夏川草介のレビュー一覧

  • エピクロスの処方箋

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    「スピノザの診察室」の続編です。

    京都の町病院を舞台に、医療という本来は死と
    無縁であるべき場所から、人の死について問い
    かけます。

    さらに最近の「働き方改革」に対して、医者はどう
    あるべきかの作者の主張も盛り込まれています。

    哲学的な考えに瞠目させられる部分もあり、
    さらに登場人物の清々しさと、舞台である京都の
    風情ある雰囲気の描写と相まって、「人の死」に
    対して真摯に向き合える一冊です。

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    2026年06月14日
  • エピクロスの処方箋

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    今の世では一般的になっている価値観が本当の意味で良いことなのか考えさせられた。古いと思われる昔ながらの考え方も価値があるのかもしれない。

    ほどよく稼ぎ気楽に自分の生活を楽しみたいという若い医者が増えている→医者になるために社会や周りから投資してもらっている。昼夜問わず困っている患者のために力を尽くすという信念。

    女が男のように振る舞えば、家事も育児も半分に
    したら平等→男女がお互い支え合ってそれぞれの役割を果たすことだって平等。

    結果さえ良ければ良い→たとえ結果が自分の利益にならないとわかっているときでも動くべき時に動ける人になってほしい。

    努力は大事で必ず報われる→努力で変えられるの

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    2026年06月14日
  • スピノザの診察室

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    これまで読んできた本の中で、一番深く引き込まれる作品でした。

    現役の医師だからこそ描ける、患者との接し方や葛藤、リアルな医療処置の描写。それらが専門知識のない読者にもすっと伝わる言葉で表現されており、一気に読み進めてしまいました。その一方で、甘党の主人公・哲朗が堪能する京都の銘菓たちの描写も魅力的で、次に京都を訪れた際はぜひお店を巡ってみたいと思います。

    特に心に残ったのは、「人は病気を治すことで幸せになれるのなら、治らない病気を抱える人は一生不幸せのままなのか」という問いかけです。完治を目指すだけではない医療との向き合い方は、実際に現場で命と向き合ってきた著者だからこその視点であり、深く

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    2026年06月13日
  • 本を守ろうとする猫の話

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    人間の言葉を話すトラネコ。ファンタジー系のSFなのかなと読み進めると、次第に、ああ…なんて面白い題材なんだ!と視界が広がる。
    読書家を名乗って、こういう人いるよね(批判ではなく、分かるんだけれど〜…という感じ)と思ったり、自身を省みたり。

    コレクション、速読、書籍とは…本を読むということは……
    つまるところ、皆、本が好きなんだよね。

    医療系ではない夏川草介さんの作品。気がつけばこちらもしっかり、哲学的で現代社会への問いかけもあり、とても良かったです。

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    2026年06月12日
  • 神様のカルテ3

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    「牛のように図々しく進んで行くのが大事です」

    『神様のカルテ』を読むと夏目漱石が読みたくなる
    小幡先生に倣ってこう言おう「同じ患者が百人来ても、百人とも漱石です」
    いやどんな患者やねん!

    今作では迷い悩む一止に新たなる道が示される
    示されるのだが、それはそれで悩む
    悩みすぎて動けなくなっている一止に、この世界は迷いながら進めと背中を押すのだ

    世界はいつだってどこかに答えを用意してくれている
    だからとにかく進むのだ!
    牛のように愚直に、牛のように大真面目に、牛のように力強く、牛のように大胆に、牛のように図々しく

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    2026年06月12日
  • 始まりの木

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    【物語に感じた印象】
    黎明の森

    澄み切った冷気と凛とした樹々たちが、新しい一日のはじまりを教えてくれる。
    そんな夜明けの森の中に立っているかのように、自然と背筋が伸びて、心が洗われる作品であった。

    【感想】
    初読みの作家さん。
    土俵である医療小説ではなく、民俗学をテーマにした本作が、記念すべき初読みの一冊目となった。

    本書を読む前、ノンフィクションを読んでいた私は、その作品が抱える重苦しい雰囲気にガッツリと呑まれてしまっていた。そういった理由もあって、生命力に溢れた木の表紙に惹かれて手に取ったわけだが、それが大正解であった。

    なんて美しい国なのだろう・・・
    なんて美しい言葉なのだろう・

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    2026年06月11日
  • スピノザの診察室

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    登場人物がみんな優秀で優しくて、
    平和な空気が漂っていて、好きな作品だった

    終末医療もトピックの1つだから
    考えさせられる場面もあって
    ただただほっこり、
    というわけにはいかなかったけど

    人の生死から少し距離を取って
    仕方のないこと
    前向きに取り組むこと
    いろいろな角度から人の人生を見つめることは
    不思議と安心感を与えてくれた

    マチ先生、ステキだなぁ
    安心感を与えてくれる先生っていいなぁ

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    2026年06月14日
  • スピノザの診察室

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    前半は地域医療に携わる医師の話しで、後半になるにつれて医療とはそもそも何を目指すものなのか、みたいな内容に。
    花垣先生が言う「科学者か哲学者か」もいい。辻さんの旅立ち方がいいわよね。

    ところどころに差し込まれる甘味が気になりすぎるー。

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    2026年06月11日
  • 本を守ろうとする猫の話

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    帯にあった、神様のカルテ著者が贈る、21世紀版銀河鉄道の夜!
    その通り。そして整理しながら改めて気付かされる本の魅力、いつかまた読もう

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    2026年06月11日
  • 神様のカルテ3

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    今回も凄い。
    周りを取り巻く人たちがこの上もなく、素晴らしい。その中で仕事をする栗原一止。東西看護師もいい味を出している。小幡先生も進藤先生も誰もが人間味溢れる素晴らしい人たちだ。
    今までこのシリーズを読んでいなかったことを恥じる。
    大好きな作家に出逢って良かった。

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    2026年06月09日
  • 本を守ろうとする猫の話

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    ネタバレ

    凄く読みやすい。

    ファンタジーなのに、リアルな懐かしさを感じるのは、自分も本の中での出会いから妄想し、世界を作ったことがある(今もかもしれない)からか。

    本が好きな人には刺さる作品だと思う。

    どの迷宮も本が好きな人に変わりはなく、ただ求める形が違うだけ、世界の変化によって、変わってしまっただけ…

    私はどれかといえば、少し前まで第一迷宮に近かったと思う。

    再読はよくするけど、汚してはいけないって意味で神経質すぎたから。

    最近は第二迷宮の人も多い気がするし、第三迷宮がきっとあるんだよなぁ…。



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    2026年06月09日
  • スピノザの診察室

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     久々に大好きな本に出会った。
     自分が病気になったとき「マチ先生」が主治医ならいいのにと心から思った。「マチ先生」という音の響きも好きだ。
     マチ先生は聖人君主ではなくて、自分が離れた大学の先生方の活躍を見て心がざわつくこともある。それでも目の前の患者さんに自分ができることをする、そのことに迷いがない。妹さんの死によって彼の世界を見る角度が変わったのだ。
     「人は努力して研鑽を積み、社会のために役立てる」そんなあたりまえのことを思い出させてもらった気がする。さて、自分は何ができるのだろう?

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    2026年06月07日
  • 神様のカルテ2

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    思わず泣いた。
    心が揺さぶられた!生きていること自体が奇跡みたいなのだと痛切に感じた。
    地方の医療施設に勤める医者の「気概」、「使命感」が事細かく読み取れる。また、周りにいる人もいい人ばかり。
    このシリーズは一気読みすべきである!

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    2026年06月05日
  • 神様のカルテ

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    とても面白かった。医療ものだからもっと小難しい話かと思ったら意外とぽんぽん読める本だった。一止のような医者も必要なんだなと思った。

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    2026年06月03日
  • 神様のカルテ2

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    ”人間”の話でした

    医療の最前線で自らの身体そして心、つまり命を削りながら現場に立つ医師たち
    そんな彼らに我々患者は何ができるのか?何を返すことができるのか?
    そんなことを考えました

    彼らはきっと言うでしょう
    感謝されるだけで十分だと

    だけどそこに甘えてしまって本当にいいんでしょうか?
    「ありがとう」と引き換えに彼らを聖人君子という名の牢獄に閉じ込めてしまってはいないでしょうか

    患者としてできることはないか?そんな考えがそもそも間違っているのかもしれません

    我々もまた患者である前に人間なのです
    彼らが医師である前に人間であるように

    答えは見えないけれど、スタートは見えた気がします

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    2026年06月01日
  • 城砦〈下〉

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    上巻のように快進撃的な爽快感はゆるくなり、
    いかに働くか、
    なんのために医師であるのか
    それを問う内容に思えた。

    今の医療のことも思いつつ読むと
    この作品が名作と言われるのがよくわかる。
    夏川草介先生が訳してくれてよかったなぁと、読み終わってからしみじみ思いました。

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    2026年05月30日
  • 勿忘草の咲く町で 安曇野診療記

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    ネタバレ

    Audibleで聴きました。
    ちょうど新聞小説「カンパニュラの祈り」も読んでいたため、二つの作品に登場する医師たちの「死」との向き合い方を、どうしても比べながら聴くことになりました。

    「カンパニュラの祈り」では、臓器移植によって誰かの命を救おうとする一方で、移植元となる患者の命を軽んじ、結果として明らかな殺人行為に踏み込んでしまう医師が描かれます。

    一方、「勿忘草の咲く町で 安曇野診療記」には、死期が迫った高齢患者に対し、過度な延命処置を行わず、本人の生命力が尽きるのを静かに見守る医師が登場します。周囲からは陰で「死神」と呼ばれていましたが、彼は、わずかな延命のために治療薬や輸血用血液を大

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    2026年05月27日
  • 神様のカルテ

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    ネタバレ

    一止先生がとても良かった。安曇さんみたいなすてきおばあちゃんになりたい。出来ることを全てやるのが正解だとは限らない時代に、どこまで治療をするのかという決断を何度もしないといけないのが苦しいなあと思った。お医者さんはすごい。

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    2026年05月27日
  • 勿忘草の咲く町で 安曇野診療記

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    これまでとは異なり研修医と3年目の看護師の目線で描かれた作品
    ただ正解のない医療と向き合い奮闘している姿はとても読んでいて勇気をもらえる
    作品の中で神様のカルテの世界線と絡めてくるのもファン心をくすぐられました

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    2026年05月21日
  • 神様のカルテ2

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    ネタバレ

    良心に恥じぬということだけが、我々の確かな報酬である。24時間365日診療できる病院を維持することを忠実に守りながら、家庭を犠牲にする古狐先生。小さい子供の世話をしながら、医師としての仕事を悪評を浴びながら続ける進藤先生。いずれも医師であり、人間である二面性のバランスをどうとるか、が大きなテーマとなっている本作。非常に悲しい結末ではあるが、医療現場の苛烈さを痛烈に描写したメッセージ性の高い小説だと思う。1人の人間が亡くなるということは、そこに紐づく絆が途絶えること。のような文言があったが、そんな絆を1つでも増やし、後世に繋げられるような人生にしたいと思った。

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    2026年05月21日