石井光太のレビュー一覧

  • こどもホスピスの奇跡(新潮文庫)

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    ホスピスとは重篤患者や不治の病に苦しむ患者たちが、主に緩和ケアを行ないながら人間らしい暮らしを送るための施設である。そして難病を抱える子どもたちにとっても同様であり、子どもらしく遊びながら学び、短い生涯を楽しいものとして終えるための場所として、治療ではなく尊厳を守るために建てられているのが「こどもホスピス」である。

    NHKスペシャルでPICUの特集を観る機会もあって、幼い頃の記憶が呼び起こされた。小学生の頃、長期入院していた時期がある。自分の場合はただの外科手術で、時間が経てば完治する希望があったわけだが、隣の病棟には同年代で難病を抱える子どもたちが入院しており、それから40年近くの年月が経

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    2025年07月25日
  • ルポ 誰が国語力を殺すのか

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    言葉を読み取るというのは自分はできていると思い込んでいるからこそ、他人はできていないと思ってしまう。学校教育の中や社会での国語力をどう考えるかという点がとても興味深かった。国語力の低下について色々な要因が挙げられていたが、一朝一夕に解決できるものではなく、難しいものだと感じた。

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    2025年07月24日
  • ヤクザの子(新潮文庫)

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    親にヤクザを持った子供たちを追ったドキュメンタリー。映画ドラマに出てくるヤクザは基本的に成功者。子供も贅沢にしていることが多いし、それが現実ではないと知っていたが、想像以上に悲惨。倫理観の欠けた反社会的な両親によってまともな養育を全く受けられず育つ。
    少ない例外は金がある、もしくは母親がまともな場合だ。それが稀というのも悲しい。
    ヤクザの子も社会から福祉で保護する対象として声を上げていきたいという意義でこの書を書いた筆者に敬意を表したい。

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    2025年07月21日
  • 血と反抗 日本の移民社会ダークサイド

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    石井光太さんの新刊には
    どうしても手が出てしまう。
    「血と反抗」、タイトルからすでに重い。

    入念な取材と聞き取り、
    数々の現実に暗澹たる思いを抱く、
    それでも ページを繰る手が
    止められない
    何度もため息を吐きながら
    読み進める

    最後の第六章の
    児童相談所に勤める日系ブラジル人の
    比嘉マリアナ優美さんの語られる
    今の現実に自問自答しながら
    読み終える

    他人事ではない
    日本の今とこれからに想いが
    気持ちの中に漂っている

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    2025年07月20日
  • 世界と比べてわかる 日本の貧困のリアル

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    確かに日本の貧困と海外の貧困では全然違うのが分かった

    海外の貧困地域では女子の方に教育をかけることが多い理由に、海外でホステスになれるからっていうのがなるほどってなった

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    2025年07月16日
  • ルポ スマホ育児が子どもを壊す

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    表示が印象的で、職業柄すぐに手にして頷きながら読みました。実際にあった出来事たちが書かれていて、保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校とそれぞれの年代で起きていることを記録しているので、読みやすいです。
    そんなことになってるの?!と驚愕することだらけです。
    「先生」達の証言を読み、大人は未来を見直して欲しい1冊だと思う。

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    2025年07月08日
  • 本を書く技術 取材・構成・表現

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     ノンフィクション作家である石井光太さんが書いた、これからノンフィクションを書く人達に向けての本。
     ただノート術やインタビューの仕方などは自分の仕事でも活用できそうなお話もあり最後まで面白く読ませてもらいました。あと文中や巻末で紹介された数々のノンフィクション作品も読みたくなりました。お勧めです。

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    2025年06月29日
  • ヤクザの子(新潮文庫)

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    2025.06.27〜07.01

    環境が個人を育てる。親を選べない子供にとって、どこで生まれたのか、誰の子として生まれたのかは、運でしかない。
    よくこんなに取材が出来たな。

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    2025年07月01日
  • ヤクザの子(新潮文庫)

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    作者の方の取材に敬意を表します。
    なかなか一般的には、ヤクザの世界の特にその子供がどういう生き様をしていったのか、知ることはできないです。
    最初このタイトルを見たとき、なんだか興味が湧き何となく手に取りましたが、詳細の事例を丁寧に取材しとても勉強になりました。
    合わせてこの社会問題を何か解決する手立てはないかとも思います。

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    2025年06月22日
  • 血と反抗 日本の移民社会ダークサイド

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    1980年代以降、工場での単純労働、農作業、建設現場や風俗産業に受け入れてきた移民。ベトナム戦争後のインドシナ難民、80年代~90年代の中国残留日本人、90年代の南米日系人、80年代から2000年代のフィリピンパブ「ジャパゆきさん」、2000年代以降の技能実習生のベトナム人などが取り上げられている。それぞれの国の移民の歴史・背景を紹介し、特に2世の人たちに焦点を当て、個別にインタビューしその軌跡を追っている。特に非行化した人たちに話を聞いたという部分はあるのかもしれないが、彼らについて言えばそれ以外に生きる道はなかったということは理解できる。母国から連れてこられた場合には日本語がわからず、学校

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    2025年06月20日
  • 血と反抗 日本の移民社会ダークサイド

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    ブラジル、ペルー、フィリピン、コロンビア、中国、ベトナム。生まれ育った国から様々な事情で日本にやってくる。思わぬ報酬の少なさ。行けば天国のはずが、来てみて地獄。苦しい暮らしの中でも家庭を持つ。貧困と差別に苛まれ、子が育つ。暴力に目覚め、薬を知り、不法な商いを始める。同じ境遇の仲間が集い、裏の社会を形成する。人生の展望はない。生き残ることだけを目的に生きる。…外国人労働者の数は230万人。ただ、安い働き手が欲しいだけのために受け入れる。崩れゆく秩序。果たして、この国はいつまで先進国であり続けられるのだろう。

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    2025年06月14日
  • ヤクザの子(新潮文庫)

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    想像を絶する世界。
    暴力団構成員の家庭に生まれたことで、その後の人生が困難になり、道を踏み外してしまうという悪循環。
    さらに、社会も支援しづらいという現実がある。
    これを読んでからは、悲惨なニュースを見ても、さもありなんと思ってしまう。
    けれど何もできない歯痒さよ。
    文庫化にあたり、新潮文庫になったことで組織名を明記することができたそうだ。
    少しでも多くの人の目に触れることを願う。

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    2025年06月07日
  • ヤクザの子(新潮文庫)

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    普通に生活していても、なかなか出会えないヤクザとその関係者。そんな彼らの子供がどのような生活をしてきたか、たいへん興味深く読むことができた。やはり、大半が社会で真っ当に暮らしていくことは困難で、似たような道に進むことが多いようだ。あまりに過激な生活をしている人々なので、衝撃的な内容であった。

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    2025年05月28日
  • 教育虐待 子供を壊す「教育熱心」な親たち

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    秋葉原通り魔事件(直接の関係は無いかもだけど)や9年浪人して母親を殺した事件など虐待の末に加害者となるケースがあるがこうした虐待が無ければ防げたとは思う。親の学歴が低くて子にそうはならないようにさせるパターン、親の学歴が高くて同じようにしたくてさせるパターン、周囲の親がやってるからさせるパターン、親自身が発達障害によってさせるパターンなど不幸への入口は多岐にわたる。子どもへの愛情と言いつつトイレにも行かせないのは酷い。子ども部屋で無く拷問部屋といえよう。
    色々なパターンがあるが親も高難易度資格を目指して猛勉強していて子どもと机を並べているというケースは見当たらない。口だけ出してきて頭が愚劣な親

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    2025年05月21日
  • こどもホスピスの奇跡(新潮文庫)

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    日本初の民間子どもホスピスを開設するにあたって医師たちの葛藤、患者さん自身や、そのご家族の苦悩は本人にしか分からないことではあるかもしれないがこどもホスピスの存在意義や重要性はとても伝わってきました。
    自分自身長く生きるというよりも深く生きようと思いました。

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    2025年05月06日
  • ヤクザの子(新潮文庫)

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    石井光太『ヤクザの子』新潮文庫。

    『ヤクザ・チルドレン』を改題、大幅加筆修正。

    暴力団の家庭に生まれたが故に様々な苦難を味わう14人のヤクザの子の証言により構成されたノンフィクション。

    かなり衝撃的な内容だった。特に覚醒剤に溺れる親を持つ子供の人生は悲惨だ。クスリが切れると血だらけになるまで殴られ、学校ではヤクザ家庭と白い目で見られ、社会人として普通の職業に就くのも困難なのだ。

    女の子であれば、レイブや母親にソーブに売り飛ばされたりとさらに悲惨な人生が待ち受ける。

    戦前、終戦直後であれば、警察では目の行き届かない裏社会の抑止力となった暴力団であるが、暴対法などが施行され、国家権力によ

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    2025年04月28日
  • 本を書く技術 取材・構成・表現

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    読み物として面白かった。有名な作品を引用した説明を読んでいると、その作品を読んでみたくなって積読したのが5冊以上。

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    2025年04月21日
  • ルポ スマホ育児が子どもを壊す

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    20歳すぎたばかりだし、子どもの頃の周りの様子をはっきり覚えているわけではないけれど、現在児童クラブアルバイトのわたしがこの本を読んで↓

    ・この本に出てくる‘遊び方がわからない’まではいかなくとも、1人遊びをする子が多い
    ・何人かで固まっていてもそれぞれ1人で遊んでたりする
    ・低学年女子、ごっこ遊びを全然やらない
    ・他の子が話してるところに被せて「自分のこと」についてたくさん話す

    この辺りは本で紹介される様子に似たものかなと思った。
    自分がもし子供を育てるなら、人対人の関わりを大事にする環境に身を置きたいと思う。
    けど、周りの子がスマホ育児で育ってきたら自分の子がはみ出し者として扱われるの

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    2025年04月15日
  • ルポ スマホ育児が子どもを壊す

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    保育園、小学校、中学校、高校、とそれぞれの区分で先生などから丁寧に聞き取った現状をデータを交えつつ提示してくれる「子どもたちの今」

    肌感覚として私が感じてるものと近くて子育てしている身として苦い気持ちになったりしつつ読み進めました。

    まずは保育園の章。
    はいはいしない子どもが増えてる(家が狭い、散らかっててスペースがない)ことにより体幹の弱い子が多いとの記述にドキりとした。
    子どもが騒ぐことに敏感な社会だから、子どもが静かになるスマホは確かに便利。記載のとおり、イクメンと言われる男性でも実状はスマホ頼りの育児になっている人もいる。
    うちも夫が積極的に動画を見せている。私だって家事の間に動画

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    2025年03月09日
  • ルポ スマホ育児が子どもを壊す

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    スマホによる弊害とは言い切れない部分も多々あること、全国的にもかなり極端な事例を集めていることを加味しても、かなりショッキングな現代社会の教育現場がまとめられている。

    個人的にも思い当たる節があることも多く、現状でこれなら将来的にどうなってしまうのだろうかと思う。著者もこの現状に対し、具体的な解決策や提言があるわけではない。取材を通して見えてきた現代の一面を見せてくれた本である。

    1番印象に残ったのは保育園・幼稚園での事例で、ヘッドガードをする子ども、床に座れない子ども、流動食を食べる子どもたちは信じられないと思いながら読んだ。
    その子達が小学校に上がり、中学生になり、高校生になり社会に出

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    2025年02月27日