石井光太のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「いま、国を動かしている政治家、実業家、あるいは発言力のある有名人を考えてほしい。彼らのうち、どれだけの人たちが日本で起きているリアルを知っているだろうか。
彼らの大半は格差社会の中で超エリートのレールを歩いてきた人たちばかりだ。そんな人たちが教育格差の底辺にいる子供の気持ち、夜の街で働く女性の気持ち、外国籍の不就学児童の気持ち、虐待を受けた障害児の気持ち、ひきこもりの気持ちをどこまで理解できるだろうか。それが難しいからこそ、抜本的な解決策を打ち出せないでいる。」
性別、世代、国籍、…さまざまな観点からの格差社会を描かれ、ティーンエイジャー向けに書かれているのでわかりやすく、かつ涙が出るほど -
Posted by ブクログ
原爆が落とされた広島を復興した男たちを描く。
人からバカにされ、自身が放射能に汚染されながらも原爆投下直後から瓦礫を収集し、どこに原爆が落とされどのような被害だったのが研究した長岡省吾(広島平和記念資料館初代館長)や、記念公園の設計に携わった丹下健三、公園の設置に向けて予算獲得や土地確保に奔走した浜井信三広島市長、原爆によるケロイドに苦しめられた高橋昭博らの活躍が紹介されている。
広島平和記念資料館では、「アメリカが憎い」といった恨みを後世に残すのではなく、人類として平和を追求するという、全世界共通の理念を人類による過ちを露骨に示すことで、今一度見つめなおす。本書を読み、生きてる間に一度は広島 -
Posted by ブクログ
太平洋戦争の戦災孤児。
空襲などで焼け野原になり、家族を失った孤児たち。
インタビューを通じて、その当時のことを洗い出したルポ。
上野「ノガミ」に集まってくる孤児たち。
寒さをしのぐため駅の地下道に集まり寝る場所もないなか過ごす。トイレに立ったら自分の場所はなくなる。
上野の繁栄は、闇市。
テキヤ、ヤクザ、愚連隊の暗躍。生活のためのパンパン。
彼ら、彼女らは、戦災孤児にやさしい。
孤児たちを手なづけたスリの親分は、金持ち。
戦中よりも戦後がより厳しさを増す。
戦場から兵士が戻ってきて人口は増えるのに、農作物などの生産は減っており、輸入も滞るなか、物資不足が発生。戦中に助けてくれた人々にも -
Posted by ブクログ
さすが石井光太。ホストの見方が変わりました。愛田会長が0から1を産み、零士さん、高見翔さん、森沢拓也さん、香咲真也さん、手塚マキさんが1を100にした。0-1も1-100も運と努力と時代ですね。
大魔神佐々木の奥さんの話が突然ぶっ込まれてホント驚いた。この波の中にいたんだね。愛田会長の相続問題の中に突然高岡早紀の兄が突然ぶっ込まれたのも驚いた。
そして最後のコロナ禍のホストの話も面白かったなぁ。店や従業員を守るためにやったこと。歌舞伎町という町と共存していく様とか、まさに進行形だもんな。以前の社会にはもう戻らない未来にホストがどう変容していくかが興味深い。しかし、ウチの娘には行かせたくないぞ -
Posted by ブクログ
ネタバレ年端もいかぬ小学生、恐らく10歳にもならない子が煙草を吸っている。
そんな衝撃的な表紙とタイトルに惹かれ、購入。一気に読みました。
私も、1970年代生まれの筆者と同世代。戦後世代です。生まれた時から戦争の雰囲気は周囲にありませんでした。学校や親から、戦争はよくないとか、食料の大切さをアフリカの難民等を引き合いに出して諭されてもピンときませんでした。頭では理解しますが実感・共感できない。
今、親となり子供を育てるにあたり、平和の有難みや食べ物の大切さを、空疎ではない言葉で語ろうとした時、このような本を読ませたら実にリアリティをもって子供に伝わるのではないかと思いました。それくらいビ -
Posted by ブクログ
非行少年少女の置かれている「厳しい現状」を更生施設や更生過程にある少年少女(元を含む)への取材も交えながらつまびらかにする一冊。
「厳しい現状」には親からの虐待のようなものから、友人・社会環境の悪さ、本人の能力的な問題、そしてなにより手を尽くしても「そうそう簡単に更生はできない」という現実、そんな多岐にわたる「厳しさ」が明らかにされる。
そして「加害者の被害者的側面」だけではなく、厚生施設側の立場、そして「そんな加害者の被害者家族」の思いなど、いろいろな立場から見た「加害者」の見られ方も取り上げる。
こういう問題を扱い本の中ではかなり救いのない方の一冊。でも、だからこそ納得する部分は多かっ -
Posted by ブクログ
石井光太『43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層』新潮文庫。
プロローグを読んだだけで物凄く陰鬱な気持ちになる非常に重たいノンフィクションだった。読みながら、こんな悲惨な事件があったことを思い出した。
2015年2月20日の未明、多摩川の河川敷で事件は起きる。3人の遊び仲間の少年にカッターナイフで全身を43箇所も切り付けられた上村遼太君は全裸で最後の一滴の命を振り絞りながら草地を這い、助けを求める。犯人の3人の少年たちの理不尽な殺害動機……
4年前に別れた元夫婦の失った子供を巡る冷戦……
全ての歯車が狂い、被害者の父親は加害者少年たちに強い殺意を抱く。しかし、これは当たり前の感情