二階堂黎人のレビュー一覧
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二階堂黎人の連作ミステリ短篇集『増加博士の事件簿(英題:The Casebook of Dr.Zouka)』を読みました。
二階堂黎人の作品は初めて読みますね。
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半分に千切られたトランプ、血染めの五芒星、握られた釣り餌、口の中の割れた茶碗、鼻の穴に突っ込まれた指……凶悪事件現場に遺されたあまりに不可解なダイイング・メッセージ。
その真相に巨漢の名探偵・増加博士と痩身の羽鳥警部のでこぼこコンビが挑む!
不可能犯罪、トリック、ユーモア、そしてウンチクがたっぷりと詰まった“頭脳刺激”系ミステリー誕生!
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パズル雑誌『ニコリ』に連載後、2012年(平成24年)に刊行された、デブ老人で2本の杖を突いて巨体を支えつつ歩き、アメリカの名探偵ギディオン・フェル博士を崇拝している名探偵・増加博士を主人公とした、増加博士シリーズの第2作です。
■ダイヤのJ
■狐火のマジック
■ドラキュラ殺人事件
■人工衛星の殺人
■死者の指先
■ペニー・ブラックの謎
■ある陶芸家の死
■北アルプスのアリバイ
■花の中の死体
■おクマさん殺し
■果物の名前
■カツラの秘密
■火炎の密室
■ゴカイと五階
■パソコンの中の暗号
■猟奇的殺人
■戸ランプ・マジック
■物質転送機
■“M・I”は誰だ?
■密室の中の死者
■嘘つき倶楽部
■嘘つきのアリバイ
■“増加博士の講演”から
■呪われたナイフ
■謎めいた記号
■ペンション殺人事件
■絞首台美女切断事件
関係者の眼前に展開する血腥い不可能犯罪に、巨漢の名探偵・増加博士が挑む、本格ミステリのショートショート集……ダイイング・メッセージやアリバイ・トリック、密室トリックなど王道の謎から、「人工衛星の殺人」や「物質転送機」といった不条理設定の事件まで、稀代のトリックメーカーによる27の掌編を収録。
どの作品も10ページ程度のボリュームなので短篇というよりは掌編という感じですね……羽鳥警部に相談された増加博士が次々と謎を解くという展開で、ダイイング・メッセージを中心にアリバイ・トリックや密室トリックを盛り込んだショート・ミステリでした、、、
パズル雑誌『ニコリ』に連載された作品ということもあり本格推理クイズのような形式でしたね……やや強引な展開の作品が多かった印象ですが、空き時間にさらっと読むのにはピッタリの作品集でしたね。 -
Posted by ブクログ
バラ迷宮
サーカスの怪人
二階堂蘭子シリーズ短編。紫煙で行われる「殺人芸術会」での一幕。三十年以上前に発生したとあるサーカスで起きた残忍な殺人事件。蘭子達は元サーカス団員の話を聞き、空中ブランコの最中に起きた怪奇な事件について考察する。
蘭子自身はある程度トリック等の目安がある中で、事件の真相解決の為、行動を開始する。
トリックは大胆であり、犯人の特殊性も際立った作品。物語も読みやすく面白い作品だ。登場人物で疑わしき「サーカスの怪人」など、乱歩を思わせるような背景があり、単純に読み物として楽しめた作品だ。
変装の家
盲目の老婦人が所有する屋敷で起きた殺人事件。雪の降り積もる中、足跡を残さずに消えた犯人のトリック。蘭子はいつもの様に紫煙で話を聞き、瞬く間に事件の概要を理解してしまう。
誰が犯人でどの様に「消えた足跡」を実行するのか。蘭子の推理を聞けば確かにそれしか考えられないし、やはり他人はどこまでも他人なのだと心底納得してしまった。登場人物達は蘭子の推理があった時点で全員亡くなっており、ある意味で完全犯罪的なトリック。
喰顔鬼
嵐の中で遭難する蘭子達。迎うはとある有名な画家の屋敷。付近では近年、喰顔鬼と呼ばれる怪奇殺人者が連続殺人を犯している。
蘭子達は遭難ギリギリで何とか屋敷に到着するが。
冒頭から、怪しげな画家、正体不明の警察官、謎の殺人鬼と面白そうな要素が満載だったが、残念ながら結末が全くと言っていいほど陳腐なものでありガッカリしてしまった。捻りがないし、その状態でそんな事になる?という訳の分からない終幕だった。蘭子シリーズは短編も好きだったが、少し怪奇的な作品に想いを走らせすぎたのだろう、ミステリーとしてのバランスが崩れてしまっていると感じた。
ある蒐集家の死
物語は蘭子の推理シーンから始まる。
容疑者は5人。過去の罪を理由に被害者から脅迫されていたと思われる人達。現場にはダイイングメッセージが残されており、漢字で名前が書かれていたが、唯一、該当する名前の容疑者にはアリバイがある。蘭子は状況を把握しながらダイイングメッセージの謎を紐解く。
物凄くオーソドックスな作品で王道。現代では殆ど使われないダイイングメッセージもの。トリックも素直に面白いし、読みやすい作品。
火炎の魔
とある一族の話。火炎様の呪いにかかり、炎にまつわる不幸が降り注ぐいわれのある一族。
不思議な人体発火の謎に蘭子が挑む。
テーマとしては珍しく無いしトリックもある程度パターン化されているが、最終的には上手に物語が締めくくられている。短編の為、ある意味で一直線に進行しているが読者も同じ空間にいるかの如く緊迫した物語だった。
薔薇の家の殺人
二十年前に起きた、ある屋敷で服毒自殺したとされた女性。
現場におり当時四歳だった少女が大人になり結婚、妊娠したが自身の両親のいずれかが女性を殺害していたのではと不安になり、そうであれば子供を産む事は出来ないと塞ぎ込んでしまう。
黎人はアルバイトで女性の娘の家庭教師をしており、女性の夫から二十年前の事件の真相を究明すべく蘭子の元に依頼に来る。
プロットはとあるクリスティ作品てと類似するが、完成度は高い作品だと思う。一部もっと奇想があっても良かった。 -
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ネタバレ久しぶりの二階堂黎人作品。
蘭子シリーズなので、期待して読み始める。
時代は、第一次世界大戦辺りと思われる。
ドイツ人の男が、軍のある命令により、商隊に入りシベリアの死の谷と呼ばれる地を目指すが、ロシアの赤軍に襲われたり、謎の追跡者に命を狙われて、商隊のメンバーが殺されていく。
謎解きよりも、冒険譚として引き込まれた。
死の谷の秘密や巨大マンモス、夢見と呼ばれる怪しげな人物達が、登場する。
現代パートでは、蘭子やミステリ好きの好事家が集まって、ミステリーの謎解きを楽しんでいる。
前半までのストーリーを小説にしたものを皆で、謎解きするが、蘭子が解明していく。
トリックとしては、期待外れでスッキリしない終わり方。
謎解きまでのストーリーが、良かっただけに残念な
感じ。 -
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二階堂蘭子シリーズの長編推理小説。二階堂家の親戚筋である雅宮家で起きる事件を題材にした作品。
絶世の美しさを持つ一族。美しき三姉妹が暮らす旧料亭「久月」で起きた過去の事件。遊郭時代にあったとされる「翡翠姫」の伝説
喫茶店「紫煙」に現れた謎の女性が訪れ、二階堂家の人間に「久月」で殺人事件が起きる事、それを未然に防ぐ事を伝えてほしいと伝え残し、立ち去ってしまう。「紫煙」に集う人達は彼女の姿を追うが、不思議な事に見逃してしまう。
蘭子と黎人は報告を受け、親戚筋の「久月」事、雅宮家で起きた過去の事件を調べる。
過去の事件は蘭子達が懇意にしている中村刑事が過去に受け持った事件であり、足跡なき不思議な事件であった。合わせて、事件は事故として片付けられてしまい、中村刑事も煮え切らない想いを持った事件であった。
蘭子達は雅宮家で行われる降霊会に招待され、怪しげな面々と共に、雅宮家で起きようとしている事件へと関わっていく。
雅宮家という旧家を舞台にした作品であり、日本家屋がベースになっている事が新鮮。あんかや炬燵など。なかなかイメージすることなくが難しい世代もいるのではないだろうか。また、夜は暗い事は当たり前だが、現代と昭和時代の明るさは全く違うものであり、夜間に発生する事件の恐怖感をイメージしながら読み進めた。
事件が殆ど雅宮家で起きる為、中盤以降動きは少ないが、一方で腰を据えて昨年を読む事が出来る。
消えた足跡の謎、密室の謎といった部分がこの作品の主なトリックではあるが、ある程度現代迄に目にした事があるトリックで、想像は出来た。但し、活用方法が見事で、まるで過去と未来で全く同じトリックが起きた様に見えながら、全く違うものを用意しているのは流石だと思う。
幾つか不満点があるとすれば、もっと二階堂家と雅宮家の関係性を描いてからこの作品が出された方が衝撃的であったのでは。という部分と、犯人のキャラクター設定がいまいちしっくりしなかった点。そして、絃子の娘である冬子の人物像。この三点については少し物足りなさを感じてしまった。
もっと彼女達の設定、バックボーンがわかった上で同じ作品を読んでいたら恐らく印象は全く違ったものだったかも知れない。 -
Posted by ブクログ
二階堂蘭子シリーズ長編。蘭子シリーズは少しずつ集めていたが中々手をつけるタイミングが無く。今回、今作を手に入れるタイミングが良く取り掛かる事になった。二階堂黎人は水乃サトルシリーズが主だったので楽しみだ。
戦争時代のロシアを背景に、過去にスパイであったジュペア老人が、当時とある作戦に従事していた二人の手記を土台にしながら「殺人芸術会」の面々に謎を提起する。
作中作についてはルカ・フロローフ、セルゲイ・エルルーシ二人の目線から展開され、その中で生じた事件などを、殺人芸術会のメンバーが解き明かすという流れだ。
ある程度冒頭の部分で蘭子や黎人のキャラクターは掴めたし、秘密クラブの様相も、クリスティの「火曜クラブ」を長編で実現したような印象だ。
作風は作中作を中心に、それが事実上の手記である事が前提条件として謎に挑む事になる。
まるで空想の様な事柄(オカルト的な事象や巨大幽霊マンモスの事例等)があり、怪奇ミステリーの要素もあるが、トリック等はある程度フェア(クリスティと変わらないがなぁ笑)に提示している。
今作は他の短編と深い関わりがある様で、その作品を読んでいない自分としては楽しみ半減というところか。
とある人達の生き様に想いを馳せつつ。ある意味、殺人とは何であるかを考えさせられた作品。
単純に自身の評価として、怪奇ミステリーは久しぶりであり楽しめた作品だ。とある要素で不平不満がありそうだが、僕は元々この手のトリックには肯定的なので批判は無い。
蘭子シリーズは中々揃えるのが大変なので、今後も順番には拘らず読んでいこう。 -
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▼「怪盗アルセーヌ・ルパン5 813にかくされたなぞ (10歳までに読みたい名作ミステリー)」ルブラン/二階堂黎人。学研プラス 、2017年。
▼以前に8才の娘に偕成社版の「813」を読み聞かせしてみたことがあり、でもそのときは長すぎて複雑すぎたのか飽きてしまって「続813」まで行き着かず。ところがその後、学研プラスの「10歳までに~」シリーズのこの本を娘が読んで、「面白かったからお前も読め」的な圧をかけてきたので読みました。
▼うまくまとめているなあと思いつつ、偕成社版の「続813」を読みたくなりました。それにしてもルパンシリーズはハヤカワ文庫の新訳が止まってしまって残念でなりません。なにやらルパンシリーズは翻訳権が面倒になっているような気配がしますが、こういう子供向けのはいいんでしょうかねえ。 -
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ネタバレアヤの呪いに囚われた村で起こる連続殺人。アヤの呪いに見立てた殺人だと分かるのはわりと後の方。どちらかというと殺人の下敷きとして用いられたというよりも、人間関係の描写に活用してたのかなあという印象。
動機、犯人についてはなるほど、と思いました。そこまで追いかけてやる必要あるのかと思ったのですが、お金に困ってる性悪なら何をしてもおかしくはないのかなと。村の人まで巻き込んでの殺人は少し首を捻りますが。もう一人の犯人については、かまってちゃんだったんだろうなと。自分の土俵でしか勝負できない人で、上がってくるまではふんぞりかえってる的な。だけど相手にされないのはつまらやい。
この村に彼女が残ることで、アヤの話が薄れていくといいねとは思いましたが。
あと余計なことした彼。あれはなんだったんだろう。無意識で犯人側に加担してしまってたわけだし、本人はそこまで大変になるとは思わなかったんだろうけど、かなり重罪だよね。
登場人物が多い割に、あまり混乱せず、それぞれがきちんとぶれずに描かれていたのがよかった。またお話も回り道が少なく、ページ数のわりには無駄がなかった。読みやすかったです。
楽しめました! -
Posted by ブクログ
推理小説の短編集って、「え!こんないいトリックを短編で使っていいんです??長編でも全然イケる内容をこんなに大盤振る舞いしてくれてありがとうございます〜〜」な作品も多いんですが。
断言します。
本作は全て短編じゃないとダメ。絶対。
ほぼ毎話、ズシン、ズシンという地響きと共に現れる巨漢の名探偵、増加博士が、次々と不可解なダイイングメッセージやアリバイ・密室の謎を解き明かす短編集です。
話によってはズシンズシンじゃなくドシンドシンになったりしたのが気になりました(どうでもいい)。
ギネス級の大長編を物した二階堂先生の、新しい極地…………ではないか…………。