石井光太のレビュー一覧

  • こどもホスピスの奇跡(新潮文庫)

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    重い病の子供たちにたとえ短くとも、深く生きてもらえる場を作った方々が「白い巨塔」の舞台である阪大医学部をルーツとしていることが驚きだ。
    幸い私の子供たちは、今のところ健康に過ごしているが、この本を読んで年老いた両親に優しくしたいと思った。

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    2024年05月14日
  • 君はなぜ、苦しいのか 人生を切り拓く、本当の社会学

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    子どもを取り巻く、いや日本を取り巻く諸社会学の入門としてとても分かりやすく読みやすい一冊。タイトル通り苦しさや生きづらさを覚える人は一度手に取ってみると、自分を「俯瞰して見ることができ」、何かのヒントが得られるかも。様々な問題について多面的に、しかし一貫して理解しやすく綴られている。
    中高生はもちろん、社会を作る大人たち一人ひとりが、書かれていることをまずしっかり認識することが大切だと感じた。

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    2024年04月29日
  • こどもホスピスの奇跡(新潮文庫)

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    子供の不治の病は子供の未来はもちろん
    いままでの努力までも奪い理不尽である
    また子供も幼くて病気が理解できなかったり
    両親の希望で病名告知されずに
    なんで辛い治療をしないといけないか
    家族や医療従事者に不満をぶつける

    少しでもこのような施設が増え
    子供、ご家族の心のケアができる事を祈ります

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    2024年04月28日
  • 教育虐待 子供を壊す「教育熱心」な親たち

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    教育虐待のメカニズムが、ケースによって示されていた。教育虐待は、この学歴社会でより認知される必要があると私は感じた。被害者のケースを一つ一つ見ていくと、教育という名の元に、親が行きすぎた指導や干渉を行う虐待が見られる。しかし、その虐待を受けている子はその影響を時間が経ってから受けたり、自覚していないことも多く、親が間違いに気づかない、認めないことが多い。それが連鎖して、教育虐待は続いてしまうのだということを認識した。この連鎖を断つためには、この本をきちんと親、教育者が読み、子どもたちの自主性を重んじ、サポートする必要があると感じた。

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    2024年06月10日
  • こどもホスピスの奇跡(新潮文庫)

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    ネタバレ

    非常に良かった!生きるとは何かを考えさせられる良書。

    難病の子供たちの困難から、さまざまな家族の姿や海外の先進事例に学び、小児ホスピス創設に至る医療・保育関係者たち。

    盲目的に苦痛をもたらす治療を強いるのではなく、患者の人生によりそい、短くとも人生をよりよく生きることに向き合うためにどうするかを考える。その奮闘の姿はすばらしく、日本初の小児ホスピスの草創譚としても読みごたえがある。

    海外に専門知識を学びに行った関係者たちも、また、シンポジウムで共鳴して仲間が増えていく様子も素晴らしい。が、さらに印象的なのは、エピソードに出てくる短い生涯を生きた子供たちだ。それぞれ個性があり、魅力的・印象

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    2024年03月28日
  • こどもホスピスの奇跡(新潮文庫)

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    こんなふうに死を前にして懸命に生きている、私と同じくらいの子や、それよりも下の子供たちがいることは理解しているつもりでしたが、まったくもって分かっていなかったんだとこの本を読んで思いました。
    辛い日々を過ごしながら生きる子供たちのその姿が、鮮明に描かれる度に泣いてしまいました。
    定まってしまった死の前にその子ども達をできる限り幸せにしようと、そのために動く大人がこんなにも沢山いたんだと、そのために努力をしているひとびとがいるんだと、本当にありがたいような気持ちになりました。

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    2024年03月12日
  • こどもホスピスの奇跡(新潮文庫)

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     タイトルに「奇跡」とあるが、「軌跡」としたほうがふさわしいと思われる。本書は日本で初めてのこどもホスピスの設立に携わった医師、看護師、保育士、患者家族らの記録である。

     通常の成人用のホスピスは、終末期の患者を看取る場である。子どものホスピスの場合は、難病の子どもたちが短い期間であっても治療の場から離れ、家族や友人たちと笑い合い、障害忘れえぬ思い出をつくるための「家」としての場である。

     話の展開上、治療の甲斐なく亡くなった子どもたちのエピソードが出てくる。読んでいて涙が止まらなくなってしまった。

     特に、冒頭で登場する中学生の女の子と、その初恋の相手の高校生の少年の話は胸が詰まる。二

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    2024年03月01日
  • こどもホスピスの奇跡(新潮文庫)

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    何年か前に40日間入院した時、中庭で3〜4人の幼児がカートの乗せられ、楽しそうに散歩してる姿を何度も見た。大人でも我慢できない辛さがあるのに、あんなに小さな子達も闘病してるんだなと思うと涙が出た。この本に登場する子供達の強い意志には驚かされる。私にも何か出来る事はないか、改めて考えさせられる1冊。

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    2024年02月23日
  • 近親殺人―家族が家族を殺すとき―(新潮文庫)

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    石井光太『近親殺人 家族が家族を殺すとき』新潮文庫。

    近親殺人をテーマにしたノンフィクション。

    7つの家族内で起きた殺人事件を通じて、日本の様々な問題と家族の在り方を浮かび上がらせる。読んでいると、7つの事件は全て心に重たくのしかかって来る。いつ誰の身にも起こり得る事件なのかも知れない。

    日本では、殺人事件の認知件数は1954年の3,081件をピークに2013年には1,000件を下回り、近年は800件から900件台で推移しているが、家族内を主とした親族間での殺人事件の件数は、ここ30年ほど400件から500件台と変わらず、割合としては5割強と高くなっていると言う。


    介護放棄。介護放棄

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    2024年02月08日
  • 格差と分断の社会地図 16歳からの〈日本のリアル〉

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    これは若者に向けて書かれた本だが、とても良い本だと感じた。所得格差、職業格差、男女格差、家庭格差、国籍格差、福祉格差、世代格差と具体的な例を取り上げて説明してくれる。基本的に同じことを言っているのだが、ある世界にどっぷり浸かっている人間は、それ以外の世界にいる人を理解しないというか理解できない。それゆえに教育の欠落や心無い周りの態度で、多くの犯罪が生まれている中、ただ対象に理解のない非難の言葉を発するのみ。そういう人たちの偏見が、社会により深刻な闇を作り出している。若者に今、日本で何が起きているのかを知ってもらえることに、この本は注力していく。
    最後に若者に3つの提案をする。
    1.新しい仕事を

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    2024年01月23日
  • デリシャス・アンダーグラウンド―国際人材バンクより 2巻(完)

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    ネタバレ

    入館職員の口癖、我が子に真似される、離婚危機まで。
    「どーせ、救えないし、何をしても結果が出ないし、考えてもしょうがない」。同様な無力感は収容者にもあるのでは。
    「人間ってのはやっかなみもんで、ひとりひとりは理路整然に考えられるが、集団になった途端、なぜか間違えるようになる。」P.29 入管組織としての弊害か、職員である個人が考えなくなる。考えないことが業務遂行となる。

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    2024年01月21日
  • 君はなぜ、苦しいのか 人生を切り拓く、本当の社会学

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    起きている事象の根本原因まで掘り下げている点と、苦しみの只中にある当事者たちの目線で物事を捉えている点が非常に良かった。

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    2023年12月20日
  • 物乞う仏陀

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    衝撃でした。20年前の事だけど、今はどうなっているのかな?
    貧富の差は、益々広がっていて、日本もそんな風にならないようにしないと。

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    2023年11月13日
  • 43回の殺意―川崎中1男子生徒殺害事件の深層―(新潮文庫)

    匿名

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    何が正解か

    遼太くんを助けるためには何ができたのか、親や教師、周りの人が不登校や非行に走り始めた時から支援を始めても遅いのだと感じた。
    こんなことを思いたくはないけど、家庭環境と育つ土地環境は生育の過程に大きな影響を及ぼすことを確信する内容だった。
    また、不遇な現実からみんなが目を背けた結果の凄惨な事件だと思う。子どもを授かったという重大なこと、責任意識が欠けている親、地域がら不良少年がいても見て見ぬ振りをする地域の人、学校、、みんな自分のことで精一杯の必死さが、読んでいて辛かった。運が悪かったで済まされていいことではないが、身近に感じるような少年が酷い殺され方をしたこの事件は本当に不運が重なっていた。

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    2023年09月26日
  • 格差と分断の社会地図 16歳からの〈日本のリアル〉

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    P101) パチンコ市場は20兆円。遊ぶ人の約半数が年収300万円以下という統計がある。つまり10兆円をお金のない人達から吸い上げているということになる。
    競馬や競艇、競輪も然り。
    日本のギャンブルはお金のない人たちから吸い上げるお金で成り立っているといえる。
    →これは衝撃。お金持ちの娯楽だと思っていたパチンコが実はそうではなかったと。
    貧乏人が負けて更に課金するスパイラルに陥る構図が容易に浮かぶようだ。

    P120)社会的、ビジネス成功の秘訣は、常に相手の立場を理解しようと努めること。相手の立場からものを考えるようにすること。


    P148)〜
    17歳でノーベル平和賞を受賞したマララさんの発

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    2023年09月07日
  • 格差と分断の社会地図 16歳からの〈日本のリアル〉

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    世の中の現実を様々な角度から教えてくれます。
    数値的な根拠、事例もあり、説得力があり、自分の視野を広げてくれます。

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    2023年09月02日
  • こどもホスピスの奇跡(新潮文庫)

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    心が震える、というのはこういうことなんだなと、随所で感じられた一冊。「感動」などという言葉では軽過ぎる。

    どんなに手を尽くしても亡くなってしまう幼い命。
    患者や遺族から向けられる無念の思い。

    どれだけのプレッシャー・ストレスを背負いながらの仕事なのだろうと、ただただ頭が下がる思い。

    そしてその重みに負けず、理想とする小児医療の実現に向けて、様々な困難をひとつひとつクリアしていく。
    使命感・責任感・真摯さ・優しさ、あらゆる面で尊敬の念しかない。

    彼らの歩んできた道のりを読んで、自分がどれだけ甘えた考えで日々の仕事に取り組んでいたのか、反省。

    今日と同じような明日が来ることは当たり前じゃ

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    2023年08月29日
  • 「鬼畜」の家―わが子を殺す親たち―(新潮文庫)

    購入済み

    未知の世界、でも他人事じゃない

    読み進めていくうちに、どんどんその酷さの指数感覚が麻痺するような未知でよく理解できない行動の数々だった。しかし、どこかで自分もこの環境にいたら同じ行動をしてしまったのではないか、、?という感覚に襲われ、自分が怖くなると同時に周囲の環境の大切さを痛感した。
    子どもは親を選べない、ましてやどんなに酷いことをする親でも子どもにもとっては愛情をくれる大好きな親だから胸が痛む。
    どうしようもないと片付けてしまってはいけないことだが、本当にどうしようもない負の連鎖が引き起こした事件だった。

    #ダーク

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    2023年08月23日
  • 教育虐待 子供を壊す「教育熱心」な親たち

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    あらゆる親が読むべき一冊と思いました。身体的虐待、心理的虐待、ネグレクトのいずれにも当てはまる可能性がある教育虐待は、こどもの権利を無視する親の許されない行為です。こども基本法が令和5年4月から施行され、こどもの権利が最上位である事が法律で示されて、今後の親や学校の教育及び指導内容の見直しが期待されています。教育虐待を受けている子どもたちに、手を差し伸べられる社会へ近づくことを願っておりますが、本書がその役割を担ってくれる事を期待してます。

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    2023年08月17日
  • 赤ちゃんをわが子として育てる方を求む

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    ネタバレ

    特別養子縁組制度のために身を捧げた産科医、菊田昇氏のドキュメンタリー。同じ辛苦を味わっているはずの、つまりは同志となるべきはずの産科医から袋叩きにあいながらも「絶対に取り組むべき問題だ」と、一歩も譲らない。自分の意志を貫く強さ、情の厚さ、愚直の信念に感激した。また元妊婦や診療所看護師、仲間の医師などの優しさや情熱にも、何度か涙を誘われた。
    それにしても、昔の遊郭の女性たちの人生は、本当に苦しいものだったんだな、、、

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    2023年08月13日