石井光太のレビュー一覧
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安心の石井光太クオリティ。今回も面白く読ませていただいた。
日本に住む外国人たちが、どうやって生活をして、何に悩み、苦しんでいるかが感じ取れた。意外なのは東京だけではなく、群馬や静岡といった郊外にも広がっていってるという事。地域の住民との軋轢もあると思うので、移民や外国人労働者の、受け入れが進むともっと大きな問題になるだろうので、今時点での課題に取り組んでいかないとひどい事になりそうだわ。逆に今取り組み土壌を作ってしまえば後から来る人たちも日本にあわせやすくなるんではなかろうかね?
外国人が死んだ時の移送方法には驚かされたし、そこにも宗教が大きく影響するのだな。
韓国人売春婦は噂ではなくホント -
Posted by ブクログ
本書は、2011年3月に発生した東日本大震災において大きな被害を受けた、釜石市の遺体安置所を舞台にしたルポ。あの日奪われた統計学的な数の命と、この世に残されたおびただしい数の遺体。それらは大きな混乱と悲しみの中で、被災者自身の手によって供養され、葬られた。このことは、大手メディアによって詳しく報道されることはなかった(と思う)。
著者・石井光太は、震災後すぐ遺体安置所に入り、そのあまりに過酷な現実をつぶさに観察した。遺体回収にあたる自衛官や市職員、検体にあたる地元の開業医たち。もちろん彼らが顔見知りの変わり果てた姿に出会うこともしばしばだ。その悲しみは、想像することなど決してできない。
遺 -
Posted by ブクログ
石井光太のルポルタージュは、常に陰陽の陽の部分よりも、陰の部分にスポットを当て、対象の本質を読者に伝えている。この作品も同様で、東日本大震災直後の被災地の陰の部分を隠すことなく正直に描いている。文章という極めて少ない情報量でテレビの報道などよりも、確実に真実を伝えているように感じる。
津波により破壊尽くされた街の描写、行方不明の親族、知人を捜す人びと、あまりにも突然の悲劇に取り乱す人びと、被災地での犯罪、被災者の苦悩と戸惑い…
自分も沿岸部に移住して数年の両親の安否を確かめるために震災の1週間後、可能な限りの食糧や水、生活用品を車に積んで被災地に行った。読んでいて、あの時に見た信じられない -
- カート
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試し読み
購入済みおすすめします。
読みやすい文体ですが、内容は重いです。人によってどのように感じられるかは分かりませんが、続編も含めて、一度触れてみる価値のある世界観だと思います。
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[2014.11]貧困の中で生きる人たちについて複数の視点からまとめられている。児童労働、教育、児童結婚、ストリートチルドレン、子ども兵、エイズといったそれぞれの現状とそれが起きている背景にある要因について、著者が現地で取材した具体的な内容を元に書かれている。
1つの問題を解決しようと考えても、連鎖的に複数の社会的問題が絡み合っている貧困の現場。
全ての問題を解決することは出来なくても、1人の孤児あるいは1つの事象と真摯に向き合っていけば、必ず道は開けると感じることが出来る力強いメッセージが込められている。
世界の貧困、国際協力に興味があるけど、何をすれば良いか分からないと言っている人に超オス -
Posted by ブクログ
統計や、単純理論に終結させる
マスメディア式発想では、
決して自分に落とし込めない世界の実情…
寄付はしているけど何もできていない気がする自分へ、
もう一度〆の言葉。
みなさんのなかには、そのどうしようもない現実を目にして
途方に暮れる方もいたかもしれません。
しかし、あなたは世界の大問題をなにも一人で解く必要はまったくないのです。
どんな天才でも、そんなことをできるわけがありません。
大問題を解決しようとするのではなく、あなたが向き合えると思うたった一つの出来事に対峙し、
自分に何が出来るかを考えることが大切なのです。
中略
私は、あなたが問題の難しさに絶望するのではなく、
その -
Posted by ブクログ
スラム貧困街や被災地など、文明も社会保障もない本能むき出しの人間が生きる場所を取材し、住人たちの声を書き続けるライターの自伝。
著者の作品を読んだことがある人なら、おそらく持つであろう疑問。なぜ、そんな危険を犯してまで書くのかという点に答えている。
その答えはズバリ、タイトルにある。貧しく悲惨な場所でも人は生きようとする。未来には絶望しかなく、死んだ方がマシという状況でも、人は妄想で都合の良い「小さな神」を生み出し、それにすがる。そこから生み出される生命力を著者は何よりも美しいと感じる。そして、自分の心を突き動かされたことを人に伝えたいと思う。それが、著者の揺るがない作家精神だ。