夏川草介のレビュー一覧
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今の世では一般的になっている価値観が本当の意味で良いことなのか考えさせられた。古いと思われる昔ながらの考え方も価値があるのかもしれない。
ほどよく稼ぎ気楽に自分の生活を楽しみたいという若い医者が増えている→医者になるために社会や周りから投資してもらっている。昼夜問わず困っている患者のために力を尽くすという信念。
女が男のように振る舞えば、家事も育児も半分に
したら平等→男女がお互い支え合ってそれぞれの役割を果たすことだって平等。
結果さえ良ければ良い→たとえ結果が自分の利益にならないとわかっているときでも動くべき時に動ける人になってほしい。
努力は大事で必ず報われる→努力で変えられるの -
Posted by ブクログ
これまで読んできた本の中で、一番深く引き込まれる作品でした。
現役の医師だからこそ描ける、患者との接し方や葛藤、リアルな医療処置の描写。それらが専門知識のない読者にもすっと伝わる言葉で表現されており、一気に読み進めてしまいました。その一方で、甘党の主人公・哲朗が堪能する京都の銘菓たちの描写も魅力的で、次に京都を訪れた際はぜひお店を巡ってみたいと思います。
特に心に残ったのは、「人は病気を治すことで幸せになれるのなら、治らない病気を抱える人は一生不幸せのままなのか」という問いかけです。完治を目指すだけではない医療との向き合い方は、実際に現場で命と向き合ってきた著者だからこその視点であり、深く -
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【物語に感じた印象】
黎明の森
澄み切った冷気と凛とした樹々たちが、新しい一日のはじまりを教えてくれる。
そんな夜明けの森の中に立っているかのように、自然と背筋が伸びて、心が洗われる作品であった。
【感想】
初読みの作家さん。
土俵である医療小説ではなく、民俗学をテーマにした本作が、記念すべき初読みの一冊目となった。
本書を読む前、ノンフィクションを読んでいた私は、その作品が抱える重苦しい雰囲気にガッツリと呑まれてしまっていた。そういった理由もあって、生命力に溢れた木の表紙に惹かれて手に取ったわけだが、それが大正解であった。
なんて美しい国なのだろう・・・
なんて美しい言葉なのだろう・ -
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Posted by ブクログ
”人間”の話でした
医療の最前線で自らの身体そして心、つまり命を削りながら現場に立つ医師たち
そんな彼らに我々患者は何ができるのか?何を返すことができるのか?
そんなことを考えました
彼らはきっと言うでしょう
感謝されるだけで十分だと
だけどそこに甘えてしまって本当にいいんでしょうか?
「ありがとう」と引き換えに彼らを聖人君子という名の牢獄に閉じ込めてしまってはいないでしょうか
患者としてできることはないか?そんな考えがそもそも間違っているのかもしれません
我々もまた患者である前に人間なのです
彼らが医師である前に人間であるように
答えは見えないけれど、スタートは見えた気がします
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Posted by ブクログ
ネタバレAudibleで聴きました。
ちょうど新聞小説「カンパニュラの祈り」も読んでいたため、二つの作品に登場する医師たちの「死」との向き合い方を、どうしても比べながら聴くことになりました。
「カンパニュラの祈り」では、臓器移植によって誰かの命を救おうとする一方で、移植元となる患者の命を軽んじ、結果として明らかな殺人行為に踏み込んでしまう医師が描かれます。
一方、「勿忘草の咲く町で 安曇野診療記」には、死期が迫った高齢患者に対し、過度な延命処置を行わず、本人の生命力が尽きるのを静かに見守る医師が登場します。周囲からは陰で「死神」と呼ばれていましたが、彼は、わずかな延命のために治療薬や輸血用血液を大 -
Posted by ブクログ
ネタバレ良心に恥じぬということだけが、我々の確かな報酬である。24時間365日診療できる病院を維持することを忠実に守りながら、家庭を犠牲にする古狐先生。小さい子供の世話をしながら、医師としての仕事を悪評を浴びながら続ける進藤先生。いずれも医師であり、人間である二面性のバランスをどうとるか、が大きなテーマとなっている本作。非常に悲しい結末ではあるが、医療現場の苛烈さを痛烈に描写したメッセージ性の高い小説だと思う。1人の人間が亡くなるということは、そこに紐づく絆が途絶えること。のような文言があったが、そんな絆を1つでも増やし、後世に繋げられるような人生にしたいと思った。