二階堂黎人のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
二階堂黎人の連作ミステリ短篇集『名探偵水乃サトルの大冒険(英題:)』を読みました。
二階堂黎人の作品は、2月に読んだ『増加博士の事件簿』以来ですね。
-----story-------------
金田一耕助を超えた!? 二枚目“変人”探偵登場
名作『本陣殺人事件』の犯人は別人だ!読者のド肝を抜く作品集。
長身、美形の水乃サトルは旅行会社課長代理。
だが、度を越した多趣味と奇行から社内では変人の烙印を押されている。
部下の新人OLと共に出張した岡山の村で、横溝正史の名作を模した殺人事件に巻き込まれる「『本陣殺人事件』の殺人」他、ミステリー初心者からディープなファンまで楽しめる本格推理小説集 -
Posted by ブクログ
上巻から一気読み。上巻が余りにも衝撃的で下巻で何が起きるのか楽しみだ。
二階堂蘭子シリーズは、ラビリンスを巡り深く繋がっているようで、作品を順に追っていた方が楽しめそうだ。連作のうちの一作の様相で、今作のみでも面白いが、二階堂蘭子対ラビリンスの因縁を知っていた方がより楽しめそうだ。
下巻は当然解決編になる訳だが、今作ではラビリンスとの対決は程々に謎解きの解答編の様相になっており少し物足りない。犯人についても上巻の匂わせがそのままで、予測できてしまったため、坂下警部の様に衝撃に注ぐ衝撃とはならなかった。
動機や犯行の手段など、とても面白いのだが、謎解き要素も盛られているため、後半に -
Posted by ブクログ
ー この日を境に、私たちのまわりでは、世界はすっかり様を変えてしまった。それまでの長い間、私の周囲は明るい太陽に照らされた楽園だった。それが突然、真っ暗な地獄風景へと変貌したのである。暗闇の世界に隠れ潜んでいた巨大な魔物が飢えた野獣のように獲物を求め、我々の世界を我が物顔で闊歩し始めたのだった。
あれから長い年月を経て一つ二つの事情が変わり、一部の条件も揃って、今ようやく、私はこの事件について発表することを許された。本当のことを言うと、私はこの陰惨な事件を積極的に語りたいとは思わない。しかし、真実はいつも一つである。それを糊塗することはできないし、私にはその権利もない。世の中の人間は、事実を -
Posted by ブクログ
二階堂蘭子シリーズの1作目にしてデビュー作、僕と同い年のミステリ。
序盤から漂う乱歩を想起させる奇怪さは古き良きミステリを思わせ心躍る。蘭子や黎人のキャラクターも良く、ストーリー展開も飽きさせず読みやすい。
謎解き面については、犯人は当たったがトリックは一部判らなかった。しかしそもそもトリック自体はあまり良くできているとは言えない。フーダニットが判るとハウダニットのいくつかは予見できるが、ハウダニットの作りが弱く古典的過ぎてやや拍子抜けする。但しそれがある意味本格の気風を表現していて物語としては面白い。
犯人の動機については大好きだった。謎解きとしてのホワイダニットではなく、物語としてのホワイ