石井光太のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1980年代以降、工場での単純労働、農作業、建設現場や風俗産業に受け入れてきた移民。ベトナム戦争後のインドシナ難民、80年代~90年代の中国残留日本人、90年代の南米日系人、80年代から2000年代のフィリピンパブ「ジャパゆきさん」、2000年代以降の技能実習生のベトナム人などが取り上げられている。それぞれの国の移民の歴史・背景を紹介し、特に2世の人たちに焦点を当て、個別にインタビューしその軌跡を追っている。特に非行化した人たちに話を聞いたという部分はあるのかもしれないが、彼らについて言えばそれ以外に生きる道はなかったということは理解できる。母国から連れてこられた場合には日本語がわからず、学校や地域の受け入れ態勢もなく親にはネグレクトや虐待を受けるなど「まとも」に育ちようがない。また日本で生まれた場合には差別され、母国の言葉も文化もわからず親は母国に帰れても自分は帰ることもできない。改善されつつはあるものの、彼らをきちんと受け入れる態勢を作ることは、移民に頼らざるを得ないこれからの日本に必要なことである。
【目次】
第一章 外国人ギャングというコミュニティ――ブラジル 、ペルー
第二章 外国人パブの子どもたち――フィリピン
第三章 成り上がった殺し屋の息子――コロンビア
第四章 日本鬼子(リーベングイズ)と呼ばれた男の生き様~中国
第五章 不良移民の最前線――ベトナム
第六章 差し伸べた手は届くのか――児童福祉 -
Posted by ブクログ
秋葉原通り魔事件(直接の関係は無いかもだけど)や9年浪人して母親を殺した事件など虐待の末に加害者となるケースがあるがこうした虐待が無ければ防げたとは思う。親の学歴が低くて子にそうはならないようにさせるパターン、親の学歴が高くて同じようにしたくてさせるパターン、周囲の親がやってるからさせるパターン、親自身が発達障害によってさせるパターンなど不幸への入口は多岐にわたる。子どもへの愛情と言いつつトイレにも行かせないのは酷い。子ども部屋で無く拷問部屋といえよう。
色々なパターンがあるが親も高難易度資格を目指して猛勉強していて子どもと机を並べているというケースは見当たらない。口だけ出してきて頭が愚劣な親のケースが悲惨すぎる。もちろん勉強しないよりはした方が良いに決まっているが身の丈に合わないやり方も考えものであると思った。 -
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石井光太『ヤクザの子』新潮文庫。
『ヤクザ・チルドレン』を改題、大幅加筆修正。
暴力団の家庭に生まれたが故に様々な苦難を味わう14人のヤクザの子の証言により構成されたノンフィクション。
かなり衝撃的な内容だった。特に覚醒剤に溺れる親を持つ子供の人生は悲惨だ。クスリが切れると血だらけになるまで殴られ、学校ではヤクザ家庭と白い目で見られ、社会人として普通の職業に就くのも困難なのだ。
女の子であれば、レイブや母親にソーブに売り飛ばされたりとさらに悲惨な人生が待ち受ける。
戦前、終戦直後であれば、警察では目の行き届かない裏社会の抑止力となった暴力団であるが、暴対法などが施行され、国家権力による締付けが強化されると事情は大きく変わる。合法的、或いはグレーゾーンのシノギの場はどんどん奪われ、組織の末端となれば、貧困に苦しむことになる。そうなると薬物売買などの非合法なシノギに手を染めざるを得ないのだ。
昔、学校の同級生や先輩で親が暴力団というのが2人くらいは居た。中でも親が暴力団という先輩は一家全員が空手の有段者で、某国営放送のローカルニュースでそれが街の話題として取り上げられていたのには笑ってしまった。まだ暴対法など無い時代の話である。
本体価格710円
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20歳すぎたばかりだし、子どもの頃の周りの様子をはっきり覚えているわけではないけれど、現在児童クラブアルバイトのわたしがこの本を読んで↓
・この本に出てくる‘遊び方がわからない’まではいかなくとも、1人遊びをする子が多い
・何人かで固まっていてもそれぞれ1人で遊んでたりする
・低学年女子、ごっこ遊びを全然やらない
・他の子が話してるところに被せて「自分のこと」についてたくさん話す
この辺りは本で紹介される様子に似たものかなと思った。
自分がもし子供を育てるなら、人対人の関わりを大事にする環境に身を置きたいと思う。
けど、周りの子がスマホ育児で育ってきたら自分の子がはみ出し者として扱われるのでは?とも思うから難しい問題だなと思った。
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保育園、小学校、中学校、高校、とそれぞれの区分で先生などから丁寧に聞き取った現状をデータを交えつつ提示してくれる「子どもたちの今」
肌感覚として私が感じてるものと近くて子育てしている身として苦い気持ちになったりしつつ読み進めました。
まずは保育園の章。
はいはいしない子どもが増えてる(家が狭い、散らかっててスペースがない)ことにより体幹の弱い子が多いとの記述にドキりとした。
子どもが騒ぐことに敏感な社会だから、子どもが静かになるスマホは確かに便利。記載のとおり、イクメンと言われる男性でも実状はスマホ頼りの育児になっている人もいる。
うちも夫が積極的に動画を見せている。私だって家事の間に動画を見ていてくれると助かる。
でもそういったことの積み重ねが、子どもに動画のない生活に戻ることの難しさを植え付けているのも事実だと思う。そしてその影響は大きいのだと思う。
それから育児をして初めて知った、例えば「赤ちゃんの入浴後には白湯を飲ます」といった親世代では常識だったことが今では否定されている、ということがあまりに多く、ネットの情報を探す日々は私の親世代の子育てとで出しから大きく違う。
親世代の話す「家の前で子どもたちを遊ばせてる間に母親同士お喋りしてた」なんて日々は今後もこないだろうけど、そういった子ども同士の関わりが子どもにとってすごく重要だったんだろうと本書を読んでいて思う。
小学生以降の章を見ても、コミュニケーション能力の低下からくるエピソードはどれも現実的で、スマホだけに留まらず私が育った頃と社会があまりにも違いすぎて、そしてその変化が速すぎて、親子も教育機関もまるでついていけてない現状が色濃く感じられた。
スマホがない時代には戻れない中でのスマホ(SNS)との付き合い方は親子だけの問題じゃないからこそ今後どうしていくのがよいのか考えあぐねてしまう。
格差も広がっていく一方なんだろうな、という感想は本書を読んでも強まった。
ミクロでは自分の子どもが未来に希望が持てるような子育てとはどんなものか考えさせられたし、マクロでは大人としてこの社会で何をしていくことが子どもたちの明るい未来に繋がるのだろうかと考えさせられた。
コロナを経た現在の子どもたちの様子をとてもよく表している良書だと思いました。
確かにヘルメットや流動食等は私の周りでは見ない。けれど、こんな、オーバーでしょ、と笑えないくらい私の生きてる世界と地続きだなと感じるのでした。 -
Posted by ブクログ
スマホによる弊害とは言い切れない部分も多々あること、全国的にもかなり極端な事例を集めていることを加味しても、かなりショッキングな現代社会の教育現場がまとめられている。
個人的にも思い当たる節があることも多く、現状でこれなら将来的にどうなってしまうのだろうかと思う。著者もこの現状に対し、具体的な解決策や提言があるわけではない。取材を通して見えてきた現代の一面を見せてくれた本である。
1番印象に残ったのは保育園・幼稚園での事例で、ヘッドガードをする子ども、床に座れない子ども、流動食を食べる子どもたちは信じられないと思いながら読んだ。
その子達が小学校に上がり、中学生になり、高校生になり社会に出てくる。その結果、どのようなことが起こるのか。本書ではその様子も取材されている。
子どもたちと関わるあらゆる職に就く人、親たちにはぜひ読んでほしい。 -
Posted by ブクログ
ノンフィクションの書き方の本。著者は、社会問題を中心に多くの本を上梓するノンフィクション作家。本を書く心構えから、取材や人との接し方、書き方のテクニック、ライターとしてデビューするまで、様々な作家の作品や事例を紹介しながら、本の書き方を指南する。
ノンフィクションは、事実と考察を並べただけではいけない。読者に読ませるような工夫も必要で、構成やストーリー展開を考えるのは小説と同じ。言葉を削り、わかりやすい表現で、12歳の子供にも理解できるように書くことが重要と解く。
ノンフィクションを想定しているが、仕事の業務マニュアルにも応用 できそうな本だと思う。 -
Posted by ブクログ
audible27冊目。
我が子を虐待し殺害してしまう事件はよく覚えているつもりでしたが、この本に取り上げられた事件については、すべて記憶にありませんでした。
どれも、詳しい経緯や実態を知れば知るほど「鬼畜」だと感じ、忘れられないような事件なのに…
もしかすると、その凄惨さから、テレビでは詳しい内容まで報道されなかったのかもしれないし、あるいはわたし自身が、「またこんな事件があったのか」と感じただけですぐに忘れてしまったのかもしれない。
いずれにしても恐ろしく、悲しいことです。
幼い子どもを死なせてしまった責任をなすりつけ合う親の言動に怒りを覚えましたが、その親たちの生育環境を辿ると、さらにその親に大きな問題があったことにも気付かされます。
事件の真相を追うだけでなく、このような悲しい事件をなくすためにはどうしたらいいのか、を考える機会を与えてくれます。
特に、救済を求める母子を支援する団体の活動が取り上げられていたところがとても印象的でした。
このような活動をしてくださっている方々のおかげで、親も子も救われていくんだなと思いました。
こういった活動を充実させるための助成金の支給や、さまざまな体制の整備や周知などの必要性を痛感しました。