感情タグBEST3
Posted by ブクログ
これほど心に強い衝撃を覚える作品はなかなかない。
僕たちが蓋をしたまま無関心でいる世界の現実を、現場からこれでもかと突きつけてくる。
悲しすぎて、苦しすぎて、身を引き裂かれるようだ。
1ページ1ページ、めくるのがつらい。
知っておくべきでは足りない、経験しておくべき作品だと思う。
Posted by ブクログ
とにかくショックな一冊だった
目をそむけたくなるような写真が多く
でもこれがまだまだこの世界の現実なのだ
豊かな国はほんの一握り
ゴミ溜めの中で生きる子どもたち
自分の目をつぶされ、腕を切断され物乞いさせられる子どもたち
歩けないので自分の汚物で垂れ流しの台車の上でくらす老婆
売春をする幼い少女達
貧しい世界ではいつも犠牲は子どもたちか
ひ弱な老人たち
でも彼らの目は意外なほど力強い
そんな生活の中でも、しっかりプライドを持って生きている
生きるエネルギーが伝わってきて
豊かな世界にいる自分の方がひ弱な気がしてしまうのはなぜだろうか
作者の石井光太さんは本当にすごい!!
目を覆わず勇気をもってシャッターをきる。
ありのままを伝えることに命を燃やしている
それはこの残酷な現実をたくさんの人に知ってもらいたいという気持ちからだ
世界の現実を直視せよ!!
彼のメッセージに、今の自分に何かできることがあるのかを考えさせられた
Posted by ブクログ
圧倒される。
世界には、こんなにも過酷な姿がある。
「貧しい人たちもいる」とか「大変な目にあっている人たちがいる」とか、言葉にすれば平坦になってしまう。
この本に収められている世界の姿は、そんな平坦な表現・想像を簡単に吹き飛ばす。
「自分に何ができるんだろう」なんて考えられないほど、ただただ腹を抉るような衝撃の大きさに耐えるしかできない。
Posted by ブクログ
凄まじい。表現し難い衝撃だ。
眼を背けたくなる光景。それが日常に溶け込んでいる事実。紛争や飢饉という非日常ではない。日常である。同じ空間に悲惨さが横たわっているのさえ忘れさせる微笑ましい写真もある。アジア特有のまとわりつく埃っぽい空気感とともに、数々の事実を切り取った写真の価値は高い。
石井氏が自ら語るように、自分の弱さを痛感しながらも使命感から貧民窟を訪問し、写真を取り、文章へ興す。初海外がアフガニスタンというツッコミどころはあるものの、冒頭で語られる少女とのエピソードは彼の強烈な原体験になっている。偽善ではなく問題提起。本書の意義は十分果たしている。
Posted by ブクログ
これまでたくさんの書籍を手に取り
無数のページをめくってきたが
この本ほど心が震えたことはなかっただろう。
写真を直視するのに
感情の嵐が吹き荒れる思いに陥るのだけど
目を逸らせてはいけないような相反する感情も沸いた。
“衝撃”というひとことでは語れない。
Posted by ブクログ
知らないふりをしてしまいたい現実がまざまざと見せつけられる。餓死より酷い生活がある発展途上国の裏側。涙が出た。恵まれている日本人に罪があるわけでははない。どうしようもない。けど、誰もが諦めて無視していたら、だれも救われない。自分以外。平等なんてあるわけがない。でも。自分だけがのうのうと甘い汁を吸い続けてればいいだなんていう人間にだけはなりたくない。
レビュー登録日 : 2010年12月11日
Posted by ブクログ
電車の中で読もうと本書を開いたけど、そこにはあまりに衝撃的な写真が多数が掲載されており、本を閉じた。
家で改めて読んだのだけど、まさに地を這う人々が生活していた。憐れみを増すため、ワザと身体の一部を切断し、砂を塗りつけ化膿させる子供。蛆や虫が入っていても気にせず残飯を食べる少年。数十円で春を売る障害を持った女。ものを拾って稼いだ僅かな金を現実逃避のためシンナーにつぎ込むストリートチルドレン。
世界は思っているより貧しく、安定していない。ここでは命の価値が明らかに異なる。しかし、あくまで異なるのは他人の命の価値。泥をすすって、残飯を食べて、身体を売ってまで生きようとする彼らは自分の命を我々より価値があるものと思っているんだろう。じゃなきゃとっくに自ら命を絶っちゃうよ。なぜそこまでして生きるのか?と思うのだけど、『生まれたから』というのが答えなのじゃないかなと思う。単純だけど人間の根源はそこなんだろう。生まれたから、生を全うする。あたり前のことだけど気付かされました。
あまりに僕らの世界と異なり、生々しく、時にはグロテスクなので、直視するのは困難だけど、これは『今』の世界。自分のいる世界と家族の安定に感謝しながらも支援ができないかを考える。しかし、支援の対象があまりに広大で、どこから何から手を付けていいかわからない。単発の支援では意味が無い。無理なく継続的に確実に支援できる方法はなんだ??
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日本に産まれ育ったことによって練り上げられた自分の価値観を揺さぶり、再考させる書籍であったと思う。この書籍を読んでの率直な感想としては「私自身は著者と同じような体験をここまでできない」ということだった。吐き気や恐怖すら感じる。自分は国際協力の分野に興味があり、大学院の専攻にもかかわらず。
事実をありのまま伝えていると実感でき、目を逸らしたくなるような記事もある、しかし。なぜか、ページをめくる手は止まらなかった。それは、著者による読みやすい文体での構成とともに、ありのままを写している写真が目に飛び込んでくるからである。
日本人として産まれ育った自分としては想像もつかない生活が他の場所にはあり、それが望んでいない生活と思えると同時に普通の光景となっている。その普通が異常なレベルであるにもかかわらず。
私自身「経済的な貧困はなくならず、その存在が必要悪ではないか。しかし、その存在を極力減らすことは絶対にできる」と考えているが、その必要悪を背負っている人も必ず存在する。
その人々に対し、「ひとりの人間として何ができるのか?」の問いを絶えず投げかける書籍として、私は日本人全員に一度は読んでいただきたいものだと思っている。
Posted by ブクログ
いいタイトルだ。
ページをめくるたびにぎょっとした。
普通は写さない、写しても大きなメディアでは報じないようなシーンがたくさんある。
死んだ人、死にそうな人、汚いもの、美しくない障害、とりかえしのつかない怪我、薬物。
たとえば負傷したストリートチルドレンの写真。
上半身裸で頭に路上に横たわり、巻いた布は血にぬれている。
上半身裸なのは舗道が硬くて冷たいから、着ていたシャツを脱いで敷いたんだろう。
怪我をした頭が直接舗道にでているのは、血でシャツを汚さないためなんだろう。
痛いとかそんなことよりも考えなきゃいけないことがある子供がいる。
それは大人も同じことで、大事な家族が死んだって、すぐには悲しめない。
その遺体を利用してでも稼がなくちゃいけない。
ジロジロみられたくない外見を見せびらかしてでも生きていかなきゃいけない。
これ写しちゃっていいのかなって思ってしまう。
その後で、そう思ってしまう欺瞞に気づく。気づかされる。
被写体のためじゃない。自分が見たくないだけだ。
衝撃的といえば衝撃的な写真。しかし扇情的ではない。
むしろとても静かだ。
さあ見ろこんなに酷いことが!と騒ぎ立てるのではなく、ただこれが現実ですと拾い上げてみせる。
写真を見て、撮るのもしんどそうだと思った。
文章を読んで、この人は撮らないのも辛いのだと知った。
私は見たくないものから目を逸らすことができてしまうから、否応なく気づかせるこの人がいてくれてよかった。
Posted by ブクログ
アフガニスタンやインドや東アフリカなどのストリートや貧民窟で暮らす少年少女や障害者や物乞いなどのルポ。
一日の稼ぎをよくするために病気や怪我を治療しないで物乞いをし続けるとか、写真がまた結構な衝撃で。
made in JAPANと書かれたペン型の銃とか(もちろん日本製ではないけど)不発弾を集めて建てた家とか、なんとも言えん。
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて購入しましたが、衝撃的な内容でした。日本というか自分自身が生ぬるいと感じて、変な焦燥感が読み終えた後も付きまとって来る感覚があります。写真多めなのでサクッと読める。
Posted by ブクログ
「罪悪感のような気持ちがある」。障害者の写真を撮る時の気持ちをそう語る石井さんの言葉を読んで、「目を背けず正面からありのままを見よう」と思えた。
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石井光太さんは、いつも私に「現実」を突きつけてくれる。
心をえぐられるような感覚と、深い衝撃に襲われる。
それでも目を見開いて、あっという間に読んでしまう。
それを見て、私は幸せだ・・・などと安堵することはない。
むしろ、自分の無知加減に驚き、世界の広さとあまりの違いに言葉を失ってしまう。
本当にいつも多くの刺激を与えてくれる著者の一冊。
Posted by ブクログ
貧困地帯を渡り歩き、一般的に忌避される人々への取材を続けている著者のエッセイ&写真集。
日本では想像もつかないような世界の最貧困層の実態を、余計な感傷を交えることなく捉えた内容。
より多くの銭を稼ぐために病や怪我や死でさえも利用する物乞いたちの姿に始まり、生きるために性を売りながら果ては路上死を迎えた女性の写真、さらにはシンナーを片手に新聞紙を貪る少年の話まで、読み進めるほどに苦しさが募った。
時折挿まれる人々の笑顔の写真は、麻痺し始めた現実感をそのつど揺さぶり起こしてきた。
思いがまとまりきらず、言葉に詰まる。
Posted by ブクログ
改めて本にして手にすると、
世界の広さと幅を感じさせられました。
日本はやはり豊かな国です。
それが幸せにつながっているかは個々のことですが、
圧倒的に環境が悪い地域で生きる人のことは
いつも心に留めておきたいです。
Posted by ブクログ
まざまざと見せつけるだけが、描きだし方ではないと思っている。
けれど、誰かがそれを描かなければ、写さなければ、その事実は「なかったことになる」、そんな世界もある。
この世界の片隅で起きていることを、わたしが知っていても良いじゃないか。
私自身、全て伝えることが正義とは思いきれぬまま、伝える職業に就こうとしている。
そこにある葛藤はなくならないと思っているし、むしろなくすことは心も亡くすことだと思う。
そんな葛藤をやはり抱えた著者が、それでも描きだそうとしたことに私は圧倒された。
この人の著作を一通り読んでみようと思いました。
Posted by ブクログ
石井光太、四冊め。写真が多かっただけに、いままでで一番グロかった。
自分もバックパック背負って、途上国にはいくつか行ったけど、真っ正面から立ち止まってみたことはないから、写真という静止画でまざまざと見せつけられると、やっぱり、たじろぐ。
電車の中では読めない。。。
前書きのアフガン難民の盲目少女の話と、長距離バスの後ろにつかまる少年たちの話と、あとがきのゆで卵の話が印象に残った。
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世界の貧困層の写真が多数掲載されています。
いろいろと考えさせられる。
著者が書いているように、何かを考えるきっかけになればいいのだと思う。
こういう世界もある、それを知ってどうするか?
何ができるのか?
他にも思うところはたくさんある。
Posted by ブクログ
直視するのがつらい、現実の一面。
社会の底辺で生きる人々のルポルタージュ。
日本の生活からは程遠い、けれど地球のある場所では日常になっている、せかい。
最初の「物乞い」の章が衝撃的で、怖くてページをめくることが出来なくなった。
現実にはもっと悲惨な出来事もあるのだろう。
けれど、本と写真が強制的に一番強いところを見せる方法は、現実にはない衝撃がある。
実世界であれば、遠めに察知して、近づくにつれ心の準備が出来ていくこともある。
だが、本は否応なく強い部分を濃縮して提示する。
結局は、私のような心構えの出来ていない人間は目を背けてしまうこともあるのだ。
事実の感情を、ありのまま撮ろうとした著者。
その姿勢に私は感嘆する。
必ず知っておきたい現実を、提供してくれたからだ。
彼らと私の間にある違いは、生まれた環境のみだ。
それが逆なら私も彼らのように暮らしたろうし、この年まで生きてもいないかもしれない。
貧困の一面を見た。
Posted by ブクログ
ラブアンドピースというけれど。
現実を直視して、考え、行動してからこそ
発信できるものがある。
発展の影、豊かさの裏側。
タイトルに込められた意味。
バライティ番組の騒がしい音がする空間で読んだ一冊。
なんだか、無性に泣けてきた。
Posted by ブクログ
世界の貧困について、ストレートに書かれた作品です。偶然本屋で見つけ、手に取った本。ぺらぺらと捲ってみると衝撃的な内容と写真の羅列。日本という国がどれだけ恵まれているか考えさせられました。
Posted by ブクログ
今までの著作の裏話的なフォトエッセー。世界の最底辺の人達の取材秘話ですな。写真も豊富で勉強になります。クソみたいな最貧困な人生を当たり前の様に送る人達はいったい何を考えてるのか?とか考えます。ただ生きる事しか考えていないよね。人間だって動物だもの。
Posted by ブクログ
彼の写真に対する考え方が印象的。写真を撮るときに感じているという「後ろめたさ」が、決して上から目線でない「そのまま」を映し出しているのだろう。
Posted by ブクログ
この人の作品は『絶対貧困』等読んでいるので、内容的には重複しているけれど、これは実際現場の写真が収められているので、
とっつきやすかもしれない。
Posted by ブクログ
台車に乗った垂れ流しの老婆。ときどき台車の上の排泄物を捨ててくれるのはストリート・チルドレン。老婆は親のない路上生活の子どもに、何を食べると毒かを教えてくれる唯一の人だから・・・。
性器を露出して転がる少女娼婦の死体は悲惨。だけれど、生前から下半身にはなにも纏わずに暮らし、「何でもするから食べ物をちょうだい」と言って暮らしていたのだという文章の方に絶句します。
死に方が悲惨なのではなく、悲惨な生が終わったところの写真だったのかと。
貧しい人の写真を見て、何ができるというわけではなく、この本を手にとることの意味は、ただ見るだけ。
それでも、見ないでいるよりいい。知らずにいるよりはいい。
「見ない」より「見ただけ」の方がいい。そんな気がします。