石井光太のレビュー一覧
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ホスピスとは重篤患者や不治の病に苦しむ患者たちが、主に緩和ケアを行ないながら人間らしい暮らしを送るための施設である。そして難病を抱える子どもたちにとっても同様であり、子どもらしく遊びながら学び、短い生涯を楽しいものとして終えるための場所として、治療ではなく尊厳を守るために建てられているのが「こどもホスピス」である。
NHKスペシャルでPICUの特集を観る機会もあって、幼い頃の記憶が呼び起こされた。小学生の頃、長期入院していた時期がある。自分の場合はただの外科手術で、時間が経てば完治する希望があったわけだが、隣の病棟には同年代で難病を抱える子どもたちが入院しており、それから40年近くの年月が経 -
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1980年代以降、工場での単純労働、農作業、建設現場や風俗産業に受け入れてきた移民。ベトナム戦争後のインドシナ難民、80年代~90年代の中国残留日本人、90年代の南米日系人、80年代から2000年代のフィリピンパブ「ジャパゆきさん」、2000年代以降の技能実習生のベトナム人などが取り上げられている。それぞれの国の移民の歴史・背景を紹介し、特に2世の人たちに焦点を当て、個別にインタビューしその軌跡を追っている。特に非行化した人たちに話を聞いたという部分はあるのかもしれないが、彼らについて言えばそれ以外に生きる道はなかったということは理解できる。母国から連れてこられた場合には日本語がわからず、学校
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秋葉原通り魔事件(直接の関係は無いかもだけど)や9年浪人して母親を殺した事件など虐待の末に加害者となるケースがあるがこうした虐待が無ければ防げたとは思う。親の学歴が低くて子にそうはならないようにさせるパターン、親の学歴が高くて同じようにしたくてさせるパターン、周囲の親がやってるからさせるパターン、親自身が発達障害によってさせるパターンなど不幸への入口は多岐にわたる。子どもへの愛情と言いつつトイレにも行かせないのは酷い。子ども部屋で無く拷問部屋といえよう。
色々なパターンがあるが親も高難易度資格を目指して猛勉強していて子どもと机を並べているというケースは見当たらない。口だけ出してきて頭が愚劣な親 -
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石井光太『ヤクザの子』新潮文庫。
『ヤクザ・チルドレン』を改題、大幅加筆修正。
暴力団の家庭に生まれたが故に様々な苦難を味わう14人のヤクザの子の証言により構成されたノンフィクション。
かなり衝撃的な内容だった。特に覚醒剤に溺れる親を持つ子供の人生は悲惨だ。クスリが切れると血だらけになるまで殴られ、学校ではヤクザ家庭と白い目で見られ、社会人として普通の職業に就くのも困難なのだ。
女の子であれば、レイブや母親にソーブに売り飛ばされたりとさらに悲惨な人生が待ち受ける。
戦前、終戦直後であれば、警察では目の行き届かない裏社会の抑止力となった暴力団であるが、暴対法などが施行され、国家権力によ -
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20歳すぎたばかりだし、子どもの頃の周りの様子をはっきり覚えているわけではないけれど、現在児童クラブアルバイトのわたしがこの本を読んで↓
・この本に出てくる‘遊び方がわからない’まではいかなくとも、1人遊びをする子が多い
・何人かで固まっていてもそれぞれ1人で遊んでたりする
・低学年女子、ごっこ遊びを全然やらない
・他の子が話してるところに被せて「自分のこと」についてたくさん話す
この辺りは本で紹介される様子に似たものかなと思った。
自分がもし子供を育てるなら、人対人の関わりを大事にする環境に身を置きたいと思う。
けど、周りの子がスマホ育児で育ってきたら自分の子がはみ出し者として扱われるの -
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保育園、小学校、中学校、高校、とそれぞれの区分で先生などから丁寧に聞き取った現状をデータを交えつつ提示してくれる「子どもたちの今」
肌感覚として私が感じてるものと近くて子育てしている身として苦い気持ちになったりしつつ読み進めました。
まずは保育園の章。
はいはいしない子どもが増えてる(家が狭い、散らかっててスペースがない)ことにより体幹の弱い子が多いとの記述にドキりとした。
子どもが騒ぐことに敏感な社会だから、子どもが静かになるスマホは確かに便利。記載のとおり、イクメンと言われる男性でも実状はスマホ頼りの育児になっている人もいる。
うちも夫が積極的に動画を見せている。私だって家事の間に動画 -
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スマホによる弊害とは言い切れない部分も多々あること、全国的にもかなり極端な事例を集めていることを加味しても、かなりショッキングな現代社会の教育現場がまとめられている。
個人的にも思い当たる節があることも多く、現状でこれなら将来的にどうなってしまうのだろうかと思う。著者もこの現状に対し、具体的な解決策や提言があるわけではない。取材を通して見えてきた現代の一面を見せてくれた本である。
1番印象に残ったのは保育園・幼稚園での事例で、ヘッドガードをする子ども、床に座れない子ども、流動食を食べる子どもたちは信じられないと思いながら読んだ。
その子達が小学校に上がり、中学生になり、高校生になり社会に出