石井光太のレビュー一覧
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1日20体弱の死体が日本から海外へ運ばれている。棺の内側は金属コーティング(韓国行きのみなぜか木製でも可)。死体とドライアイス類以外は不可(大使館員立会いで確認)。病院の死亡診断書、パスポート、受け入れ国の入国許可書、葬儀社の梱包内容証明書、受け取り人の連絡先、葬儀社のエンバーミング証明書、全て揃わないと不可。
エンバーミングで12〜20万、ドライアイスや書類作成、人件費を加えると20〜40万、空輸代で10〜60万、空港から遺族自宅までを含めると数百万になることも。
イスラーム墓地では幽霊は出ない(死は最後の審判までの仮眠期間のため)
韓国内での売春規制強化により日本に売春婦が大量流入、価格破壊で日本人、東南アジア人を駆逐。ウェブ広告無店舗型デリバリーの開業をコンサル会社が手助け、激しく画像修正、作っては潰し作っては潰し。ホームレスとの偽装結婚による在留資格延長。
日本のインド料理屋の大半はインド料理を知らないパキスタン、ネパール、バングラデシュ、スリランカによるもの。建築現場や工場で働いていたものの倒産などにより職場を失った人、体力が衰えて転職した人が中心。 -
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東日本大震災を取り上げた、2011年発表のベストセラー。2014年文庫化。2013年には西田敏行主演で映画化された。
震災後の岩手・釜石の遺体安置所をめぐる極限状態を、自ら現地へ入り、地元民生委員、医師、歯科医師、市職員、消防団員、陸上自衛隊、海上保安部員、地元住職、市長らと行動を共にして綴った、壮絶なるルポルタージュであり、マスメディアでは絶対に報道されない、最も凄惨な現場の描写には、なんとも形容しがたい、胸をえぐられるような思いである。
一方で、本書は2012年の講談社ノンフィクション賞にノミネートされたものの、著者の過去の海外ルポの小説的文体を使った手法があまりに「フィクション」的と、立花隆氏や野村進氏らの選考委員から批判を受け、受賞を逃している。特に、野村氏からは「海外ものなら、どんなに作り話を入れてもバレっこないとでも思っているのかなあ。この手法を認めてしまうと、誰も海外取材はしなくていいという結論になってしまいますよ。取材困難な箇所は、全部創作で埋めればいいわけだから」と辛辣な意見が出たという。
私は、2013年に著者の講演会を聞く機会があったが、その若さ(1977年生)ゆえか潜在的な尊大さが見え隠れしていたのも事実であり、ノンフィクション好きであるにも係らず、著者の他の作品には手が伸びない。
ただ、本書が未曽有の大震災において報道されることのない事実の記録として、手に取る価値のある作品であることは間違いないであろう。
(2014年3月了) -
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本書を読むまでは、石井光太氏はジャーナリストだと思っていた。そのため、世界の国々の惨状を伝えるべくカメラを向け、言葉を紡いでいるのだと勘違いしていた。しかし、その惨状の中でも希望を見いだし生きていく人たちの力強さと美しさを伝えたい。その気持ちを胸に執筆していたことを本書を通して初めて知った。
繰り返しでてくる一人一人にとっての「小さな神様」
想像もできないほどの絶望や状況の中で、人は何を胸に抱いて生きていくのか。そんな著者の真摯な眼差しに心うたれた。
ー私は他者を見つめるさいに大切なのは、相手がどんな小さな神様を抱いているのかを知ることだと思います。(中略)
小さな神様を見つけるためにはどうしたらよいのでしょうか。(中略)「自分の文脈で勝手な価値観を押し付けるのではなく、相手の文脈で大切にしているものを探す」
何が不幸で幸福なのか。それはその場所その場所で懸命に生きている人たちの「小さな神様」に集約されている。それを知らずに、正義という大義名分を振りかざし、こちらの価値観で物事を解釈したり論ずる事はただの思い上がりでしかない。黒か白か、正義か悪か。それのみで判断できる程自体は単純でもなければ人間は強くもない。グレーであるかもしれない部分にすら寄りかからなければ生きていく事すら難しい極限状況の中で、人は皆それぞれの「小さな神様」を懸命に抱きながら生きている。それでも人は生きていこうとする。その生命力に、力強さに胸を打たれる。
ーつまり、絶対悪も絶対的犠牲者もいない混沌が世の中の現実なのだという結論を提示したのです。
物事をより多面的にごまかしなく捉えようとするその真摯な姿勢を感じる。人はわかりやすい物語を求めがちで。でも現実はあまりに複雑で重い。そうした現実を真っ正面から見つめている著者の真摯な姿勢に深い感銘を受ける。
ー私が伝える意味は何なのでしょうか。(中略)第三者が認める事で初めて、「小さな神様」や「小さな物語」は、それを必要とする人々の胸の中で生き続けるものである。
2013年 ポプラ社 -
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ネタバレ今までに読んだ震災関係の本はおよそ“良い話”でしたが、本作は影の部分にもスポットが当てられている、という印象。火事場泥棒や、被災者によるボランティアスタッフへのセクハラなど、読んでいて嫌な気分になるところも多々。また、凄惨な現場の描写も読むのがとても辛い。
けれど、どれも目を背けてはいけない現実なんでしょうね。
そうした点で必読感はあるものの、本作の非常に残念な点は、報道する側の人間は時として被災者の意向に反して傷ついた現場の状況を写真に納めたりレポートしなくてはならないことを、「もっと酷いことをしてる(一般の)人がいる」と言い訳していたこと。
そこは罪悪感を持ちつつも、言い訳すること無く使命感を優先させて断行して欲しいところ。言い訳するくらいなら、そんな仕事止めちまえと思っちゃうわけで。 -
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石井光太氏のことは、東日本大震災後の釜石の様子を描いた『遺体』で知った。その後にアジアの発展途上国の貧困に的を当てたルポを多く書いたフォトジャーナリストであることを知り、いくつかの本を読んだ。
本書は、そのような経験を活かして日本にいる在留外国人についてのルポ。10年、20年前とは経済面での日本の相対的ポジションもずいぶんと時間をかけて変わってきている。インタビューはその歴史を掘り起こす作業でもある。
日本で死んだ外国人の遺体処理の話から始まり、性風俗で働く女性たちの話、結婚ビジネスの話、宗教活動の話、HIV感の話が語られる。彼らにはビザの話が常につきまとう。結婚ビジネスの話や健康保険の話はそこから発生している。特に性風俗に関わる話は、国際情勢や各国特有の事情が垣間見られて面白い。取材も東京に留まらず、群馬、栃木、三重、岡山、大阪など広く、生の声が拾われている気がする。
国際化や移民の受け入れといったことが、少子化問題や景気対策問題で言われるが、ここに書かれているような事情を知っていることも必要なのかもしれない。もちろん、ここに書かれたことはそれらのごく一部であることも。 -
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2014年3月11日、乗換がうまくいかずに立ち寄った駅ナカの本屋で偶然目に留まった一冊。真っ白な表紙に『遺体』の2文字。帯に目を移せば、東日本大震災のルポだとわかった。
この日に見つけたのも何かの縁だろうと思い、その場で購入した。
内容は実に衝撃的だった。ボランティア活動にも行っていなければ、基本的に情報源はラジオという生活を送る我が家ではテレビもあまり見ることがなく。被災地の現場の様子はほとんど目にせず3年間過ごしていた自分。
自分が学ぶ資源やエネルギーの話として、原発については大学でも話題になっていたが、被災地の復興という部分にはほぼ目を向けてこなかった。
大地震とそれに伴う火事、津波。大きな被害と死傷者、大量の土砂やヘドロ、倒壊した家屋、瓦礫の山。写真はなく、数人の当事者のさまざまな視点から、見て感じたこと、当時の実際の動きについて記録されている。
想像するだけでも壮絶な現場。重たい。
でも、この本にかかれていることは、心に刻んでおきたいと思った。
この本を通じて、一人でも多くの人が当時の現場の様子を少しでも知ることができればと思う。 -
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ネタバレひさびさに勢いをもって通読しました。
噂のかずかず.
日本人についてだけでなく,
日本人による外国の方々についてのうわさも.
偏見や差別,恐怖や不安,愛着や嫉妬など
人間らしい感情のうごきや関心があるから
うわさがうまれるのですよね.
ここがへんだよ!日本人.
思いもよらないことから,なるほどあーあ,ということまで.
それだけ,自分たちと違う文化や特徴をもつひとびとに対しては,
注目や大きな心のゆさぶられがあるということです.
今後,きちんと行動をわきまえ
良い関係とまでは期待せずとも,
互いに理解したり認め合えるようになれればいいなと願います.
ただ,誤解されたり偏見の目で見られるのは
だれでもいやなことです.
この日本国内でも,これだけ多くの変なうわさがあるということです.
外国の知らない土地で,たよりも縁もなくて,
神経質になったり追い詰められたりしている人もいるというのだから,心が痛みますね.
われわれも,口はつつしみましょう.