無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
太平洋戦争の戦災孤児。
空襲などで焼け野原になり、家族を失った孤児たち。
インタビューを通じて、その当時のことを洗い出したルポ。
上野「ノガミ」に集まってくる孤児たち。
寒さをしのぐため駅の地下道に集まり寝る場所もないなか過ごす。トイレに立ったら自分の場所はなくなる。
上野の繁栄は、闇市。
テキヤ、ヤクザ、愚連隊の暗躍。生活のためのパンパン。
彼ら、彼女らは、戦災孤児にやさしい。
孤児たちを手なづけたスリの親分は、金持ち。
戦中よりも戦後がより厳しさを増す。
戦場から兵士が戻ってきて人口は増えるのに、農作物などの生産は減っており、輸入も滞るなか、物資不足が発生。戦中に助けてくれた人々にも余裕がなくなっていく。
そんな過酷な中、子どもだけで生きていくことの悲惨さ。
戦争は戦場だけではなく、生活する弱者も徹底的に苦しめる。
孤児院に保護されても、そこでは食糧不足している中、朝から晩までの労働をさせられる過酷な環境が多かったという。
皆、施設に入らないように抜け出て、路上生活に戻る。
今現在の概念から想像できる範囲を大きく超える状況。
筆者がインタビューで掘り起こしたところに大きな価値を感じる。
後半は、女手一つで運営した「愛児の家」を中心にインタビューされる。
資金もない中、孤児たちのために奔走するママさん(石綿さたよ)。
その信念に感服。
子供たちがいまだに施設を運営している。
元孤児のその後も多種多様。
成功した者、アメリカに行ったもの、行方知らずのもの。
元浮浪児へのインタビューの以下のフレーズが印象に残った。
_________________
「あの時代に上野で生きた子どもはみんな、生きることへのがむしゃらさを持っとったわ。俺みたいな浮浪児は弱かったから、そうやって生きていくしかなかった。それが良いことにもなれば、悪いことにもなるけど、学もなければ、体力もない俺たちにはそれしか生きる術がなかった」
上羽の言う「がむしゃらさ」には様々な意味があるにちがいない。
「若い人は、がむしゃらっていうのは格好悪いと思っとるのかもしれんね。でも、本当はそうじゃない。人が生きるっていうのはしんどいことなんやわ。しんどいことの連続。次から次にに大変なことばっかりやってくる。やで、人間はがむしゃらになんなきゃ、それを超えていくことができんの。その時に必要なのは、仲間への信頼や、へこたれない心なの。それが大切なんやわ」
私は話を聞きながら、これまで元浮浪児たちから聞いた話を思い出していた。上野の町で、子どもたちは生きるためにあらゆることをしなければならなかった。仲間との助け合い、窃盗やスリといった犯罪、施設の大人たちへの抵抗、パンパンへの愛情……そこには良いことも悪いこともすべてひっくるめた、地べたを這いつくばるようなむき出しの人生があった。
__________________
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
少年・青年マンガ
少年・青年マンガ
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
試し読み
小説・文芸