石井光太のレビュー一覧
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鬼畜っていうか、当の本人らは、子を愛してるとの認識か…
何か、ゴソッと何かが抜けてる…
常識というか、ごく普通に思える事がそう思えない…
ここでは、3件の事件を追っているけど、共通してるのが、それ。
作者は、その原因を事件を起こした親達の育てられ方が、このような子育て出来ない親達(多分、子育てだけやないんやろうな)を生んだと考えてそう。(あくまで、私が読んで思った事なんで、本当かどうか分かりません。)
劣悪な環境で、生まれた時から、育って来たら、表面上は普通でも、何かが抜けるもんなんかな…
それは、親から自分を守る為の防衛本能みたいな…
だからと言って、そんな事を理由に事件を正当化出来る訳や -
Posted by ブクログ
これとても良い本だった。
中高生に向けて今起きている貧困、格差、そして持つ者と持たざる者の分断をわかりやすく教えてくれる。
格差は自分の属する階層には視野が届きやすいのだが、下の階層で何が起きているのか、どういった理由でそういうことが起きてしまっているのかは見えにくかったり、偏ったバイアスでものを見てしまったりしてしまう。
昨今、よく言われる”自己責任”なんて言葉もまさにそうだ。あなたがその階層にいるのは自己責任だ、自業自得だと言っても、実態はそうでなかったりする。
こんな状況になってるのは政治の責任なので、本来なら国が主導で格差の解決に動かなければいけない。
国民が"自己責任&q -
Posted by ブクログ
読むのがただただ辛かった
ケーキを切れない非行少年たちと一緒に読むと思うところがより大きいと感じました。
このような家庭で育った子供も、もしかしたら将来こういったレベルではなくともうまく家庭関係を作れないという事態は起こりうるわけで、万が一そうなったときには責められる側にいつのまにか変わってしまうわけで。そうならないことを祈り、そうならないための公助が必要と切に思いました。
親自体は如何ともしがたいというのが率直な印象ですが、言い方は難しいですし冷たいようですが親と引き離して適切な環境を提供できる制度は必要な気がしている。共助の範囲で力になれることがあればしたいと思いました。 -
Posted by ブクログ
著者はノンフィクション作家であり、この本は、著者が実際に見聞きした体験を基にした短編集ですが、それぞれの短編の内容が非常に濃いように思いました。
特に印象深かったのは、HIVに罹患してしまった夫婦の再生の物語と、東日本大震災で妻を亡くしてしまった夫の物語でした。
HIVに罹患していることが判明し、妻をなじる夫・・・
夫婦関係が最悪になり、離婚の文字も浮かぶ中、ある出来事が起こります。
この時の人間描写がものすごく秀逸で、この夫婦に感情移入してしまうこと請け合いです。
また、東日本大震災で妻を亡くしてしまった夫の物語でも、夫婦愛というものを感じずにはいられませんでした。
人はいつ死ぬか分か -
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貧困が子どもに与える影響、貧困がどうやって生まれるのか、貧困の連鎖、海外と日本の貧困の違いが統計や著者のインタビュー経験などから、数値・事実をもと説明・解説がなされており、非常に分かりやすかった。本書の対象は学生だが、30代の自分が読んでも勉強になった。全世代が読むべき本だと思う。
特に印象的だったのは、貧困は当事者だけの問題ではなく、回り回って結局は社会全体、つまり貧困ではない者にも影響を与えるということ(税金負担や犯罪の増加など)が国内外の実例をもとに分かりやすく説明されており、そういう意味でも全ての人が関係する問題である。
全体的に数値やインタビューなどの事実に裏付けされた説明が多く、も -
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ネタバレ初めから事件が詳細に書かれていて読むのをやめようかと思うほど胸が苦しくなる事件。
子供の頃って自分の今いる世界が全てだと思っちゃう。すごく狭い世界。
加害者側にも複雑な家庭環境があって、社会の手の届かないところで起こってしまった事件。
お父さんの発言はすごく心に残ってる。加害者に対して、なら何で生きてるの?自分の手で殺してやりたい等。親なら同じことを思うはず。
法律は変わらないから、せめて自分の周りに異変が起きていたら声をかける、周りに知らせるようにしたい。
ネットやゲームでしか繋がれない関係って今の時代結構ある。それ以外で深く信頼関係を築いていくのは大事だけど、悪いことに巻き込まれないように -
Posted by ブクログ
石井光太『世界と比べてわかる日本の貧困のリアル』PHP文庫。
途上国の貧困の実態と比較しながら、日本の貧困について明らかにするノンフィクション。
途上国の絶対的貧困に対して、日本の貧困は相対的貧困であり、貧困の形態が異なる。世界第3位のGDPを誇る日本は先進国の中でワースト4位の貧困国であり、日本人の6人に1人が貧困層なのだ。
途上国の貧困層は社会的なルールの甘さやコミュニティ内での相互扶助により、ある程度暮らしていけるのに対して、日本の貧困層は社会的なルールの縛りやコミュニティの欠如により、公的補助は受けられるが、基本は自助努力で暮らさねばならない。
日本の生活保護で支払われる金額が -
Posted by ブクログ
世界は7億人以上が、日本でも6人に1人が貧困にある。貧困は自己否定感を生み、心のガンとなる。それは社会全体の困窮にも繋がっていく。自己責任では済まされない。私たちの社会の何が貧困を生み出しているのか。人生を切り開くには、何が必要なのか。社会のリアルを見つめ、輝かしい未来を手に入れるための熱い講義。
とても考えさせられる
洋画で観た光景が浮かぶ
フィクションのように思ってしまうが これが現実なんだな
自分の年齢や収入と見比べてました
年齢や体力的にこれ以上働くのは無理なので これ以上の収入は望めないけど それならそれでそれなりに自分のやりたい事を割と出来てる自分はこれでいいのだ!と思って -
Posted by ブクログ
本屋さんで平積みされていて気になったので。
シンプルで分かりやすいタイトルと少しポップな装丁に魅力を感じた。
小さく16歳からの〜と書いてあったから気づかなかったけどそのサブタイトル通り読みやすく事実は述べてるものの暗すぎない雰囲気が良かった。イラストも可愛らしい。
この社会には育ちや生まれや性別、国籍、職業で分断があり現状を知らないから相手の立場を想像できずお互い分かり合えないことを書かれている。
実際の話や事件なども取り上げつつ話してくれるので結びつけやすかった。
最後の「一人一人が起きてることに問題意識を持ち溝を埋める努力をすることでしか負のスパイラルを止められない」とあってその