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所得格差、職業格差、男女格差、家庭格差、国籍格差、福祉格差、世代格差……、いま日本社会は「格差」という地雷に埋めつくされています。
著者は、世界と日本の貧困、格差の取材を重ねているノンフィクション作家。これまで、10代から20代前半の学生を対象に、講演を通して「日本における格差」について伝える活動もしています。
その理由は、これ以上格差が大きくなれば、日本社会が取り返しのつかない状況に陥るから。格差は「分断」へ行きつくといいます。
たとえばアメリカでは、「白人/マイノリティー」に留まらず、「都市/地方」「高所得/低所得」といった多数の分断を引き起こしました。選挙が近づくと、国内で双方がお互いを罵ののしりあう姿が見られ、それが衝突にまでつながることもあります。
格差が拡大し、階層の断絶が深まっているからこそ、私たちはいま、「自分とは違う階層」の現実を知る必要があるのです。
そこで本書では、7つの格差構造と、ひき起こされつつある分断を具体的に紹介。
「知っている」と思っている人ほど知らない「日本社会の問題点」と、我々がいま何をすべきかが見えてきます。
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Posted by ブクログ
これは若者に向けて書かれた本だが、とても良い本だと感じた。所得格差、職業格差、男女格差、家庭格差、国籍格差、福祉格差、世代格差と具体的な例を取り上げて説明してくれる。基本的に同じことを言っているのだが、ある世界にどっぷり浸かっている人間は、それ以外の世界にいる人を理解しないというか理解できない。それゆえに教育の欠落や心無い周りの態度で、多くの犯罪が生まれている中、ただ対象に理解のない非難の言葉を発するのみ。そういう人たちの偏見が、社会により深刻な闇を作り出している。若者に今、日本で何が起きているのかを知ってもらえることに、この本は注力していく。
最後に若者に3つの提案をする。
1.新しい仕事を自分自身でつくる。
2.グローバルな世界へ打って出る。
3.新しい生き方を見つける。
不透明な未来だが、それを良い未来にできるのは若者たちのパワーだと思う。政治家や企業経営者などの利権に汲々とするオヤジたちには、そんな力はない。
Posted by ブクログ
P101) パチンコ市場は20兆円。遊ぶ人の約半数が年収300万円以下という統計がある。つまり10兆円をお金のない人達から吸い上げているということになる。
競馬や競艇、競輪も然り。
日本のギャンブルはお金のない人たちから吸い上げるお金で成り立っているといえる。
→これは衝撃。お金持ちの娯楽だと思っていたパチンコが実はそうではなかったと。
貧乏人が負けて更に課金するスパイラルに陥る構図が容易に浮かぶようだ。
P120)社会的、ビジネス成功の秘訣は、常に相手の立場を理解しようと努めること。相手の立場からものを考えるようにすること。
P148)〜
17歳でノーベル平和賞を受賞したマララさんの発言を引用。
世界が沈黙しているのなら、1つの声でも力強いものになる。
言葉は世界を変えるための大きな武器だ。
P183)児童養護施設の役割とは、 自己否定感にまみれた子供たちの考え方を変えること。
何をやってもムダ、どうでもいいんだ。が口ぐせの彼らに寄り添い、信頼関係を築き、自分を大切に思ってもらえる人がいるのだということを分かってもらう。
→とても大きな役割だ。精神的にも疲労は大きいだろうが、社会的な意義は大きい!
Posted by ブクログ
良書。暗澹たる気持ちになった。
16歳向けということで平易にかつ網羅的に書かれていて、教育レベルに関わらず読みきれる本というのも良い。
この本を手に取る"階層"にいる若者にとって、学歴と職業、貧困の再生産と格差の拡大、ジェンダー問題あたりまでは容易に想像がつくと思う。いわゆる、自分ごととして捉えやすく、また解決策を議論することができる程度の知識も持ち合わせているだろう。
しかし、ホストやキャバクラ、風俗業界に生きる(生きざるを得ない)人間の思いを、背景を、想像できる人はどれだけいるだろう。それが経済的困窮だけではなく、虐待による自己否定感やグレーゾーンを含む知的障害とも密接に関わっていると考えたことはあっただろうか。
構造的搾取が問題とされている技能実習生制度を始め、移民問題を労働力以上の問題として考えたことはあっただろうか。低賃金で酷使される外国人労働者は度々問題視されるものの、そのさらに奥の就学の機会を奪われる移民の子の存在は自ら見ようとしなければ見えてこない。移民ギャング、ホームレス、被虐待児童、知的障害者、治安の悪化を、犯罪を彼らのせいにするのは簡単だが、自らが同じ境遇に置かれた際に罪を犯さずにいられるかどうか胸を張って答えることはできないはずだ。もしできると思うなら、それは想像力の欠如に他ならない。誰も彼も、苦しもうと思って苦しんでいるわけではない。貧困を望んで貧困に甘んじているわけではない。
何も弱者を理解して今の境遇に感謝しましょう、強きをくじき弱きをたすけましょう、という結論には至らなくていい。この本の主題はそこではない。ただ、この本をきっかけに、格差と分断の構造を理解して問題を俯瞰的に見られるようになるといいと思う。いま、自分の知らない日本の中で何が起こっているかを理解し、想像し、慮る努力をすべきだ。
きっと、そうした努力は十年、二十年後の人生もとい自分自身を豊かにすることに繋がると思う。
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