石井光太のレビュー一覧
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ウガンダ・ビクトリア湖の「死体を食べて大きくなった巨大魚」、パレスチナの「白い服を着た不死身の自爆テロ男」、海外取材経験の豊富な筆者が現地の人から聞いた『噂』。しかしそれには『真実』が含まれていて…。
古今東西、人と人が相争うところには『うわさ』というものがまるで野火のように人々の間を通り抜けて、あっという間に広がっていくようです。 しかし、うわさというのは往々にして『真実』を含んでいるというのもこれまたよくあるお話。本書は海外取材の経験では百戦錬磨を誇り、衝撃的なレポートを数多く発表してきた筆者が、日本を含めて各地の戦場に散らばっている『うわさ』を集めて紹介したものです。その中の一部を紹介 -
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戦争や紛争、貧困、食糧不足、感染病。世界には一筋縄では解決できない複雑で深刻な問題が数多くある。私たちはしばしば新聞や雑誌などに記されている統計的な数字を通じて、そうした問題の事の重大性を知識として享受する。
だが、こうした「大きな問題」について考える際に、私が常々重要だと考えるているのは、その問題に対する「当事者意識」である。人々に「当事者意識」を喚起するのでなければ、「大きな問題」を人々に伝える意義はほとんどないように思う。
たとえ「大きな問題」を知識として得ていたとしても、そうした問題を「我が事のように感じる」という意識がないと、具体的なアクションを起こすためのモチベーションは起こらな -
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「恵まれない子どもたちに支援の手を」と一言で語られがちな世界の貧困問題にもう一歩深く踏み込んだ作品。
飢餓の中に生きる人たちにも生活があり日常がある。
当たり前のことだが、改めてそのことに気付かされた。
本書では「子供兵」についての記述もあるが、戦争が終わったあとの彼らの行く末、また彼ら(彼女ら)がなぜ、どのような経緯で子供兵になるに至ったのか、ということも書かれている。
貧困と戦争、そして生活、それらが切り離すことのできない問題として描かれ、安易に児童労働や、児童結婚を否定するだけでは解決出来ないということを知った。
あとがきに「私は、あなたが問題の難しさに絶望するのでなく、その複雑に絡み合 -
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ネタバレ◆日本企業vsデマ
戦後の渡米日本人→性別欄に、数字(性交回数)を記入
日本製品→戦後は粗悪品で売れず、工場を宇佐に移転 MADE IN USA表示
ニコン→日本工学工業、戦時中スコープや命中機器を製作、小型大国の日本ブランド先駆け
オカモト→軍事工場として兵士用のコンドームを大量生産、「突撃一番」「鉄兜」
コンドーム使用率→日本低い(3位)、北欧・南アに続く、ちなみに日本は18センチ、アメリカ向けは20センチ、北欧向けは23センチ
人毛カツラ→中国やインドの貧民、寺院の剃髪を買い上げてつくる
◆ジャパン・セックス
昔の日本の婚姻関係→近親婚はセーフティネット
春画→明治時代の欧米への人気の -
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ノンフィクション。アジアの物乞いに魅せられた著者が、各国で出会った人々のエピソード集。
情熱大陸で著者を知り、気になって読んでみた。ノンフィクションってもっとお堅い文章なのかと思っていたけれど、短編ということもあって驚くほど読みやすかった。良くも悪くも、小説のようだと思った。読みやすすぎて、なんだかフィクションのように感じてしまう部分も。挟み込まれている会話のテンポが良いからかもしれない。けれど、その中にさらっと描かれている現実は、想像しようとしてもなかなかできない。
自分の無知を恥じたり、旅先で恋に落ちたり。ノンフィクション作家の人って、こんなに作品の中で自分をさらけ出すものなのだろうか -
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「知って、じゃああなたは何をする?」と、一貫して語りかけている良作。
やさしい語りかけにやさしい色合いの絵が調和していて、残酷なリアルなのに、きっと小さな子どもにでも最後まで読ませてくれる。
『おかえり、またあえたね ストリートチルドレン・トトのものがたり』は、とてもおそろしい本だった。
帯に偽りはない。
「絶対貧困」という、途方もなく、世界中の誰もまだ解決できていない残酷な現実に対してリアルで、
けれど希望を残してくれた作品だった。
「知って、じゃああなたは何をする?」と、一貫して語りかけている良作だ。
「絶対貧困」の世界に暮らす、トトというひとりのストリートチルドレンを主人公にした物 -
Posted by ブクログ
異国に住むせつなさとしたたかさ。生身の人間の息づかいを感じる。
ニッポンに住む外国人たちの、通常はスポットライトが当たらない部分に目を向けたルポ。
死後の遺体搬送、宗教、売春、病気の治療などに焦点を当て、外国人たちのナマの姿を浮き彫りにしていく。
多くの事例が紹介されているが、いずれの話も、へぇ、そうなんだと驚くとともに、ああそうなんだろうなと納得がいく。
特に興味深かったのは、韓国系新興宗教のホームレス支援。やむにやまれずいつの間にか宣教師になっている例もあるのだろう。
タイ人の占い師の家が売春をしているタイ女性の一種のコミュニティになっているという話もなるほどと思わされる。
イスラム教