石井光太のレビュー一覧

  • 感染宣告 エイズウィルスに人生を変えられた人々の物語

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    パートナーがHIVだったら…その子どもを産めるのか?
    様々なパターンのカップルの、始まりから経緯、結末まで、なるほど、そのような悩みが出てくるのか、と思った。
    夫はHIV陽性なのに、妻には30年間教えなかった…
    産まれたこどもが陽性かどうかは18ヶ月後までわからない…
    なんとも壮絶な話が多かった。
    同様の状況の方には参考になるかも。

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    2019年10月29日
  • 浮浪児1945-―戦争が生んだ子供たち―(新潮文庫)

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    石井光太の本は毎度のことながらぐいぐいと読ませる。それもそのはずな、ある意味のあざとさを感じさせるんだけど、取り上げる題材とか紹介されているエピソードとかが私の興味とわりと合うみたい。この浮浪児もしかり。
    この本の題材「浮浪児」は戦後すぐからの上野(野上(のがみ)と俗称していたのだとか)あたりを根城にしていた子どもたちが中心。東京大空襲とかの戦災孤児のことかと思いきや変遷があって、当初はそういった子どもたちが多くを占めていたのが、だんだんと地方からの家出少年とかが増えていったのだとか。そこにヤミ市ができたりそれが発展してアメ横になっていったり、そこで暗躍したテキ屋やヤクザ、愚連隊とか、まあ生命

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    2019年03月03日
  • 「鬼畜」の家―わが子を殺す親たち―(新潮文庫)

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    テーマが重くて、自分なりにも解決方法が見つからずに気持ちが沈んだ。ある程度の年齢になれば自分を取り巻く環境を変えることができるけれど、小さな子供や赤ん坊にはそれができない。そして子供は親を選んで生まれてくることができない。だから子供に危害をくわえるようなことは私は絶対に許せない、罪は罪である。それはおいておいて、負の連鎖はどこかでとめなければならないと思うし、本来は公的にするべきことだけれどきっと小回りがきかないのだろう。本書の最後の章のBabyぽけっとのようなNPOの活動は賛否両論あるにしても少なくても赤ん坊の命を救っている。親は子供に育てられて親になるものだとずっと思っていたけれど、子供が

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    2019年03月02日
  • 世界「比較貧困学」入門 日本はほんとうに恵まれているのか

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    前にインドのルポを読んだときは情緒的に感じたが、この本はだいぶ冷静になっている。しかし、「比較貧困学」と言いながら「こんな話を聞いた」というどこの誰だかわからない人の話ばかりで、せめて元政治家や亡くなった若者くらいはもう少し特定できるのはずなのだが。はじめのページは各国の出稼ぎ労働者の数(中国が意外に多い)や日本のホームレスの数(ごく最近で劇的に減っている)など、まじめに数字を出していたが後の方は聞いた話のオンパレード。

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    2019年02月12日
  • 世界「比較貧困学」入門 日本はほんとうに恵まれているのか

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    僕は子どものころから貧困とは無縁だったので、定期的にこういった本を読まないと世界が狭くなってしまう。
    世界と日本がそれぞれ別の問題を抱えていることがわかる良書。

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    2018年11月30日
  • 蛍の森

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    裏表紙に書いてある物語の概要を見て、妻がこういったもの好きかなと購入。軽い気持ちで読み始めた本作。

    ハンセン病を題材にして描かれているフィクションということだが、作中の事実があったかのような描かれ方であり、ノンフィクションのように感じた。物語のどこにも読み手である自分を見つけることができなかったからかもしれないかな。
    ただ、プロローグとエピローグで話が纏められていたので、読み終わりはとてもスッキリしていたなと感じる。

    内容としては、[とても勉強になった]と言えば薄っぺらく感じるかもしれないが、やはり勉強になったと言わざるを得ない。
    ハンセン病や、それに纏わるその当時の日本。今の日本から考え

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    2018年06月06日
  • 絶望の底で夢を見る

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    過酷な運命を背負う人たちの今の思いと明日への一歩。鋭く優しく人間を見つめる衝撃の短編ドキュメンタリー。
    自殺、HIV、ハンセン病、障害者の性などテーマは重い。安易な同情は彼らに失礼だし、突き詰めれば自分自身の現実にもあたるかもしれない。何を希望に生きていくのか。誰も出せない答えを探し求めるのが人生なのか。

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    2018年05月25日
  • 浮浪児1945-―戦争が生んだ子供たち―(新潮文庫)

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    単行本が出たときから読もうか読むまいかずーっと迷っていた一冊。
    ずっしり重たいし、つらい描写もあるけど、やっぱり読んでよかった。
    この国に戦争がもたらした現実を知っている人が残っているうちに、たくさんの本がまとめられることを願います。

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    2018年05月16日
  • 遺体―震災、津波の果てに―(新潮文庫)

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    何冊か、東日本大震災に関する書籍は読んで来た。
    しかし、今作はタイトルにもある通り「遺体」に焦点を当てた小説であり、未曾有の大震災で溢れた遺体をどう対応するか?その対応だけを淡々と綴っている。
    この手の本を読む時は、大体感情的になり、泣いてしまうことが多いのだが、今作は遺体への対応策を淡々と綴っているだけので、悲惨な体験であることは確かなのだが、事実として、しっかりと受け止められるのが、特徴的。
    今までは宮城県側のルポを読むことが多かったが、岩手県側でのこれだけの被害もきちんと受け止めていきたいと思う。

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    2018年05月07日
  • 世界で一番のクリスマス

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     うーん。なんとも微妙な作品。綺麗に仕上げようと思っているのだろうが、なんともチープ。
     
     5つの短篇からなる作品集。全て風俗に関係する題材。しかし、残念ながら全てが中途半端に感じられた。

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    2017年11月26日
  • 感染宣告 エイズウィルスに人生を変えられた人々の物語

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    HIVの感染率が意外と低いことを学んだ。感染者だけでなく、家族や恋人のことも取材しており、広い視点から捉えることができた。とくに血友病の話では、薬害エイズの背景、非加熱製剤のことを知ることができた。早苗の死を疑っているような描写がいまいちよくわからなかった。

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    2017年11月18日
  • コールド・ケース 未解決File.1「連続児童自殺事件」

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     2chのホラー・オカルト系まとめサイトで取り沙汰されていそうな事件を、実はこういう……犯人もきっとこの人であろうことが……っていう感じで、今は調査が既にとまっている事件を掘り起こして真相を暴く、っていう漫画でした。
     話の流れはまあ分かりやすく、さらさら読めました。事実であれ空想であれ理想であれ、きちんとした証拠がないが故に捜査が止まったりマスコミが報道をやめたりしているのでしょう。ま、マスコミは最近上っ面で終わっているようですが。まあそれはそれ、生きて行く上では、お上には逆らえないわけですしね。哀しいことですが。

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    2017年08月05日
  • 僕らが世界に出る理由

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    ちくまプリマ―新書であるため、高校生・大学生向けに書かれているが、大人が読んでも心に留めておきたい部分がいくつも見つかった。
    海外へ行くことは、「本人がその気になりさえすれば、あらゆるものが自分の肥やしとなりえる」。私自身は今海外に住んでいる。ただ、日々の忙しさに追われて、様々な文化の違いにあまり目を留めず何気なく過ごすことも多い。だが、よく考えれば看板一つをとっても、スーパーで並んでいる野菜一つをとっても、発見が多くあるはずだ。それをもっと活かそうと思った。
    また、高校生・大学生の間にどんな考えを身につければ良いのか、また具体的に何をしたら良いのかという部分は、大人として彼らに伝える時に参考

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    2017年07月23日
  • 地を這う祈り

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    今までの著作の裏話的なフォトエッセー。世界の最底辺の人達の取材秘話ですな。写真も豊富で勉強になります。クソみたいな最貧困な人生を当たり前の様に送る人達はいったい何を考えてるのか?とか考えます。ただ生きる事しか考えていないよね。人間だって動物だもの。

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    2017年03月04日
  • 蛍の森

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    2016/05/04
    何度も読むのをやめようと思った。
    でも、ハンセン病の人たちの苦しみから目をそらしてはいけない。
    無知や、それに伴う恐れがおこす悲劇。
    人間の弱さ。

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    2016年05月04日
  • 蛍の森

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    まずは、石井光太が社会派ミステリー小説を書いたことに驚いたのだが、読んでみると、ノンフィクション以上に強いメッセージ性があり、非常に読み応えがあった。

    四国の山間部で発生した老人の連続失踪事件に端を発した物語は意外な展開を見せていき、心が抉られるような悲惨な過去が描かれていく。そして、ラストの畳み掛けるような驚愕と感動の渦。

    さすがはノンフィクション作家だけのことはあり、ハンセン病差別の闇という難しいテーマを下地に本当に見事なミステリー小説を描いたものだ。

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    2019年08月19日
  • アジアにこぼれた涙

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    パキスタン、マレーシア、フィリピン、タイ、イラン、スリランカ……、それぞれの地でアフガン難民の父子の確執に触れたり、エイズ禍に沸いた頃の都市伝説を検証したり、イラク難民の夫婦とともによくない筋に感化されイラクに戻ったと思われる息子の足跡を探したり、孤児たちの明るいもてなしを受けたりといった具合に、貧しさや戦争の惨禍などなどに取り巻かれ混沌としたアジアの街でアジアの人と出会ったエピソードが綴られる。
    読みながら思ったのは、「この人(著者)、自分と似ている」ということ。どこが似てるって、体験が身にならないタイプだという点が。なかなか得難い体験をしているはずなのに、どこかさらっとしていてありがちな話

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    2016年04月11日
  • 遺体―震災、津波の果てに―(新潮文庫)

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    僕の持っていたイメージでは被災者は冷静に対処して大きな混乱もなく海外からも賞賛されているというものだが、この本に書かれている人びとは冷静な人ではない。人びとは変わり果てた町に絶望し、最愛の者を失って泣き叫び、行政への不満を爆発させ、生き残った事を後悔した。普通の反応だ。
    自衛隊員、警察官、市役所の職員、医師らは罵声を浴びながらもひたすら自らの職務をした。当然彼らにも気掛かりな家族はいるが自分のことより職務を優先した。こういう自己犠牲の精神で働く無名の公務員は日本の誇れることだと言える。

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    2015年12月30日
  • 戦場の都市伝説

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    まさに都市伝説なのだけど、裏には悲しい歴史があるのです。
    しかし、ノンフィクションライター石井さんらしくない気がする…

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    2015年12月04日
  • 世界の美しさをひとつでも多く見つけたい

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    人間の心の美しさ。貧困地域や被災地などの困難な状況で生きる人たちの、生命力の源のような心のよりどころ。現場で拾い上げたナマの声が、胸を打ちます。できればあまり目を向けたくないと思ってきたそれらの現場には、想像もできなかったストーリーがありました。著者の他のドキュメンタリーも読んでみたいです。

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    2015年01月10日