浜矩子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
経済に明るくない人間にもわかりやすく書かれているのは、ありがたい。
長期的にはドルが力を失い続けること、目立たないながらも円が存在感を発揮していることがわかった。
・レーガノミックスは財政資金投入と大幅減税による需要喚起策だった。金利高政策によるドル高誘導によって輸入の増加を促したことでインフレを抑えることができたが、国内産業は危機に追いやられた。プラザ合意は、アメリカに対して各国がドル高を是正するよう迫ったもの。
・プラザ合意の翌年にまとめられた前川レポートで提言されていた日本経済の構造調整(規制緩和、護送船団方式をやめるなど)が実行されなかったことが、バブルを防げなかった要因。
・97年 -
Posted by ブクログ
ベストセラーとなった、「通貨を知れば世界が読める」の続編です。
「通貨」を中心に、現在の世界経済をまとめ、こらからの方向性を示してくれています。
重要だと思ったポイントは以下。
・円高はまだまだ続く。現在の適正水準から考えると、「1ドル50円」にまではなる。
・日本が海外に持っている債権の残高と、逆に海外からの債務の残高を差し引きした「対外純資産残高」の額は、250兆円。これはここ10年以上にわたって世界一。
・日本の、政府や国全体が保有する資産から負債を差し引いた国富は2010年末で約3000兆円。このようなリッチさを誇る国の通貨に対して、評価が高まるのは当然。
・地域通貨が欧州全土でブー -
Posted by ブクログ
ネタバレ「超円高」「ユーロ危機」を予見したと各界で話題沸騰!
ついに20万部を突破したベストセラー&決定版通貨論が本書だ。
なぜ我々は「円高・円安」に一喜一憂しなくてはならないのか、そもそも「通貨」とは何なのか……。
そんな壮大なテーマを、人気エコノミストがわかりやすくも刺激的に説いていく。
・そもそもの通貨の意味とは?
・基軸通貨を巡る各国の争いの歴史
・ドルの覇権はすでに終わっている!?
・ユーロの未来はいったいどうなるのか?
・「1ドル50円」時代はいつ来るのか?
・通貨の未来、そして円の未来とは?
など、面白くて読む手が止まらないトピックスが満載。
知的好奇心を満た -
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ミステリー仕立てで解き明かしていく世界経済、という本書は、その七つ道具として「ドラマ」「人」「数字」「座標軸」「反対」「歴史」「言葉」というキーワードを使っていきます。お時間があればどうぞ。
のっけからこういうこと言うのは何ですけれど、彼女は作家の岩井志麻子さんに似ていませんか?それはさておき、本書は経済の動向をミステリー仕立てで解説したものでございます。その謎解きのための七つ道具として紹介されているキーワードが、「ドラマ」「人」「数字」「座標軸」「反対」「歴史」「言葉」です。これを基にして世界経済を解説していくと面白いように型にはまっていくんですね。
僕が面白いなと思ったのはエリートの -
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この本をどうレビューしようか、と思いあぐねているうちに時間が経ってしまった。そこで、同志社大ビジネス研究科のHPを覗いてみると・・・
「経済の世界は謎解きの世界です。極上のミステリーのように筋書きが展開し、鋭利な知性による探求が真相をつきとめるのです。(以下略)」
浜さんは経済学をこういう風に捉えていたのか、と知ってこの本にも合点がいった。経済学に答えはない。通説に依っていては浜さんのような主張は理解できない。真理かどうかはともかく、経済の森羅万象を考えるネタとしては面白い。
今から1年以上前、震災より前に上梓された本だから、1年経って浜さんの主張を検証できる時期にきている。ドルは75円 -
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浜矩子・著。
2011年12月初版、142ページ。
EUとユーロのこれまでの歴史と、今後の展望について述べた本。
とりあえず、142ページしかないので、すぐに読める。
そして、相変わらず文章が平易でたとえ話が多いので、読みやすい。
ただ、内容も薄い。
特に、EU・ユーロの歴史や背景の部分への理解が深い人には、
正直読みごたえがない本だと思われる。
最後に提示されている、今後のユーロの在り方についても、
(未来予測なので仕方ない部分はあるが)量が少ない。
また、具体性も乏しい。
ただ、世間的に、ユーロへの絶望感が強い中で、
一応、EU・ユーロの将来的な方向性を提示できていることは評価できる -
Posted by ブクログ
ネタバレ「自分だけよければ病」、まさに今の経済状況を表す言葉であるように思う。また、「フラット化する世界」を引き合いに出し、横並びが発生すると同時にそれに耐えられなくなったものが、今度は縦並びになっていく。これにより、格差がより広がるという。
賃金だけが下方硬直性を維持せず、下方柔軟性に陥っていくことで、「モノの値段は上がるが、ヒトの値段は下がる」という最悪な状況になってしまう。そしてこの状況を続けていると、市場にカネが回らなくなる。
グローバル化の悪い面が顕在化した状況である。
そして、次世代を担うヒーロー像として、スーパーマンではなく、ドン・キホーテをあげていた。
偶然にも、何冊後かに読む予定