あらすじ
人間大砲の轟音とともに、舞台にバラバラ死体が降り注ぐ「サーカスの怪人」。被害者は必ず顔面の皮をはがされ、頭部を持ち去られる「喰顔鬼」。火の気のない密室で、人間が突如発火し、焼死する「火炎の魔」。複雑怪奇な6つの殺人事件を、名探偵・二階堂蘭子が鮮やかに解き明かす、趣向に満ちた本格推理傑作集。
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二階堂蘭子シリーズ
『サーカスの怪人』
サーカスを襲う「サーカスの怪人」。アナコンダに飲み込まれたキョンコ。キョンコの夫ノロの秘密。空中から風船の破裂とともに現れたバラバラ死体。
『変装の家』
「崖の上の家」で起きた殺人事件。雪の上に足跡はなし。入れ替わった娘の秘密。
『喰顔鬼』
「喰顔鬼」と呼ばれる殺人鬼が暗躍する別荘地。画家と妻に隠された秘密。
『ある収集家の死』
ホテルで殺害された被害者。被害者の残したダイングメッセージの謎。
『火炎の魔』
呪われた家で起きる瞬間燃焼事件。病院で起きた発火事件の真相。
『薔薇の家の殺人』
自分が殺人者の血を引くと子どもを生むことを恐れる女。彼女の過去に隠された秘密。5月5日の祝い事で毒殺された女性の秘密。
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ドーンパン、パン、パン、パン、パンベチャベチャベチャ、ベチャベチャ、ベチャベチャ人間大砲の轟音とともに、舞台にバラバラ死体が降り注ぐ「サーカスの怪人」被害者は必ず顔面の皮をはがされ頭部を持ち去られる「食顏鬼」などなど裏表紙を見た瞬間この乱歩チックなストーリーは読まなくてはと買ってしまいました。感想作品の独特の怪しさもさる事ながら、かなり科学的なトリックが多く見られたのも良かったです。
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二階堂蘭子シリーズ短編集。
六編のお話しが入った短編集第二弾です。
サーカスで起こる謎のバラバラ殺人事件。
人間大砲の轟音と共に舞台にバラバラ死体が降り注ぐ『サーカスの怪人』。
私はこのお話しが一番好きでした。
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バラ迷宮
サーカスの怪人
二階堂蘭子シリーズ短編。紫煙で行われる「殺人芸術会」での一幕。三十年以上前に発生したとあるサーカスで起きた残忍な殺人事件。蘭子達は元サーカス団員の話を聞き、空中ブランコの最中に起きた怪奇な事件について考察する。
蘭子自身はある程度トリック等の目安がある中で、事件の真相解決の為、行動を開始する。
トリックは大胆であり、犯人の特殊性も際立った作品。物語も読みやすく面白い作品だ。登場人物で疑わしき「サーカスの怪人」など、乱歩を思わせるような背景があり、単純に読み物として楽しめた作品だ。
変装の家
盲目の老婦人が所有する屋敷で起きた殺人事件。雪の降り積もる中、足跡を残さずに消えた犯人のトリック。蘭子はいつもの様に紫煙で話を聞き、瞬く間に事件の概要を理解してしまう。
誰が犯人でどの様に「消えた足跡」を実行するのか。蘭子の推理を聞けば確かにそれしか考えられないし、やはり他人はどこまでも他人なのだと心底納得してしまった。登場人物達は蘭子の推理があった時点で全員亡くなっており、ある意味で完全犯罪的なトリック。
喰顔鬼
嵐の中で遭難する蘭子達。迎うはとある有名な画家の屋敷。付近では近年、喰顔鬼と呼ばれる怪奇殺人者が連続殺人を犯している。
蘭子達は遭難ギリギリで何とか屋敷に到着するが。
冒頭から、怪しげな画家、正体不明の警察官、謎の殺人鬼と面白そうな要素が満載だったが、残念ながら結末が全くと言っていいほど陳腐なものでありガッカリしてしまった。捻りがないし、その状態でそんな事になる?という訳の分からない終幕だった。蘭子シリーズは短編も好きだったが、少し怪奇的な作品に想いを走らせすぎたのだろう、ミステリーとしてのバランスが崩れてしまっていると感じた。
ある蒐集家の死
物語は蘭子の推理シーンから始まる。
容疑者は5人。過去の罪を理由に被害者から脅迫されていたと思われる人達。現場にはダイイングメッセージが残されており、漢字で名前が書かれていたが、唯一、該当する名前の容疑者にはアリバイがある。蘭子は状況を把握しながらダイイングメッセージの謎を紐解く。
物凄くオーソドックスな作品で王道。現代では殆ど使われないダイイングメッセージもの。トリックも素直に面白いし、読みやすい作品。
火炎の魔
とある一族の話。火炎様の呪いにかかり、炎にまつわる不幸が降り注ぐいわれのある一族。
不思議な人体発火の謎に蘭子が挑む。
テーマとしては珍しく無いしトリックもある程度パターン化されているが、最終的には上手に物語が締めくくられている。短編の為、ある意味で一直線に進行しているが読者も同じ空間にいるかの如く緊迫した物語だった。
薔薇の家の殺人
二十年前に起きた、ある屋敷で服毒自殺したとされた女性。
現場におり当時四歳だった少女が大人になり結婚、妊娠したが自身の両親のいずれかが女性を殺害していたのではと不安になり、そうであれば子供を産む事は出来ないと塞ぎ込んでしまう。
黎人はアルバイトで女性の娘の家庭教師をしており、女性の夫から二十年前の事件の真相を究明すべく蘭子の元に依頼に来る。
プロットはとあるクリスティ作品てと類似するが、完成度は高い作品だと思う。一部もっと奇想があっても良かった。
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バラ迷宮 二階堂黎人
二階堂黎人さんの作品は安定している。
これは全て読みたい作家さんです。
この本は短編集だった。二階堂蘭子に慣れてきたし、古今東西、私の中で1番の短編集だと思います。
さあ次に読む予定の作品は少し長め。
未読の二階堂蘭子シリーズは後何作あるのかまだ知りませんが、何はともあれ楽しいね。
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再読。蘭子シリーズ7作目。
短編集。
4部作を読み終えた後なので、短編集は軽く読めて良い。
このシリーズの短編集は『ユリ迷宮』に続いて2作目ですが、このシリーズは長編の方が個人的には好きですね。
今回の短編集の中では「薔薇の家の殺人」が好みです。
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二階堂蘭子が主人公の短編集。六作品収録されています。
どの作品も独特な不気味さを持っている。これは、読んだほとんどの方が思われる事かと思いますが、江戸川乱歩や横溝正史の描く不気味さに近いかと。
著者はカーのファンとして有名らしいので、その辺の影響もあるのかな?(未熟ながらカー作品は未読です)
事件のトリックはわりと簡単ですが、個人的にトリック自体はさほど重要視していません。
もちろんトリックはどれも趣向を凝らしています。『喰顔鬼』などは、そのトリックに驚かれる方も多いのでは?
しかし、僕が惹かれたのはトリックよりも、その独特な世界観です。昭和40年代を主な舞台としているので(事件はそこから更に数十年前のものだったりもする)、現在とのギャップに多少違和感を感じてしまいますが、それがむしろ新鮮とすら思えます。
『サーカスの怪人』というタイトルだけでワクワクしちゃいませんか?僕はワクワクしちゃいました(笑)
どの話もとても面白いのですが、全体的に何となく雑な印象。頭が追いつかないくらいとんとん拍子に事件が解決される事もしばしばあるので、もう少しどうにかならなかったかな?と。
ただ、それゆえに長編への期待値が自ずと高まりました。機会があれば長編も読みたいです♪
評価は長編への期待を込めつつ、ちょっと辛口の3.5つ星です☆
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何とな~くトリックに見当がつく、っていうのが今作品の特徴ですね。それが嬉しくもあり、残念でもあるという二律背反\(^o^)/
「現実離れしすぎ!」というツッコミより「最早ファンタジーじゃん…」という感動に近いものを感じました。ここまでトリックが突飛だと、逆に正攻法なミステリのように思える不思議。
四半世紀前の事件の詳細を、そんな詳らかに覚えてるか普通~?と突っ込むのも、また楽し(笑)。
証言だけを手がかりに推理を進める蘭子、数分前に目の前で発生した事件を解決する蘭子、鮮やかな彼女の手腕が光ります。
ホラーテイストな「喰顔鬼」から超王道ミステリーな「ある収集家の死」まで、色々な味が楽しめる読み応えのある作品が揃っています(*^o^*)
◎サーカスの怪人…人気サーカス団を公演の最中に襲った前代未聞のバラバラ死体出現事件。かつて素行の悪さでサーカス団をクビになった男の復讐か?迷宮入りした怪事件を、四半世紀の時を経て二階堂蘭子が解き明かす!
◎変装の家・・・盲目の資産家夫人の姪が「雪の密室」の中で殺害された。今際の際に姪が老婦人にかけた一本の電話が、関係者全員のアリバイを成立させたが、それらを覆す驚天動地の真相を蘭子が指摘する!
◎喰顔鬼…かつて天才とうたわれた画家と年の差30歳離れた妻のいる別荘。その周辺一帯は「喰顔鬼」と呼ばれる殺人鬼が暗躍していた。
◎ある収集家の死…被害者が残したダイイングメッセージは、ある人物をずばり名指しするものだった。ところが彼には完璧なアリバイが成立し、残りの容疑者に捜査の目は向けられる!ダイイングメッセージが示す思わぬ真相とは?
◎火炎の魔…呪われた家で代々起きる人体発火事件。今回は密閉された病室で、複数の目撃者がいる扉の中で女性が焼死する。現場に居合わせた蘭子のスピード解決なるか?!
◎薔薇の家の殺人…自分の父親が殺人者ではないかと疑う女性は、殺人者の血統を残すことを恐れて身ごもった子供を生むことを躊躇していた。彼女の杞憂を取り除く為に、二十年前、薔薇の家のリビングで起きた毒殺事件の解明に乗り出した蘭子。彼女が暴いた衝撃の真相とは。
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蘭子シリーズの第2短編集。薔薇の家の殺人、火炎の魔、ある蒐集家、変装の家、喰顔鬼、サーカスの怪人の6作。人狼城の後に読んじゃったら、そりゃ・・・やっぱり蘭子は長編向きです。
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人間大砲の轟音とともに、舞台にバラバラ死体が降り注ぐ「サーカスの怪人」。被害者は必ず顔面の皮をはがされ、頭部を持ち去られる「喰顔鬼」。火の気のない密室で、人間が突如発火し、焼死する「火炎の魔」。複雑怪奇な六つの殺人事件を、名探偵・二階堂蘭子が鮮やかに解き明かす、趣向に満ちた本格推理傑作集。