二階堂黎人のレビュー一覧
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二階堂蘭子シリーズの長編推理小説。二階堂家の親戚筋である雅宮家で起きる事件を題材にした作品。
絶世の美しさを持つ一族。美しき三姉妹が暮らす旧料亭「久月」で起きた過去の事件。遊郭時代にあったとされる「翡翠姫」の伝説
喫茶店「紫煙」に現れた謎の女性が訪れ、二階堂家の人間に「久月」で殺人事件が起きる事、それを未然に防ぐ事を伝えてほしいと伝え残し、立ち去ってしまう。「紫煙」に集う人達は彼女の姿を追うが、不思議な事に見逃してしまう。
蘭子と黎人は報告を受け、親戚筋の「久月」事、雅宮家で起きた過去の事件を調べる。
過去の事件は蘭子達が懇意にしている中村刑事が過去に受け持った事件であり、足跡なき不思議な事件であった。合わせて、事件は事故として片付けられてしまい、中村刑事も煮え切らない想いを持った事件であった。
蘭子達は雅宮家で行われる降霊会に招待され、怪しげな面々と共に、雅宮家で起きようとしている事件へと関わっていく。
雅宮家という旧家を舞台にした作品であり、日本家屋がベースになっている事が新鮮。あんかや炬燵など。なかなかイメージすることなくが難しい世代もいるのではないだろうか。また、夜は暗い事は当たり前だが、現代と昭和時代の明るさは全く違うものであり、夜間に発生する事件の恐怖感をイメージしながら読み進めた。
事件が殆ど雅宮家で起きる為、中盤以降動きは少ないが、一方で腰を据えて昨年を読む事が出来る。
消えた足跡の謎、密室の謎といった部分がこの作品の主なトリックではあるが、ある程度現代迄に目にした事があるトリックで、想像は出来た。但し、活用方法が見事で、まるで過去と未来で全く同じトリックが起きた様に見えながら、全く違うものを用意しているのは流石だと思う。
幾つか不満点があるとすれば、もっと二階堂家と雅宮家の関係性を描いてからこの作品が出された方が衝撃的であったのでは。という部分と、犯人のキャラクター設定がいまいちしっくりしなかった点。そして、絃子の娘である冬子の人物像。この三点については少し物足りなさを感じてしまった。
もっと彼女達の設定、バックボーンがわかった上で同じ作品を読んでいたら恐らく印象は全く違ったものだったかも知れない。 -
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二階堂蘭子シリーズ長編。蘭子シリーズは少しずつ集めていたが中々手をつけるタイミングが無く。今回、今作を手に入れるタイミングが良く取り掛かる事になった。二階堂黎人は水乃サトルシリーズが主だったので楽しみだ。
戦争時代のロシアを背景に、過去にスパイであったジュペア老人が、当時とある作戦に従事していた二人の手記を土台にしながら「殺人芸術会」の面々に謎を提起する。
作中作についてはルカ・フロローフ、セルゲイ・エルルーシ二人の目線から展開され、その中で生じた事件などを、殺人芸術会のメンバーが解き明かすという流れだ。
ある程度冒頭の部分で蘭子や黎人のキャラクターは掴めたし、秘密クラブの様相も、クリスティの「火曜クラブ」を長編で実現したような印象だ。
作風は作中作を中心に、それが事実上の手記である事が前提条件として謎に挑む事になる。
まるで空想の様な事柄(オカルト的な事象や巨大幽霊マンモスの事例等)があり、怪奇ミステリーの要素もあるが、トリック等はある程度フェア(クリスティと変わらないがなぁ笑)に提示している。
今作は他の短編と深い関わりがある様で、その作品を読んでいない自分としては楽しみ半減というところか。
とある人達の生き様に想いを馳せつつ。ある意味、殺人とは何であるかを考えさせられた作品。
単純に自身の評価として、怪奇ミステリーは久しぶりであり楽しめた作品だ。とある要素で不平不満がありそうだが、僕は元々この手のトリックには肯定的なので批判は無い。
蘭子シリーズは中々揃えるのが大変なので、今後も順番には拘らず読んでいこう。 -
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▼「怪盗アルセーヌ・ルパン5 813にかくされたなぞ (10歳までに読みたい名作ミステリー)」ルブラン/二階堂黎人。学研プラス 、2017年。
▼以前に8才の娘に偕成社版の「813」を読み聞かせしてみたことがあり、でもそのときは長すぎて複雑すぎたのか飽きてしまって「続813」まで行き着かず。ところがその後、学研プラスの「10歳までに~」シリーズのこの本を娘が読んで、「面白かったからお前も読め」的な圧をかけてきたので読みました。
▼うまくまとめているなあと思いつつ、偕成社版の「続813」を読みたくなりました。それにしてもルパンシリーズはハヤカワ文庫の新訳が止まってしまって残念でなりません。なにやらルパンシリーズは翻訳権が面倒になっているような気配がしますが、こういう子供向けのはいいんでしょうかねえ。 -
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ネタバレアヤの呪いに囚われた村で起こる連続殺人。アヤの呪いに見立てた殺人だと分かるのはわりと後の方。どちらかというと殺人の下敷きとして用いられたというよりも、人間関係の描写に活用してたのかなあという印象。
動機、犯人についてはなるほど、と思いました。そこまで追いかけてやる必要あるのかと思ったのですが、お金に困ってる性悪なら何をしてもおかしくはないのかなと。村の人まで巻き込んでの殺人は少し首を捻りますが。もう一人の犯人については、かまってちゃんだったんだろうなと。自分の土俵でしか勝負できない人で、上がってくるまではふんぞりかえってる的な。だけど相手にされないのはつまらやい。
この村に彼女が残ることで、アヤの話が薄れていくといいねとは思いましたが。
あと余計なことした彼。あれはなんだったんだろう。無意識で犯人側に加担してしまってたわけだし、本人はそこまで大変になるとは思わなかったんだろうけど、かなり重罪だよね。
登場人物が多い割に、あまり混乱せず、それぞれがきちんとぶれずに描かれていたのがよかった。またお話も回り道が少なく、ページ数のわりには無駄がなかった。読みやすかったです。
楽しめました! -
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推理小説の短編集って、「え!こんないいトリックを短編で使っていいんです??長編でも全然イケる内容をこんなに大盤振る舞いしてくれてありがとうございます〜〜」な作品も多いんですが。
断言します。
本作は全て短編じゃないとダメ。絶対。
ほぼ毎話、ズシン、ズシンという地響きと共に現れる巨漢の名探偵、増加博士が、次々と不可解なダイイングメッセージやアリバイ・密室の謎を解き明かす短編集です。
話によってはズシンズシンじゃなくドシンドシンになったりしたのが気になりました(どうでもいい)。
ギネス級の大長編を物した二階堂先生の、新しい極地…………ではないか…………。