石井光太のレビュー一覧

  • 感染宣告 エイズウィルスに人生を変えられた人々の物語

    Posted by ブクログ

     今までのエイズに対する自分のイメージが変わった。
    遠くに感じていたこの病気がとても身近に感じられるようになった。

     こういう内容のものって暗くなりがちだけど、淡々と続いていくので読みやすかった。

    0
    2015年08月30日
  • アジアにこぼれた涙

    Posted by ブクログ

    石井光太のルポルタージュの魅力は、光りの部分よりも常に陰の部分にスポットを当てて描いているところにあるのだと思う。本作でもアジアの各国を巡り、陰の部分に正面から向き合っている。

    アフガニスタン、マレーシア、インドネシア、フィリピン、インド、タイ、ネパール、イラン、スリランカと旅が綴られる。富裕の対極にある貧困、平和の対極にある紛争…その中でも、アジアの人びとは俯くことなく、必死に生きている…

    0
    2015年04月14日
  • 津波の墓標

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    今までに読んだ震災関係の本はおよそ“良い話”でしたが、本作は影の部分にもスポットが当てられている、という印象。火事場泥棒や、被災者によるボランティアスタッフへのセクハラなど、読んでいて嫌な気分になるところも多々。また、凄惨な現場の描写も読むのがとても辛い。

    けれど、どれも目を背けてはいけない現実なんでしょうね。

    そうした点で必読感はあるものの、本作の非常に残念な点は、報道する側の人間は時として被災者の意向に反して傷ついた現場の状況を写真に納めたりレポートしなくてはならないことを、「もっと酷いことをしてる(一般の)人がいる」と言い訳していたこと。

    そこは罪悪感を持ちつつも、言い訳すること無

    1
    2015年04月12日
  • 津波の墓標

    Posted by ブクログ

    東日本大震災被災地のルポ『遺体』の著者が、書ききれなかった部分を本書に記したものです。

    報道されていない「負」の部分が分かります。
    きれいごとでは片づけられない人間の感情がひしひしと伝わります。
    痛いです。

    0
    2015年04月01日
  • ニッポン異国紀行 在日外国人のカネ・性愛・死

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    各国から日本に来た人々のコミュニティの、日頃意識しない面を見せてくれる。遺体搬送、売春、偽装結婚、宗教、日本人の誤った幻想に基づく商売など。
    日本起源の宗教団体が、外国に根を張っている事例も。
    「インド料理」店事情が面白かった。

    0
    2014年12月21日
  • 世界の美しさをひとつでも多く見つけたい

    Posted by ブクログ

    素直に読めた。

    人には、それぞれ小さな神様、小さな物語があり、それを拠り所にそれぞれ自分にとっての真実の人生を歩んでいる。

    人生はその人のメガネを通して存在している。他の誰の世界とも同一ではない、ということ。
    真実はその人の中にだけ存在する。

    0
    2014年11月25日
  • ニッポン異国紀行 在日外国人のカネ・性愛・死

    Posted by ブクログ

    石井光太氏のことは、東日本大震災後の釜石の様子を描いた『遺体』で知った。その後にアジアの発展途上国の貧困に的を当てたルポを多く書いたフォトジャーナリストであることを知り、いくつかの本を読んだ。

    本書は、そのような経験を活かして日本にいる在留外国人についてのルポ。10年、20年前とは経済面での日本の相対的ポジションもずいぶんと時間をかけて変わってきている。インタビューはその歴史を掘り起こす作業でもある。

    日本で死んだ外国人の遺体処理の話から始まり、性風俗で働く女性たちの話、結婚ビジネスの話、宗教活動の話、HIV感の話が語られる。彼らにはビザの話が常につきまとう。結婚ビジネスの話や健康保険の話

    0
    2014年09月28日
  • 地を這う祈り

    Posted by ブクログ

    石井光太さんは、いつも私に「現実」を突きつけてくれる。
    心をえぐられるような感覚と、深い衝撃に襲われる。
    それでも目を見開いて、あっという間に読んでしまう。
    それを見て、私は幸せだ・・・などと安堵することはない。
    むしろ、自分の無知加減に驚き、世界の広さとあまりの違いに言葉を失ってしまう。
    本当にいつも多くの刺激を与えてくれる著者の一冊。

    0
    2014年09月18日
  • 日本人だけが知らない 日本人のうわさ~笑える・あきれる・腹がたつ~

    Posted by ブクログ

    私たち日本人は、周囲の外国人からはどのように見られているのか。そこには、時代によって様々な顔がありました。戦後の貧しい時代、バブルの時代、そして現代。遠い日本の地に対する恐怖や着たいから様々な噂が流れる。良くも悪くも、日本という国を改めて見直すことができた、そして、面白い一冊でした。

    0
    2014年09月14日
  • 遺体―震災、津波の果てに―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    東日本大震災でノンフィクション。遺体安置所の体育館での話。実際にそこでしか聞けない体験出来ないことが詳細に書かれている。もし自分がそこにいたらそんなに強くできるだろうか。

    0
    2014年09月01日
  • 地を這う祈り

    Posted by ブクログ

    衝撃的な写真が多くある。ただこれは世界で実際に起きてること。それと向き合うこの本に出会えて良かった。

    0
    2014年09月01日
  • 世界「比較貧困学」入門 日本はほんとうに恵まれているのか

    Posted by ブクログ

    ■低所得者だから不健康なのではなく,
     不健康だから低所得者なのでは?
     因果関係が逆転している。
    ■脚色されている部分も多いとは思うが,
     面白かったです。
     と,同時に切なかった…。
    ■この人の文章はうまいし,読ませる。
     だからこそなんだろうけど,胡散臭さも感じてしまう。

    0
    2014年07月17日
  • 物乞う仏陀

    Posted by ブクログ

    同じ作家さんの本を続けて読むのは3冊くらいまで、と、なんとなく自分の中で考えているのだけど(やはり、なんとなく飽きてくるので)、どうしてもハマりやすい体質のため、次々に読んでしまう。

    重いー。
    ベトナムやタイ、行ってみたいなーと思ったりした時もあったけど、とてもとても・・・。

    同じ人間なのに、こうも"生きる"ということに違いがあるなんて。

    だけど、笑顔があるのっていい。

    0
    2014年07月15日
  • 遺体―震災、津波の果てに―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    2014年3月11日、乗換がうまくいかずに立ち寄った駅ナカの本屋で偶然目に留まった一冊。真っ白な表紙に『遺体』の2文字。帯に目を移せば、東日本大震災のルポだとわかった。
    この日に見つけたのも何かの縁だろうと思い、その場で購入した。

    内容は実に衝撃的だった。ボランティア活動にも行っていなければ、基本的に情報源はラジオという生活を送る我が家ではテレビもあまり見ることがなく。被災地の現場の様子はほとんど目にせず3年間過ごしていた自分。

    自分が学ぶ資源やエネルギーの話として、原発については大学でも話題になっていたが、被災地の復興という部分にはほぼ目を向けてこなかった。

    大地震とそれに伴う火事、津

    0
    2014年06月22日
  • 日本人だけが知らない 日本人のうわさ~笑える・あきれる・腹がたつ~

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ひさびさに勢いをもって通読しました。
    噂のかずかず.

    日本人についてだけでなく,
    日本人による外国の方々についてのうわさも.
    偏見や差別,恐怖や不安,愛着や嫉妬など
    人間らしい感情のうごきや関心があるから
    うわさがうまれるのですよね.
    ここがへんだよ!日本人.
    思いもよらないことから,なるほどあーあ,ということまで.

    それだけ,自分たちと違う文化や特徴をもつひとびとに対しては,
    注目や大きな心のゆさぶられがあるということです.
    今後,きちんと行動をわきまえ
    良い関係とまでは期待せずとも,
    互いに理解したり認め合えるようになれればいいなと願います.

    ただ,誤解されたり偏見の目で見られるのは

    0
    2014年05月20日
  • 遺体―震災、津波の果てに―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    死者数を数字として並べてみてもそれは実態を伴わない。
    ひとつひとつの遺体を目の前にしなければわからない真実というものがあるのだと思う。

    遺体と向き合うことは人生と向き合うこと。

    世界は不条理。

    0
    2014年04月09日
  • 物乞う仏陀

    Posted by ブクログ

    たった数百円の為に体や命が無くなる。日本のインフラ・社会保障のありがたみを認識した。
    インタビュアーにもかかわらず相手の気持ちを読めない著者に苛立つが、こうした本の存在価値は大きいと思う。

    0
    2014年03月29日
  • ニッポン異国紀行 在日外国人のカネ・性愛・死

    Posted by ブクログ

    2011年の外国人登録者数、約208万人。(長野県の人口と同じ)。東京40万人、大阪20万人、愛知も20万人。このほかに、不法残留者約8万人。観光・ビジネスでの訪日外国人、2010年に860万人(大阪府の人口と同じ。)昨年は1000万人を超えたらしい。

     日本でなくなった外国人を海外に遺体搬送するビジネス。イスラーム墓地。三重県にあるという売春島。イスラエル人の露天商ビジネス。タイ人の占い師。薬売り。霊友会のネパールでの布教。外国人医療。インド式英才教育幼稚園。中古車販売業。インド・ネパールレストラン。日本社会の中に入り込み、その中で生活する人々。

     先週のNHK,今から約20年前にフィリ

    0
    2014年02月02日
  • 飢餓浄土

    Posted by ブクログ

    アジア、アフリカの途上国の現実を幻想や流言といった精神面から斬り込んだルポルタージュ。

    石井光太の一貫したテーマとも言うべき貧困地に赴き、貧困の現実を捉えるだけでなく、現地の方の精神的な世界にも迫った興味深い作品になっている。

    第一章では、各地で今だに語り継がれる残留日本兵の亡霊の話からアジアの現実を浮き彫りにしてみせる。

    第二章では、アフリカやアジアの国々で様々な理由により抑圧される性の現実を描く。

    第三章では、戦争が遺した悲劇と呪術や呪いといった不可思議が支配を続ける現実を描いており、第四章では、今だに戦地に残る流言について描いている。

    0
    2014年01月13日
  • 僕らが世界に出る理由

    Posted by ブクログ

    世界を股にかけて回り、その衝撃的なルポルタージュを次々と発表する筆者が何かをやろうとしてそのきっかけとなる一歩を中々踏み出せない方の為に、自らの体験を踏まえて語る一冊です。著者の視点が素晴らしいです。

    アジアをはじめとする世界各国を回り、衝撃的なルポルタージュを発表し続けている石井光太氏が、若い人向けに語ったことをまとめた一冊です。
    『いつ、何をやるか?』
    このテーマは10代の後半から20代の半ばくらいまでのは常に付きまとって来るわけですが、それらの疑問について、筆者が自らの体験を基に、熱い回答で答えております。

    石井氏は両親をはじめとする身の回りの人間が世界を舞台に活躍する方だそうで

    0
    2013年10月30日