石井光太のレビュー一覧

  • 「鬼畜」の家―わが子を殺す親たち―(新潮文庫)

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    3件の児童虐待死事件のドキュメンタリー。虐待の生々しい描写に精神を抉られる。
    断ち切れない虐待の連鎖はあるのだな、と思わずにはいられない。

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    2022年08月07日
  • 格差と分断の社会地図 16歳からの〈日本のリアル〉

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    『本当の貧困の話をしよう』がとても良かったので、これも読んでみた。
    『本当の貧困』は古今東西の貧困をグローバルな視点で比較してあって、目からウロコが落ちたという感じだったのだが、こちらは様々な格差と分断はなぜ起きるかを、日本の問題に絞って分かりやすく解説している。この本も大事なところは太字の上にマーカーまでひいてあるし、字もくっきりしていて読みやすい。読書慣れしていない子どもも読みやすい。

    『本当の貧困』ほど、「そうだったのか!」という感じはなく、そうだよね、という感じ。しかし大人だからそう思うので、ターゲットの中高生はやっぱり「そうだったのか!」と感じると思う。
    タレントの生い立ちや最近起

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    2022年07月24日
  • 育てられない母親たち

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    本書は児童虐待の当事者である母親に主に焦点を当て、虐待が起きた背景を探る。
    複雑化した問題を単純化することなく、地域支援の輪を作り出すことの重要性を主張する。
    本書において、一つだけ注文をつけるなら、父親の存在あるいは父親の責任といったものがあまり見えてこないということ。
    決して育てられない「母」を責めているわけではないし、取材対象が母親であるからだと推測はされる。
    産まざるを得なかった母の苦悩に比べ、「俺は知らない」と逃げる父親や恋人、あるいは、客の無責任たるや。

    代理ミュンヒハウゼン症候群の母親については、
    最近発覚した虐待死事件でも同様の精神疾患によるものと考えられるものがあった。

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    2022年03月20日
  • 格差と分断の社会地図 16歳からの〈日本のリアル〉

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    日本における格差について分かりやすくまとめられた本。
    導入には最適。
    自分が生きる世界以外の世界を知ることはとても大切。
    自分さえ良ければ、という人ばかりになったその先にあるものをみんなが想像することが大切。

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    2022年01月09日
  • 絶望の底で夢を見る

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    絶対貧困で有名な石井さんの日本で出会ったいろんな人たちについてのエッセイ。
    日本で身近な分読んでいて辛いところが多かった。

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    2022年01月02日
  • 43回の殺意―川崎中1男子生徒殺害事件の深層―(新潮文庫)

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    この事件に関してはその残忍さと未成年者による犯罪で被害者が中学生だったことから同時かなり衝撃を受けた記憶がある。
    その詳細と背景がかなりリアルに伝わってきた。
    読み終わった後感じたのは、今回の主犯者のような狂人は一定数社会に存在している訳で自分を含め家族や親族が同じような事件に巻き込まれる可能性が充分にあり得ると言うこと。
    そのためにはどうしたら良いか?
    近づかない或いは逃げるのがある意味一番賢明なのでは?
    あくまで持論だけど。

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    2021年12月30日
  • 世界で一番のクリスマス

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    ネタバレ

    1980年代の上野界隈。
    上野の夜に働く男女。短編5話。

    出張ホスト、デリヘル、韓国エステ、ラブホテルの従業員、HIV感染、堕胎、AV女優などなど。


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    2021年12月06日
  • 物乞う仏陀

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    アジアの仏教国の身体や精神に障害を持った物乞い・乞食の人達に取材をしていく。違う国の人という立場だからこそできることなのかも。著者も話を聞いてもどかしい気持ちかもしれないが、悲しい辛いを表す言葉を引き出すべく質問を投げかけ、結局救いがないのが辛い。それでも前向きな気持ちを持ってる人もいるからすごい。最後のインドでの話は衝撃で、これは何とかしないとならないし、世界の機関は何とかできないものか。

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    2021年08月03日
  • 絶望の底で夢を見る

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    いろいろな人生あります。
    もうちょっと1つ1つの話に深く感じるものが生まれるかと思ったけど、そこまでには至らなかった。

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    2021年05月31日
  • 夢幻の街 歌舞伎町ホストクラブの50年

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    新宿歌舞伎町ホストクラブの半世紀。「夜の街」の真実を描く!「どうせ社会の側の人たちが僕らに理解を示してくれることなんてないでしょう」これは、生きる場所を求めて歌舞伎町に集まった若者たちの、泡のように淡い夢と重い現実の物語である。
    コロナ禍で歌舞伎町がかなりダメージを受けているというのはテレビで見ましたが、そもそも自分が全く知らない世界の成り立ちを知りたくて読んでみた。すごい。こんな歴史があったのかってびっくりする。取材した人は何者なのでしょう・・・?社会のレールからはずれた者たちを受け入れる場所で、だけど諦めずに社会の中の一輪として育ってほしいという願いを持って教育や奉仕活動をしているホストグ

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    2021年02月23日
  • 育てられない母親たち

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    仕事柄様々な保護者と会う機会があり、家庭環境など気になる子供の存在から、何かヒントとなることはないかと考えて通読。

    虐待と一口に言っても、その背景にはかなり複雑に絡み合う要因があり、解決にはかなり困難を伴うことがよく理解できた。

    本書に出てくる親子までいかないまでも、ネグレクト、毒親、過干渉、など多かれ少なかれ問題を抱える親子はかなりいるのではないかと思う。

    自分が自分の立場でそういった親子に対し何ができるか、考えるきっかけになった。

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    2021年01月02日
  • 夢幻の街 歌舞伎町ホストクラブの50年

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    夜の街の男の業界。いじめ、暴力、殺人。近づきたくない。この著者でなければ興味を持つことはなかっただろう。そんな世界で何かを成し遂げて来た人たちがいる。彼らは何も持っていなかった。下っ端で働き独立。ブームにも乗った。目立ってはいけない不文律を破った。いつしかもてはやされるようになった。順風ばかりでもなかった。バブル崩壊、浄化作戦、311。切磋琢磨し、知恵を絞りだし生き残って来た。そして、コロナ。一転悪役に。実際には人一倍の工夫をしていた。彼らにはエンパシーを持つ。つまり、共感は持てなくても敬意は示したい。

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    2020年11月16日
  • 「鬼畜」の家―わが子を殺す親たち―(新潮文庫)

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    親の親が問題あるならその親も問題あってまたその親もってなっていくとしたら一体いつまで遡ると最初の問題の人が出てくるんだろう。

    日本は色んなところでカウンセラーがもっと必要なんだと思う。

    あと、一生懸命働くより生活保護の方が収入多いって問題じゃないの?

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    2020年10月28日
  • 感染宣告 エイズウィルスに人生を変えられた人々の物語

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    HIV感染者達とその家族への取材。現在では薬の発達により発症も抑えられ、普通の生活も可能になった。しかし制限された部分もある。感染した恐怖により露呈する弱さ苦悩、そこから湧き出る強さ。感染経路を思うと悲しくなる。

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    2020年08月25日
  • 「鬼畜」の家―わが子を殺す親たち―(新潮文庫)

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    石井光太さんのルポは、見つけたら必ず読んじゃう。これはずっと読みたかったやつ。

    仕事柄色々な親を見るけど、一貫して言えることは生物学的な愛情は必ずあるということ。
    そこに生活力や育児能力が複雑に絡み合うから、子供の問題行動は親に起因するところも少なくないということ。
    虐待も同じように考えるべきで、多面的に見ないと全体像が見えないという点が共感できた。

    まぁでも普通はここまでにならないわな…まさに鬼畜…と思える話ばかり。詳細な描写には背筋が寒くなった。我が子に手をあげるなんて、やっぱり信じられない。

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    2020年03月09日
  • 遺体―震災、津波の果てに―(新潮文庫)

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    被災直後の遺体にまつわる混沌が、様々な人の立場から書かれたルポ。
    市役所の職員、民生委員、僧侶、葬儀社の社員、歯科医など。

    小学生の息子が今まさに火葬されようとしているときに、泣きもせず、少し離れたところにいたという母親の気持ちが、痛いほど分かって涙が止まらなかった。
    次の3月11日はあの日と同じ金曜日。
    震災を知らない子供たちに何をどう伝え、自分はどんな1日にするか、考える材料のひとつになった。

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    2020年03月09日
  • 「鬼畜」の家―わが子を殺す親たち―(新潮文庫)

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    つらすぎる事件の数々。「私なりに」愛していた。「私なりに」精一杯やっていた。「私なりに」「私なりに」…。身勝手に子供たちを殺してしまう親がいること。家という密室で助けを求められず亡くなってゆく子供がいること。悲しくてつらい、真実のルポ。

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    2020年03月07日
  • 日本人だけが知らない 日本人のうわさ~笑える・あきれる・腹がたつ~

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    様々な日本人についての噂を知れて、また「盛り塩」の由来など意外な事実も知れて、興味深く読めた。
    とどのつまり筆者もいうように「噂というのは、人々が抱く無知や不安や恐怖のバロメーター」であることがよくわかった。今後、噂は噂であることを頭において溢れる情報を受けとめたい。

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    2020年01月09日
  • 「鬼畜」の家―わが子を殺す親たち―(新潮文庫)

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    毎月のように何らかの児童虐待が報道され、その量の多さが逆にこの悲惨なことどもを「アタリマエ」化してしまうようで、この本に取り上げられた3つの事件も、タイトルだけではすぐにどれだかはわからないほどに、感覚が鈍麻してしまっている。それこそが怖い。

    タイトルが「『鬼畜』の家」とあるように、これは子どもを死に至らしめた親たち個人というよりは、彼らを生み出した「家」、つまり家庭環境を取材し、問い直したルポルタージュだ。

    3つの事件で罪を問われることになった親たち、そのいずれもが一般的な「サザエさん」的なイメージもしくはそれが内包する基準からは、はるかにかけ離れた環境で育っている。

    それは貧困であっ

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    2019年11月27日
  • 浮浪児1945-―戦争が生んだ子供たち―(新潮文庫)

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    戦後、多くの孤児はどうやって生き延びたんだろう、という疑問から読み始めた。
    調査対象が上野周辺で東京の限定された地域であることから、わたしの疑問はすべては解決しなかったけれど、東京で子供たちがどうしぶとく生きていたのか、なぜ孤児院から脱走する子が多かったかなど、深く理解できた。
    せっかく生き延びて親と再会しても、すでに1度自立(というのが的確かわからないけれど)してしまった子供は、他人になってしまった親と一緒にもう住めないというのが印象深かった。
    石井さんの文章は読みやすいので、ほかの作品も読んでみたい。

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    2019年11月05日