石井光太のレビュー一覧
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ネタバレ記憶に新しい三つの凄惨な虐待死亡事件。それら一件一件を丁寧に取材した石井光太氏のノンフィクション。
「文庫版あとがき」に記載されているが、どの事件の背景にも共通する真実があった。それは、「虐待親たちが生まれ育った環境の劣悪さ(338頁)」と「ゆがんだ親子関係(338頁)」。つまり、「犯人を育てた親が大きな問題を抱え、子供たちを虐待、もしくはそれに近い環境に置いていた。犯人たちは生まれつきのモンスターだったわけではなく、彼らの親こそがモンスターだったのだ。そういう意味では、犯人たちは幼少期からモンスターである親の言動に翻弄され、悩み苦しみ、人格から常識までをねじ曲げられたまま成人したと言えるだ -
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石井光太『砂漠の影絵』光文社文庫。
本作はノンフィクションではなく、『蛍の森』に続くフィクション小説である。ベースには石井光太の一連のルポルタージュがあるようで、描かれる事件が実際に起きたISILによる日本人拘束事件とオーバーラップし、非常にリアリティがあり、迫力があった。
2004年、イラクでも最悪なテロ組織に商社マンの橋本優樹ら日本人男女5人が拉致される。組織の要求は自衛隊のイラクからの撤退だが、日本政府がその要求を拒否したことから、処刑の日が刻々と迫ってくる……
自国の利益、石油利権のために他国に土足で踏入り、次々と戦争を仕掛け、他国をテロ国家と罵る自称世界の警察、アメリカ。犬のよ -
ネタバレ 購入済み
漫画だからこそ伝えられる地震、津波の被害。
しかし、主人公のエピソードの時系列がしっかりしていなくてすっきりしない。子どもを98年に産んで、理由がよくわからないまま子どもを旦那一家に親権を渡した状態で離婚が08年。んで、11年の地震後、子どもに会いに行く。その子どもが未就学児みたいな感じで母親のことも忘れてる。計算だと10歳の頃に母親がいなくなってるはずだから、忘れるはずがないが、
話の内容的に忘れている設定が必要だったらしい。
このエピソードをしっかりとさせたうえで、もう一度書き直されることを願います。 -
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とうとう3作目です。
本作はいかに自分の意志で選び取った道を歩んで行くか。夢なんて大それたものでなくとも、色々体験して楽しいと思える事を夢中にやるべきだという本です。
大人になるとベターだと思われる人生が薄っすら分かる為に、どうしても子供に意見を押し付け気味です。子どもの頃の事考えると、自分の意見より大人の考えの方が正しいと思っていたし、逆らっても良い事なんてないと思っていたのは確かです。
でも、子供にもやりたいことはあるし、意見だってありました。声に出して大人に分かってもらうというのは大事な事ですね。自分だって子供から真摯し言われたら何とかしてやりたいと思うもの。
時が解決しない問題「いじめ -
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全3作のうち2作目です。
1作目「言葉を武器に変えて」は大人のぼくもガーンと衝撃を受ける名作でありました。子どもの頃の自分に何とか届けられないものだろうかと、読んでいる最中胸打たれまくりでした。
本作は世界に大きな影響を与えた子供たちの足跡を参考に、君たちも出来る、世界を変えて行こうという内容になっています。
前作が、「自分」であるのに対して本作いきなりグローバルかつ、「他者」が対象になっていくので、子供が読んで「自分も出来る」と思えばとても心強いですが、ちょっと大きく出過ぎかなーなんて思いました。
本作に登場する子供たちはまさに「世界を変えた」子供達です。読んでいて胸が熱くなります。いい大 -
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僕らの世代は原爆の事を学ぶにあたって「はだしのゲン」よ読む、映画を見るのは常道でありました。でも今は映画はもうTVでやらないし、、漫画も子供にショックが多いという配慮なのか、図書室に置かない学校も有るようですね。広島長崎の被害の事を、意識しないで子どもたちが自然に知る機会は、社会科の授業ぐらいなのでしょうか。
石井光大氏のルポタージュはどれもこれも重厚で、しっかりとした取材と心情を救い上げる優しさ。そしてある意味冷たいともとれる位冷静な視線が同居しています。
本作は広島を復興させるために動いた人々の足取りが書かれていますが、いわゆる感動的なだけの話ではなく、全てを投げ打って、平和都市への復興、 -
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内容が内容なのでなかなかヘビー。ゆっくり読んだ。
読み進めているとなんだか夢見心地になってくる。『本当に起こっているのだろうか?』とすら思ってしまう。
それだけ今が恵まれている証拠だろう。日本の場合、ストリートで生活する人たちは地方で生きることはほぼ困難で、都会に住む場合が多いように思える。それ故に、その景色を目の当たりにしたことが無い人達がたくさんいる。
最も印象的だったのが『出来ることが物乞いしかなく、それを仕事にしているだけ。それがどうして恥なのか?』というフレーズ。培ってきたレッテルが剥がれかける瞬間であり、言葉では説明がつかない感覚だった。
どの章からも、悲痛な叫びが今にも聞こえ -
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石井光太氏の書かれるノンフィクションは紛いも無い。
常に取材する人の側に寄り添うような
一切の感情を交えない簡潔な文章が好きだ。
第二次大戦が落とした様々な影をメディアが扱い
語り継がれていく中で、何も無かったかのように
葬り去られるのが、戦後の『浮浪児』について。
空襲によって、家を無くし、家族を無くし
1人で生きていくこととなった浮浪児たち。
わずか5歳から12歳ぐらいまでの子どもたち。
養護施設『愛児の家』の裕さんが語られた
戦後、浮浪児となり施設に入った子どもと
現在、施設に入っている子どもの強さの違い。
がむしゃらという尊い言葉。生き方。 -
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一昨日前に叔母が亡くなった。お通夜と告別式にバタバタと出席した後はポカンと心に穴が開いた感じ。終始涙が枯れることがなかったが、それは綺麗にお化粧を施された叔母の顔を見て、生前を思い出すからだった。そんな綺麗なお化粧を施してくれるのが納棺士であり、あの静かで美しい所作が叔母の最期を彩ったのだ。
自分の最期は自分では選びとれない。選びとれない以上、周りの人間がどれだけ気を配れるかが大切となる。本書は劣悪な環境、精神状態ながら、圧倒的なプロ意識で遺体に向き合う職人たちの話である。
本書に描かれる遺体は、叔母のそれとは比べ物にならない程状態が良くない。ただ良くないながらも、手を抜くことなくベストを -
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本書は、様々な戦場で生まれた都市伝説を紹介、その背景を解説し、最後に著者の考察を添えるという形式で書かれている。ウガンダの内戦、ベトナム戦争、湾岸戦争等から生まれた都市伝説を経て、最終章は第二次世界大戦における日本軍の行為にまつわる都市伝説が紹介されている。個人的には、イラク戦争に関係する「僕を助けてください」と、ベトナム戦争に関わる「掘り起こされた棺」が特に心に残った。
ある夜中、イラクに駐留していた軍医トムは電話の音に起こされる。頭を撃たれて危険な状態のイラク兵士を手術してほしいと言う。トムが駆けつけると、手術室には誰もおらず、ナースは運び込まれた兵士などいないと言う。
二日後の夜中