二階堂黎人のレビュー一覧
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ネタバレ(※この文章は2002/01/06に書かれたものです)
■渋柿信介とは何者か?
●大人の部分
第一作の時点で5歳の信介。数字がやっと間違いなく書けるようになったばかりで漢字がまだ読めない幼稚園児なのに、「洗面所の丸い鏡に映った男の顔は、年の割には老けて見えた。母親の子宮を追い出されてからこれまでの人生の苦悩が、顔面の肌に細かい年輪を刻んでいる。妄執は、男の精気を奪い取るものらしい。(10p)」と、ペシミスティック(厭世的・悲観的)な一人語りで自分を表現する。そして、母親との関係を「昔、しばらくの間同じベッドで寝ていたことがある(11p)」と言い、スタイルのことも「スカートの下で盛り上がったヒ -
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ー この古い館は牢獄なんだよ。時の流れから見放された監獄だよ。夜中に廊下を亡霊が闊歩し、幽霊が見張り、黴臭く、埃にまみれ、そこに住む人間たちは互いにいがみ合い、憎しみ合い、嫌い合っている。
よこしまな考えにしがみ付き、つまらぬ憎悪に身を焦がしているんだ。言うなれば、我々は囚人だよ、この《悪霊館》に、欲望という鎖で永遠に繋ぎ止められた俘囚なんだよ。 ー
莫大な遺産、条件付きの遺言状、互いに憎しみ合う腹違いの姉妹、曰く付きの館、双子、首無しの遺体、密室、呪い、、、昔ながらの探偵小説。これも素晴らしい!
古き良きミステリーへの愛が溢れてる。
次はいよいよ『人狼城の恐怖』かな。
世界最長ギネスの -
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ー こうして、この奇怪な殺人事件は、私たちが愛読するジョン・ディクスン・カーの『三つの棺』の冒頭の章とよく似た出来事で幕をあけた。しかもこれは、数々の凶悪犯罪を解決に導いた名探偵二階堂蘭子の事件簿の中でも、特に《足跡のない殺人》という謎に真っ向から挑戦した異色のものになった。
一般的に言って、不可能犯罪には、《鍵のかかった部屋》とか、《人間や物体の消失》とか、《不可解な死》とか、あるいは《姿なき殺人者》といった困難極まる謎が存在する。その中でも、柔らかい砂の上やまっさらな雪の上に足跡を一つも残さずに殺人を犯していく者の話は、現象が単純できわめて明確なだけに、かえって我々をひどく困惑させる。 -
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やばいです。大脳皮質の奥の方から自分のアトムデイズが蘇ります。著者と同年齢なので大大大好きだったアトム、憧れて止まなかった手塚治虫、そして雑誌、テレビ、単行本から次々と発信されて夢中になったマンガ、というものに対する気持ちが、書かれているのは自分?と思うくらい同じなのです。そして、今の自分を作っているのがその時代に蓄積したワクワク感なのだ、と改めて感じました。もちろん著者、二階堂黎人だけの記憶、自分だけの記憶もあってその違いも楽しめました。劇画に対する著者の批評精神とか、ただコンテンツを受け止め続けたこちらからすればスゴイ!って感じです。また手に入らないコミックスを求めて小学館に乗り込む行動力
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『陸地から足を離すという行動は、考えようによっては非常に不安定な状況だ。船乗りならいざ知らず、普通の人間にとっては、両足の下に固い地面が存在することが、無意識における精神的保険になっている。
人間は日頃、大地を意識していない。けれども、これは途轍もなく重要なことだ。何故なら、心的にも肉体的にも、自己の存在感の立脚に関する拠り所でもあるのだから。
だから、それが急に失われたら。
象徴だ。
存在基盤の象徴。
極端なことを言えば、自我の喪失との符合だ。陸地を離れること。それはあらゆる自信喪失に繫がり、果ては、人間としての魂の尊厳を失うことにもなりかねない。』
孤島、館、見立て、人形、謎解 -
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ネタバレ『ルパンの慈善』 ルパンに騙されたガニマール警部。自分が盗んだ「聖 フランシスの燭台」をオルロージュ修道院に返すよう 依頼するルパン。オルロージュ修道院から燭台を盗み 出した手口。ルパンの予告状。ローマ法王に献上され る予定だった燭台。修道院長マザー・テレーズの秘 密。
『風邪の証言』 遺産目当てに叔父を殺害した甥のアリバイ崩し。デジ タルカメラに残された画像。アリバイに使われた写真 のデータ。前後の写真からも犯行時刻のアリバイは立 証されるが。不信に思った鬼貫警部の捜査。画像の編 集が出来る機種と出来ない機種の秘密。
『ネクロポリスの男』 冷凍睡眠から目覚めたジョンソン。死刑囚として冷凍 -
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ネタバレ『B型の女』
ケンイチに連れられて鎌倉で行われる結婚式に向かう信介。途中の電車の中でもめる近所に住むカップル今田丈太郎と村上静子。周囲の迷惑になり注意受けるが逆切れ。中年女性に向かって吐いたセリフ。結婚式場で遺体で発見された今田丈太郎。
『長く冷たい冬』
スキー場にやってきた渋柿家。スキー場付近に現れる不審な車。信介の知り合った子供たちや老人たちが轢かれそうになる。スキー場で行われる犬ぞり大会。信介が聞いた外国人の会話。「200キロは重すぎる」の謎。
『かたい頬』
ゴリさんと共同で購入しようとする別荘で8年前に起きた少女失踪事件。別荘の管理人をしていた元の土地の持ち主・土田。関係者に話を聞 -
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渋柿信介シリーズ
『私が捜した少年』
大学生に売春を強要していた暴力団員・小野寺の逃亡。愛人である女子大生の寮に逃げ込んだと思われる小野寺。寮の大学生が全員そろって外出した好きに捜査に当たったケンイチ。消えた小野寺。持ち出されたごみ袋の秘密。
『アリバイのア』
土地売買をめぐりもめていた黒猫みゆきと大鹿。殺害された大鹿。作家・黒猫みゆきのアリバイ。黒猫の原稿を待つ間、担当編集者が聞いていたレコードの謎。ボーナストラックの秘密。
『キリタンポ村から消えた男』
フィリピンからの女性をあっせんしていた山下岩太郎。事務所で口論の声と銃声。駆け付けた警備員が発見した暴力団員の射殺遺体。故郷の村に逃 -
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二階堂蘭子シリーズ
アルザス独立サロンの理事ゼルディ氏の殺害事件。地方検事テセルと再開したローラント・ゲルケン。サロモン警部から聞かされたナチスの星気体の秘密。人狼城を訪れたガイヤール氏とデルマール氏の遭難。人狼城に招待されたアルザス独立サロンのメンバー。ワイン貯蔵庫で襲われたローラント。彼の目撃した首のない謎の男の遺体。密室で殺害されたアラン・リシュアン。頭部と両手の切断された遺体謎の人物からローラントを守ろうとして殺害されたモース。一時行方不明になり意識の無い状態で発見されたシャリス夫人。密室の中で首を何者かに引きちぎられて死亡。石弓で襲撃された下男グスタフとサロモン。消えたグスタフ。牢 -
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二階堂蘭子シリーズ
フォン・フェスト製薬の企画で「人狼城」に招待された一行。テオドール・レーゼ、フェルラーグド教授、ジャンヌ・ゼーハイム、コネゲン夫妻など10人。招待者の伯爵の不在。壊れた橋。殺害され顔を焼かれた執事バンクス。密室で首を切られたコネゲン夫妻。石弓で射殺されたシャイラー、同時に消えたヨハン・ゼーハイム。毒殺されたエクスナー、フッテン。甲冑姿の怪人物に襲われたテオドール、殺害されたフェルラーグ教授。中身の消えた甲冑。テオドールが目撃した甲冑の下の顔。バラバラにされワインの樽に沈められ首を持ち去られたメイドのハンニ。シャンデリアにつるされたマリカ・クルト。 -
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二階堂蘭子シリーズ
「悪霊の館」と呼ばれる志摩沼家の屋敷。「奥の院」と呼ばれる老婆の死。残された遺言。志摩沼卓矢と美園倉美幸の結婚を命じる。反発する卓矢。遺言発表後二階堂警視正と連絡を取ろうとした田辺弁護士。突然の地震。田辺の死、娘・好子の負傷。
婿の京太郎の依頼中の矢島茉莉の物と思われる全裸の首無し遺体の発見。甲冑に守られる遺体。
時計台からの美園倉郁太郎の転落死。事件のカギを握ると思われる元乳母の殺害事件。
発見された沙莉と思われるバラバラ遺体。
宮子の財産放棄宣言直後、ワインの毒による宮子、矢島圭介、須賀子、石坂吉夫、岩下しずの毒殺。倒れる蘭子。
田辺好子の死、顔を焼かれた美幸。
戦争