あらすじ
2004年6月、イラクの武装組織に日本人5人が拉致された。商社勤務の橋本優樹はバグダッドへ向かう途中だった。組織の要求は、自衛隊のイラクからの撤退だ。日本政府はその要求を拒否、予告された処刑の日が迫ってくる。憎しみ合いと、殺し合いの果てにたどり着くのはどこなのか。人と人は分かり合えないのか。人間の生き方を問う、渾身の傑作長編小説。
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Posted by ブクログ
石井光太『砂漠の影絵』光文社文庫。
本作はノンフィクションではなく、『蛍の森』に続くフィクション小説である。ベースには石井光太の一連のルポルタージュがあるようで、描かれる事件が実際に起きたISILによる日本人拘束事件とオーバーラップし、非常にリアリティがあり、迫力があった。
2004年、イラクでも最悪なテロ組織に商社マンの橋本優樹ら日本人男女5人が拉致される。組織の要求は自衛隊のイラクからの撤退だが、日本政府がその要求を拒否したことから、処刑の日が刻々と迫ってくる……
自国の利益、石油利権のために他国に土足で踏入り、次々と戦争を仕掛け、他国をテロ国家と罵る自称世界の警察、アメリカ。犬のようにアメリカへの従順さを示し、『テロには屈しない』として人命を切り捨てる日本政府。アメリカの介入と攻撃にどこまでも対抗しようとするテロ組織。どこまでも交わることのないそれぞれの主張に未来は無いのか……
本体価格920円
★★★★