あらすじ
手塚漫画に魅入られた作家の自伝的探書記!
幼少の頃に手塚漫画に夢中になり、漫画の神様・手塚治虫の足跡を追ううちに長じてミステリ作家となった著者。その著者が成長とともに奥深い手塚作品の世界に踏み入り、ときに迷宮のような謎に挑みながら、膨大な作品を当時の状況とともに解説していく記録であり、あふれ出る手塚への愛と造詣を綴った偏愛エッセイ。ファンの間では知られる長期連載をまとめた単行本の、文庫化第一弾。「この本では、一人の少年と、彼と同じように手塚マンガを愛した多くのファンやマニアの心象を通して、手塚マンガの魅力に迫ろうとしています。そういう意味では、この本は、これまでの手塚マンガの解説書や評伝とは、少しだけ違っています」「書くにあたっては、自分の持っている収集品をフルに活用し、できるだけ多くの図版をしようと考えました。僕自身、手塚マニアとしての自負もあり、図版を見るだけでも楽しめる本にしたかったのです」(本書まえがきより)。
今回は、単行本未収録の手塚治虫原画をカラーで掲載。
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Posted by ブクログ
やばいです。大脳皮質の奥の方から自分のアトムデイズが蘇ります。著者と同年齢なので大大大好きだったアトム、憧れて止まなかった手塚治虫、そして雑誌、テレビ、単行本から次々と発信されて夢中になったマンガ、というものに対する気持ちが、書かれているのは自分?と思うくらい同じなのです。そして、今の自分を作っているのがその時代に蓄積したワクワク感なのだ、と改めて感じました。もちろん著者、二階堂黎人だけの記憶、自分だけの記憶もあってその違いも楽しめました。劇画に対する著者の批評精神とか、ただコンテンツを受け止め続けたこちらからすればスゴイ!って感じです。また手に入らないコミックスを求めて小学館に乗り込む行動力もサスガ!だから著者は名だたる手塚マニアになり、こちらは一介のファンなのだと納得。しかし、シンギュラリティが議論され人工知能の可能性が理系の領域を超え始めた現代だからこそ、改めて手塚治虫のリベラルアーツっぷりから学ぶことがいっぱいあるような気がしました。急いで第2巻へ!