あらすじ
ロシア革命から数年経ったシベリア奥地。逃亡貴族たちが身を隠す<死の谷>と呼ばれた辺境へ秘密裏に物資を運ぶ<商隊>と呼ばれる一団がいた。その命知らずな彼らさえも、恐怖に陥る事件が発生! 未知なる殺人鬼の執拗な追跡、連続する密室殺人、<死の谷>に甦った巨大マンモス……。常識を超えた不可解な未解決事件を名探偵・二階堂蘭子が鮮やかに解き明かす!
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Posted by ブクログ
久しぶりの二階堂黎人作品。
蘭子シリーズなので、期待して読み始める。
時代は、第一次世界大戦辺りと思われる。
ドイツ人の男が、軍のある命令により、商隊に入りシベリアの死の谷と呼ばれる地を目指すが、ロシアの赤軍に襲われたり、謎の追跡者に命を狙われて、商隊のメンバーが殺されていく。
謎解きよりも、冒険譚として引き込まれた。
死の谷の秘密や巨大マンモス、夢見と呼ばれる怪しげな人物達が、登場する。
現代パートでは、蘭子やミステリ好きの好事家が集まって、ミステリーの謎解きを楽しんでいる。
前半までのストーリーを小説にしたものを皆で、謎解きするが、蘭子が解明していく。
トリックとしては、期待外れでスッキリしない終わり方。
謎解きまでのストーリーが、良かっただけに残念な
感じ。
Posted by ブクログ
二階堂蘭子シリーズ長編。蘭子シリーズは少しずつ集めていたが中々手をつけるタイミングが無く。今回、今作を手に入れるタイミングが良く取り掛かる事になった。二階堂黎人は水乃サトルシリーズが主だったので楽しみだ。
戦争時代のロシアを背景に、過去にスパイであったジュペア老人が、当時とある作戦に従事していた二人の手記を土台にしながら「殺人芸術会」の面々に謎を提起する。
作中作についてはルカ・フロローフ、セルゲイ・エルルーシ二人の目線から展開され、その中で生じた事件などを、殺人芸術会のメンバーが解き明かすという流れだ。
ある程度冒頭の部分で蘭子や黎人のキャラクターは掴めたし、秘密クラブの様相も、クリスティの「火曜クラブ」を長編で実現したような印象だ。
作風は作中作を中心に、それが事実上の手記である事が前提条件として謎に挑む事になる。
まるで空想の様な事柄(オカルト的な事象や巨大幽霊マンモスの事例等)があり、怪奇ミステリーの要素もあるが、トリック等はある程度フェア(クリスティと変わらないがなぁ笑)に提示している。
今作は他の短編と深い関わりがある様で、その作品を読んでいない自分としては楽しみ半減というところか。
とある人達の生き様に想いを馳せつつ。ある意味、殺人とは何であるかを考えさせられた作品。
単純に自身の評価として、怪奇ミステリーは久しぶりであり楽しめた作品だ。とある要素で不平不満がありそうだが、僕は元々この手のトリックには肯定的なので批判は無い。
蘭子シリーズは中々揃えるのが大変なので、今後も順番には拘らず読んでいこう。