二階堂黎人のレビュー一覧
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実は昔、二階堂蘭子シリーズは苦手だった。それが「人狼城の恐怖」を読んで、すっかり好きになって、その後読み残してたシリーズを読んだらさらに面白く読めたのだった。で、この本は、「人狼城」の事件後行方不明になった二階堂蘭子の「人狼城」以前の事件という設定になっている。で、登場するのは今後、明智小五郎に対する二十面相のように、二階堂蘭子のライバルになるべく作られた「魔王ラビリンス」の登場編。魔王ラビリンスが仕掛けた二つの事件を蘭子はあっさり解決するけど、魔王ラビリンスの正体は不明のまま、という形で終わる。その次の「魔術王事件」(講談社ノベルズ、1800円)の前振りかも知れない。「魔術王事件」は読み始めたばかりで、まだ分からないが、ラビリンスの名前はやたら出てくるので、これ読んで「魔術王事件」に行くというのは正解だろう。で、この「悪魔のラビリンス」なのだが、作中に出てくる迷路も自作かなあ、ちょっと凄い。事件も古典的なトリックのようで、ちゃんと新しく、でも昭和40年代という時代背景とマッチしたものになってるというあたりの、ムード作りとトリックの両方に気を遣った構成が好き。異様に簡単に謎を解いていく蘭子の描き方も良いなあ。二階堂黎人の作品の中では、軽めで読みやすいので、ここから入るというのもアリかも。
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白魔王の不思議
水乃サトルシリーズ十六年ぶりの新作と聞き、年甲斐もなく終始上機嫌で毎日を過ごしていたが、いよいよ読み終えてしまい。寂しい気持ちで後書きを読んでいたらまさかの社会人編(マジックシリーズ)の次回作があると記載されており。感無量である(願わくばとある館シリーズの様に最終作の発表から十数年という事がない様に祈る(笑)。)
僕の筆者との出会いはボクちゃん探偵シリーズと水乃サトルシリーズで、水乃サトルシリーズは学生時代の「不思議シリーズ」と社会人になってからの「地名マジックシリーズ」がある。どのくらいまで読んでいたかは記憶に無いほどだが、確かシリーズはすべ持っておりいずれ読み直したいと思う。今回、十六年ぶりという事もあり、正直記憶が曖昧になっているが、確かにシリーズはこんな感じだったなあと懐かしく感じた。二階堂蘭子シリーズ同様、過去作の様な残酷さ、気味悪さの様な描写は少なくなった様に感じるが、物語のテンポの良さ、読者を騙してやろうとする試みは見事だ。
今作でサトルは友人のシオンと共にスキー場に訪れ、そこでサトルの旧友を通じて彼女の友人スキーチームと合流する。その中、カップルの男性が襲われ、女性が誘拐される事件が発生。サトルは様々な理由から、警察が「白魔王」と呼ばれる既に逮捕されている殺人鬼の犯行だと疑っている事を推察し、警部補たちと協力しながら攫われた女性の行方をおう。
二階堂黎人は雪山、殺人鬼の様な作品を幾つか発表しているので冒頭少し混乱したが慣れてくると簡単に読み進める事が出来る。時代背景が1980年代という事もあり、年齢的に読みやすい、読みにくいがあるかもしれない。時代背景が物語と妙にシンクロしている事も面白さの秘訣だろう。
作中、沢山の殺人鬼について言及があり、ミステリとしては珍しく思う。また、トリックは面白いがどんでん返しというよりは読者が振り回されて真相がわかるといった方が正しいかも知れない。
多趣味のサトルは様々な分野に精通しており、大学生でよくそんな時間があるなぁと関心する様な人物だ。とても人懐っこい人物でたの名探偵とは少し印象がちがう。今回、蘭子シリーズの「聖アウスラ修道院の惨劇」の舞台についての言及もあり、どちらのシリーズも好きな身としてはとても興奮する事が出来た。
今作は久しぶりのシリーズという事もあり、単純にミステリとして以外の評価も入ってしまう。物語が右往左往していたり、殺人鬼の動向がわかりにくかったり、ましてや結末については賛否があると思うが、この時代のミステリを読んでいる気分になり、ノスタルジー的な補正を加味してとても楽しむ事が出来た。
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片田舎の村で、二つの旧家が対立していて、昔から伝えられてる祟りみたいなものがあって・・・そんな中起こる密室殺人事件。おまけに隠された財宝なんてものまであって。
ベタというか王道というか。正直、好物です。
面白かったんですけどね。なんか最後もう一波乱ありそうでなかった。なんかこう、実は黒い思惑が・・みたいな話がありそうで。まあないせいで読後感よく終わったのでそれはそれで。しかし最初に屋敷図とか登場人物とかあるのはいいんですが、密室の図解まであるのは・・なんか意図があるんでしょうか?第一の殺人は冒頭で起きてるからいいとして、第二はなんで文中じゃないんだろう?この先に誰が殺されるのかわかっちゃうじゃん。なにかしらの深い意味合いがあるのかと思ったけど別にそういうのもなかったような。。。
あと、作者がお二人なのは共著?二階堂さんしかとりあげられてるのをみないけど。 -
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二階堂黎人の連作ミステリ短篇集『増加博士の事件簿(英題:The Casebook of Dr.Zouka)』を読みました。
二階堂黎人の作品は初めて読みますね。
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半分に千切られたトランプ、血染めの五芒星、握られた釣り餌、口の中の割れた茶碗、鼻の穴に突っ込まれた指……凶悪事件現場に遺されたあまりに不可解なダイイング・メッセージ。
その真相に巨漢の名探偵・増加博士と痩身の羽鳥警部のでこぼこコンビが挑む!
不可能犯罪、トリック、ユーモア、そしてウンチクがたっぷりと詰まった“頭脳刺激”系ミステリー誕生!
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パズル雑誌『ニコリ』に連載後、2012年(平成24年)に刊行された、デブ老人で2本の杖を突いて巨体を支えつつ歩き、アメリカの名探偵ギディオン・フェル博士を崇拝している名探偵・増加博士を主人公とした、増加博士シリーズの第2作です。
■ダイヤのJ
■狐火のマジック
■ドラキュラ殺人事件
■人工衛星の殺人
■死者の指先
■ペニー・ブラックの謎
■ある陶芸家の死
■北アルプスのアリバイ
■花の中の死体
■おクマさん殺し
■果物の名前
■カツラの秘密
■火炎の密室
■ゴカイと五階
■パソコンの中の暗号
■猟奇的殺人
■戸ランプ・マジック
■物質転送機
■“M・I”は誰だ?
■密室の中の死者
■嘘つき倶楽部
■嘘つきのアリバイ
■“増加博士の講演”から
■呪われたナイフ
■謎めいた記号
■ペンション殺人事件
■絞首台美女切断事件
関係者の眼前に展開する血腥い不可能犯罪に、巨漢の名探偵・増加博士が挑む、本格ミステリのショートショート集……ダイイング・メッセージやアリバイ・トリック、密室トリックなど王道の謎から、「人工衛星の殺人」や「物質転送機」といった不条理設定の事件まで、稀代のトリックメーカーによる27の掌編を収録。
どの作品も10ページ程度のボリュームなので短篇というよりは掌編という感じですね……羽鳥警部に相談された増加博士が次々と謎を解くという展開で、ダイイング・メッセージを中心にアリバイ・トリックや密室トリックを盛り込んだショート・ミステリでした、、、
パズル雑誌『ニコリ』に連載された作品ということもあり本格推理クイズのような形式でしたね……やや強引な展開の作品が多かった印象ですが、空き時間にさらっと読むのにはピッタリの作品集でしたね。 -
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バラ迷宮
サーカスの怪人
二階堂蘭子シリーズ短編。紫煙で行われる「殺人芸術会」での一幕。三十年以上前に発生したとあるサーカスで起きた残忍な殺人事件。蘭子達は元サーカス団員の話を聞き、空中ブランコの最中に起きた怪奇な事件について考察する。
蘭子自身はある程度トリック等の目安がある中で、事件の真相解決の為、行動を開始する。
トリックは大胆であり、犯人の特殊性も際立った作品。物語も読みやすく面白い作品だ。登場人物で疑わしき「サーカスの怪人」など、乱歩を思わせるような背景があり、単純に読み物として楽しめた作品だ。
変装の家
盲目の老婦人が所有する屋敷で起きた殺人事件。雪の降り積もる中、足跡を残さずに消えた犯人のトリック。蘭子はいつもの様に紫煙で話を聞き、瞬く間に事件の概要を理解してしまう。
誰が犯人でどの様に「消えた足跡」を実行するのか。蘭子の推理を聞けば確かにそれしか考えられないし、やはり他人はどこまでも他人なのだと心底納得してしまった。登場人物達は蘭子の推理があった時点で全員亡くなっており、ある意味で完全犯罪的なトリック。
喰顔鬼
嵐の中で遭難する蘭子達。迎うはとある有名な画家の屋敷。付近では近年、喰顔鬼と呼ばれる怪奇殺人者が連続殺人を犯している。
蘭子達は遭難ギリギリで何とか屋敷に到着するが。
冒頭から、怪しげな画家、正体不明の警察官、謎の殺人鬼と面白そうな要素が満載だったが、残念ながら結末が全くと言っていいほど陳腐なものでありガッカリしてしまった。捻りがないし、その状態でそんな事になる?という訳の分からない終幕だった。蘭子シリーズは短編も好きだったが、少し怪奇的な作品に想いを走らせすぎたのだろう、ミステリーとしてのバランスが崩れてしまっていると感じた。
ある蒐集家の死
物語は蘭子の推理シーンから始まる。
容疑者は5人。過去の罪を理由に被害者から脅迫されていたと思われる人達。現場にはダイイングメッセージが残されており、漢字で名前が書かれていたが、唯一、該当する名前の容疑者にはアリバイがある。蘭子は状況を把握しながらダイイングメッセージの謎を紐解く。
物凄くオーソドックスな作品で王道。現代では殆ど使われないダイイングメッセージもの。トリックも素直に面白いし、読みやすい作品。
火炎の魔
とある一族の話。火炎様の呪いにかかり、炎にまつわる不幸が降り注ぐいわれのある一族。
不思議な人体発火の謎に蘭子が挑む。
テーマとしては珍しく無いしトリックもある程度パターン化されているが、最終的には上手に物語が締めくくられている。短編の為、ある意味で一直線に進行しているが読者も同じ空間にいるかの如く緊迫した物語だった。
薔薇の家の殺人
二十年前に起きた、ある屋敷で服毒自殺したとされた女性。
現場におり当時四歳だった少女が大人になり結婚、妊娠したが自身の両親のいずれかが女性を殺害していたのではと不安になり、そうであれば子供を産む事は出来ないと塞ぎ込んでしまう。
黎人はアルバイトで女性の娘の家庭教師をしており、女性の夫から二十年前の事件の真相を究明すべく蘭子の元に依頼に来る。
プロットはとあるクリスティ作品てと類似するが、完成度は高い作品だと思う。一部もっと奇想があっても良かった。 -
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ネタバレ久しぶりの二階堂黎人作品。
蘭子シリーズなので、期待して読み始める。
時代は、第一次世界大戦辺りと思われる。
ドイツ人の男が、軍のある命令により、商隊に入りシベリアの死の谷と呼ばれる地を目指すが、ロシアの赤軍に襲われたり、謎の追跡者に命を狙われて、商隊のメンバーが殺されていく。
謎解きよりも、冒険譚として引き込まれた。
死の谷の秘密や巨大マンモス、夢見と呼ばれる怪しげな人物達が、登場する。
現代パートでは、蘭子やミステリ好きの好事家が集まって、ミステリーの謎解きを楽しんでいる。
前半までのストーリーを小説にしたものを皆で、謎解きするが、蘭子が解明していく。
トリックとしては、期待外れでスッキリしない終わり方。
謎解きまでのストーリーが、良かっただけに残念な
感じ。