石井光太のレビュー一覧
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ネタバレちくまプリマ―新書であるため、高校生・大学生向けに書かれているが、大人が読んでも心に留めておきたい部分がいくつも見つかった。
海外へ行くことは、「本人がその気になりさえすれば、あらゆるものが自分の肥やしとなりえる」。私自身は今海外に住んでいる。ただ、日々の忙しさに追われて、様々な文化の違いにあまり目を留めず何気なく過ごすことも多い。だが、よく考えれば看板一つをとっても、スーパーで並んでいる野菜一つをとっても、発見が多くあるはずだ。それをもっと活かそうと思った。
また、高校生・大学生の間にどんな考えを身につければ良いのか、また具体的に何をしたら良いのかという部分は、大人として彼らに伝える時に参考 -
Posted by ブクログ
パキスタン、マレーシア、フィリピン、タイ、イラン、スリランカ……、それぞれの地でアフガン難民の父子の確執に触れたり、エイズ禍に沸いた頃の都市伝説を検証したり、イラク難民の夫婦とともによくない筋に感化されイラクに戻ったと思われる息子の足跡を探したり、孤児たちの明るいもてなしを受けたりといった具合に、貧しさや戦争の惨禍などなどに取り巻かれ混沌としたアジアの街でアジアの人と出会ったエピソードが綴られる。
読みながら思ったのは、「この人(著者)、自分と似ている」ということ。どこが似てるって、体験が身にならないタイプだという点が。なかなか得難い体験をしているはずなのに、どこかさらっとしていてありがちな話 -
Posted by ブクログ
自らも被災者である関係者たちが、大震災で犠牲となった余りに多くの遺体に戸惑い、悲しみを飲み込み、それでいて尊厳をもって接する姿とその心の内に、尊敬と感謝するばかりであった。
耳に入る身内の遺体を前に慟哭する声を一心に手を動かし耐える姿に、その苦しさが強く胸を打ち涙がこぼれた。
大災害の際は生存者を如何に保護し支援するかに焦点が奪われがちになるが、犠牲者とその親族の対応について国や自治体だけでなくボランティアも含めて備えておかなければならないと強く感じた。
また、僅か1~2キロ先の津波の情報が地域全体に伝わりきっていなかったことにも驚いた。
本書は、3.11を伝えるノンフィクションとして貴重 -
Posted by ブクログ
日本は先進国の中で3番めの貧困大国だという。1日1.25ドル以下で暮らす「絶対貧困」に対して、相対的に可処分所得が少ない層「相対貧困」が日本の貧困の正体だ。
絶対貧困と相対貧困、それぞれの状態を、住居、教育、結婚、食事などの面から比較してみる、という試み。絶対貧困では住居が特定の場所に集まる(スラム)に対して、日本では同じ地域に貧困が混在してくる。絶対貧困者にはセーフティネットの種類が少ないが、逆に強固なセーフティネットがある。日本のセーフティネットは、一度その網から落ちてしまうと這い上がるのが困難だ。グレーを許容することで吸収している社会と、シロクロハッキリさせることで、大抵の貧困はクロに行