石井光太のレビュー一覧

  • 世界「比較貧困学」入門 日本はほんとうに恵まれているのか

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    ネタバレ

    相対貧困と絶対貧困の比較

    日本が該当するほとんどは相対貧困である
    我々が貧困と聞いて想像するのが絶対貧困の方

    この両者においての差異をさまざまなパースペクティブから読み解いたのが本書だ。

    本当にいろいろなことを考えさせられる。

    世界比較貧困学入門
    絶対貧困(一日1.25ドル以下での暮らし・発展途上国)⇆相対貧困(単身所得が150万円以下・先進国)
    世界では6人に1人が絶対貧困
    日本は6人に1人が相対貧困

    住居における貧困
    絶対貧困 貧困が地区としてしっかりと区切られている(例スラムなど)→分離型都市
    相対貧困 同じ地区に収入の異なる世帯が混在している→混在型都市

    教育における貧困

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    2020年07月30日
  • 遺体―震災、津波の果てに―(新潮文庫)

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    震災直後の岩手県釜石市の遺体安置所で様々な形で遺体と向き合った人々の記録。
    これほど読みながら胸が苦しくなるのは初めてかもしれない。途中で読むのをやめようかと思ったが、使命感のような気持ちで読み終えた。
    事実のみが淡々と綴られている。だからこそいかに壮絶な現場だったのかが伝わってくる。登場する人物はみな地元の住民であり、彼らもまた被災者なのだ。
    もっと早くに読むべきだったのかもしれないが、今更でも報道だけでは知ることができなかった事実に向き合えたことには価値があるはず。
    人の尊厳とは何かを示してくれる傑作ノンフィクション。

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    2020年06月30日
  • 遺体―震災、津波の果てに―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    最初に手にした絶対貧困を読んで以来、機会があれば読みたいと思っていた著者の本を手にしたのは本書で2冊目です。

    阪神淡路大震災を震源地に近い県内で体験し、震災直後に最も被害の大きかった地域にボランティアとして訪れ、手の空いた時間で近隣を歩き言葉を失った。

    戦争を知らない世代ではあるが、戦地とはきっとこんな感じなのだろうと思えるぐらいの衝撃を受けた。

    そして2011.3.11。

    阪神淡路大震災は発生時間が夜明け前でもあり、夜明けと共に被災状況が明るみになってきたが、東日本大震災は違う。

    リアルタイムでTV画面を通して映し出される被害。

    世界中が息を止めた迫りくる巨大な津波と飲み込まれて

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    2020年05月31日
  • 遺体―震災、津波の果てに―(新潮文庫)

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    新型コロナが世界的に流行してるせいか、生死について考える時間も多くなり、長く積読していたこの本をようやく手に取ることが出来ました。

    釜石市の遺体安置所で、震災当初から奮闘していただいた様々な方々を時系列に、そしてリレー形式で書かれているので、非常に読みやすい本ではありました。

    私自身、母親であるので、やはり子が亡くなるケースは涙無しでは読み進めることができませんでした。
    私は被災者ではありません。だからこそ、当時の事を思うと軽々しく感想など言えません。
    ただ風化はさせてはいけないと、強く再認識させられました。

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    2020年05月06日
  • きみが世界を変えるなら 言葉を武器に変えて

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    子供の頃に出逢いたかった。そして、あと数年したら子供と読みたいと思いました。小学校低学年でも読みやすいのではないかな。

    悩みを抱えた子供たちへ、それぞれのケースにロールモデルとなるような人たちを紹介しながら、どう乗り越えたかを教えてくれます。

    思ってるだけでは何も変えられない。言葉に出して、発信して、伝える。それが、言葉を武器に変えるということ。具体的に言葉が武器となって、夢を叶えた人々の物語には本当に勇気づけられます。

    どうか、悩める子供たちにこの本が届きますようにと祈らずにはいられません。

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    2020年03月23日
  • 浮浪児1945-―戦争が生んだ子供たち―(新潮文庫)

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    「浮浪児たちの人生から生きることの意味を考えることは今の私たちに必要なはず」。著者の問いかけにうれしそうに微笑む元浮浪児の男性。
    戦争を経由し様々な理由で親と別れて上野に集まった子供たち。なんとか食いつなぐ道を見つけ、たくましく路上で生き残っていく者たち。
    そんな子供たちを引き取り、育てあげていく「愛児の家」の石綿きたよさん。1人、2人の子育てに四苦八苦している現代から考える時。子供好きで世話好きなキャラクターに思いが巡らされる。
    その娘さんや「愛児の家」の卒業性へのインタビュー。昔を思い返す時の感慨はいかばかりか。

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    2019年12月21日
  • 虐待された少年はなぜ、事件を起こしたのか

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    石井氏の書籍はいずれも取材が丁寧だ。少年犯罪の被害者家族・加害者そしてその治療環境をバランス良く問題提起まで含めて記してある。

    矯正施設を出所した後の居場所作りをどうやって作っていくか? そこが一番の問題になるんだろうけれど、そのヒントとなる部分にも触れてある。

    読むと思わず重い溜息が漏れるほどに絶望的な内容が満載なのだけれど、これが現実なのだろう。

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    2019年12月01日
  • 虐待された少年はなぜ、事件を起こしたのか

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    子を持つひとりの親としては、加害者の背景を少しは理解できつつも、許すことはできないと思う。
    一方で、ひとりの人間として、加害者本人ではどうしようもなく事件を起こしてしまった場合もあり、加害者本人に罪を負わせたところで解決するものではないと理解した。

    本書は、事件の加害者、被害者、加害者の更生に関わる人々、それぞれの側から背景や心情、取り組みが、とてもとても丁寧に書かれている。

    本書で、加害者が更生期間を終えて戻ってきたとき、受け入れる側が受け入れなければ、また同じことの繰り返しになってしまうため、受け入れる必要はある。一方で、その対応が被害者の家族を苦しめる、という記述がある。
    せめて加害

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    2019年10月14日
  • 浮浪児1945-―戦争が生んだ子供たち―(新潮文庫)

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    朝ドラのなつぞらを思いながら読みました。社会の貧しさやひずみの一番の犠牲になるのは、弱い存在である子供たち。

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    2019年08月18日
  • 物乞う仏陀

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    内容
    アジアの路上で物乞う人々と触れ合い、語り合ってみたい―。そんな思いを胸に、著者の物乞いや障害者を訪ねる旅が始まる。カンボジアの地雷障害者やタイの盲目の歌手、ネパールの麻薬売人らと共に暮らし、インドでは幼児を誘拐して物乞いをさせるマフィア組織に潜入する。アジアの最深部に分け入った衝撃のノンフィクション。

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    2019年07月09日
  • 遺体―震災、津波の果てに―(新潮文庫)

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    当時の状況はこういった本や話を聞くことからしかもうわからない。文章で綴られる当時の様子に、感情がかき乱されました。自分の中でも風化させないように、日本全体としても風化しないようにと思うばかりです。

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    2019年03月19日
  • 世界の美しさをひとつでも多く見つけたい

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    貧困を主なテーマにデビューしてはや14年。物乞う仏陀を読んだ最初の衝撃は今でも思い出せます。
    自分から現地の人々に立ち交って、泥と汗にまみれて取材するスタイルの出来たいきさつや、子供の頃から今に至るまでのコンプレックスるや苦しみ、とことんまで自分を追い込んで、精神的に崩壊しそうになりながら取材したあらゆる苦しみの形。そんな貧困の中から生まれる優しい光を誰かに伝えたいという使命感が胸を打ちます。打たれ過ぎてあばらが折れるのではないかと思うほどでした。
    印象的だったのは、どんな境遇にあっても、誰の胸の中にもある「小さな神様」「小さな物語」の存在でした。本当に神に祈るわけではなく、どんなに困窮してい

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    2019年02月12日
  • 『遺体』それからの物語

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    遺体とそれから、について。

    3月11日、私は遠く九州にいて何気なくテレビをつけた。最初、映像が事実だと思えず、何か映画のワンシーンなのかと思った。
    事実とわかった後ショックで暫く動けなかった。
    その後、日本赤十字を通じて寄付をしたり、某大手薬局で買い占めた生理用品を被災者へ無事届くよう祈りつつ送ったりした。
    全国からの支援金や自衛隊の方々、ボランティアの方々が現地へ行かれたと思う。
    しかし、私個人の支援はあくまで生き残った被災者がたの取り敢えずの生活の為で、御遺体については浅はかにも考えていなかった。ただ、新聞に掲載される御遺体、行方不明者の人数が日々増えていくのを痛ましい思いで見ていただけである。人が亡くなれば、御遺体

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    2019年02月01日
  • 浮浪児1945-―戦争が生んだ子供たち―(新潮文庫)

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    浮浪児1945‐: 戦争が生んだ子供たち。石井光太先生の著書。戦争によって一番苦しむのはいつの時代だって弱者である女性や子供たち。読んでいて涙が止まらなくなる内容でした。このような悲惨な経験を余儀なくされた浮浪児を生み出す戦争は絶対に繰り返してはいけません。

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    2018年12月28日
  • 蛍の森

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    家や故郷を追われたハンセン病の人たちが行く当てもなく四国遍路を延々と続ける過去があったことは知っていた。しかしそれは一般の遍路道ではない。カッタイと呼ばれ蔑まれながら人目につかないように移動したり、死体の処理など人々が嫌がる裏方仕事をすることでしのいでいかなければならなかったとは。信仰や発願成就の意味合い以上に、どこにも行けず堂々巡りをしていた人たちが、ほんの最近ともいえる昭和30年代くらいまで存在していた。
    物語はハンセン病の人たちが受けた苦しみ、不条理を色濃く描き出す。現代の失踪・殺人事件に過去が絡んでくるミステリー小説の体だが、ミステリーの色よりハンセン病の人たちが苦しむ姿にうまく焦点が

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    2018年07月08日
  • 物乞う仏陀

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    著者が東南アジアから南アジアにかけての国々でホームレスのような障害者と出会ってのルポ。先天的な身体障害者、知的障害者もいれば、稼ぐために手足を切断されたような子どもたちも出てくる。子どもたちの手足をほんのいっとき稼がせるために奪い、使い捨てのように扱うようなことがこの世の中で起こっている不条理。「物乞う仏陀」という美しいタイトルとしっかり練られた文章と構成にぐんぐん読んでいけるのだが、それだけにちょっとあざといような感触も。
    何かというと売春したりスケベ話をすることで男どうし渡りをつけていくのって、それが真実なんだろうけど嫌悪感。実際そうなんだからしょうがないじゃん的にしっかり利用している感じ

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    2018年06月02日
  • 蛍の森

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    山奥の集落で起きた老人たちの失踪事件。養父の殺人未遂で服役経験のある父が関わっているのか、60年前の悲劇との関係は。
    ハンセン病患者が隔離され、差別されていた時代の患者たちの苦しみや悲しみが重い。伝染力の強い病気だと思われていたことや患者の症状が外見に出やすいこと、国の政策であったことから、本当にどれだけ大変だっただろうと思うと辛い気持ちになる。話自体はフィクションとはいえ、同じ過ちは繰り返さないようにしないとと思う。
    ミステリとしては、殺人のくだりがちょっと安易すぎる気もするが、最後のサプライズは何だか府に落ちて、よかった。ミステリ好きだけでなく、ハンセン病について知りたい人にも読んでもらい

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    2018年05月03日
  • 絶望の底で夢を見る

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    石井光太『絶望の底で夢を見る』徳間文庫。

    『東京千夜』の改題文庫化。

    東日本大震災以来、いつも死や災害がすぐ隣に居るような感覚をうっすら抱いている。その感覚は何年経とうが消えることはないだろう。世の中は欺瞞に満ち溢れ、何が起きてもおかしくない時代。まさかこんな時代が来ると誰が予想しただろう…

    災害だけでなく、様々な事情や不幸により現代社会は常に孤独や死と隣り合わせであるのではないかという考えが頭の中に浮かんでくるような恐ろしい短編ドキュメンタリーであった。過酷な運命を背負い、自ら死を望む人びと、様々な不幸による肉親の死を悼む人びと。そんな人びとの物語が綴られる。

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    2018年04月14日
  • 物乞う仏陀

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    本当にこれは現実のこのなのか疑ってしまうような内容。特に最後のインドの話は、マフィア物のフィクションを読んでいると思い込みたくなるような内容だ。しかし、そんな現実も実際にあるのだということ。自分が生きているこの時代に場所を変えれば、日本でだってそのような非情なことは沢山あるのだろう。それを知ったところで私がなにを出来るわけではない。しかし、知らないで良いということにはならない。
    知ったからと言ってどうにもできない、、、。う〜ん堂々巡り。

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    2018年02月25日
  • 蛍の森

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    解説にもある通り、やるせなさを感じた。ハンセン病は教科書で表面上だけ習ったのみで詳しいことはあまり知らなかった。だが本書を通じて、未だに苦しみが続いていることを知った。ネットで気になり検索してみたが本書ほど詳しい情報は載っていなかった。今自分にできることは何かあるのかということを考えるきっかけになった。著者のノンフィクションの作品を数々読んできて、初めてフィクションを読んだ。帯にはノンフィクションを超えたフィクションと書かれていたが、ノンフィクションを超えたという表現が少し引っかかる。ノンフィクションもフィクションと同じ、ノンフィクションというジャンルの物語だという風な感じがあり、ノンフィクシ

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    2017年10月29日