石井光太のレビュー一覧

  • ルポ 餓死現場で生きる

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    知らないままに いる
    ことと
    知らなかった とは
    ずいぶん 違う

    知らないままに する
    ことと
    知ろうとする のは
    もっと 違う

    石井光太さんの
    「本」に惹かれるのは
    そういうことなのだろう

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    2018年06月20日
  • 遺体―震災、津波の果てに―(新潮文庫)

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    一昨日前に叔母が亡くなった。お通夜と告別式にバタバタと出席した後はポカンと心に穴が開いた感じ。終始涙が枯れることがなかったが、それは綺麗にお化粧を施された叔母の顔を見て、生前を思い出すからだった。そんな綺麗なお化粧を施してくれるのが納棺士であり、あの静かで美しい所作が叔母の最期を彩ったのだ。

    自分の最期は自分では選びとれない。選びとれない以上、周りの人間がどれだけ気を配れるかが大切となる。本書は劣悪な環境、精神状態ながら、圧倒的なプロ意識で遺体に向き合う職人たちの話である。

    本書に描かれる遺体は、叔母のそれとは比べ物にならない程状態が良くない。ただ良くないながらも、手を抜くことなくベストを

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    2017年12月04日
  • 戦場の都市伝説

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     本書は、様々な戦場で生まれた都市伝説を紹介、その背景を解説し、最後に著者の考察を添えるという形式で書かれている。ウガンダの内戦、ベトナム戦争、湾岸戦争等から生まれた都市伝説を経て、最終章は第二次世界大戦における日本軍の行為にまつわる都市伝説が紹介されている。個人的には、イラク戦争に関係する「僕を助けてください」と、ベトナム戦争に関わる「掘り起こされた棺」が特に心に残った。
     ある夜中、イラクに駐留していた軍医トムは電話の音に起こされる。頭を撃たれて危険な状態のイラク兵士を手術してほしいと言う。トムが駆けつけると、手術室には誰もおらず、ナースは運び込まれた兵士などいないと言う。
     二日後の夜中

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    2017年11月10日
  • 蛍の森

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     ハンセン病差別の闇について書かれた小説である。石井光太は迫害されるマイノリティーのノンフィクション作家という認識から、さほどの期待をせずに読みすすめる。文末には「すべてはフィクションである」という但し書きが添えられていた。

     そうは言っても、あの石井光太が元ネタの取材なしにこれだけリアリティのある小説を書いたとは到底思えない、それほど弱者(ハンセン病患者)への迫害の描写が真実を語らせる。住職の言葉が印象的だ「感情をもって生きていけることがどれだけ幸せで尊いことか・・・それはお前の宝なのだ・・・」(P297)

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    2017年10月04日
  • 物乞う仏陀

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    著者である石井光太さんがアジアの国々の物乞いや障害者を訪ね歩き、その体験をまとめた本。
    東日本大震災の被災地を訪ねた「遺体」を読み、深く心に刺さったので彼の本を他にも読みたいと手に取ったが、読みながら何度もつらさに手が止まった。

    彼が出会う人々は実に様々だ。
    戦争によって障害を負っていたり、先天的に障害を持って生まれたり、そして貧しさ故に障害を負わされた場合もある。障害を仕方のないものと受け入れる人もいれば、これは自分の業が悪いのだと諦める人、乞食という仕事にさえ誇りを持つ人もいる。
    特に胸がつまったのは、インドのレンタチャイルドの実情だった。
    彼らは幼い頃に誘拐され、物乞いする大人たちがよ

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    2017年08月15日
  • 世界の美しさをひとつでも多く見つけたい

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    ルポルタージュ作家の石井光太さんの本。何冊か著者の本を読んでいるがなぜ彼がこの職に就いたのか、何を考え何を伝えたいのかが良く分かる本。
    著者の本は胸に迫るような様々な悲惨な出来事を伝えてくれる。その中での光ー小さな神様や物語をこれからは見つけていこうと思う。私が作者買いをする一人。

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    2017年06月15日
  • 物乞う仏陀

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    ルポルタージュ風だがフィクション的文調。お金を払って読もうとする方にはここが最大の焦点。
    個人的には強烈な違和感も、既に醸された物議。著者の明確な意図に基づくものと判明している。
    そういう意味ではこの酸鼻なるタイトルは中味に如実。著者の恣意的な文学表現付き印象操作に惹かれる方にはお勧め。そうでなければ、出来損ないの私小説のような語り口に吐き気を催すだろう。
    ただ取材の内容は素晴らしく期待を満たすものであることは保障できる。
    著者が好ましくない私は星4をつけました。

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    2016年09月19日
  • 蛍の森

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    きっと綿密な取材をしたのだろう。読むのが辛い叙述もたくさんあったが、読んでよかった。少しはハンセン病と差別について知ることが、感じることができたと思う。

    今度は本当の声を聞きたい。

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    2016年06月16日
  • 世界「比較貧困学」入門 日本はほんとうに恵まれているのか

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    ネタバレ

    絶対貧困とは「1日に1.25ドル以下での暮らし。この金額以下で暮らしている人は世界で6人に1人いる。この人たちが貧困なのはよく分かる。しかし、日本は世界で第3位の貧困大国だと言われると。ピンとこない。これを理解するには相対貧困という概念が必要になる。
    相対貧乏とは「等価可処分所得が全人口の中央値の半分未満の世帯員」とされる。日本の場合国民の約16パーセント、つまり6人に1人が相対貧困となっている。日本が貧困大国だと言われるのは、他の先進国に比べてこの相対貧困率が高いためだ。
    絶対貧困には生活するためにいろいろな制限や苦労がある。と同時に相対貧困にも絶対貧困とは違う問題がある。
    多くの人に読んで

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    2016年04月07日
  • ニッポン異国紀行 在日外国人のカネ・性愛・死

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    1日20体弱の死体が日本から海外へ運ばれている。棺の内側は金属コーティング(韓国行きのみなぜか木製でも可)。死体とドライアイス類以外は不可(大使館員立会いで確認)。病院の死亡診断書、パスポート、受け入れ国の入国許可書、葬儀社の梱包内容証明書、受け取り人の連絡先、葬儀社のエンバーミング証明書、全て揃わないと不可。
    エンバーミングで12〜20万、ドライアイスや書類作成、人件費を加えると20〜40万、空輸代で10〜60万、空港から遺族自宅までを含めると数百万になることも。
    イスラーム墓地では幽霊は出ない(死は最後の審判までの仮眠期間のため)

    韓国内での売春規制強化により日本に売春婦が大量流入、価格

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    2016年03月03日
  • 世界「比較貧困学」入門 日本はほんとうに恵まれているのか

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    日本のような相対的貧困と途上国のような絶対的貧困の違いが分かりやすく書かれています。平易な言葉で書かれているので、入門書としては最適だと思います。予備知識がないと難しく感じるところもあるかもしれませんが、そこを調べながら読むといい学習になると思います。

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    2016年02月04日
  • 遺体―震災、津波の果てに―(新潮文庫)

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    東日本大震災を取り上げた、2011年発表のベストセラー。2014年文庫化。2013年には西田敏行主演で映画化された。
    震災後の岩手・釜石の遺体安置所をめぐる極限状態を、自ら現地へ入り、地元民生委員、医師、歯科医師、市職員、消防団員、陸上自衛隊、海上保安部員、地元住職、市長らと行動を共にして綴った、壮絶なるルポルタージュであり、マスメディアでは絶対に報道されない、最も凄惨な現場の描写には、なんとも形容しがたい、胸をえぐられるような思いである。
    一方で、本書は2012年の講談社ノンフィクション賞にノミネートされたものの、著者の過去の海外ルポの小説的文体を使った手法があまりに「フィクション」的と、立

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    2016年01月11日
  • 日本人だけが知らない 日本人のうわさ~笑える・あきれる・腹がたつ~

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    高校の修学旅行の時、乗り換えで羽田空港で出発待ちの間立ち寄った本屋さんで見つけた本。題名を覚えておいて帰ってきてから学校の司書さんに購入してもらいました。内容はもうあんまり覚えてないけど、結構下品な日本の噂があっておもしろかったなぁ。

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    2015年12月03日
  • 世界の美しさをひとつでも多く見つけたい

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    本書を読むまでは、石井光太氏はジャーナリストだと思っていた。そのため、世界の国々の惨状を伝えるべくカメラを向け、言葉を紡いでいるのだと勘違いしていた。しかし、その惨状の中でも希望を見いだし生きていく人たちの力強さと美しさを伝えたい。その気持ちを胸に執筆していたことを本書を通して初めて知った。
    繰り返しでてくる一人一人にとっての「小さな神様」
    想像もできないほどの絶望や状況の中で、人は何を胸に抱いて生きていくのか。そんな著者の真摯な眼差しに心うたれた。

    ー私は他者を見つめるさいに大切なのは、相手がどんな小さな神様を抱いているのかを知ることだと思います。(中略)
    小さな神様を見つけるためにはどう

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    2015年09月18日
  • 感染宣告 エイズウィルスに人生を変えられた人々の物語

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     今までのエイズに対する自分のイメージが変わった。
    遠くに感じていたこの病気がとても身近に感じられるようになった。

     こういう内容のものって暗くなりがちだけど、淡々と続いていくので読みやすかった。

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    2015年08月30日
  • アジアにこぼれた涙

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    石井光太のルポルタージュの魅力は、光りの部分よりも常に陰の部分にスポットを当てて描いているところにあるのだと思う。本作でもアジアの各国を巡り、陰の部分に正面から向き合っている。

    アフガニスタン、マレーシア、インドネシア、フィリピン、インド、タイ、ネパール、イラン、スリランカと旅が綴られる。富裕の対極にある貧困、平和の対極にある紛争…その中でも、アジアの人びとは俯くことなく、必死に生きている…

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    2015年04月14日
  • 津波の墓標

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    ネタバレ

    今までに読んだ震災関係の本はおよそ“良い話”でしたが、本作は影の部分にもスポットが当てられている、という印象。火事場泥棒や、被災者によるボランティアスタッフへのセクハラなど、読んでいて嫌な気分になるところも多々。また、凄惨な現場の描写も読むのがとても辛い。

    けれど、どれも目を背けてはいけない現実なんでしょうね。

    そうした点で必読感はあるものの、本作の非常に残念な点は、報道する側の人間は時として被災者の意向に反して傷ついた現場の状況を写真に納めたりレポートしなくてはならないことを、「もっと酷いことをしてる(一般の)人がいる」と言い訳していたこと。

    そこは罪悪感を持ちつつも、言い訳すること無

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    2015年04月12日
  • 津波の墓標

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    東日本大震災被災地のルポ『遺体』の著者が、書ききれなかった部分を本書に記したものです。

    報道されていない「負」の部分が分かります。
    きれいごとでは片づけられない人間の感情がひしひしと伝わります。
    痛いです。

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    2015年04月01日
  • ニッポン異国紀行 在日外国人のカネ・性愛・死

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    ネタバレ

    各国から日本に来た人々のコミュニティの、日頃意識しない面を見せてくれる。遺体搬送、売春、偽装結婚、宗教、日本人の誤った幻想に基づく商売など。
    日本起源の宗教団体が、外国に根を張っている事例も。
    「インド料理」店事情が面白かった。

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    2014年12月21日
  • 世界の美しさをひとつでも多く見つけたい

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    素直に読めた。

    人には、それぞれ小さな神様、小さな物語があり、それを拠り所にそれぞれ自分にとっての真実の人生を歩んでいる。

    人生はその人のメガネを通して存在している。他の誰の世界とも同一ではない、ということ。
    真実はその人の中にだけ存在する。

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    2014年11月25日