石井光太のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ノンフィクションの書き方の本。著者は、社会問題を中心に多くの本を上梓するノンフィクション作家。本を書く心構えから、取材や人との接し方、書き方のテクニック、ライターとしてデビューするまで、様々な作家の作品や事例を紹介しながら、本の書き方を指南する。
ノンフィクションは、事実と考察を並べただけではいけない。読者に読ませるような工夫も必要で、構成やストーリー展開を考えるのは小説と同じ。言葉を削り、わかりやすい表現で、12歳の子供にも理解できるように書くことが重要と解く。
ノンフィクションを想定しているが、仕事の業務マニュアルにも応用 できそうな本だと思う。 -
Posted by ブクログ
audible27冊目。
我が子を虐待し殺害してしまう事件はよく覚えているつもりでしたが、この本に取り上げられた事件については、すべて記憶にありませんでした。
どれも、詳しい経緯や実態を知れば知るほど「鬼畜」だと感じ、忘れられないような事件なのに…
もしかすると、その凄惨さから、テレビでは詳しい内容まで報道されなかったのかもしれないし、あるいはわたし自身が、「またこんな事件があったのか」と感じただけですぐに忘れてしまったのかもしれない。
いずれにしても恐ろしく、悲しいことです。
幼い子どもを死なせてしまった責任をなすりつけ合う親の言動に怒りを覚えましたが、その親たちの生育環境を辿ると、さ -
Posted by ブクログ
正直、オススメして良いのか迷う本だ。
著者は行動力も取材力も高く、この本を書こうと思い立った動機は裁判に納得いかないという正義感なのだから、内容としても素晴らしい。冒頭の所感は、そうではなくて、本の題材と取り扱われる人たちだ。次元が違う。視野を広げておくには良いが、残酷で救いがなさ過ぎて気持ち悪くなる。人間の多様性とは、こういう人たちが存在する、という事も意味するのだろう。
こういうことを書いてよいのかわからないが、恐らく、境界領域なのだろう。求められれば直ぐに身体を許してしまう女性。避妊しないことも許容し、その度に懐妊するが、一人で産んでは殺してしまう。それを隠して、日常を送る。他にも、 -
Posted by ブクログ
我が家の子供達にも当てはまることが多すぎて、うちの子たちだけがおかしいというよりは、世の中的に同じような傾向があるのだなと思った。全く知らない、実感がない、というよりも、何となく感じていたことを事例として補強してもらったようなかんじ。
解決の道を示す内容ではないので、そういう意味では救いはない。いま子どもたちに起きていることを知る、という意味では有用だと思う。
ただし、この内容だと「スマホ育児」というタイトルのワードはミスリードを誘うと思う。書店で手に取って目次を見たから違うなとわかったけど、タイトルだけだと「近頃の親はスマホばかり見せていてけしからん!」という本なのかと思ったので。 -
Posted by ブクログ
子どもたちが残り少ない人生を「深く生きる」ための場所。
2016年、大阪市に日本初の民間小児ホスピス「TSURUMIこどもホスピス」が誕生した。ここは死を看取る場所ではない。難病の子供に苦しい治療を強いるのではなく、短い時間であっても治療から離れ、家族や友人と笑い合って生涯忘れえぬ思い出を作る手助けをする施設なのだ。設立に向けて奮闘した医師、看護師、保育士たち。そして自分の尊厳を守り、自分の人生を生きるために声を上げた子供たちの感動の記録。
読んでいて感傷的になり過ぎたのか 涙が何度も何度も出てきて苦しくなった
大阪に日本初のこの施設があることを初めて知った
この本をきっかけにホームペ -
Posted by ブクログ
スマホ育児による弊害について全体を通じて記載があるわけではなく、様々な要因で子ども達の成長に影響が出ていることがわかる。乳児から大学生まで各世代でどのような問題が起きているかが章立てされているが、特に児童、生徒、学生の問題は大人にも通じる点が多く、「子どもの問題」と明確に区切りすぎなのではという印象もあった(例えばゲームのやり過ぎによる寝不足や、リアルなやり取りが希薄になりコミュニケーション不全になるなど)。
教師への取材も基になっているが、教師の対応に疑問が残る部分も一部あり、逆に現在の教師が過去とどう変わったのかも気になった。例えば生徒に対して「お前たちでも恋愛くらいするだろ」というよう