病院でのシーンなど様々ですが、私が好きなのは訪問医療での家族とのやり取り。
    淡々とした態度や口調のマチ先生ですが、死期迫る家族を抱えての在宅医療・介護をしている家族への語りかけが救いがあって、頑なさのある家族の心がほぐされていく過程がたまりません。

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    2025年12月13日
  • スピノザの診察室

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    終末期医療の難しさと本当の幸せとは?っていう哲学と京都の街並みの美しさと美味しそうな甘きもの。これはもう完璧ですね。
    それにしてもマチ先生、かっこよすぎん?

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    2025年12月13日
  • エピクロスの処方箋

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    前作読んでない、、
    忙しかったからか


    マチ先生は私よりももっと忙しいと思うのに
    なんで
    こんなに魅力的なんだろう。。

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    2025年12月13日
  • エピクロスの処方箋

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    心が救われる言葉をかけてくれる本です。
    この本は人との別れが多く書かれていますが、物語に登場する『レストラン蓮花門』の寝たきりの奥さんと介護する主人に対してマチ先生がかけた言葉がとても心に響いて残っています。

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    2025年12月11日
  • スピノザの診察室

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    京都にある小さな病院、原田病院に勤務するマチ先生や、その回りの人々の物語。

    夏川草介さんの描く先生たちは、なんて温かいのだろう。こんなお医者さまに診てもらって、旅立つときも温かく見守ってもらえたら、幸せだなぁ。
    「がんばらなくても良いのです。ただ、あまり急いでもいけません」

    マチ先生が好きな京都のお菓子も、かなり気になる。美味しそう。

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    2025年12月11日