あらすじ
スマホ登場以来16年、教室にいるのはもはや私たちが知る「子ども」ではなくなっていた。ハイハイも体育座りもできない保育園児。教室の「圧」に怯える小学生。クラスメイトの姓すら知らない中学生。会ったその日にベッドインする高校生――児童に関する問題を丹念に追ってきた著者がデジタルネイティブの育ち方を徹底レポート。
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Posted by ブクログ
情報通信や家族観など、刻一刻と変化する世の中で子育てがどれほど困難になっているのかを「スマホ」を中心に書かれていた。 1歳の子どもがいるため、II部までしか読んでいないが、自分自身子どもとの時間の過ごし方に真剣に向き合おうと思った。
Posted by ブクログ
ゲームで感覚麻痺に陥って、小さな刺激では物足りなくなる、自然との触れ合いや友達との遊びの中での小さな感動がかんじられなくなるという記述は、危機感を感じた。
イクメンの形骸化=とりあえず静かにさせるのが育児と思い、夫の方が妻よりスマホを子どもに見せる時間が長いそう。なるほどなと。
また、現代の小学生の現状が良くわかった。
●友達の家に行かなかったりして、友達の一面しか見る機会がない。一面だけで判断して、全人格を決めつける、そしてマイナスの面を見つけて徹底的に叩く。
●自由な遊びが減って、運動能力の総合的な力が育っていない。
●ほめられて育っているので、先生からもほめられたい子が増えている
●あらゆることが思い通りになると思っていて、友達や先生が期待に応えてくれないと、「裏切られた」と考え、感情爆発する→低学年の暴力行為増加
●雑多な人間関係に身を置いていないので、相手の気持ちを考えるとか言葉を選ぶことができない。はい、論破ーとか、雑魚でしょとか驚くくらい冷たい言い方をする。相手がどれくらい傷付くかを考える力がない→マウント合戦がどんどん攻撃性が強いものになる
子ども達が多様な社会で生きていくのに必要な力を育めないまま大きくなれば、大量のネット上の情報に翻弄され、コスパやタイパばかりを重視し、傷つかない様に、自分を守るのに必至になる。格差の下層に生きる子どもほど顕著。諸問題はこうしたことの結果として起きているそう。
まとめとして、「大人が、現実を認める必要がある。
現代社会に欠けているものを正確に見極め、意図的にそれを提供する機会を作り、自立した大人になるために必要な「総合的な力」を育ませることが大切。」と。
現代社会の現実を知ったうえで、どうするのか、人として生きていくために大切なことは何かを改めて認識し、子育てする上での参考にしていきたいと思った。
とても興味深く読めた。
Posted by ブクログ
スマホ育児はもちろん、幅広く教育問題を扱っている本でした。
"令和の教育問題"という副題をつけてもいいかもしれない。
これ、実際にどれくらい起きてるの?と感じた事例が多々ありますがp263,264で、深く考えさせられました。
オススメです!
Posted by ブクログ
とても興味深かった
現代の子供達の闇
皆が皆そうではないとは思うが読んでいくうちに恐怖をおぼえた
情報過多なこの世の中 大人である私達も忙しすぎる
育児もそんな難しく考えず もっと動物的な肌と肌の触れ合いという部分から大切にしていけばうまくいくのではないか
ただそういう時間もなかなか取れないこの社会状況
自分のことだけで皆必死
便利な世の中にはなったが大事なものをなくしていってるんだなぁとつくづく感じた
Posted by ブクログ
数十年前より圧倒的に便利で密度の高い時代。人の方はその進化についていけているのだろうか?
これだけ世の中にデジタル機器が溢れても人の働き方、時間はさほど変わらない。
課題や問題が片付いたと言う話もとんと聞かない。常に成長と発展を求められ、休むのは墓の中でと言う考えは今はあまり表には出ていないかもしれないが、どこかで改めていかなければならないのではないだろうか。とにかく人生にも心にも余白が必要だと本書を読んで強く感じた。
Posted by ブクログ
表示が印象的で、職業柄すぐに手にして頷きながら読みました。実際にあった出来事たちが書かれていて、保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校とそれぞれの年代で起きていることを記録しているので、読みやすいです。
そんなことになってるの?!と驚愕することだらけです。
「先生」達の証言を読み、大人は未来を見直して欲しい1冊だと思う。
Posted by ブクログ
20歳すぎたばかりだし、子どもの頃の周りの様子をはっきり覚えているわけではないけれど、現在児童クラブアルバイトのわたしがこの本を読んで↓
・この本に出てくる‘遊び方がわからない’まではいかなくとも、1人遊びをする子が多い
・何人かで固まっていてもそれぞれ1人で遊んでたりする
・低学年女子、ごっこ遊びを全然やらない
・他の子が話してるところに被せて「自分のこと」についてたくさん話す
この辺りは本で紹介される様子に似たものかなと思った。
自分がもし子供を育てるなら、人対人の関わりを大事にする環境に身を置きたいと思う。
けど、周りの子がスマホ育児で育ってきたら自分の子がはみ出し者として扱われるのでは?とも思うから難しい問題だなと思った。
Posted by ブクログ
保育園、小学校、中学校、高校、とそれぞれの区分で先生などから丁寧に聞き取った現状をデータを交えつつ提示してくれる「子どもたちの今」
肌感覚として私が感じてるものと近くて子育てしている身として苦い気持ちになったりしつつ読み進めました。
まずは保育園の章。
はいはいしない子どもが増えてる(家が狭い、散らかっててスペースがない)ことにより体幹の弱い子が多いとの記述にドキりとした。
子どもが騒ぐことに敏感な社会だから、子どもが静かになるスマホは確かに便利。記載のとおり、イクメンと言われる男性でも実状はスマホ頼りの育児になっている人もいる。
うちも夫が積極的に動画を見せている。私だって家事の間に動画を見ていてくれると助かる。
でもそういったことの積み重ねが、子どもに動画のない生活に戻ることの難しさを植え付けているのも事実だと思う。そしてその影響は大きいのだと思う。
それから育児をして初めて知った、例えば「赤ちゃんの入浴後には白湯を飲ます」といった親世代では常識だったことが今では否定されている、ということがあまりに多く、ネットの情報を探す日々は私の親世代の子育てとで出しから大きく違う。
親世代の話す「家の前で子どもたちを遊ばせてる間に母親同士お喋りしてた」なんて日々は今後もこないだろうけど、そういった子ども同士の関わりが子どもにとってすごく重要だったんだろうと本書を読んでいて思う。
小学生以降の章を見ても、コミュニケーション能力の低下からくるエピソードはどれも現実的で、スマホだけに留まらず私が育った頃と社会があまりにも違いすぎて、そしてその変化が速すぎて、親子も教育機関もまるでついていけてない現状が色濃く感じられた。
スマホがない時代には戻れない中でのスマホ(SNS)との付き合い方は親子だけの問題じゃないからこそ今後どうしていくのがよいのか考えあぐねてしまう。
格差も広がっていく一方なんだろうな、という感想は本書を読んでも強まった。
ミクロでは自分の子どもが未来に希望が持てるような子育てとはどんなものか考えさせられたし、マクロでは大人としてこの社会で何をしていくことが子どもたちの明るい未来に繋がるのだろうかと考えさせられた。
コロナを経た現在の子どもたちの様子をとてもよく表している良書だと思いました。
確かにヘルメットや流動食等は私の周りでは見ない。けれど、こんな、オーバーでしょ、と笑えないくらい私の生きてる世界と地続きだなと感じるのでした。
Posted by ブクログ
スマホによる弊害とは言い切れない部分も多々あること、全国的にもかなり極端な事例を集めていることを加味しても、かなりショッキングな現代社会の教育現場がまとめられている。
個人的にも思い当たる節があることも多く、現状でこれなら将来的にどうなってしまうのだろうかと思う。著者もこの現状に対し、具体的な解決策や提言があるわけではない。取材を通して見えてきた現代の一面を見せてくれた本である。
1番印象に残ったのは保育園・幼稚園での事例で、ヘッドガードをする子ども、床に座れない子ども、流動食を食べる子どもたちは信じられないと思いながら読んだ。
その子達が小学校に上がり、中学生になり、高校生になり社会に出てくる。その結果、どのようなことが起こるのか。本書ではその様子も取材されている。
子どもたちと関わるあらゆる職に就く人、親たちにはぜひ読んでほしい。
Posted by ブクログ
現代の子どもたちの現状を園や学校現場にいる先生たちの声を中心に紹介した本。かなり衝撃的だけどこれを読んで最近の子どもの様子に驚いで終わるのではなく、大人として何が出来るのかを考えないといけない。
Posted by ブクログ
現代の子どもの様子が書かれていて、興味深く読んだ。
特に小学生で「褒められる中毒」の子がいるという事にびっくりした。親や大人から褒められすぎて常に誰かに褒めてもらおうとする。親はその時々で子どもにとって何が最良の対応かを考え接していくべき。
小学校低学年の普段はおとなしい子が何でも自分にとって都合の良いことをしてくれると思っていて、そうでない事があると、一方的に怒りをぶつけ校内暴力になる。ここ数年で増えている。これも親の過剰な甘やかしが影響しているそうだ。
Posted by ブクログ
本当にこういう学校社会になっているのかと想像するだけで、怖いし悲しい。大人の都合で、子どもたちをそうしてしまっているのわかってるけど、だからどうしたらいいのか。私はスマホ依存にはなってないけど、ないと困る。害にならず有効に使える方法の伝授やルールが必要?今からでも間に合うのかな、、、。なんとかしなきゃ。
私の学生生活が今じゃなくてよかったと思ってしまう。
Posted by ブクログ
スマホは便利だ。しかし、この本を読み終えた今、便利は危険を生み出すものものでもあると感じた。著者の最後の一言にあるように、時代と社会の大きな転換期であり、まさに私たちはその選択を迫られているのだろう。
Posted by ブクログ
我が家の子供達にも当てはまることが多すぎて、うちの子たちだけがおかしいというよりは、世の中的に同じような傾向があるのだなと思った。全く知らない、実感がない、というよりも、何となく感じていたことを事例として補強してもらったようなかんじ。
解決の道を示す内容ではないので、そういう意味では救いはない。いま子どもたちに起きていることを知る、という意味では有用だと思う。
ただし、この内容だと「スマホ育児」というタイトルのワードはミスリードを誘うと思う。書店で手に取って目次を見たから違うなとわかったけど、タイトルだけだと「近頃の親はスマホばかり見せていてけしからん!」という本なのかと思ったので。
Posted by ブクログ
スマホ育児による弊害について全体を通じて記載があるわけではなく、様々な要因で子ども達の成長に影響が出ていることがわかる。乳児から大学生まで各世代でどのような問題が起きているかが章立てされているが、特に児童、生徒、学生の問題は大人にも通じる点が多く、「子どもの問題」と明確に区切りすぎなのではという印象もあった(例えばゲームのやり過ぎによる寝不足や、リアルなやり取りが希薄になりコミュニケーション不全になるなど)。
教師への取材も基になっているが、教師の対応に疑問が残る部分も一部あり、逆に現在の教師が過去とどう変わったのかも気になった。例えば生徒に対して「お前たちでも恋愛くらいするだろ」というような投げかけをするなど、なぜそのような見下したやり取りをするのかが不思議。
また昔はヤンキーがたむろしていたが、そのような場がオンラインに移ったことなど、それってヤンキーがリアルの場でたむろし続けていた方が良かったんだっけ?と、現在の問題にフォーカスを当てるがゆえに過去が良かったような伝え方になっている部分もある。
末尾にも記載があったが、子どもの問題ではあるものの、大前提として大人が作ってきた社会がどんな影響を与えてしまったのか?子どもは被害者であること、経済を優先するあまり、子ども達への影響を考えずに現在も様々なビジネスが展開されていることなど、別の切り口でもこの背景を深掘りしてみたいと思った。
現在の教育現場で何が起きているかを理解するには良いが、どこでも起きていることと錯覚しないことは必要だし、自分に何ができるか考える必要がある。
(陰謀論を信じる大人がいるように、本書の内容が日本中どこでも起きているように勘違いする大人が大勢いるであろうことも社会問題だと思う)
Posted by ブクログ
もう子育ては終わった。スマホもほぼない時代でも子育ては楽だとは言えなかった。本当に苦労した。現代は親もスマホ依存。子供のスマホを止められないのでは?
先生方も意思の疎通に困ることがある、と言っている。このままじゃいけない、日本。
Posted by ブクログ
物が散乱する狭い部屋にハイハイできない乳児。教室での人間関係のアツに保健室の予約が一杯になる小学校。浮くことの恐怖が上回り表彰されるのを怖がる中学生。不登校の増加で人気が高まる通信制高校。全入時代。一枚のプリントすら読めない大学生…現代の育児・教育環境の問題の断面を突き付ける。失われた30年を作ってしまった前の世代。発育環境や教育がよかったということにはならない。変化は歓迎すべきことだが、守るべきものは失わないようにしなければいけない。懸念を感じることは健全な心の現れ。信念を持った大人であり続けたい。
Posted by ブクログ
多少センセーショナルに書かれ過ぎに感じるエピソードもありますが、心当たりがある事象もいくつもあるし、本書に書かれていることを真摯に受け止めて今後のさらなる変化に対応していけたら。スマホ育児が及ぼす影響の研究は国を挙げて取り組むべき。
Posted by ブクログ
最近の子供エピソードとしては面白かったが、少ない現地インタビューによって、「最近の子供はこうだ」と包括的に説明している部分が気になった。
全体的に「昔はよかった」スタンスの文章のため、現代の子供達の全否定のみで、読んでて途中で気が悪くなった。
Posted by ブクログ
乳幼児だけではなく、小学生、中学生、高校生まで取材していたので少し焦点が読む人に定まらない。
乳幼児だけに絞ってもっと取材していたら、読みでがあったろうと思うし、その乳幼児を数年間取材することで、子どもがどのようにスマホとの付き合いを変えていくかについて明らかになったのだと思う。ジャーナリストとしてはいろいろなところに取材してそれをまとめるという作業がひつようなのは分かるが、もっとタイトル通りのスマホ育児について読みたかった。
Posted by ブクログ
★★★
今月6冊目
ルポ。幼稚園から高校まで分けて解説。
我々世代と確実に人間が変わってる現代。
ほんとに思う、YouTubeのショート動画は確実に馬鹿になる。浅はかな知識で広く。
まず本を読まない。
本を読め、YouTubeより確実に頭に入るから
Posted by ブクログ
この手のルポ本らしく、特徴的なN数少ない事例を取り上げてるように感じてしまう。ただ、首都圏を中心とする小学生が中学受験割合が増えることで、受験組と非受験組の構図が生まれるのは構造上そうだろうと思うので、やけにリアルに感じられた。
Posted by ブクログ
保育園幼稚園編・小学編・中学編・高校編と4つに分けてあるので年齢に合わせてスマホによる育児の問題をわかりやすく構成されています。
保育園幼稚園編では、親御さんがデジタルに頼る世代となり、今後の子育ての在り方に提唱しています。
小学編では、良かれと思った教育や子育ての親の過干渉問題。あと街の暴走族は減っているのに校内暴力は増えているのは知りませんでした。
中学編では、子どもが当たり前にスマホを持ち、新型いじめ問題。
高校編では、子どもが高い目標を持たない受験、高望みしない安くてもほどほど稼げるバイトなど、頑張らない子どもたち。あとビックリしたのがセフレだけでなく、ソフレ、ハフレ、ビリフレ、カモフレなど用途によって違う恋人関係。
タイトルでは子どもにスマホは悪であるかのようなイメージでしたが、それだけではなく時代の変化に合わせて、社会全体的に子育ての在り方も変えていきたいという思いが強かったと思います。
しかし、この本を選んで読んでいる人は、ある程度スマホ育児に問題あることをわかっている人だと思うので、わたしも含め、ほとんど知っている内容だったかなと思います。
それでもスマホ無しでは日常生活をおくることは今更出来ないので、スマホがあってもより良い子育てをどのようにしていけば良いのかがポイントなのかなぁと思いました。
Posted by ブクログ
この本で紹介されている事例がどこまで、一般的なものなのかは分かりませんが、実際に実在する事例だということに驚きました。
最後の方にも書かれていますが、私たちの生活を便利にしてくれるはずのデジタルツールが、結果的に私たちの自由を奪ったり、デジタルツールに振り回されたり、豊かな生活とは逆方向に進んでしまっていることに、改めて気付かされました。
もはや、スマホなしでは生きていけない時代ですので、スマホとうまく付き合いながら、子どもと普段から話をし、色々な場所に連れ出して、自然やスポーツ等、一緒に楽しみたいと思いました。
また、私自身のスクリータイムは可能な限り減らそうと思います!
Posted by ブクログ
今時の育児はこんな事もあるのか?と ビックリしました。
ただ スマホだけが 育児子育てに悪影響を与えているとは 書かれておらず、タイトルは内容の一部と思われました。
しかし 何もなかった時代に育った私たちにはわからない 現代の子供達の苦労も読めましたので ある意味 便利な世の中になったけど 可哀想と思ってしまいました。
とは言え この本の中の やる気のない子供たちは お店や遊具施設などで 大騒ぎしている子たちより 大人にとってみたら良い子に思えますね。
どちらが 良いか悩みますが やはり 子供はある程度の年齢までは 元気に走り回って欲しいものですね。
Posted by ブクログ
本当?と思うところは多々あるものの、納得しながら読めた。
学び
睡眠アプリはそれがないと眠れなくなる
他責思考の蔓延
教室のアツにやられる
上を目指さない
Posted by ブクログ
大人ファーストの社会がこども達が自由に振る舞うことを制限している。
ゲームが感覚麻痺を起こし、子どもにとって外遊びより魅力的なものになっている。
ハイハイしない子が増えて、体幹、筋力などが鍛えられていない子が増えている。
褒められ中毒になって、絶えず褒められなければ気が済まなくなっている。
子どもを取り巻く環境の変化は著しい。コロナが加わり、スマホへの依存性が高まり、子どもたちにとって学校を休むことへの敷居が低くなり、外遊びがオンラインゲームにとってかわっている。
親や大人がどうあるべきかを問うルポだった。これは日本だけの問題なのか。子ども達の視野を広げ、人と人の関わり方の規範を示す大人(自分)のあり方を意識していくことが大切なのだろう。
Posted by ブクログ
全ての教育現場がこの本に書かれているような状況では無いにしても、衝撃的な内容ばかりだった。
スマホ登場以降特に社会のIT化が進み、間違いなく便利にはなったのだけど、変化のスピードが早すぎてその変化に大人が飲み込まれてしまっているように思う。スマホやSNSについては大人でさえ上手に付き合えている状態ではないのに、子ども達に上手に付き合えというのは無理がある。
まずは大人からスマホとの付き合い方を改めるべきだし、限りある時間を何に使うか、は常に自分に問いたいと思った。
今の子どもたちとSNSは切り離せないが、自分の子どもには現実世界で打ち込めることを見つけてあげたいし、そのために自分の時間を使いたいと思う。
親は仕事に家事に育児に日々追われてしまうから、ついついタイパ、コスパを追い求めてしまうけど、タイパ、コスパで測れないものこそが真に人生を豊かにしてくれるのではないか。
親の考え方や行動が子どもにも伝わると信じて、本当に大切なものを見失わないように生きていきたい。
Posted by ブクログ
スマホが身近でもはや生活の一部であり、なんならスマホ片手に成長しているとも言えるデジタルネイティブ世代の子どもたち。
スマホの普及は、子どもたちに一体何をもたらしたのか?教育現場で働く先生たちへのインタビューをもとに、保育園・幼稚園から小中高と、それぞれの環境で受けている影響と弊害、一筋縄にはいかない諸問題の実態を追っていく。
読んでいて思い出したのは、子ども会イベントで手持ち花火をした先日のこと。
片手に花火、片手にスマホを持ち、数名で手元を寄せあって花火が燃えている様子をずっと撮影している子たちがいて慄いた。
思い出を動画に残して、それをSNSにあげるんだって。いやいや、花火の楽しさとは!それ、自分の目で見た方が思い出に残るよ!と思ってしまったんだけど、これって若者の気持ちや流行を理解できてないだけ?
放課後や休日、娘たちが寝転んで延々とスマホを見続けている姿には「その小さな板を見てるだけで人生が終わるぞ」とまで感じるけど、一日のスクリーンタイムが6時間を超すこともある私だって正直そんなに子どものことは言えないのだった。
——スマホがなかった時代は、放課後に友達が自分以外の誰と遊んでいるかとか、家で何をしているのかといったことを確認する方法がなかった。だが、スマホを持つようになったことで、子どもたちは友達が何をしているのか常時確認できる状況になった。それゆえ、彼らの中に、常時接続していないと不安という心理が生まれたのではないか。SNSで束縛し合うことで安心感を得ているのだ。
——今の教室では、それぞれのグループがタコツボ化された情報空間で生きているために、クラスみんなで何か一つを共有するのが難しくなっている。だから、初めから別のグループと距離を縮めようとか、わかり合おうという気持ちがないのだろう。教室で起きているのは、そんな"冷たい多様性"なのだそうだ。仲が悪いわけではないし、拒絶しているわけでもない。彼らの中にあるのは、他人はどうでもいいという冷やかな無関心なのである。
——「今の生徒たちはスマホを手にして何でも情報を得られるようになりました。でも、実際に彼らの世界が広がったかと言えば、まったくそうじゃない。自分の都合のいい情報を選んで、都合よく解釈しているだけなんです。
——子どもたちが、日々のコミュニケーションツールとして使用しているSNSには、簡単に人をフォローしたり、ブロックしたりできる機能が搭載されている。彼らはそこで学んだことを、学校という現実の空間に持ち込み、再現しているだけなのだ。
大人だってスマホが手放せないのに、自己管理やネットリテラシーが未熟な子どもに渡したら好き勝手に使ってしまうのは自明の理。
スマホは便利だし、面白いものが詰まっていてたしかに何時間でも見ていられる。使い方しだいなんだけど、それを子どもたちに教えるのはやっぱり大人の責任で。
デジタルネイティブ世代がすでに保育士になり教師になり親になっている現在、まだ間に合うのか、もう手遅れなのか……。
スマホに侵食された日本(世界?)の行く末に、憂いが深まってしまった。