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2015年2月20日未明、凍てつく風が吹きつける多摩川の河川敷で、上村遼太君は全裸で息も絶え絶えに草地を這っていた。カッターで全身を43カ所も刺されて――。後に殺人などの容疑で逮捕された3人の未成年者が法廷で明かした理不尽な殺意。彼らに反省の色はない。そして互いに責任を擦り付け、攻撃し合う被害者の両親……。無辜の少年はなぜ命を奪われたのか。緻密な取材を基に深層を炙り出す。
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匿名
何が正解か
遼太くんを助けるためには何ができたのか、親や教師、周りの人が不登校や非行に走り始めた時から支援を始めても遅いのだと感じた。 こんなことを思いたくはないけど、家庭環境と育つ土地環境は生育の過程に大きな影響を及ぼすことを確信する内容だった。 また、不遇な現実からみんなが目を背けた結果の凄惨な事件だと思う...続きを読む。子どもを授かったという重大なこと、責任意識が欠けている親、地域がら不良少年がいても見て見ぬ振りをする地域の人、学校、、みんな自分のことで精一杯の必死さが、読んでいて辛かった。運が悪かったで済まされていいことではないが、身近に感じるような少年が酷い殺され方をしたこの事件は本当に不運が重なっていた。 ご冥福をお祈りします。
Posted by ブクログ
報道だけでは分からない事件の詳細が、丁寧な取材に基づいて書かれている。個人に責めを負わせるのではなく、社会の問題として伝えようとする作者の思いが伝わってきた。
石井光太『43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層』新潮文庫。 プロローグを読んだだけで物凄く陰鬱な気持ちになる非常に重たいノンフィクションだった。読みながら、こんな悲惨な事件があったことを思い出した。 2015年2月20日の未明、多摩川の河川敷で事件は起きる。3人の遊び仲間の少年にカッター...続きを読むナイフで全身を43箇所も切り付けられた上村遼太君は全裸で最後の一滴の命を振り絞りながら草地を這い、助けを求める。犯人の3人の少年たちの理不尽な殺害動機…… 4年前に別れた元夫婦の失った子供を巡る冷戦…… 全ての歯車が狂い、被害者の父親は加害者少年たちに強い殺意を抱く。しかし、これは当たり前の感情だろう。せめて法律が少年たちを厳しく裁いてくれれば…… 少年法という壁に守られた殺人者たち。殺人者たちは、社会と隔絶された世界で資格を得ながら食うに困らぬ悠々とした日々を過ごし、僅か10年ほどで社会に復帰することになる。一方の被害者の親は有りもしない噂や大切な子供を失った悲しみと被害者たちへの怒りで、一生消えない心の傷を負うというやるせなさ…… 本体価格670円 ★★★★★
「何で救えなかったんだろう」 この事件は衝撃で、 事件当時、同市内に住んでいたこともあり、 当時会ったこともない少年に対して 自責の念を感じたのを覚えている。 本書は事件までの経緯や家庭環境が丁寧に描かれており、惹き込まれるように読んでしまった。 やるせない、寂しく、恐ろしく、 残念無念で、重石...続きを読むで心が沈むように 心にズーンとくる本だったけど、 少年たちの心について、考えさせられた。 家庭での寂しさが、少年を夜の街へ 非行へと向かわせるのかな····· 学校が、家庭が、部活が、趣味が どれか一つでも居場所があることの大切さよ だけどその居場所は、悪事や不健康でなく 健全で安心安全な楽しみで繋がること 良い仲間と出会っていれば···· そうじゃないと疑心暗鬼で 本当の心の拠り所とはいえないし 心の穴は埋まらない 心からは救われないんだろうな····· 親に振り回され 心に寂しさや空虚感のある 居場所なき少年たちが集まって起きた かなしき事件なのかな 著者の石井光太さんの描写がすごい! 取材力の高さにも脱帽。。 同じ事件を起こさないためにも 文章で残し伝えることの大切さを感じた。
こんな事があってはならない。 でも、一歩間違えれば自分も…とも思える事件だと思った。 私も親が微妙で、誰でも良いからとりあえずつるむ、と言う時期があったし、暴力としてもそんなに遠くにあるものでもなかった。 なので、一歩間違えれば… 他人ごとではない事件だ、と言う考えが本書を読む事でより一層深まった。
どうして、なぜ。 人間はこんなふうになってしまうのか。 事件があった当時は衝撃的な事件だなと思ったくらいであまり多く感じなかったが、、 石井さんの文章、とても読みやすい。
事件に関する本は沢山読んでいるが、毎回何とも言えない気持ちになる。今でも心に深く残る事件の一つ。どこかで防ぐことは出来なかったのかな。運が悪かったと言う表現があまりにも辛い。せめて加害者達が心から反省し、罪を償う姿勢を見せてくれればと思うが、それも叶わないとは。 少年法に限らず、今の時代に追いついて...続きを読むない法律。「更生」ありきで被害者より加害者を守っているんだなと言う印象が強すぎる。
生まれてくる全ての子供達が、生きがいを持って人生を全うできたら、どれだけいいだろう。 生きていくには辛いことや悲しいこともあるけど、それでも前に進んでいけるような世の中になってほしい。 結局はそこだよね、大人の義務は。
・家庭裁判所や保護観察所の責任問題 事件を誰かしらの眼差しで捉えた本であることは留意すべき。特に、母親側から語られた言葉が無いため、父親に肩入れしすぎないように読まねばならない。
この事件で一番衝撃だったことは犯人の少年たちが逮捕される前にSNSで写真と名前らしきものが公開されていたことでした。少年法で守られてきた個人情報がいとも簡単に出回る世の中になったと当時の私は思いました。 少年法の腑に落ちない点がSNSで露わになったかもしれませんが、事件と全く関係性のない人たちが「こ...続きを読むの人が犯人です」とSNSで拡散する光景が不気味に感じました。 もし、写真に写ってる人が全く関係のない人だったら拡散した人たちはどうするつもりなのでしょうか? 話は少し脱線しましたが被害者や加害者の家族、両者の友達や地域性まで細かく調べ上げた石井さんのルポは客観的にまとまっていて読みやすかったです。
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43回の殺意―川崎中1男子生徒殺害事件の深層―(新潮文庫)
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石井光太
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