夏川草介のレビュー一覧
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ネタバレずっと気になっていた一冊。2026年の本屋大賞に夏川先生の本がノミネートされたことをきっかけに手に取りました。
劣悪な勤務状況の病院に勤める主人公・栗原一止。夏目漱石のような独特の話し方で変わり者として周囲に見られているが、実は優しく誠実。患者に親身になって対応している姿勢が胸を打つ。最後の安曇さんからの手紙にはグッときた。
迷った時には立ち止まろう、という筆者からのメッセージは、日々何かを目指さなければいけないような雰囲気の私達をホッとさせてくれる。
一止と看護師・東西とのやり取りが面白い。一止が私には妻がいるから‥のくだりで、東西が呆れる場面があるが、本当は東西は一止が気になっているのでは -
Posted by ブクログ
夏川さんの本を久しぶりに読みました。
日本の綺麗な風景を想像しながら読む時間は古屋先生と共に歩いているような、旅の時間でした。
つい先日、鞍馬を訪れた自分としては叡山鉄道の紅葉のトンネルがありありと想像できて嬉しかったです。
この国に生まれて育った自分には、作中にある自然から神を感じる信仰というものがどういうものか、言葉にはできないけれどまさしく「感じる」ことができます。
それは当たり前ではなく、尊いものだと歳をとってから思うようになりました。
民俗学は日本人を知る学問だなと、この本を読んでそんな風に感じました。元々興味のある分野ですがこれから先いろんな土地でその風土を感じられるものを探し -
Posted by ブクログ
先に刊行された文庫版『臨床の砦』の姉妹作品となる。
令和4年のゴールデンウィークを迎え、コロナ診療もすっかり板についた感のある、本来は消化器内科医である・敷島寛治(しきしま かんじ)が、正体不明のウィルスの恐怖に震えた第一波の過酷さは群を抜いていたと振り返る。
信濃山病院(しなのやまびょういん)は200床に満たないが、「感染症指定病院」となった。
「公立病院としての当院の役割だと考えてもらいたい」と南郷院長。
横浜にクルーズ船が入港したのが令和二年の二月。第一波の頃はすべて手探り。ワクチンはもとより治療薬もない。コロナ患者を受け入れる病院もわずか。発熱があるというだけで診察を拒否された多くの -
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この本は小説であり、物語という立て付けだが、
一般の人は、普段は患者としてしか医者に関わらないので、知ることのない、医者目線からみた医療の現場で起きている課題がよくわかった。
物語については、
とにかく登場人物の個性が話し方や過去なども含め、際立っているところが素晴らしく、みんなそれぞれの主人公との距離感ではあるが、やさしく信念を持って生きていると思った。
読み進めるごとに明かされる各々の登場人物の過去から、自身が主要な登場人物をみんな好きになっていくのを感じた。
とてもリアルなのに、ドラマがあり、人のあたたかさや、いのちについて思いを馳せることができた。
文体は、主人公(筆者自身を投影