石井光太のレビュー一覧
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さすが石井光太。ホストの見方が変わりました。愛田会長が0から1を産み、零士さん、高見翔さん、森沢拓也さん、香咲真也さん、手塚マキさんが1を100にした。0-1も1-100も運と努力と時代ですね。
大魔神佐々木の奥さんの話が突然ぶっ込まれてホント驚いた。この波の中にいたんだね。愛田会長の相続問題の中に突然高岡早紀の兄が突然ぶっ込まれたのも驚いた。
そして最後のコロナ禍のホストの話も面白かったなぁ。店や従業員を守るためにやったこと。歌舞伎町という町と共存していく様とか、まさに進行形だもんな。以前の社会にはもう戻らない未来にホストがどう変容していくかが興味深い。しかし、ウチの娘には行かせたくないぞ -
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ネタバレ年端もいかぬ小学生、恐らく10歳にもならない子が煙草を吸っている。
そんな衝撃的な表紙とタイトルに惹かれ、購入。一気に読みました。
私も、1970年代生まれの筆者と同世代。戦後世代です。生まれた時から戦争の雰囲気は周囲にありませんでした。学校や親から、戦争はよくないとか、食料の大切さをアフリカの難民等を引き合いに出して諭されてもピンときませんでした。頭では理解しますが実感・共感できない。
今、親となり子供を育てるにあたり、平和の有難みや食べ物の大切さを、空疎ではない言葉で語ろうとした時、このような本を読ませたら実にリアリティをもって子供に伝わるのではないかと思いました。それくらいビ -
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非行少年少女の置かれている「厳しい現状」を更生施設や更生過程にある少年少女(元を含む)への取材も交えながらつまびらかにする一冊。
「厳しい現状」には親からの虐待のようなものから、友人・社会環境の悪さ、本人の能力的な問題、そしてなにより手を尽くしても「そうそう簡単に更生はできない」という現実、そんな多岐にわたる「厳しさ」が明らかにされる。
そして「加害者の被害者的側面」だけではなく、厚生施設側の立場、そして「そんな加害者の被害者家族」の思いなど、いろいろな立場から見た「加害者」の見られ方も取り上げる。
こういう問題を扱い本の中ではかなり救いのない方の一冊。でも、だからこそ納得する部分は多かっ -
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石井光太『43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層』新潮文庫。
プロローグを読んだだけで物凄く陰鬱な気持ちになる非常に重たいノンフィクションだった。読みながら、こんな悲惨な事件があったことを思い出した。
2015年2月20日の未明、多摩川の河川敷で事件は起きる。3人の遊び仲間の少年にカッターナイフで全身を43箇所も切り付けられた上村遼太君は全裸で最後の一滴の命を振り絞りながら草地を這い、助けを求める。犯人の3人の少年たちの理不尽な殺害動機……
4年前に別れた元夫婦の失った子供を巡る冷戦……
全ての歯車が狂い、被害者の父親は加害者少年たちに強い殺意を抱く。しかし、これは当たり前の感情 -
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ネタバレ相対貧困と絶対貧困の比較
日本が該当するほとんどは相対貧困である
我々が貧困と聞いて想像するのが絶対貧困の方
この両者においての差異をさまざまなパースペクティブから読み解いたのが本書だ。
本当にいろいろなことを考えさせられる。
世界比較貧困学入門
絶対貧困(一日1.25ドル以下での暮らし・発展途上国)⇆相対貧困(単身所得が150万円以下・先進国)
世界では6人に1人が絶対貧困
日本は6人に1人が相対貧困
住居における貧困
絶対貧困 貧困が地区としてしっかりと区切られている(例スラムなど)→分離型都市
相対貧困 同じ地区に収入の異なる世帯が混在している→混在型都市
教育における貧困
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ネタバレ最初に手にした絶対貧困を読んで以来、機会があれば読みたいと思っていた著者の本を手にしたのは本書で2冊目です。
阪神淡路大震災を震源地に近い県内で体験し、震災直後に最も被害の大きかった地域にボランティアとして訪れ、手の空いた時間で近隣を歩き言葉を失った。
戦争を知らない世代ではあるが、戦地とはきっとこんな感じなのだろうと思えるぐらいの衝撃を受けた。
そして2011.3.11。
阪神淡路大震災は発生時間が夜明け前でもあり、夜明けと共に被災状況が明るみになってきたが、東日本大震災は違う。
リアルタイムでTV画面を通して映し出される被害。
世界中が息を止めた迫りくる巨大な津波と飲み込まれて -
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子を持つひとりの親としては、加害者の背景を少しは理解できつつも、許すことはできないと思う。
一方で、ひとりの人間として、加害者本人ではどうしようもなく事件を起こしてしまった場合もあり、加害者本人に罪を負わせたところで解決するものではないと理解した。
本書は、事件の加害者、被害者、加害者の更生に関わる人々、それぞれの側から背景や心情、取り組みが、とてもとても丁寧に書かれている。
本書で、加害者が更生期間を終えて戻ってきたとき、受け入れる側が受け入れなければ、また同じことの繰り返しになってしまうため、受け入れる必要はある。一方で、その対応が被害者の家族を苦しめる、という記述がある。
せめて加害