石井光太のレビュー一覧
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著者である石井光太さんがアジアの国々の物乞いや障害者を訪ね歩き、その体験をまとめた本。
東日本大震災の被災地を訪ねた「遺体」を読み、深く心に刺さったので彼の本を他にも読みたいと手に取ったが、読みながら何度もつらさに手が止まった。
彼が出会う人々は実に様々だ。
戦争によって障害を負っていたり、先天的に障害を持って生まれたり、そして貧しさ故に障害を負わされた場合もある。障害を仕方のないものと受け入れる人もいれば、これは自分の業が悪いのだと諦める人、乞食という仕事にさえ誇りを持つ人もいる。
特に胸がつまったのは、インドのレンタチャイルドの実情だった。
彼らは幼い頃に誘拐され、物乞いする大人たちがよ -
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ネタバレ絶対貧困とは「1日に1.25ドル以下での暮らし。この金額以下で暮らしている人は世界で6人に1人いる。この人たちが貧困なのはよく分かる。しかし、日本は世界で第3位の貧困大国だと言われると。ピンとこない。これを理解するには相対貧困という概念が必要になる。
相対貧乏とは「等価可処分所得が全人口の中央値の半分未満の世帯員」とされる。日本の場合国民の約16パーセント、つまり6人に1人が相対貧困となっている。日本が貧困大国だと言われるのは、他の先進国に比べてこの相対貧困率が高いためだ。
絶対貧困には生活するためにいろいろな制限や苦労がある。と同時に相対貧困にも絶対貧困とは違う問題がある。
多くの人に読んで -
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1日20体弱の死体が日本から海外へ運ばれている。棺の内側は金属コーティング(韓国行きのみなぜか木製でも可)。死体とドライアイス類以外は不可(大使館員立会いで確認)。病院の死亡診断書、パスポート、受け入れ国の入国許可書、葬儀社の梱包内容証明書、受け取り人の連絡先、葬儀社のエンバーミング証明書、全て揃わないと不可。
エンバーミングで12〜20万、ドライアイスや書類作成、人件費を加えると20〜40万、空輸代で10〜60万、空港から遺族自宅までを含めると数百万になることも。
イスラーム墓地では幽霊は出ない(死は最後の審判までの仮眠期間のため)
韓国内での売春規制強化により日本に売春婦が大量流入、価格 -
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東日本大震災を取り上げた、2011年発表のベストセラー。2014年文庫化。2013年には西田敏行主演で映画化された。
震災後の岩手・釜石の遺体安置所をめぐる極限状態を、自ら現地へ入り、地元民生委員、医師、歯科医師、市職員、消防団員、陸上自衛隊、海上保安部員、地元住職、市長らと行動を共にして綴った、壮絶なるルポルタージュであり、マスメディアでは絶対に報道されない、最も凄惨な現場の描写には、なんとも形容しがたい、胸をえぐられるような思いである。
一方で、本書は2012年の講談社ノンフィクション賞にノミネートされたものの、著者の過去の海外ルポの小説的文体を使った手法があまりに「フィクション」的と、立 -
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本書を読むまでは、石井光太氏はジャーナリストだと思っていた。そのため、世界の国々の惨状を伝えるべくカメラを向け、言葉を紡いでいるのだと勘違いしていた。しかし、その惨状の中でも希望を見いだし生きていく人たちの力強さと美しさを伝えたい。その気持ちを胸に執筆していたことを本書を通して初めて知った。
繰り返しでてくる一人一人にとっての「小さな神様」
想像もできないほどの絶望や状況の中で、人は何を胸に抱いて生きていくのか。そんな著者の真摯な眼差しに心うたれた。
ー私は他者を見つめるさいに大切なのは、相手がどんな小さな神様を抱いているのかを知ることだと思います。(中略)
小さな神様を見つけるためにはどう -
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ネタバレ今までに読んだ震災関係の本はおよそ“良い話”でしたが、本作は影の部分にもスポットが当てられている、という印象。火事場泥棒や、被災者によるボランティアスタッフへのセクハラなど、読んでいて嫌な気分になるところも多々。また、凄惨な現場の描写も読むのがとても辛い。
けれど、どれも目を背けてはいけない現実なんでしょうね。
そうした点で必読感はあるものの、本作の非常に残念な点は、報道する側の人間は時として被災者の意向に反して傷ついた現場の状況を写真に納めたりレポートしなくてはならないことを、「もっと酷いことをしてる(一般の)人がいる」と言い訳していたこと。
そこは罪悪感を持ちつつも、言い訳すること無 -
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石井光太氏のことは、東日本大震災後の釜石の様子を描いた『遺体』で知った。その後にアジアの発展途上国の貧困に的を当てたルポを多く書いたフォトジャーナリストであることを知り、いくつかの本を読んだ。
本書は、そのような経験を活かして日本にいる在留外国人についてのルポ。10年、20年前とは経済面での日本の相対的ポジションもずいぶんと時間をかけて変わってきている。インタビューはその歴史を掘り起こす作業でもある。
日本で死んだ外国人の遺体処理の話から始まり、性風俗で働く女性たちの話、結婚ビジネスの話、宗教活動の話、HIV感の話が語られる。彼らにはビザの話が常につきまとう。結婚ビジネスの話や健康保険の話