夏川草介のレビュー一覧
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読み終わった後、とても優しい気持ちになり、生きる勇気をもらえました。「私が仕事で志していることは、間違いではないんだ。」と、背中を後押ししてくる内容でした。
私は施設ケアマネージャーの仕事をしていますが、普段から利用者様や職員を見ていると、「それは利用者様の幸せにつながっているのだろうか?」と思うことがたくさんあります。
一止の優しさ(延命よりも本人が望む幸せを尊重すること)が嬉しかったです。また、それを共に分かち合う仲間や家族がいることが嬉しく思いました。
自分の仕事において、自分の考えていることが間違っていないんだと信じさせてくれました。
誰かの大切な判断をする時は、その人が幸せにな -
Posted by ブクログ
軽く読めるかなと可愛らしい表紙をみて購入に至ったが、胸に刺さる言葉が沢山散りばめられた本だった。
主人公林太郎は、幼少期に両親が離婚。それから古書店を営む祖父と2人暮らしをしていたが、突然祖父が亡くなり面識のない叔母に引き取られることになる。
引っ越しまで時間がないなかで、大好きな書店の整理をしていた所に話が出来るトラネコが現れ「本を守るために力を借りたい」と助けを求められる。
否応なしにトラネコと共に不思議な迷宮に入り込み、歪んだ考えを持つ強敵と対峙する。
解決していく毎に「本」の有り様が変化する。
本は「自分以外の人の心を知る事が出来る」と言う理屈じゃない何かを知り得ることのできる -
Posted by ブクログ
『臨床の砦』の初版発行は2021年4月
まさにコロナ感染が拡大しているとき。
読みたい本リストに入れながら…
でも、2025年の今だから
冷静に読めたような気がしている。
2020年1月16日
国内で初めてコロナ感染者が確認された。
その後、未知の感染症による感染は拡大を続け…
テレビや新聞などから
毎日、感染者数、死者数
感染しても入院できない
自宅待機中に様態悪化、等々の
正常な思考が働かなくなるような報道ばかりを受け止めていた。
ワクチンが接種できるようになれば感染は収束に向かうのかと思ったが
ワクチン接種が始まっても
ワクチン不足で打つことができず
さらなる不安が募った。
治療 -
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ネタバレ『臨床の砦』の続編で『レッドゾーン』の改題作品。
夏川草介作品11作品目。
コロナ第一波の医療現場の作品で、『臨床の砦』を読んだ後だと 補足的な位置になる作品かな。
引き続き 敷島先生が主の話もあれば コロナ診療チームの先生[日進先生·千歳先生]視点の話もあり。
[地域で6箇所ある総合病院のうち 5箇所が一般診療に注力。コロナ患者の入院はもとより 発熱外来も開設する予定なし。]
[感染が拡がれば 『信濃山病院』が1病棟を まるごとコロナ専用に切り替える36床案まで提出。]
同じ医師·病院の立場でも コロナ診療の内外でも 随分 違うものなのだと よく分かりました。
医師·看護師にも家族がい -
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ピアノとSwitchと新しいiPad Airと安楽椅子が届いて、私のQOLは爆上がりした。
今年は清水の舞台から飛び降りるシーンが何度となくあった。今年はそんな年なんだろうなと実感。(買い物だけでなく)まぁ、人生の中で1年くらいそんな年があってもよかろう。と変に達観して自分を眺めている。
占いを見てみると
全体運:「準備の年」であり、2026年に向けて心と環境を整える時期です。柔軟性を持って新しいことに挑戦し、自分のペースで進むことが成長とチャンスにつながります
とのこと、来年は乱気の年となるようなので、なるほどその前に環境を整えよと言うことか!
↑無理やり自分を納得させてる
‥‥‥あ -
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ネタバレ序章 事の始まり 7
第一章 第一の迷宮「閉じ込める者」20
第二章 第二の迷宮「切りきざむ者」73
第三章 第三の迷宮「売りさばく者」129
第四章 最後の迷宮 189
終章 事の終わり 257
解説にかえてー猫が教えてくれたことー271
大学1年生の本紹介で、読んで紹介した本。
明後日のビブリオバトルの本に使おうと、大学4年生の今、再読したが、改めて読むと当時と全然印象が異なって見える。
こんなにも細かく複雑で、緻密な情景描写や物語の構造だったのだと、当時は気がつけなかったことに、何となくアンテナが引っかかった。いい引っ掛かりだと感じる。
自分は、何のために本を読んでいるだろうか。
ステ -
購入済み
レビュー1番手?
発刊同時に一気読み
家内用に書籍も購入。
今回も清々しく何度見てもホロりとする場面が多数
やはり先書のスピノザから読まれてからをオススメ
また京の街の銘菓巡りへ出掛ける用事が出来ました
前書拝読後、銘菓巡りのバス停待ちで後ろ走る自転車が
同じお店の名前の話しをしながら通り過ぎていったのは
いい想い出 -
Posted by ブクログ
コロナ禍の過酷な医療従事者の状況を、忖度無い視点で描いた作品。
これまでも、コロナ禍の状況を描いた作品はいくつもありますが、これは、より本音に踏み込んだ描き方で描写されていて、“リアルな本音だな”と思わずにはいられませんでした。
確かに当時、感染者や感染地域のみならず、治療に当たっている医療従事者に対するいわれのない『差別』はありました。目に見えないモノへの恐怖という事はあるにせよ、ちょっとね。冷静に考えればよいのですが、冷静にはなれなかったという事ですね。
それと、一部医療機関自体が、コロナの診療を拒否するという事態もありました。それには、高度医療機関も含まれてたからな。彼らなりの理屈 -
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Posted by ブクログ
松本市にある救急病院の内科医が主人公の医療小説。
作者の日常を小説にしているからか、目の前で起きているような臨場感がある。
特に安曇さんのエピソードは親しい人の病と同じだったので涙が止まらなかった。
患者にとって主治医は心の支えであり、人生の最期のかけがえのない出会いになる。
また、終末期医療と聞けば「死」がイメージされるが、逆に「生」との向き合いの方が問われるのではないか。人生の最期、いくつものポンプにつながれて死に行く人、家族の都合で延命治療を余儀なくされる人、幸せな死とは何か、生きることの本質を考えるきっかけになった。
読後、ドラマも観たが小説の方が小気味よく、何倍も物語に没入できる。 -