石井光太のレビュー一覧
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世界の飢餓について、貧しい国の現状について、ただ統計の数字ではなく実態をひとつづつ紹介するもの。
普段私たちの目に入らない情報がたくさんわかりやすく書いてあります。
飢餓であってもそれですぐ死に至るという話しではなく、それは彼ら、彼女らには日常で、その状況の中で生きなければならない。
本書の中にNGOや政府の支援の行き違いについて記述されている部分もありましたが、それでもこうした現状を目の前にした時に、私たちはただかわいそうで終わらせるだけではなく、何かできることをする必要があるのではないか。と考えさせられる一冊でした。
少しでも世界の貧困の問題に興味のある方にはお勧めします。 -
Posted by ブクログ
直視するのがつらい、現実の一面。
社会の底辺で生きる人々のルポルタージュ。
日本の生活からは程遠い、けれど地球のある場所では日常になっている、せかい。
最初の「物乞い」の章が衝撃的で、怖くてページをめくることが出来なくなった。
現実にはもっと悲惨な出来事もあるのだろう。
けれど、本と写真が強制的に一番強いところを見せる方法は、現実にはない衝撃がある。
実世界であれば、遠めに察知して、近づくにつれ心の準備が出来ていくこともある。
だが、本は否応なく強い部分を濃縮して提示する。
結局は、私のような心構えの出来ていない人間は目を背けてしまうこともあるのだ。
事実の感情を、ありのまま撮ろうとした -
Posted by ブクログ
仏教圏内の最貧民、物乞、障害者にスポットを当てたノンフィクション。イスラム圏内の方も壮絶だけど、こっちもひどい。
私自身の気持ちが引っ張られて鬱に何度なったことか。
でも、これが事実。それから目を逸らしちゃいけない。(イスラムの方でも書いた気がするけど。)そう思わせる、ぐろい本。読み終わっても「これ本当に事実?」て気持ちが消えないもの。平和ボケとか言われるの仕方ないかも。
この本を読もうと思ったきっかけは宗教と経済、国家というものが複雑に絡み合いつつもそして理想を語りながら決してなぜか理想の形にならないのが不思議だったから。
結果、ますます混乱するだけ、だったため、正直いまは宗教というものに疑 -
Posted by ブクログ
『飢餓に瀕して、骨と皮だけになった栄養失調の子供たち。
外国の貧困地域の象徴としてメディアに描かれている彼らも、
ただ死を待っているわけではなく、日々を生き延びている。
お腹が膨れた状態でサッカーをしたり、化粧をしたりしているのだ。
ストリートチルドレンや子供兵だって恋愛をするし、結婚するし、子供を産む。
「餓死現場」にも人間としての日常生活はある。
世界各国のスラムで彼らと寝食を共にした著者が、
その体験をもとに、見過ごされてきた現実を克明に綴る。』(表紙より)
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この世に生をうける前から栄養失調であるという現実。
彼らは母 -
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物語を読み取れない子どもが増えている。葬儀で村人が煮炊きする場面を「死体を煮ている」と誤読する小学生たち。家庭による教育機会の格差を、公教育が是正できなくなっている――取材を進める中で著者は、現実に直面する。根源には何が?国語力は再生できるのか?現代日本の不都合な真実に真正面から挑む、渾身のルポ。
衝撃だった。自分はこの本でいう、教育環境が恵まれている社会の上流にいたので絵本の読み聞かせをたくさんしてもらって本好きだし読み書きや話すのも得意な方だ。だからこんなにも国語力のない子供が増えていると聞くと、社会に出て成り立たないだろうと戦慄する。問題点はもちろん一つではないが、他の指導内容が増えすぎ -
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幼くして入院生活を送らなければならない子どもたちがいることも知っていた。小児がんで命を落とす子どもたちの話も聞いていた。しかし、闘病後の生活まで思いは及ばなかった。ここに載っていたのは、子どもたちとその家族の闘病生活とその後の生きる力を支えようと奮闘されてる方々へのインタビュー記事だ。犬好きの私がまず惹かれたのは、ファシリティドッグのお話。犬ならではの支えがそこにある。闘病に付き添う家族を助ける家、院内学級、プラネタリウムで宇宙とつながる(初耳、魅力的)などなど、いろんな支え方があるのだと知ることができた。いろんなアイデアで広がって欲しい活動だ。きめ細かい政治の力添えも必須だ。なかなか目を向け
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途上国の「絶対的貧困」と日本の「相対的貧困」を具体的なエピソードで比較した本。日本の事例については確かに具体的でリアルな感じは伝わってくるんだけど、これが本当に多数のケースなのかどうかは正直わからないなあというのが読後の印象。
例えば「親が生活保護を受けていると、子どももそうなりやすい」という話は、まあそういう傾向があるのは事実らしいけど、これって鶏が先か卵が先かという話にもなってくる。貧困家庭で育つと教育機会が制限されて、結果として貧困になりやすいのか、それとも貧困を「学習」してしまうのか、因果関係は単純じゃないと思う。こういう傾向があるからといって全部鵜呑みにするのはどうだろう、という批 -
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世界の貧困の現実を載せた本作。
写真が多く、視覚的に訴えるものばかりでした。
正直、この本のページを捲るのが怖かった…どのくらい怖かったかというと、動物の殺処分の実態を知るときくらい怖かった…
特に印象に残ったのは、
マフィアに腕を切断され物乞いする男の子、
レストランの残飯を手にするストリートチルドレン、
下半身はだかで路上に横たわる女性。
写真が脳内に焼き付いて、今後忘れることはないと思います。
日本の情勢に対して意見がありつつも、この本を見ると日本は本当に恵まれた国だなと思い知らされます。
平和ボケしている僕ら。
世界の貧困の現実は誰もが知っておいた方がいいなと思いました。
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Posted by ブクログ
【『格差』を『分断』へ転化させないために、私たちの側にこそ『知識』が求められている。】
《要約》
●日本社会に深く根を張る「格差」によって、下層の生活実態が全く見えない「分断」を生んでる
●現場取材に基づく「具体的実例」を通して、格差の「構造的要因」を浮かび上がらせる。
●「7つの格差」を軸に各章を立て、「自己責任論」では片付けられない、「分断の実像」を解き明かす。
①所得格差
②職業格差
③男女格差
④家庭格差
⑤国籍格差
⑥福祉格差
⑦世代格差
《感想》
●内容自体は平易平凡で、既知のものが多かった。タイトル通り、読者ターゲット層は社会問題をあまり知らない中高 -
Posted by ブクログ
近年の『学力』低下を国語力と言うキーワードで斬り込んだ発想は評価できる。著者は国語力を殺した犯人として、教育システム、SNS、家庭·社会の変化にその原因を求めているようだが、国語力=広義の学力と言う点を踏まえれば本人の持って生まれた能力の影響を排除できないのではないか? 最終章の私立学校の事例は入試でトップ数%の秀才を集めたからできることで、更には親の学力と財力がその差に拍車をかけているように思われる。そこら辺の公立校で家から伝統工芸品を持ってこさせても、江戸切子のカットグラスなんて出てこない。特殊な家庭環境の子息が通う特殊な学校と言う印象だ。結局様々な社会変化によって個々人の能力差が国語力の