浜矩子のレビュー一覧
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『幸せとは、自分の生に対する肯定である。」/西研
哲学の章 ヘーゲル『精神現象学』の章を読めただけでも大満足。
これほどヘーゲルの哲学を分かりやすく噛み砕いて説明するのがすごい。
西研さんはニーチェの本もよかったけど、今回はさらに良かった。
今の時代、ニーチェの哲学は受け入れやすいし、ちょっとしたブームになることもあった。
だけど、あと何十年かしたら次はヘーゲルの哲学が脚光を浴びそう。
より多くの人がなるほどこれは確かに価値があるという感じられる「事そのもの」
それを目指そうとする「良心」
大事なことはここに詰まってると思うのでまた読み直そう。 -
Posted by ブクログ
とても面白かった。「ヒト・モノ・カネが国境を越えて、移動するグローバル経済では、カネがヒト、モノをひっぱり回し、企業が成長しても、人々は幸せにならない。国民国家も機能不全に陥っている。スミスの「国富論」に立ち返り、ヒト・モノ・カネ、企業と国と人の幸福な関係を再び築く経済を考える」
とある。グローバル経済で巻き起こる諸問題の事情がわかりやすく平易な表現で語られている。TPP?アベノミクス?これらの言葉はすべて経済の応用であって、基礎ではない。基礎を分からずに応用を理解することはできない。だから、この本は教科書で、本当にいろいろな人に読んでほしい。利益の追求は、必ずしも全体の幸福には結びつかないの -
Posted by ブクログ
経済の本は難しいというイメージがあり、経済の事は知りたいけれど読むのがしんどそう・・・という理由でついつい遠のいてしまっていたけど、この「超入門・グローバル経済」は本当に分かりやすい!そして、読みやすい!大人だから今更聞けない、知ってて当たり前な事もしっかり分かりやすく説明してくれているとても嬉しい本です。
学生が読んだらヘタな教科書よりも理解できるんじゃないかと思います。
それほど簡潔に難しいグローバル経済の事が書かれています。
そして、あやふやな表現は無く、しっかりパッチリ教えてくれる所が、
さすが同志社大学の教鞭をとっている先生だという感じがします。
世界のカネ・モノの流れを把握したい人 -
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政府部門も民間部門も赤字のアメリカ。それを補うためにドルを刷りまくった。今は基軸通貨であり、過去の栄光の残照もあって、過大評価されているが、所詮借金大国。これに対して日本は債権大国。多少の起伏はあっても長期トレンドでみれば1ドル=50円に向かって収斂している。1ドル50円時代の到来は、とりもなおさず、ドル基軸通貨時代の終焉を意味する。世界も日本もかつてのようにドルは使わない。すなわち、ドル相場の行方を巡って冷や汗をかく必要もないのである。隠れ基軸通貨である円は、身の丈にあった為替水準にドルが落ちつくようイニシアチブをとるべき。グローバル時代はどの国も大同小異。突出した強さを独占し他の追随を許さ
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ニーベルングの指環の話になぞらえて、これまでの基軸通貨の移り変わりとその中での日本の「円」の立場や果たしてきた役割をまとめてくれてて、非常にわかりやすく、著者の明晰な感じがとっても伝わってきました。
そして、歴史が繰り返すわけについても、深い洞察で「確かにな」と思いながら読み進めることができました。
そして、これから起こるであろう基軸通貨の変化に対しての提案もとても根拠のあるもので、地域通貨と基軸通貨それぞれの求められる役割と難しさをうまく解消できるモデルで、
「これがあるべき姿なんじゃないか?」って今回のユーロ危機を見ていて感じるところが多々ありました。
ちょっと、財布に複数種の通貨があるの -
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ひどい内容でした。
著者の言っていることがおかしいのではなく、菅首相の言っていること、やっていることが酷いと思いました。
菅首相のやっていることがおかしいことだらけだけど、それを全部あげつらい”スカノミクス”と呼ぶ人も、よく見ているものだな、毎日そんなことを考えて暮らしてよくおかしくならないな。と思いましたが、それを読んでいる自分までむなしくなりましたが。
でも、誰かが言ってくれなければ、政治は間違った方向に進むでしょう。いくら言ってもなぜ世論がこんなにも届かないのかと思います。
有名なところでは「Go To」を必死になって二階自民党幹事長個人のためにやって、感染拡大効果を否定していると -
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反アベノミクスの舌鋒鋭いエコノミスト、浜矩子さんがマルクスを語る!というちょっと意外な本。確かに現在の資本主義を理解するために資本論を読み返す、とか今マルクスが生きていたらどう考えたか・・みたいな本もかなり出てきていて、マルクスの視点が再評価されている・・のでしょうか。
資本論の入門書というわけでもなく、やはり中心になっているのは「この道しかない」として突き進むアベノミクス、世耕ー経産省路線への徹底的な批判です。人間不在の中身のない未来像に巻き込まれる労働者に対する温かい視線と、それにたいして何もしないだけではなく、むしろその流れに加担する「労働組合」への怒りが行間ににじみ出ています。
アベノ -
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ネタバレ2015年10月7日第1刷分。
この日付より後だから2016年になってたかもしれないけど、浜矩子さんと柳沢協二さんそれぞれをお招きしての講演会に行った。そのどちらかの時に、会場で購入したものと思う。
私が比較的、政治について語れるようになったのは、去年の参院選からだけど、それまでにも安倍政権に対する不信はずっと持っていた。そんな中、この方たちの講演会にも出かけて行ってたのだ。当時はまだわからないことが多かったけど(今だってまだ不十分だ)、わからないなりにいろんな知識や考え方を身に着けようとしていたのだなと思う。
このブックレットは、同年5月に行われた「鎌倉・九条の会」主催による「憲法のつど -
Posted by ブクログ
地球環境について触れているかと思って手にしたが環境には殆ど触れずにグローバル化した経済の理想と現実のギャップやユーロ、貿易などについて分かりやすく?(若者には分かりづらい比喩が多いクロサワ映画やベニスの商人などもしかしたら私が無知なだけ?)を使いながら書き連ねている本だった。
経済成長やグローバル化に反対するわけでもなく経済成長やグローバル化は大いに賛成だが今のグローバル化などはカネ、モノ、ヒトの順になっていて健全ではないといった主張だった。
また日本のような国は成長しきっているから他の視点を持つべきというのもよくわかった。
この2つの点は同意、リッチスタンに触れていたのも好印象。
経済学に触