石井光太のレビュー一覧

  • ルポ 餓死現場で生きる

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    世界の貧困問題のルポタージュ。

    石井光太さんのルポは事実を客観的に述べながらも、悲壮感だけでない部分もしっかり切り取る眼差しがある。遠い遠い国の話ではなく、自分達の世界の延長にあることを感じさせてくれる。

    同時に、こうした地域では良い悪いではなくもともとの習慣や風習、思考が前提として大きく違う。違いをわかったうえで支援をしていかないと穴のあいたバケツのように全く意味をなさなくなってしまうという事を感じた。

    どんな課題や問題であっても、まず相手を知ること、現状を客観的に正しく理解することが必要。

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    2022年10月11日
  • 「鬼畜」の家―わが子を殺す親たち―(新潮文庫)

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    これは日本での子供の出来事。
    読後は、悲しすぎて辛すぎて、熟睡出来ない。何か自分に出来る事は無いのか。
    虐待の連鎖とは言いたく無い。
    深く考える日が続く。

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    2022年08月30日
  • 育てられない母親たち

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    子どもを育てられず施設に預けた親たちの、生い立ちや生活環境を書いた本。

    そろそろ母親ではなく父親のほうに注目した『認知しない父親たち』『ヤリ逃げする男たち』というタイトルの本を出すライターが出てきてもいいのではないか。

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    2022年07月27日
  • 格差と分断の社会地図 16歳からの〈日本のリアル〉

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    小学生でも分かる様に書かれてると思う。
    内容がスッと頭に入ってきてとても読みやすかった。

    格差と今まで言われてきたものが、今回は分断という言葉も使われていることが気になった。
    そろそろやばいのか。

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    2022年04月12日
  • 津波の墓標

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    テレビなどでは知り得ない当時の生々しい状況や人々の混乱を知ることができた。二度とこんなこと起こってほしくない。

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    2022年03月20日
  • 「鬼畜」の家―わが子を殺す親たち―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    幼児餓死白骨化事件/嬰児連続殺人事件/ウサギ用ケージ監禁虐待事件。
    これらの凄惨な事件はどうして起こってしまったのか。
    筆者の取材により明らかになる、加害者である親自体の問題。

    抑圧された環境で育った結果、思考を止めてやり過ごすことを覚え、誰かに相談するという発想を持てなかったりする。
    さらに問題を認識することもできなかったり、出来ても今までのように時間が経つに任せ、やがて問題を忘れてしまう。
    子どもの育て方というか、人間に必要なものが分かっていないから、過酷な環境に子どもを置いていても本人たちはきちんと育児をしているという認識になる。
    ケージ監禁虐待事件は上の子たちはきょうだいの虐待を見て

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    2022年03月06日
  • 育てられない母親たち

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    ネタバレ

    虐待や育児放棄に至る原因はひとつではない。
    収入の不安定・病気・障害・親も被虐待児だったために問題に対処する能力の欠落など。ゆえに支援しきれない。
    また、施設に入った子の年齢により親に対する思いが違ってくるというのもあるらしい。
    外国籍の親と言葉が通じない、というのもショッキングだった。
    それほどコミュニケーションを取っていないということだ。
    また性行為により誰かに求められる喜びを初めて知りのめりこんでしまい、結果望まぬ妊娠につながることもある。
    避妊手術を受けられる、というのも支援の中にあっていいて思う。

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    2022年03月06日
  • 絶望の底で夢を見る

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    これまで読んだ石井さんのルポとはまた違っていた。ご本人の感じたことや、経験されたことが多かったから。

    震災の話は、当たり前の日常が何より幸せである事を思い出させてくれる。胸が締め付けられる。

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    2022年01月08日
  • 格差と分断の社会地図 16歳からの〈日本のリアル〉

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    "分断"とは何か、実例豊富で大変わかりやすい。
    そして自分の認識の甘さというか世界の広さを痛感する
    真の分断は認識できる格差で説明できるものではなく、想像すらできないギャップがあるんだな。

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    ・分断→無理解→衝突
    ・自己責任論の振りかざす甘さ

    新自由主義、グローバリズム
    個人商店の消滅・大手資本の席巻→コンビニ店長、スーパーレジ打ち

    "アフリカのナイジェリアでは、ほんのわずかの富裕層が、国が席を始めとした利権の大部分を独占している。富裕層は高級住宅地の電流を流した要塞のような邸宅で警備員に守られながら暮らす一方で、貧困層は広大なスラムで歌詞と

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    2021年12月27日
  • 遺体―震災、津波の果てに―(新潮文庫)

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    高1の夏、東日本大震災により甚大な被害を受けた釜石市に被災地訪問をする際、課題図書として読んだ。

    『遺体』というタイトルからもわかる通り、震災のことを生々しく描いたお話だったので、被災者の方々や遺族の方々のことを思うと、胸が締め付けられ、辛い気持ちでいっぱいになった。そんな震災のなかで自分自身も親しい人や家族を亡くしているのにもかかわらず、復興のために必死で働き続けた人々のことを知り、驚いた。

    私は3.11のとき、外国に住んでいたため、大地震は経験していないが、海外のニュースでも東日本大震災は大きく取り上げられていて、非常に不安になった記憶がある。実際に被災地を訪れ、震災の傷跡を見たり、被

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    2021年12月18日
  • 格差と分断の社会地図 16歳からの〈日本のリアル〉

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    ★★★★
    今月1冊目
    これは深く考えさせられた本。
    あらゆる貧困世界などに足を入れてきた石井さんならではの本。
    犯罪を犯したからそいつが悪いのではなくその背景などを考えようってね。

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    2021年12月02日
  • 「鬼畜」の家―わが子を殺す親たち―(新潮文庫)

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    読み進めながら、なんとか命は助かってほしい、、と祈ってしまうたび、もうこの世にいない子どもたちのノンフィクションだと思い直し、辛くなる。

    鬼畜な悪魔のような親の虐待の話ではなく、いわゆる「普通」「常識」とかけ離れた状況で育てられた者が親となることのリスクを考えさせられた。
    妊娠や出産を制限することは、人権の問題でできないけれど、負の連鎖を断ち切るためにはどうしたら良いのか、今後の課題である。

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    2021年12月01日
  • 育てられない母親たち

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    ネタバレ

    子どもを虐待した母親たちの24のエピソード。始めのミュンヒハウゼン症候群以外の人は、母親以前に人としてダメな人ばかり。でもその人たちもこの社会の中での被害者であることが多い。負の連鎖。
    他の本(確か熊本のコウノトリ揺かごに関する本)で、日本では児童養護施設に預けても、親と連絡が取れていたり、いつか迎えに来るという意思があれば、特養にはできないとあった。実際に迎えに来ることは少なく、子どもは愛情不十分のまま施設で過ごし、社会に出て行く。本書ではある施設では卒業していった子たちでしっかり仕事をして連絡が取れている人はほんの数人と書いてある。要は、施設を出たほとんどの子は裏社会、夜の世界へと行ってい

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    2021年06月26日
  • 「鬼畜」の家―わが子を殺す親たち―(新潮文庫)

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    幼少期に諦めた方が、思考停止した方が、生きやすいことを学んでしまうと想像力が低下して目の前を何とかすれば良いという思考になってしまうのかなと思いました。
    可哀想だとか酷いだとかの感情を生むコンテンツで終わらせずにどうすればこのようなことがなくなるのかを考えるきっかけになる本となるならばこのような本の意義があると思いました。
    誰か、人を責めるよりもその現象に原因を見出したいです。

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    2021年05月03日
  • 43回の殺意―川崎中1男子生徒殺害事件の深層―(新潮文庫)

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    この事件で一番衝撃だったことは犯人の少年たちが逮捕される前にSNSで写真と名前らしきものが公開されていたことでした。少年法で守られてきた個人情報がいとも簡単に出回る世の中になったと当時の私は思いました。
    少年法の腑に落ちない点がSNSで露わになったかもしれませんが、事件と全く関係性のない人たちが「この人が犯人です」とSNSで拡散する光景が不気味に感じました。
    もし、写真に写ってる人が全く関係のない人だったら拡散した人たちはどうするつもりなのでしょうか?

    話は少し脱線しましたが被害者や加害者の家族、両者の友達や地域性まで細かく調べ上げた石井さんのルポは客観的にまとまっていて読みやすかったです。

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    2021年04月10日
  • 津波の墓標

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    著者の別作品の「遺体」では東日本大震災を、遺体の処理を軸に書かれていたが、この作品では、震災をどう乗り越えたかという話のほかに、復興への失敗談なども読めて貴重だった。
    避難所でのいじめ、暴力、
    被災地での窃盗、
    被災者とボランティアの方々との軋轢、無神経にはしゃぐボランティアの方など。
    今後またどこかで自然災害が起きた時のためには、美談よりも失敗談を集めた方が今後の役にたつと思うので、
    被災者、ボランティア、野次馬等のもっとトラブル事例に特化した本が出版されるといいのに感じた。

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    2021年03月21日
  • 世界「比較貧困学」入門 日本はほんとうに恵まれているのか

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    ネタバレ

    ベーシックインカムのことを勉強しており、日本の貧困のことに知りたくて手に取った本。
    絶対貧困と相対貧困の事例を短いテーマ毎に並べ、比較しているため、非常に分かりやすい。
    住居、路上生活、教育、労働、結婚、犯罪、食事、病と死。
    日本は制度を利用することができれば、最低限の生活を送ることができるが、それから漏れる人は多い。絶対貧困はコミュニティ内で助け合うが、高所得者と低所得者が混在して住んでいる日本では、助け合うことが少なく、孤独になる。

    読書メモ

    絶対貧困とは、一日1.25ドル以下で暮らす人。日本は先進国のため、それに当てはまる人はあまりいない。相対貧困とは、等価可処分所得が全人口の中央値

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    2021年02月14日
  • 43回の殺意―川崎中1男子生徒殺害事件の深層―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    当時テレビでニュースをみて本当にショックを受けた事件だった。 

    遼太君のお父さんが言うように 少年刑務所で彼らは生きて、出所してからも何十年と生きていける。  なのに遼太君の人生はもうないし被害者の人生も辛いまま。 
    少年だからって、加害者が保護されるのっておかしいよね。。 
     
    殺人なんて、家庭環境のせいだけにはもちろんできないけど、どこの家庭も、もう少し子供をちゃんと見てあげてたらこんなことにならなかったかもしれない。 
    とも思ってしまう。。  

    しかも3人のうち2人は別の事件で保護観察処分になってた時なのに、、大人達が放置しすぎてる気がする。 

    もちろん殺害した本人達が1番悪いんだ

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    2021年01月23日
  • 遺体―震災、津波の果てに―(新潮文庫)

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    津波が来た、人が死んだ、街が壊れた、復興が大変。結局、震災に関してはそれらの断片しか知らなかった。
    本書では、震災直後の混乱の中で、必死に何がしかをなそうとした釜石市民の動きと感情、そして被災の無残さをありのままに伝えてくれている。地元民の混乱と無念さと必死さに胸を打たれて、幾度となく涙しながら読んだ。

    そしてまた、自分の中では何がしかが起きた時に、本来ならやらなくてもいいことであっても、自分にできることをやろう、自分のことだけでなく他人のことでも、と思った。

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    2021年01月16日
  • それでも生きる ──国際協力リアル教室

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    国際協力に興味があったため読んでみた。
    マクロの視点からの支援は一定の効果があるものの、家族単位の貧困による苦しみを増長しかねないことを学んだ。あるNGO団体が児童労働を廃止するよう命令したために、子どもの収入に依存している家族の生活は破綻した、というのがその例である。
    国際協力は、現地の人の声を聞くことから始めなければならないと強く感じた。

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    2021年01月10日